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エピガロカテキンを含むオリゴマーおよびその製造方法 新技術説明会

国内特許コード P180015174
整理番号 L17023
掲載日 2018年7月13日
出願番号 特願2018-037661
公開番号 特開2019-151583
出願日 平成30年3月2日(2018.3.2)
公開日 令和元年9月12日(2019.9.12)
発明者
  • 真壁 秀文
  • 藤井 博
出願人
  • 国立大学法人信州大学
発明の名称 エピガロカテキンを含むオリゴマーおよびその製造方法 新技術説明会
発明の概要 【課題】エピガロカテキンが2つ以上重合したオリゴマー及びその製造方法の提供。
【解決手段】オリゴマーは、下記一般式(VI)(式中、R1~R23はフェノ-ル性水酸基の保護基または水素、nは1以上10以下の整数)で表される化合物。その製造方法は、下記一般式(I)で表される化合物を、下記一般式(V-1)または(V-2)で表される化合物と縮合させる工程を含む。
(式省略)
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要

エピガロカテキン等のフラボノイドが2つ以上重合した化合物はプロデルフィニジンと総称され、抗酸化作用や抗腫瘍作用、発ガン抑制作用、グルコシダーゼ阻害作用等の生理作用があり、健康食品や化粧品などの素材として広く利用されている。

プロデルフィニジンとしては、エピガロカテキン-(β4→8)-ガロカテキンの構造を有するプロデルフィニジンB1、エピガロカテキン-(β4→8)-エピガロカテキンの構造を有するプロデルフィジンB2、ガロカテキン-(α4→8)-カテキンの構造を有するプロデルフィニジンB3、ガロカテキン-(α4→8)-エピガロカテキンの構造を有するプロデルフィニジンBなどが知られている。

また、昨今の健康志向、自然派志向の高まりにより、天然由来の生理活性物質に対する各種の研究が進められており、例えば、オクラのフラボノイド類やポリフェノールにはグリコシダーゼ阻害作用を示すこと、およびビタミンCや抗酸化剤であるBHAと同程度の抗酸化作用を示すことが確認されている。また、オクラに含まれるポリフェノールの一種が、具体的な構造に関するデータが少ないものの、エピガロカテキンを主体とした重合体であるプロデルフィニジンである事が確認されている。

しかしながら、これまでに製造が報告されているプロアントシアニジン類の重合体は、構成単位がカテキンまたはエピカテキンが中心であった。そのため、カテキンまたはエピカテキンに限定されず、例えばプロデルフィニジンのようなエピガロカテキンおよびガロカテキンのオリゴマーも効率的に製造できる製造方法が求められていた。

プロデルフィニジンは、ガロカテキン又はエピガロカテキンの単量体には見られない生理活性があり、オリゴマーの重合度が高くなるほど、生理活性が強くなることが期待されている。そのため、エピガロカテキン等のフラボノイドからプロデルフィニジン類を製造する方法として幾つかの方法がこれまでに提案されている(例えば、非特許文献1、2参照)。

非特許文献1には、ガロカテキンを公知の方法により求電子体と求核体の2種の反応性誘導体に変換し、Yb(OTf)を触媒として、室温で(例えば23°C)それぞれ等量ずつ反応させて得られる生成物から光学選択的にプロシデルフィニジンB3誘導体を得る方法が開示されている。

また、非特許文献2には、同様にガロカテキンやエピガロカテキンより変換された2種の反応性誘導体を、Yb(OTf)を触媒としてそれぞれ等量ずつ反応させることで、光学選択的に2量体の誘導体に導く方法が開示されている。

さらに非特許文献3には、エピガロカテキンより変換された反応性誘導体を自己縮合により2量化し、この化合物をエピガロカテキンより変換された反応性誘導体とZn(OTf)を触媒として光学選択的に3量体誘導体に導く方法が開示されている。

しかしながら、非特許文献3に開示されたエピガロカテキン3量体の製造方法は、例えば、2量体の反応性誘導体の収率が中程度に留まっていることによる経済的な損失の問題、反応後の副生成物による精製操作の煩雑さの問題等により効率が良くないという問題があった。このような問題からこれらの合成反応は産業的にほとんど利用されていない。

上述の通り、プロデルフィニジンは、植物中に多く含まれる成分ではあるが、構造が複雑でかつ化学的に不安定であることから、これまで高純度の化合物を得ることが難しかった。特に重合度が大きくなるほど、その製造が難しかった。

よって、オクラには有用な生理活性を示す成分が含まれているが、加工食品には殆ど利用されていない。そのため、オクラに含まれる生理活性物質に着目した新たな用途の拡大が期待されている。しかしながら、生理活性を確認するための標品を製造することが困難で、生理活性の研究を進められなかった。

そこで特許文献1は、反応触媒として、金属トリフラート、好ましくは、イッテルビウムトリフラート(Yb(OTf))、インジウムトリフラート(In(OTf))、カッパートリフラート(Cu(OTf))、ランタントリフラート(La(OTf))又はスカンジウムトリフラート(Sc(OTf))若しくはホウ素化合物、好ましくは、四フッ素化ホウ素銀(AgBF)又はトリス(ペンタフルオロフェニル)ボロン(B(C)の存在下、求電子体と求核体のカテキン又はエピカテキン単量体の反応性誘導体を反応させて、カテキン又はエピカテキンの2量体を製造できることを示している。ここで、「金属トリフラート」とはトリフルオロメタンスルホン酸と金属との塩を意味する。

