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活性型タンパク質の製造方法若しくはタンパク質の安定化方法、並びにそれらの方法のために用いられるポリペプチド、そのポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、及びそのポリヌクレオチドを有するベクター

国内特許コード P180015190
整理番号 KG0170-JP02
掲載日 2018年7月24日
出願番号 特願2017-164319
公開番号 特開2018-038395
出願日 平成29年8月29日(2017.8.29)
公開日 平成30年3月15日(2018.3.15)
優先権データ
  • 特願2016-171308 (2016.9.1) JP
発明者
  • 藤原 伸介
  • 高 楽
出願人
  • 学校法人関西学院
発明の名称 活性型タンパク質の製造方法若しくはタンパク質の安定化方法、並びにそれらの方法のために用いられるポリペプチド、そのポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、及びそのポリヌクレオチドを有するベクター
発明の概要 【課題】活性型タンパク質を製造、若しくはタンパク質を安定化する、方法の提供。
【解決手段】遺伝子組換えによる活性型タンパク質の製造方法であって、以下の工程[1]~[5]を含む方法。[1](a)アーキア由来の高温誘導型シャペロニン、又は(b)シャペロニン改変体、静電相互作用しうるアミノ酸配列領域が付加された(c)目的タンパク質を遺伝子組換えにより生産する工程、[2]他のタンパク質から単離されていない目的タンパク質(c)を、溶液中において、シャペロニン(a)及び/又は改変体(b)と共存させて、静電相互作用を介した両者の結合体を得る工程、[3]結合体を含む溶液を加熱処理して、他のタンパク質を変性させる工程、[4]結合体と変性タンパク質とを含む溶液から、未変性の目的タンパク質(c)を単離する工程、[5]工程[4]より得られた未変性の目的タンパク質(c)から前記アミノ酸配列領域を切除する工程
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


タンパク質は、正しい三次元構造を取る(以下、「フォールディング」という)ことによって、本来の機能を発揮することができる。1990年頃までは、フォールディングは自発的に起こるものと考えられていた。その後、細胞内でのタンパク質のフォールディングにおいては、分子シャペロニンと称されるタンパク質群が関与していることが明らかにされた。用語「分子シャペロニン」(本明細書において、単に「シャペロニン」と称すこともある)は、分子シャペロンと呼ばれる大きな集団の中に含まれる1グループを指す。



シャペロニンは複数のサブユニットからなる複合体として機能し、このシャペロニン複合体は、60kDaの球状タンパク質一つが十分に収まる程度の大きさの、空洞部(キャビティ)と呼ばれる空間を分子内に有する。シャペロニン複合体は、この空洞部に様々なタンパク質の折り畳み中間体又は変性タンパク質等を一時的に収容することができ、タンパク質の折り畳み構造が正常に形成されると、ATPの分解と共役してその折り畳まれたタンパク質を空洞部外へと放出する。



細胞内は、一般に、タンパク質が適切なフォールディングを行う上では過酷な環境である。特に、遺伝子組換え法によりタンパク質を強制発現させた場合などには、細胞内のタンパク質濃度が高くなっており、フォールディングの途中で凝集(封入体)が生じやすい。このため、産業上有用なタンパク質を遺伝子組換え法により得ようとする際に、活性型タンパク質として得ることが困難な場合がある。



タンパク質を遺伝子組換え技術により得ようとする際の障害としては、他にも、例えば、目的タンパク質が宿主に対して何らかの毒性を示すこと、又は目的タンパク質が可溶性タンパク質として発現したしても、宿主由来プロテアーゼにより分解されてしまうこと、等が挙げられる。



これらの問題を解決するためには、従来、目的タンパク質ごとに適切な発現条件を、試行錯誤を経て見出す必要があった。



これらの問題を、このように個別具体的にではなく、根本的に解決しようとする手段として、目的タンパク質とシャペロニンサブユニットとを連結した融合タンパク質を利用する方法が提案されている(特許文献1及び2)。



しかし、これらの方法においては、目的タンパク質とシャペロニンサブユニットとを連結した融合タンパク質をコードする融合遺伝子を発現ベクターに組み込む必要があり、サイズが大きくなるために宿主内で不安定化する傾向があった。

