Top > Search of Japanese Patents > (In Japanese)ミトコンドリア病治療薬

(In Japanese)ミトコンドリア病治療薬 UPDATE_EN

Patent code P180015184
File No. S2018-0223-N0
Posted date Jul 24, 2018
Application number P2017-246492
Publication number P2019-112338A
Date of filing Dec 22, 2017
Date of publication of application Jul 11, 2019
Inventor
  • Kazuhito Tomizawa
  • Fan-Yan Wei
Applicant
  • Kumamoto University
Title (In Japanese)ミトコンドリア病治療薬 UPDATE_EN
Abstract (In Japanese)
【課題】
  本発明の課題は、新たな作用機序のミトコンドリア病の治療薬を提供することである。
【解決手段】
 本発明により、タウロウルソデオキシコール酸(TUDC)、フェニル酪酸(PBA)、およびそれらの薬学的に許容される塩からなる群より選ばれる少なくとも一つの化合物を有効成分として含有する遺伝性ミトコンドリア病の治療および/または予防のための医薬組成物が提供される。本発明の医薬組成物は、mt-tRNALeu(UUR)、mt-tRNATrp、mt-tRNALys、mt-tRNAGlu、およびmt-tRNAGlnからなる群より選ばれる少なくとも一つのmt-tRNAのタウリンの修飾の異常に起因するミトコンドリア病またはMot1遺伝子の変異に起因するミトコンドリア病に特に有用である。
【選択図】
 図27
Outline of related art and contending technology (In Japanese)

ミトコンドリアは、真核生物細胞の細胞小器官の1つで、電子伝達系によるATPの生産を行っており、生体内で消費するエネルギーのほとんどは、ミトコンドリアから供給されている。ミトコンドリアは、それ以外に多様な機能に関与することが報告されており、例えば、細胞のアポトーシスにおいても重要な役割を果たしている。さらに最近、ミトコンドリアの異常と多数の疾患との関連が注目されるようになっている。

ミトコンドリア病は、ミトコンドリアの機能低下や障害に起因する疾患の総称である。ミトコンドリア病は、脳筋症・乳酸アシドーシス・脳卒中様症候群(MELAS)、赤色ぼろ線維・ミオクローヌスてんかん症候群(MERRF)等のミトコンドリア脳筋症のように、ミトコンドリア遺伝子(mtDNA)の遺伝的変異による先天性の疾患と考えられてきた。しかし最近では、環境因子や薬剤によるミトコンドリア機能障害や、神経変性疾患によるミトコンドリア異常等の後天的なミトコンドリア病も報告されている。

哺乳動物のミトコンドリアDNA(mtDNA)は、22個のミトコンドリアトランスファーRNA(mt-tRNA)をエンコードしており、これらのmt-tRNAは、13種類のミトコンドリアタンパク質を翻訳している。これらのmtDNA由来のタンパク質は、素早く呼吸系複合体に取り込まれ、電子伝達に関与している。mtDNAは、好気性呼吸において必須の役割を果たしており、mtDNAにおける変異は、ミトコンドリア病を含む種々の代謝疾患と関連している。mt-tRNAをエンコードするmtDNAにおけるいくつかの点変異をもつ患者は、重篤なミトコンドリアの機能障害を呈し、これは多臓器不全を引き起こす。しかしながら、点変異がなぜこのような重篤な症状を引き起こすかは完全には明らかになっていない。

細胞質tRNAと同様に、mt-tRNAは、種々の化学的修飾を含んでいる。ウシのmt-tRNAでは、22のmt-tRNAにおいて118箇所における15種類の修飾が同定されている。全ての修飾は、核DNAによってエンコードされるmt-tRNA修飾酵素によって仲介されている。例えば、mt-tRNA修飾酵素であるMtu1、Pus1、およびTrit1は、それぞれ、mt-tRNAの、2位におけるチオール修飾、プソイドウリジン修飾、イソペンテニル修飾を仲介している。これらの酵素を欠失したトランスジェニックマウスは、ミトコンドリア翻訳の顕著な減少を示し、ミトコンドリアの機能障害を引き起こす。さらに、これらの遺伝子の変異が、ミトコンドリア機能障害を持つ患者で同定されている。

哺乳動物のミトコンドリアのtRNA(mt-tRNAs)には、タウリンに由来するユニークな修飾を持つものがある。タウリン修飾はこれらmt-tRNAのアンチコドンの34番のウラシル(U)に存在する。アンチコドンの最初のヌクレオチドである34番目のウオッブルウラシルに位置するタウリン修飾は、5-タウリノメチルウリジン(τm5U)を含むmt-tRNALeu(UUR)およびmt-tRNATrp、5-タウリノメチル-2-チオウリジン(τm5s2U)を含むmt-tRNALys、mt-tRNAGluおよびmt-tRNAGlnが知られている。タウリン修飾は、コドン-アンチコド相互作用の安定化を通じて、ミトコンドリアの翻訳に関わっている。

