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比色蛍光検出型アニオンセンサー 新技術説明会

国内特許コード P180015139
整理番号 P17-064
掲載日 2018年6月29日
出願番号 特願2018-033903
公開番号 特開2019-148517
出願日 平成30年2月27日(2018.2.27)
公開日 令和元年9月5日(2019.9.5)
発明者
  • 前田 勝浩
  • 廣瀬 大祐
  • 清水 耀一
出願人
  • 国立大学法人金沢大学
発明の名称 比色蛍光検出型アニオンセンサー 新技術説明会
発明の概要 【課題】目視によりアニオン種の識別及び定量が可能な比色蛍光検出型アニオンセンサーを提供する。
【解決手段】一方向巻きのらせん構造を有する下記式で表わされる光学活性ポリ(ジフェニルアセチレン)化合物又はその塩、或いはその溶媒和物を含有する。
(式省略)
式中、*は不斉炭素原子を示し、nは10以上の整数を示す。R,R’及びR’’は全て異なる基を示す。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要

塩化物イオンや硫酸イオンなどの無機アニオン、カルボキシ基やリン酸基等を有するアニオン性基質は、エネルギー代謝、膜輸送、細胞内外における浸透圧調整等の生体内における生命活動に関わる物質であるだけでなく、土壌汚染、河川、湖沼の富栄養化、酸性雨などの環境汚染における重要な指標の一つであることが知られている。したがって、このようなアニオン種の選択的な検出は、各種疾患や環境汚染の発見につながるため、簡便かつ精度の高いアニオン種の分析法の開発は不可欠である。

アニオン種を検出するための分析法としては、主に、イオンクロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、ガスクロマトグラフィー(GC)等が知られているが、これらはいずれも大型の装置が必要であり、測定に時間やコストを要する等の問題を有している。近年、精密な機器分析を行う前の簡易スクリーニングとして、試料溶液の色や蛍光強度の変化により試料溶液中に含まれるアニオン種を目視等の簡便且つ迅速な手法により識別し得るセンサーの開発が注目を集めている。

これまでに、比色又は蛍光検出型アニオンセンサーとして機能する有機分子又は金属錯体は、いくつか報告されている。
水溶液中のアニオン(ピロリン酸イオン、リン酸イオン、クエン酸イオン、ハロゲンイオン、及びヌクレオチドからなる群から選択される一種又は複数種のアニオン)を検出し得る蛍光センサーとして、クマリン部位を側鎖として有する環状ポリアミンの金属錯体(カドミウム(II)錯体)が報告されている(特許文献1)。
過塩素酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、硝酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、トリフルオロ酢酸イオン、ヨウ化物イオン、臭化物イオン又は塩化物イオン等を比色検出し得るセンサーとして、二配位可能な特定の有機配位子を有する金属錯体(銅(II)錯体)が報告されている(特許文献2)。
トリアリールメタン色素型錯体(亜鉛、カドミウム又は水銀錯体)を含有する比色検出型のシアン化物イオンセンサーが報告されている(特許文献3)。
蛍光プローブを導入したカリックスピロールが、アニオン認識能を示すことが報告されている(非特許文献1)。
比色又は蛍光検出型のフッ化物イオンセンサーとして、π-共役系有機ホウ素ポリマーが報告されている(非特許文献2)。
比色検出型のアニオンセンサーとして、特定のキラルアミノ酸側鎖を有するポリアセチレン誘導体が報告されている(非特許文献3)。

しかし、上記公知のセンサーは、その合成に多段階を必要としたり、高価で有害な重金属を使用したり、アニオン種の識別感度が低い等、それらの実用化には多くの問題点を有していた。

本発明者らは、最近、一方向巻きのらせん構造を有する下記式:

【化1】
(省略)

[式中、
、R’、R、R’、R、R’、R及びR’は、独立してそれぞれ水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアルキルチオ基、トリ置換シリル基、トリ置換シロキシ基又は置換されていてもよいアシルオキシ基を示し;並びに
nは、10以上の整数を示す。]
で表されるポリ(ジフェニルアセチレン)化合物の各カルボキシ基に、光学活性キラルアミン化合物を縮合させてアミド化すると、特定の溶媒中において、原料として使用した光学活性キラルアミン化合物の光学純度や絶対配置の差異により全く異なる色調および蛍光特性を示すことを報告した(特許文献4)。しかし、かかるアミド化されたポリ(ジフェニルアセチレン)化合物が、アニオンセンサーとして利用された報告例はない。

産業上の利用分野

本発明は、一方向巻きのらせん構造を有するポリ(ジフェニルアセチレン)化合物を含有する比色蛍光検出型アニオンセンサー、並びにそれを用いるアニオン種の識別方法及びアニオンの濃度決定方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
一方向巻きのらせん構造を有する式(I):
【化1】
(省略)
[式中、
、R’、R、R’、R、R’、R及びR’は、独立してそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアルキルチオ基、トリ置換シリル基、トリ置換シロキシ基又は置換されていてもよいアシルオキシ基を示し;
R、R’及びR’’は、独立してそれぞれ、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアルコキシカルボニル基、置換されていてもよいアリール基又は置換されていてもよいヘテロアリール基を示し;
の付された炭素原子は、不斉炭素原子を示し;並びに
nは、10以上の整数を示す。ただし、R、R’及びR’’は、全て異なる基を示す。]
で表される光学活性ポリ(ジフェニルアセチレン)化合物又はその塩、或いはその溶媒和物を含有する比色蛍光検出型アニオンセンサー。

