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ニッケル元素の回収方法

国内特許コード P180015194
整理番号 14033
掲載日 2018年7月25日
出願番号 特願2015-229553
公開番号 特開2017-095768
出願日 平成27年11月25日(2015.11.25)
公開日 平成29年6月1日(2017.6.1)
発明者
  • 下条 晃司郎
  • 長縄 弘親
  • 岡村 浩之
出願人
  • 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構
発明の名称 ニッケル元素の回収方法
発明の概要 【課題】使用済み無電解ニッケルめっき液等のニッケル含有水溶液からニッケル元素を効率的に回収することができるニッケル元素の回収方法を提供することを目的とする。
【解決手段】下記一般式(1)で表される化合物又はその塩の存在下で抽出を行うことにより、ニッケル元素を効率的に回収方法することができる。



(式(1)中、R、R、R、及びRは、それぞれ同一種又は異種の炭化水素基を表す。但し、R、R、R、及びRの炭化水素基の炭素数の合計が、8~64である。)
【選択図】図2
従来技術、競合技術の概要


無電解ニッケルめっき法は、複雑な形状の部品に均一な厚さのニッケルめっき皮膜を施すことができるため、電子部品や精密機械部品などの生産に欠かせない表面処理技術である。無電解ニッケルめっき液には、多くの場合、硫酸ニッケル(ニッケル供給源)、次亜リン酸ナトリウム(還元剤)、有機酸(錯化剤・緩衝剤)等が含まれており、めっきに使用するとニッケルが消費され、次亜リン酸ナトリウムは酸化されて亜リン酸ナトリウムとなり、還元力が低下することとなる。そのため、随時硫酸ニッケル、次亜リン酸ナトリウム及びpH調節剤として水酸化ナトリウムをめっき液に補充しながら使用する必要がある。しかしながら、繰り返して使用するうちに、硫酸イオン、ナトリウムイオン、亜リン酸イオン、被めっき物の表面から溶出した亜鉛や鉄などがめっき液中に蓄積し、めっき性能が悪くなるため、ある程度まで使用しためっき液は廃液として処分されている。そのため、環境保全および資源の安定確保の観点から、使用済み無電解ニッケルめっき液からニッケルを回収し、資源循環システムを構築する必要がある。



無電解ニッケルめっき液からニッケルを回収する方法としては、溶媒抽出法を用いて無電解めっき液からニッケルを抽出する方法が提案されている。例えば、2-ヒドロキシ-5-ノニルアセトフェノンオキシムを抽出剤として用いて、無電解ニッケルめっき廃液からニッケルを抽出する方法が開示されている(例えば、非特許文献1参照)。
しかしながら、上記の方法では無電解ニッケルめっき液のpH調整を行わないで抽出を行った場合、ニッケルの抽出率が35%程度と十分な値が得られていない。pHを中性から弱アルカリ性に調整すればニッケルの抽出率が向上するが、pH調整にコストと手間がかかり、また、ニッケルが水酸化物として沈殿し、抽出に悪影響を及ぼすことが予想される。さらには、ニッケルの抽出速度が低く、効率良く回収できないという問題もある。



他の例として、2-ヒドロキシ-5-ノニルアセトフェノンオキシムに加速剤として有機リン酸系抽出剤(例えば、ジ(2-エチルヘキシル)リン酸(D2EHPA)や2-エチルヘキシルホスホン酸モノ-2-エチルヘキシルエステル(PC-88A))を添加して、無電解ニッケルめっき廃液からニッケルを抽出する方法が開示されている(例えば、非特許文献1参照)。
しかしながら、上記の方法では無電解ニッケルめっき液のpH調整を行わないで抽出を行った場合、ニッケルの抽出率が十分な値ではない。そのため、pHを中性領域に調整する必要があるが、pH調整にコストと手間がかかる。また、ニッケルの抽出平衡時間まで10分程度かかり、十分な抽出速度も得られていない。さらには、有機リン酸系抽出剤による2-ヒドロキシ-5-ノニルアセトフェノンオキシムの分解やナトリウムを同時に抽出するため、高純度のニッケルを得ることが困難であることが指摘されている。



他の例として、D2EHPAとニコチン酸ドデシルとの混合物、または、D2EHPAとイソニコチン酸ドデシルとの混合物を用いて、無電解ニッケルめっき廃液からニッケルを抽出する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、上記の方法では2種類の抽出剤を使用するため抽出操作が煩雑となる。また、D2EHPAによるニコチン酸ドデシル及びイソニコチン酸ドデシルの分解やナトリウムを同時に抽出するため、高純度のニッケルを得ることが困難であることが指摘され
ている。



さらに本発明者は、以前、ジグリコールアミド酸の骨格を持つ2-(2-(ジオクチルアミノ)-2-オキソエトキシ)酢酸(以下、「DODGAA」と略す場合がある。)を抽出剤として開発した。しかし、この抽出剤はニッケルに対しては抽出能が十分ではないものと言える(例えば、非特許文献2参照。)。

産業上の利用分野


本発明は、ニッケル元素の回収方法に関し、より詳しくは使用済み無電解ニッケルめっき液等のニッケル含有水溶液からニッケル元素を効率的に回収することができるニッケル元素の回収方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ニッケル含有水溶液を準備する準備工程、並びに下記一般式(1)で表される化合物又はその塩の存在下、前記準備工程で準備したニッケル含有水溶液と有機溶媒を接触させて、ニッケル元素(Ni)を抽出する液液接触工程を含む、ニッケル元素の回収方法。
【化1】



(式(1)中、R、R、R、及びRは、それぞれ同一種又は異種の炭化水素基を表す。但し、R、R、R、及びRの炭化水素基の炭素数の合計が、8~64である。)

【請求項2】
前記準備工程で準備したニッケル含有水溶液のpHが、7.0以下である、請求項1に記載のニッケル元素の回収方法。

【請求項3】
さらに前記液液接触工程で接触させたニッケル含有水溶液と有機溶媒を分液する分液工程、及び前記分液工程で分液した有機溶媒に、前記分液工程で分液したニッケル含有水溶液とは別の酸性水溶液を接触させる逆抽出工程を含む、請求項1又は2に記載のニッケル元素の回収方法。

【請求項4】
前記ニッケル含有水溶液が、電解ニッケルめっき液、使用済み電解ニッケルめっき液、無電解ニッケルめっき液、使用済み無電解ニッケルめっき液、廃Ni-Cd電池を浸出して得られる溶液、又は含ニッケル鉱を浸出して得られる溶液である、請求項1~3の何れか1項に記載のニッケル元素の回収方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2015229553thum.jpg
出願権利状態 公開
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