また、求核体としてエピカテキン2量体を用い、求電子体としてエピカテキン2~4量体を用いて、亜鉛トリフラート(Zn(OTf))の存在下に反応させることにより、エピカテキン4~6量体を製造できることが開示されている(特許文献2)。

また、エピカテキン保護体を製造原料として用い、塩化メチレン中、反応触媒として亜鉛トリフラートを用いて反応させることにより2量体縮合物を得て、さらに他の2量体とを、反応触媒として亜鉛トリフラートを用いて反応することにより、4量体縮合物へと導く技術が開示されている(特許文献3)。

産業上の利用分野

本発明は、エピガロテキンを含む3量体以上のオリゴマーおよびその簡易な製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記一般式(VI)(式中、R1~R23はフェノ-ル性水酸基の保護基として使用される基の中からそれぞれ独立して選択される任意の保護基または水素、X1~X2はアルコ-ル性水酸基の保護基として使用される基の中からそれぞれ独立して選択される任意の保護基または水素、nは1以上10以下の整数)で表される化合物。

【化17】
(省略)

【請求項2】
前記R1~R23が、それぞれ独立して、芳香族炭化水素基又は脂肪族炭化水素基である、請求項1に記載の化合物。

【請求項3】
前記X1およびX2が、それぞれ独立して、アシル基、置換アシル基、ベンジル基、置換ベンジル基、アルキル基、アリ-ルアルキル基又は置換アリ-ルアルキル基である、請求項1または2に記載の化合物。

【請求項4】
下記一般式(VII)で表される、請求項1に記載の化合物。

【化18】
(省略)

【請求項5】
請求項1に記載の化合物を製造する製造方法であって、
下記一般式(I)(式中、R1~R10はフェノ-ル性水酸基の保護基として使用される基の中からそれぞれ独立して選択される任意の保護基、X1~X2はアルコ-ル性水酸基の保護基として使用される基の中からそれぞれ独立して選択される任意の保護基、Yは脱離基)で表される化合物を、下記一般式(V-1)または(V-2) (式中、R11~R24はフェノ-ル性水酸基の保護基として使用される基の中からそれぞれ独立して選択される任意の保護基、nは1以上9以下の整数)で表される化合物と縮合させる工程を含む、製造方法。
【化19】
(省略)
【化20】
(省略)

【請求項6】
前記Yが、アルキルオキシ基、アルキルオキシアルキルオキシ基又はアリ-ルアルキルオキシ基である、請求項5に記載の製造方法。

【請求項7】
前記Yがエチレングリコ-ルである、請求項6に記載の製造方法。

【請求項8】
前記縮合をルイス酸の存在下で行う、請求項5~7のいずれか一項に記載の製造方法。

【請求項9】
前記ルイス酸はイッテルビウムトリフラ-ト(Yb(OTf))である、請求項8に記載の製造方法。

【請求項10】
前記縮合を0℃以上23℃以下で行う、請求項5~9のいずれか一項に記載の製造方法。

【請求項11】
前記R1~R24及び前記X1~X2で表される保護基を脱保護する反応工程を更に含む、請求項5に記載の製造方法。

【請求項12】
下記一般式(III)(式中、R1~R14はフェノ-ル性水酸基の保護基として使用される基の中からそれぞれ独立して選択される任意の保護基または水素、X1~X2はアルコ-ル性水酸基の保護基として使用される基の中からそれぞれ独立して選択される任意の保護基または水素、波線で表される結合は実線または破線のくさび形結合)で表される化合物。

【化21】
(省略)

【請求項13】
前記R1~R14が、それぞれ独立して、芳香族炭化水素基又は脂肪族炭化水素基である、請求項12に記載の化合物。

【請求項14】
前記X1およびX2が、それぞれ独立して、アシル基、置換アシル基、ベンジル基、置換ベンジル基、アルキル基、アリ-ルアルキル基又は置換アリ-ルアルキル基である、請求項12または13に記載の化合物。

【請求項15】
前記Zが、水酸基、又は水素である、請求項12~14のいずれか一項に記載の化合物。

【請求項16】
下記一般式(IV)で表される、請求項12に記載の化合物。

【化22】
(省略)

【請求項17】
請求項12に記載の化合物を製造する方法であって、
下記一般式(I) (式中、R1~R10はフェノ-ル性水酸基の保護基として使用される基の中からそれぞれ独立して選択される任意の保護基、X1~X2はアルコ-ル性水酸基の保護基として使用される基の中からそれぞれ独立して選択される任意の保護基、Yは脱離基)で表される化合物を、単離・精製することなく、下記一般式(II) (式中、R11~R14はフェノ-ル性水酸基の保護基として使用される基の中からそれぞれ独立して選択される任意の保護基、Zは水酸基または水素、波線で表される結合は実線又は破線のくさび形結合) で表される化合物と縮合させる工程を含む、製造方法。

【化23】
(省略)
【化24】
(省略)

【請求項18】
前記Yが、アルキルオキシ基、アルキルオキシアルキルオキシ基又はアリ-ルアルキルオキシ基である、請求項17に記載の化合物。

【請求項19】
前記縮合をルイス酸の存在下で行う、請求項17または18に記載の製造方法。

【請求項20】
前記ルイス酸はイッテルビウムトリフラ-ト(Yb(OTf))である、請求項19に記載の製造方法。

【請求項21】
前記縮合を0℃以上23℃以下で行う、請求項17~21のいずれか一項に記載に記載の製造方法。

【請求項22】
前記R1~R14及び前記X1~X2で表される保護基を脱保護する反応工程を更に含む、請求項17に記載の製造方法。
国際特許分類(IPC)
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出願権利状態 公開
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