これらのmt-tRNAにおけるタウリン修飾の変異は、MELASやMERFFなどのミトコンドリア病と関連している。MELAS患者の約80%で、mt-tRNALeu(URR)においてA3234G変異を有しており、ほとんどのMERRF患者で、mt-tRNALysにおいてA8344G変異を有していることが報告されている。このようにタウリン修飾の異常は、ミトコンドリア病の発症と関連していると報告されているが、その分子メカニズムは不明のままである。

また、ミトコンドリア病の患者で、mitochondrial optimization 1 (Mto1)およびGTP binding protein 3(GTPBP3)の遺伝的変異が同定されており、これらの遺伝子がタウリン修飾に関わっていることが示唆されている。

そこで、いくつかのグループにより、Mto1のイントロン領域に遺伝子トラップコンストラクトを挿入し、Mto1欠損マウスを作製したことが報告されている(非特許文献1、非特許文献2)。そこでは、ミトコンドリア翻訳は正常であり、高齢のMto1欠損マウスにおいて、僅かな呼吸機能の欠陥が観察された、と報告されている。さらに、それらのMto1欠損マウスでは、Mto1タンパク質が観察され、また、mt-tRNAの修飾も特に変化がなかった、と報告されている。

ミトコンドリア病の治療剤の開発は進められており、現在、α-トコトリエノールキノン、タウリン、ピルビン酸ナトリウム、L-アルギニン、5-ALA/Feなどの化合物が、ミトコンドリア病の治療薬として臨床試験が行われている。しかしながら、現在日本国内で承認されたミトコンドリア病治療の医薬品はなく、早急な医薬品の開発が望まれている。

タウロウルソデオキシコール酸(TUDC)は、ある種のタンパク質の熱凝集を阻害する化学シャペロンとして報告され(非特許文献3)、また、マウスにおいて、凝集物の蓄積を減少し、小胞体ストレス(UPR)を抑制すると報告されている(非特許文献3、および非特許文献4)。また、TGF-βシグナル阻害剤を含む角膜内皮の小胞体関連ストレスに関連する疾患の処置または予防剤において、それにさらに添加されるERストレス治療剤としてTUDCの使用が提案されている(特許文献1)。

Field of industrial application (In Japanese)

本発明は、ミトコンドリア病の治療薬に関し、特には、遺伝子性変異に起因するミトコンドリア病に対する治療薬に関する。

Scope of claims (In Japanese)
【請求項1】
 
タウロウルソデオキシコール酸(TUDC)、フェニル酪酸(PBA)、およびそれらの薬学的に許容される塩からなる群より選ばれる少なくとも一つの化合物を有効成分として含有する遺伝性ミトコンドリア病の治療および/または予防のための医薬組成物。

【請求項2】
 
タウロウルソデオキシコール酸(TUDC)またはそれの薬学的に許容される塩を有効成分として含有する請求項1に記載の医薬組成物。

【請求項3】
 
前記遺伝性ミトコンドリア病が、ミトコンドリアtRNA(mt-tRNA)のタウリン修飾の異常に起因するミトコンドリア病である請求項1または2に記載の医薬組成物。

【請求項4】
 
前記mt-tRNAのタウリン修飾の異常が、mt-tRNALeu(UUR)、mt-tRNATrp、mt-tRNALys、mt-tRNAGlu、およびmt-tRNAGlnからなる群より選ばれる少なくとも一つのmt-tRNAのタウリンの修飾の異常である請求項3に記載の医薬組成物。

【請求項5】
 
前記ミトコンドリア病が、Mot1遺伝子の変異に起因するミトコンドリア病である請求項1または2に記載の医薬組成物。

【請求項6】
 
タウリン修飾の異常に起因したミトコンドリア病に罹患した患者に投与されることを特徴とする請求項1または2に記載の医薬組成物。

【請求項7】
 
Mot1遺伝子の変異に起因するミトコンドリア病に罹患した患者に投与されることを特徴とする請求項1または2に記載の医薬組成物。

【請求項8】
 
他のミトコンドリア病治療薬と併用して投与されることを特徴とする請求項1~7のいずれか一つに記載の医薬組成物。
IPC(International Patent Classification)
F-term
Drawing

※Click image to enlarge.

JP2017246492thum.jpg
State of application right Published
Reference ( R and D project ) https://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2211124717318752?via=ihub
Please contact us by E-mail or telephone if you have any interests on this patent.


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close