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二酸化炭素の電気化学的還元

国内特許コード P180015113
整理番号 (AF39P001)
掲載日 2018年6月20日
出願番号 特願2017-502030
出願日 平成28年2月5日(2016.2.5)
国際出願番号 JP2016053558
国際公開番号 WO2016136433
国際出願日 平成28年2月5日(2016.2.5)
国際公開日 平成28年9月1日(2016.9.1)
優先権データ
  • 特願2015-037839 (2015.2.27) JP
  • 特願2015-160768 (2015.8.18) JP
発明者
  • 石谷 治
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 二酸化炭素の電気化学的還元
発明の概要 電気エネルギーを利用してCO2から一酸化炭素又はギ酸に選択的に還元する方法、それに用いる触媒、及び電気化学的還元システムの提供。
次の工程(a)及び(b)を有することを特徴とする二酸化炭素から一酸化炭素又はギ酸の電気化学的還元による製造方法。
(a)二酸化炭素と、一般式(1)



(式中、Mは、レニウム、マンガン、ルテニウム又は鉄を示し、
Xは、OR1、SR1、NR234又はPX123を示し、
Yは、CO、OR1、SR1、NR234又はPX123を示し、
A環及びB環は、同一又は異なって、置換基を有していてもよい窒素原子含有複素環を示し、
1は、置換基を有していてもよい炭化水素基を示し、
2、R3及びR4の1~3個は、同一又は異なって置換基を有していてもよい炭化水素基を示し、残余は水素原子を示し、
1、X2及びX3の1~3個は、同一又は異なって置換基を有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭化水素オキシ基を示し、残余は水素原子又はヒドロキシ基を示す。)
で表される金属錯体とを反応させる工程、
(b)二酸化炭素と一般式(1)で表される金属錯体の反応物に電圧を印加する工程。
従来技術、競合技術の概要


現在、人類は地球温暖化や炭素資源の枯渇といった深刻な問題を抱えている。この解決手段として、光エネルギーを化学エネルギーへと変換する触媒が注目されている。もし、無尽蔵な太陽光エネルギーを活用し、二酸化炭素(CO2)を有用な化合物へと変換することができれば、これらの問題を一挙に解決できると期待されている。しかし、CO2は炭素化合物の最終酸化状態であるため、物理的にも化学的にも非常に安定であり、反応性は極めて低い。



近年、このCO2を還元して有用な化合物へと変換する技術が、いくつか報告されている。例えば、特許文献1には、CO2と水素とを触媒の存在下に反応させてギ酸を得る方法が、特許文献2には、CO2に、半導体電極に光照射することにより生じた励起電子を触媒に移動させて還元してギ酸を得る方法が記載されている。また、特許文献3及び非特許文献1には、レニウム錯体にCO2を接触させ、これに光を照射することによりCO2を一酸化炭素に還元する方法が報告されている。また、CO2を金属錯体触媒の存在下電気化学的に還元する試みもなされている(特許文献4)。

産業上の利用分野


本発明は、二酸化炭素から一酸化炭素又はギ酸への電気化学還元方法及びそれに用いる触媒に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
次の工程(a)及び(b)を有することを特徴とする二酸化炭素から一酸化炭素の電気化学的還元による製造方法。
(a)二酸化炭素と、一般式(1)
【化1】


(式中、Xは、OR1、SR1、NR234又はPX123を示し、
Yは、CO、OR1、SR1、NR234又はPX123を示し、
A環及びB環は、同一又は異なって、置換基を有していてもよい窒素原子含有複素環を示し、
1は、置換基を有していてもよい炭化水素基を示し、
2、R3及びR4の1~3個は、同一又は異なって置換基を有していてもよい炭化水素基を示し、残余は水素原子を示し、
1、X2及びX3の1~3個は、同一又は異なって置換基を有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭化水素オキシ基を示し、残余は水素原子又はヒドロキシ基を示す。)
で表される金属錯体とを反応させる工程、
(b)二酸化炭素と一般式(1)で表される金属錯体の反応物に電圧を印加する工程。

【請求項2】
前記工程(a)及び(b)が作用極及び対極を有する電気化学的セル内で行われる方法であり、工程(a1)及び(b1)を含むものである請求項1記載の製造方法。
(a1)二酸化炭素を電気化学的セル内の前記金属錯体を含む溶液中に導入する工程、
(b1)電気化学的セルの作用極及び対極に負の電圧及び正の電圧をそれぞれ印加する工程。

【請求項3】
二酸化炭素の導入が、前記金属錯体を含有する溶液中に二酸化炭素含有ガスを導入する請求項2記載の製造方法。

【請求項4】
反応に用いる二酸化炭素が、二酸化炭素を0.03~100%含有するガスである請求項1~3のいずれか1項記載の製造方法。

【請求項5】
A環及びB環を含む窒素原子含有複素環が、置換基を有していてもよい2,2’-ビピリジン構造を有する複素環である請求項1~4のいずれか1項記載の製造方法。