産業上の利用分野


本発明は、活性型タンパク質の製造方法若しくはタンパク質の安定化方法、並びにそれらの方法のために用いられるポリペプチド、そのポリペプチドをコードするポリヌクレオチド、及びそのポリヌクレオチドを有するベクター等に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
遺伝子組換えによる活性型タンパク質の製造方法であって、以下の工程[1]~[4]を含む方法:
[1](a)アーキア由来の高温誘導型シャペロニン、又は
(b)シャペロニン活性を有し、かつループ構造を有するC末端尾部が生理的pH下で負に荷電している前記シャペロニンの改変体
のループ構造を有するC末端尾部と静電相互作用しうるアミノ酸配列領域が付加された (c)目的タンパク質
を遺伝子組換えにより生産する工程;
[2]前記工程[1]により得られた、他のタンパク質から単離されていない前記目的タンパク質(c)を、溶液中において、前記シャペロニン(a)及び/又は前記改変体(b)と共存させることにより、前記静電相互作用を介した両者の結合体を得る工程;
[3]前記工程[2]により得られた、前記結合体を含む溶液を加熱処理することにより、他の前記タンパク質を変性させる工程;及び
[4]前記工程[3]により得られた、前記結合体と変性タンパク質とを含む溶液から、未変性の前記目的タンパク質(c)を単離する工程。

【請求項2】
さらに、
[5]前記工程[4]により得られた、未変性の前記目的タンパク質(c)から、前記アミノ酸配列領域を切除する工程
を含む、請求項1に記載の製造方法。

【請求項3】
(a)アーキア由来の高温誘導型シャペロニン、又は
(b)シャペロニン活性を有し、かつループ構造を有するC末端尾部が生理的pH下で負に荷電している前記シャペロニンの改変体
のループ構造を有するC末端尾部と静電相互作用しうるアミノ酸配列領域が付加された(c)目的タンパク質
を安定化する方法であって、
[i]前記目的タンパク質(c)を、溶液中において、前記シャペロニン(a)及び/又は前記改変体(b)と共存させることにより、前記静電相互作用を介した両者の結合体を得る工程
を含む方法。

【請求項4】
前記改変体(b)のループ構造を有するC末端尾部が、20~30個のアミノ酸からなり、20%以上のアミノ酸が、アスパラギン酸及びグルタミン酸のいずれか、又はアスパラギン酸及びグルタミン酸のいずれかである、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。

【請求項5】
前記改変体(b)のループ構造を有するC末端尾部が、前記シャペロニン(a)のC末端側20~30個の尾部とのアミノ酸配列同一性80%以上を示す、請求項4に記載の方法。

【請求項6】
前記アミノ酸配列領域が、等電点9~12を示す、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。

【請求項7】
前記アミノ酸配列領域が、等電点2~5を示す、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。

【請求項8】
前記工程[2]又は工程[i]で使用する溶液のpHが、8.5~10.5である、請求項6に記載の方法。

【請求項9】
前記工程[2]又は工程[i]で使用する溶液のpHが、3~6である、請求項7に記載の方法。

【請求項10】
前記シャペロニン(a)が、配列番号1で表わされるアミノ酸配列からなる、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。

【請求項11】
前記改変体(b)が、配列番号1で表わされるアミノ酸配列と配列同一性80%以上である、請求項10に記載の方法。

【請求項12】
前記シャペロニン(a)及び/又は前記改変体(b)を遺伝子組換えにより、前記目的ポリペプチド(c)と同一の宿主内において発現させることにより、前記工程[2]において、前記目的タンパク質(c)を、前記シャペロニン(a)及び/又は前記改変体(b)と共存させる、請求項1、2及び4~11のいずれか一項に記載の製造方法。

【請求項13】
前記目的ポリペプチド(c)と、前記シャペロニン(a)及び/又は前記改変体(b)とを遺伝子組換えにより、同一の宿主内において発現させることにより、前記工程[i]において、前記目的タンパク質(c)を、前記シャペロニン(a)及び/又は前記改変体(b)と共存させる、請求項3~11のいずれか一項に記載の安定化方法。

【請求項14】
請求項1~11のいずれか一項に記載の方法のために用いられる、前記シャペロニン(a)及び/又は前記改変体(b)を含む組成物。

【請求項15】
請求項1~13のいずれか一項に記載の方法のために用いられる、前記シャペロニン(a)及び/又は前記改変体(b)をコードするポリヌクレオチド。

【請求項16】
請求項1~13のいずれか一項に記載の方法のために用いられる、前記シャペロニン(a)及び/又は前記改変体(b)をコードするポリヌクレオチドを有するベクター。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
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