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タンパク質のリフォールディング剤、タンパク質のリフォールディング方法及びタンパク質の再生方法 新技術説明会

国内特許コード P180015088
整理番号 180022JP01
掲載日 2018年6月15日
出願番号 特願2018-109769
公開番号 特開2019-210258
出願日 平成30年6月7日(2018.6.7)
公開日 令和元年12月12日(2019.12.12)
発明者
  • 村岡 貴博
  • 岡田 隼輔
  • 奥村 正樹
  • 稲葉 謙次
  • 松▲崎▼ 元紀
出願人
  • 国立大学法人東京農工大学
  • 国立大学法人東北大学
発明の名称 タンパク質のリフォールディング剤、タンパク質のリフォールディング方法及びタンパク質の再生方法 新技術説明会
発明の概要 【課題】高い効率でタンパク質をリフォールディングすることが可能なタンパク質のリフォールディング剤を提供する。
【解決手段】下記式(I):
【化1】
(省略)
[式中、Xは、置換若しくは非置換の直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1以上10以下の二価炭化水素基、又は置換若しくは非置換の繰り返し数1以上10以下のポリオキシアルキレン基である]で表される化合物、及びその塩及び溶媒和物からなる群から選択される少なくとも1種を有効成分として含む、タンパク質のリフォールディング剤。
【選択図】図5
従来技術、競合技術の概要

機能性タンパク質、とりわけ抗体医薬等への関心が増すにつれ、遺伝子工学的手法による特定タンパク質の大量発現方法と、目的タンパク質の高収率回収方法の重要性が高まっている。中でも、大量発現時に生じるタンパク質の封入体から、目的タンパク質を活性をもつ状態で回収するリフォールディング過程において、回収収率が大きく減少する場合があり、その収率向上を可能にする技術は、産業面において重要である(非特許文献1)。

特にジスルフィド結合を有するタンパク質は全タンパク質の約1/3に相当し、免疫システムの根幹を担う免疫グロブリンやインスリン等の生体の恒常性維持に重要かつ膨大な因子をカバーしているが、未だ効率的なジスルフィド結合形成の触媒法は確立されていない現状である。特に問題となるのは、タンパク質製剤等を狙ったリコンビナントタンパク質の多くが、非天然型の分子間及び分子内ジスルフィド結合を形成し、不活性体を形成することである。複数のジスルフィド結合を有するタンパク質の場合、天然型のジスルフィド結合の架橋様式、すなわち酸化的リフォールディング過程の効率が、収率に大きく左右する。

その典型的な制御法として、ジスルフィド結合のシャッフリングがある。リフォールディング過程に還元剤と酸化剤を共存させ、ジスルフィド結合の形成と切断を繰り返し起こすことで、最安定な天然構造へと導く方法である。その際用いられる典型的な還元剤と酸化剤は、それぞれ、グルタチオン(GSH)、β-メルカプトエタノール(β-ME)、及びジチオスレイトール(DTT)と、グルタチオン酸化体(GSSG)である。例えばRNase Aの場合、GSH/GSSG存在下、及び非存在下(空気下)での回収収率が比較されており、GSH/GSSG存在下の方が、リフォールディング初期過程における同一時間での酵素活性は約2倍高く、活性回復の速さ(1/2活性回復時間)は約2.8倍速い(非特許文献2)。また、酸化的リフォールディングにおいて用いられる小分子還元剤(及びこれと組み合わせる酸化剤)として、GSH/GSSG(非特許文献2)、GSH+(±)-トランス-1,2-ビス(2-メルカプトアセトアミド)シクロヘキサン(BMC)/GSSG(非特許文献3)、芳香族チオール及びその二硫化物(Aromatic thiols and their disulfides)(非特許文献4)、環状セレノキシド(Cyclic selenoxide)(非特許文献5)、Cys-XX-Cys構造(Xは任意のアミノ酸であり、Cysはシステインである)を有するペプチド(非特許文献6)、セレノグルタチオン(Seleno glutathione)(非特許文献7)が知られる。しかしながら、環状セレノキシド及びセレノグルタチオンについては、重金属セレンを用いることによる毒性の問題があった。またBMCについては、GSHに対する補助剤として用いられるためGSH/GSSG系に比べ多種多量の添加剤を加える必要がある点で問題があった。芳香族チオールについては、ベンゼン環を持つ物質であることから、タンパク質への疎水性相互作用による非特異的吸着が起こり得る点で問題であった。Cys-XX-Cys構造を有するペプチドについては、プロテアーゼのコンタミネーションによる分解等の構造不安定性、またその合成にかかる高いコストが問題であった。

したがって、従来技術の問題点を回避しつつ、高い効率でタンパク質をリフォールディングすることが可能なリフォールディング剤が望まれていた。

産業上の利用分野

本発明は、タンパク質のリフォールディング剤、タンパク質のリフォールディング方法及びタンパク質の再生方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記式(I):
【化1】
(省略)
[式中、
Xは、置換若しくは非置換の直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1以上10以下の二価炭化水素基、又は置換若しくは非置換の繰り返し数1以上10以下のポリオキシアルキレン基である]
で表される化合物、及びその塩及び溶媒和物からなる群から選択される少なくとも1種を有効成分として含む、タンパク質のリフォールディング剤。

【請求項2】
Xが、置換若しくは非置換の直鎖状若しくは分岐鎖状の炭素数1以上5以下の二価炭化水素基である、請求項1に記載のリフォールディング剤。

【請求項3】
Xが、非置換であるか、又はヒドロキシル、カルボキシル及びアミノから選択される1種以上により置換されている、請求項1に記載のリフォールディング剤。

【請求項4】
Xが、非置換であるか、又はヒドロキシル、カルボキシル及びアミノから選択される1種以上により置換されている、請求項2に記載のリフォールディング剤。

【請求項5】
請求項1~4のいずれか1項に記載のリフォールディング剤の存在下で、アンフォールディングされたタンパク質を処理する工程を含む、タンパク質のリフォールディング方法。

【請求項6】
請求項1~4のいずれか1項に記載のリフォールディング剤の存在下で、アンフォールディングされたタンパク質を処理してリフォールディングする工程を含む、タンパク質の再生方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2018109769thum.jpg
出願権利状態 公開
※ 国立大学法人東京農工大学では、先端産学連携研究推進センターにおいて、知的財産の創出・権利化・活用に取り組んでいます。上記の特許・技術の内容および導入に興味・関心がありましたら、当センターまでお気軽にお問い合わせください。


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