【請求項6】
1、R2、R3、R4、X1、X2及びX3で示される置換基を有していてもよい炭化水素基が、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基又は芳香族炭化水素基(これらの基は、一級、二級若しくは三級アミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、アルカノイル基及びアリールカルボニル基から選ばれる1~3個の置換基を有していてもよい)である請求項1~5のいずれか1項記載の製造方法。

【請求項7】
請求項1~6のいずれか1項記載の製造方法により得られた一酸化炭素を還元剤として使用することを特徴とする二酸化炭素から一酸化炭素の製造方法。

【請求項8】
請求項1~6のいずれか1項記載の製造方法により得られた一酸化炭素を原料とする炭化水素系化合物の製造方法。

【請求項9】
一般式(1)
【化2】


(式中、Xは、OR1、SR1、NR234又はPX123を示し、
Yは、CO、OR1、SR1、NR234又はPX123を示し、
A環及びB環は、同一又は異なって、置換基を有していてもよい窒素原子含有複素環を示し、
1は、置換基を有していてもよい炭化水素基を示し、
2、R3及びR4の1~3個は、同一又は異なって置換基を有していてもよい炭化水素基を示し、残余は水素原子を示し、
1、X2及びX3の1~3個は、同一又は異なって置換基を有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭化水素オキシ基を示し、残余は水素原子又はヒドロキシ基を示す。)
で表される二酸化炭素から一酸化炭素への電気化学的還元用触媒。

【請求項10】
A環及びB環を含む窒素原子含有複素環が、置換基を有していてもよい2,2’-ビピリジン構造を有する複素環である請求項9記載の触媒。

【請求項11】
1、R2、R3、R4、X1、X2及びX3で示される置換基を有していてもよい炭化水素基が、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基又は芳香族炭化水素基(これらの基は、一級、二級若しくは三級アミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、アルカノイル基及びアリールカルボニル基から選ばれる1~3個の置換基を有していてもよい)である請求項9又は10記載の触媒。

【請求項12】
次の工程(a)及び(b)を有することを特徴とする二酸化炭素からギ酸の電気化学的還元による製造方法。
(a)二酸化炭素と、一般式(2)
【化3】


(式中、M1は、マンガン、ルテニウム又は鉄を示し、
Xは、OR1、SR1、NR234又はPX123を示し、
Yは、CO、OR1、SR1、NR234又はPX123を示し、
A環及びB環は、同一又は異なって、置換基を有していてもよい窒素原子含有複素環を示し、
1は、置換基を有していてもよい炭化水素基を示し、
2、R3及びR4の1~3個は、同一又は異なって置換基を有していてもよい炭化水素基を示し、残余は水素原子を示し、
1、X2及びX3の1~3個は、同一又は異なって置換基を有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭化水素オキシ基を示し、残余は水素原子又はヒドロキシ基を示す。)
で表される金属錯体とを反応させる工程、
(b)二酸化炭素と一般式(2)で表される金属錯体の反応物に電圧を印加する工程。

【請求項13】
前記工程(a)及び(b)が作用極及び対極を有する電気化学的セル内で行われる方法であり、工程(a1)及び(b1)を含むものである請求項12記載の製造方法。
(a1)二酸化炭素を電気化学的セル内の前記金属錯体を含む溶液中に導入する工程、
(b1)電気化学的セルの作用極及び対極に負の電圧及び正の電圧をそれぞれ印加する工程。

【請求項14】
二酸化炭素の導入が、前記金属錯体を含有する溶液中に二酸化炭素含有ガスを導入する請求項13記載の製造方法。

【請求項15】
反応に用いる二酸化炭素が、二酸化炭素を0.03~100%含有するガスである請求項12~14のいずれか1項記載の製造方法。

【請求項16】
A環及びB環を含む窒素原子含有複素環が、置換基を有していてもよい2,2’-ビピリジン構造を有する複素環である請求項12~15のいずれか1項記載の製造方法。

【請求項17】
1、R2、R3、R4、X1、X2及びX3で示される置換基を有していてもよい炭化水素基が、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基又は芳香族炭化水素基(これらの基は、一級、二級若しくは三級アミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、アルカノイル基及びアリールカルボニル基から選ばれる1~3個の置換基を有していてもよい)である請求項12~16のいずれか1項記載の製造方法。

【請求項18】
一般式(2)
【化4】


(式中、M1は、マンガン、ルテニウム又は鉄を示し、
Xは、OR1、SR1、NR234又はPX123を示し、
Yは、CO、OR1、SR1、NR234又はPX123を示し、
A環及びB環は、同一又は異なって、置換基を有していてもよい窒素原子含有複素環を示し、
1は、置換基を有していてもよい炭化水素基を示し、
2、R3及びR4の1~3個は、同一又は異なって置換基を有していてもよい炭化水素基を示し、残余は水素原子を示し、
1、X2及びX3の1~3個は、同一又は異なって置換基を有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭化水素オキシ基を示し、残余は水素原子又はヒドロキシ基を示す。)
で表される二酸化炭素からギ酸への電気化学的還元用触媒。