【請求項2】
R、R’及びR’’が、独立してそれぞれ、水素原子、C1-4アルキル基、C3-8シクロアルキル基又はC6-10アリール基である、請求項1に記載の比色蛍光検出型アニオンセンサー。

【請求項3】
カルボン酸イオン、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、テトラフェニルホウ酸イオン、及び/又はリン酸イオンを検出するための、請求項1又は2に記載の比色蛍光検出型アニオンセンサー。

【請求項4】
識別対象のアニオンを、テトラヒドロフランを含む溶媒中に10-4M以上の濃度で含有する試料溶液を作製し、それをm個に分ける工程、光学純度の異なるm個の、一方向巻きのらせん構造を有する式(I):
【化2】
(省略)
[式中、
、R’、R、R’、R、R’、R及びR’は、独立してそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアルキルチオ基、トリ置換シリル基、トリ置換シロキシ基又は置換されていてもよいアシルオキシ基を示し;
R、R’及びR’’は、独立してそれぞれ、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアルコキシカルボニル基、置換されていてもよいアリール基又は置換されていてもよいヘテロアリール基を示し;
の付された炭素原子は、不斉炭素原子を示し;並びに
nは、10以上の整数を示す。ただし、R、R’及びR’’は、全て異なる基を示す。]
で表される光学活性ポリ(ジフェニルアセチレン)化合物のそれぞれを、テトラヒドロフランを含む溶媒中に溶解させたm個のセンサー溶液1~mを調製する工程、m個の試料溶液のそれぞれに、センサー溶液1~mのいずれかを加えて、m個の試験溶液1~mを調製する工程、テトラヒドロフランを含む溶媒中にn’種の特定されたアニオンを、前記試料溶液と同濃度で含有する溶液を各アニオン種毎にm個ずつ作製し、そのそれぞれに、前記センサー溶液1~mのいずれかを加えて、m個の標準試料溶液1~mをn’セット調製する工程、並びに前記試験溶液1~mと前記各標準試料溶液1~mの色調及び/又は蛍光強度を、それぞれ比較観測することにより、識別対象のアニオンの種類を特定する工程を含み、前記mが、2~10の整数であり、且つ前記n’が、2~7の整数である、アニオン種の識別方法。

【請求項5】
mが3~5の整数である、請求項4に記載の方法。

【請求項6】
テトラヒドロフランを含む溶媒が、テトラヒドロフラン、テトラヒドロフランとアセトンの混合溶媒、又はテトラヒドロフランとクロロホルムの混合溶媒である、請求項4又は5に記載の方法。

【請求項7】
識別対象のアニオンが、カルボン酸イオン、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、テトラフェニルホウ酸イオン、及びリン酸イオンからなる群より選択される、請求項4~6のいずれか一項に記載の方法。

【請求項8】
濃度不明なアニオンを、テトラヒドロフランを含む溶媒中に含有する試料溶液をm’個に分ける工程、光学純度の異なるm’個の、一方向巻きのらせん構造を有する式(I):
【化3】
(省略)
[式中、
、R’、R、R’、R、R’、R及びR’は、独立してそれぞれ、水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアルキルチオ基、トリ置換シリル基、トリ置換シロキシ基又は置換されていてもよいアシルオキシ基を示し;
R、R’及びR’’は、独立してそれぞれ、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいシクロアルキル基、置換されていてもよいアルコキシカルボニル基、置換されていてもよいアリール基又は置換されていてもよいヘテロアリール基を示し;
の付された炭素原子は、不斉炭素原子を示し;並びに
nは、10以上の整数を示す。ただし、R、R’及びR’’は、全て異なる基を示す。]
で表される光学活性ポリ(ジフェニルアセチレン)化合物のそれぞれを、テトラヒドロフランを含む溶媒中に溶解させたm’個のセンサー溶液1~m’を調製する工程、m’個の試料溶液のそれぞれに、センサー溶液1~m’のいずれかを加えて、m’個の試験溶液1~m’を調製する工程、テトラヒドロフランを含む溶媒中に前記アニオンを、それぞれ異なる特定の濃度で含有する溶液を、n’’種作製し、n’’種の各溶液をm’個に分け、そのそれぞれに、前記センサー溶液1~m’のいずれかを加えて、m’個の標準試料溶液1~m’をn’’セット調製する工程、並びに前記試験溶液1~m’と前記各標準試料溶液1~m’の色調及び/又は蛍光強度を比較観測することにより、前記試料溶液中に含まれるアニオン濃度を決定する工程を含み、前記m’が、2~10の整数であり、且つ前記n’’が、2~10の整数である、アニオンの濃度決定方法。

【請求項9】
m’が3~5の整数であり、且つn’’が、3~5の整数である、請求項8に記載の方法。

【請求項10】
テトラヒドロフランを含む溶媒が、テトラヒドロフラン、テトラヒドロフランとアセトンの混合溶媒、又はテトラヒドロフランとクロロホルムの混合溶媒である、請求項8又は9に記載の方法。

【請求項11】
アニオンが、カルボン酸イオン、フッ化物イオン、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン又はリン酸イオンである、請求項8~10のいずれか一項に記載の方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
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なお、既に活用のお申し込み・お打合わせ等の段階に入っている場合もございますので、予めご承知おきください。


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