【請求項19】
A環及びB環を含む窒素原子含有複素環が、置換基を有していてもよい2,2’-ビピリジン構造を有する複素環である請求項18記載の触媒。

【請求項20】
1、R2、R3、R4、X1、X2及びX3で示される置換基を有していてもよい炭化水素基が、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基又は芳香族炭化水素基(これらの基は、一級、二級若しくは三級アミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、アルカノイル基及びアリールカルボニル基から選ばれる1~3個の置換基を有していてもよい)である請求項18又は19記載の触媒。

【請求項21】
一般式(2a)
【化5】


(式中、M1は、マンガン、ルテニウム又は鉄を示し、
Xは、O(CH2nNR56、NR56又はPX123を示し、
Yは、CO、C(CH2)nNR56、NR56又はPX123を示し、
A環及びB環は、同一又は異なって、置換基を有していてもよい窒素原子含有複素環を示し、
1、X2及びX3の1~3個は、同一又は異なって置換基を有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭化水素オキシ基を示し、残余は水素原子又はヒドロキシ基を示し、
5及びR6は、同一又は異なって、アルキル基、ヒドロキシアルキル基又は水素原子を示し、
nは2~8の数を示す。)
で表される金属錯体。

【請求項22】
A環及びB環を含む窒素原子含有複素環が、置換基を有していてもよい2,2’-ビピリジン構造を有する複素環である請求項21記載の金属錯体。

【請求項23】
1、X2及びX3で示される置換基を有していてもよい炭化水素基が、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基又は芳香族炭化水素基(これらの基は、一級、二級若しくは三級アミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、アルカノイル基及びアリールカルボニル基から選ばれる1~3個の置換基を有していてもよい)である請求項21又は22記載の金属錯体。

【請求項24】
電気化学的還元により二酸化炭素から一酸化炭素を製造するシステムであって、
金属錯体を含む溶液、作用極、及び対極を具備した電気化学セル部と、
前記電気化学セル部内の前記金属錯体を含む溶液に、二酸化炭素を注入する注入部と、
前記電気化学セル部内の前記作用極及び対極の間に、正または負の電圧を印加可能とする電圧源と、
前記金属錯体を含む溶液内で生成した一酸化炭素を排出する排出部と、
を有し、
前記金属錯体を含む溶液と二酸化炭素によって生成される前記金属錯体反応物に、正または負の電圧を印加することによって、一酸化炭素を生成せしめる一酸化炭素製造システム。

【請求項25】
前記金属錯体が一般式(1)
【化6】


(式中、Xは、OR1、SR1、NR234又はPX123を示し、
Yは、CO、OR1、SR1、NR234又はPX123を示し、
A環及びB環は、同一又は異なって、置換基を有していてもよい窒素原子含有複素環を示し、
1は、置換基を有していてもよい炭化水素基を示し、
2、R3及びR4の1~3個は、同一又は異なって置換基を有していてもよい炭化水素基を示し、残余は水素原子を示し、
1、X2及びX3の1~3個は、同一又は異なって置換基を有していてもよい炭化水素基又は置換基を有していてもよい炭化水素オキシ基を示し、残余は水素原子又はヒドロキシ基を示す。)
で表される金属錯体である請求項24記載の一酸化炭素製造システム。

【請求項26】
前記二酸化炭素を送出する送出部において、前記二酸化炭素は濃縮することなく送出される請求項24又は25記載の一酸化炭素製造システム。

【請求項27】
前記金属錯体を含む溶液から、排出される一酸化炭素の濃度を検出する一酸化炭素検出部をさらに含む請求項24~26のいずれか1項記載の一酸化炭素製造システム。

【請求項28】
前記一酸化炭素検出部が、ガスクロマトグラフィーである請求項27記載の一酸化炭素製造システム。

【請求項29】
A環及びB環を含む窒素原子含有複素環が、置換基を有していてもよい2,2’-ビピリジン構造を有する複素環である請求項24~28のいずれか1項記載の一酸化炭素製造システム。

【請求項30】
1、R2、R3、R4、X1、X2及びX3で示される置換基を有していてもよい炭化水素基が、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基又は芳香族炭化水素基(これらの基は、一級、二級若しくは三級アミノ基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アリールオキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、ホルミル基、アルカノイル基及びアリールカルボニル基から選ばれる1~3個の置換基を有していてもよい)である請求項24~29のいずれか1項記載の一酸化炭素製造システム。
国際特許分類(IPC)
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出願権利状態 公開
参考情報 (研究プロジェクト等) CREST 新機能創出を目指した分子技術の構築 領域
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