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肺特異的にヒトEGFRを発現する非ヒト哺乳類のトランスジェニック動物 NEW 新技術説明会

国内特許コード P180015281
整理番号 (S2015-1988-N55)
掲載日 2018年9月21日
出願番号 特願2017-534404
出願日 平成28年8月5日(2016.8.5)
国際出願番号 JP2016073053
国際公開番号 WO2017026383
国際出願日 平成28年8月5日(2016.8.5)
国際公開日 平成29年2月16日(2017.2.16)
優先権データ
  • 特願2015-158369 (2015.8.10) JP
発明者
  • ガバザ エステバン セサル
  • ガバザ コリナ
出願人
  • 国立大学法人三重大学
発明の名称 肺特異的にヒトEGFRを発現する非ヒト哺乳類のトランスジェニック動物 NEW 新技術説明会
発明の概要 【課題】 肺特異的にh-EGFRを発現し、自然発症的に肺がんを発症するTGマウスを提供すること。
【解決手段】 発現用プロモーター領域の下流側に、28個のエクソンと27個のイントロンの全遺伝子領域を含むヒト[L858R]上皮成長因子受容体([L858R]-h-EGFR)遺伝子が組み込まれた非ヒト哺乳類のトランスジェニック動物(特に、トランスジェニックマウス)によって達成される。このとき、発現用プロモーター領域は、テトラサイクリン・レスポンス・エレメント(TRE)を含むと共に、当該非ヒト・トランスジェニック哺乳類は、更に当該哺乳類における肺特異的発現遺伝子の発現プロモーターの下流側に、リバーステトラサイクリン調節性トランス活性化因子(rtTA)遺伝子が組み込まれていることが好ましい。
【選択図】 図2
従来技術、競合技術の概要


肺がんは、肺に発生する悪性腫瘍である。肺がんが発見されたときには、既に相当に進行していることが多く、難治性の疾患として知られている。我が国においては、肺がんの死亡者数は、各種腫瘍患者の中で男性では1位、女性では3位の位置を占めている。
肺がんの種類としては、全体の20%が小細胞肺がん、80%が非小細胞肺がんである。このうち小細胞肺がんの治療法として、ステージIaの場合には、手術または放射線治療が、それ以降の場合には、化学療法(抗がん剤)が用いられる。また、非小細胞肺がんの治療法として、ステージIIIまでの場合には手術治療が、それ以降の場合には、化学療法が用いられる。近年、非小細胞肺がんの化学療法薬として、分子標的治療薬(例えば、EGFRチロシンキナーゼ阻害薬、抗血管内皮細胞増殖因子など)が使用されている。分子標的治療薬は、投与初期には高い効果を示す。但し、長期間の使用によって、がん細胞に耐性が発生し、効果が認められなくなってしまう。現在、がん細胞の薬剤耐性に関する研究が進められているが、その機構は充分には解明されていない。



全肺がんのうち、約半分にはh-EGFRの遺伝子変異が認められる。h-EGFRは、脂質二重膜を貫通するタンパク質であり、上皮成長因子(EGF)を認識してシグナル伝達を行う受容体である。通常、EGFによってh-EGFRが活性化されると、h-EGFRが持つチロシンキナーゼ活性が上昇し、自己をリン酸化することで、正常な反応として細胞増殖を含む種々の作用を発揮する。しかし、肺がん患者のh-EGFRの遺伝子には変異が認められることが多い。患者に認められるh-EGFRの遺伝子変異として、L858R(858位のロイシンがアルギニンに変異したもの)、T790M(790位のスレオイニンがメチオニンに変異したもの)、ΔE749-A750(749位のグルタミン酸と750位のアラニンが欠損したもの)などが知られている。このうち21番目のエクソン(Ex21)に位置する変異に由来するL858Rは、肺がん患者の40%~45%程度に認められる。この変異を持つh-EGFR([L858R]-h-EGFR)は、EGFが存在しない状態でも、チロシンキナーゼ活性が上昇し、自己リン酸化を起こし、過剰な細胞増殖を起こす。このため、[L858R]-h-EGFRを持つTGマウスを作製し、その性状に関する研究が行われている(非特許文献1,2)。
また、20番目のエクソン(Ex20)に[T790M]変異を備えたh-EGFRは、EGFRチロシンキナーゼ阻害薬に対する耐性を備えたものとなる。



産業上の利用分野


本発明は、肺特異的にヒトEGFR(human epidermal growth factor receptor;上皮成長因子受容体(上皮増殖因子受容体、上皮細胞成長因子受容体、上皮細胞増殖因子受容体とも言われる);以下、「ヒトEGFR」または「h-EGFR」という)を発現するトランスジェニック(TG)マウスに代表される疾病対策実験用動物に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
発現用プロモーター領域の下流側に、28個のエクソンと27個のイントロンの全遺伝子領域を含むヒト[L858R]上皮成長因子受容体([L858R]-h-EGFR)遺伝子が組み込まれた非ヒト哺乳類のトランスジェニック動物。

【請求項2】
発現用プロモーター領域の下流側に、28個のエクソンと27個のイントロンの全遺伝子領域を含むヒト[L858R+T790M]上皮成長因子受容体([L858R+T790M]-h-EGFR)遺伝子が組み込まれた非ヒト哺乳類のトランスジェニック動物。

【請求項3】
前記非ヒト哺乳類は、マウス、ラット、ブタ、ヒツジ、ウマ、ウシ、イヌ、ネコ、サルからなる群から選択される少なくとも一つである請求項1又は2に記載のトランスジェニック動物。

【請求項4】
前記発現用プロモーター領域は、テトラサイクリン・レスポンス・エレメント(TRE)を含むと共に、当該非ヒト・トランスジェニック哺乳類は、更に当該哺乳類における肺特異的発現遺伝子の発現プロモーターの下流側に、リバーステトラサイクリン調節性トランス活性化因子(rtTA)遺伝子が組み込まれている請求項1~3のいずれか一つに記載のトランスジェニック動物。

【請求項5】
前記肺特異的発現遺伝子は、クララ細胞分泌蛋白(CCSP)、サーファクタント・プロテインA(SPA)、サーファクタント・プロテインB(SPB)、サーファクタント・プロテインC(SPC)からなる群から選択される少なくとも一つである請求項1~4のいずれか一つに記載のトランスジェニック動物。

【請求項6】
前記非ヒト哺乳類がマウスであり、ドキシサイクリンの投与によって、肺がんを発症する請求項4または5に記載のトランスジェニック動物。

【請求項7】
上記マウスの系統は、C57BL/6Jである請求項6に記載のトランスジェニック動物。

【請求項8】
(1)28個のエクソンと27個のイントロンの全遺伝子領域を含有するh-EGFR遺伝子を含むBACにおいて、h-EGFR遺伝子のEx21に選択用カセットを組み込み、選択用遺伝子導入h-EGFR遺伝子を得る選択用遺伝子組換え工程、(2)前記選択用遺伝子導入h-EGFR遺伝子のEx21の前後のゲノム配列を相同配列として[L858R]変異の両端に配置し、EGFRトランスファーコンストラクトを作製する修飾工程、(3)前記Ex21の選択用カセットをEGFRトランスファーコンストラクトの[L858R]変異リペアーフラグメントで置換する置換工程、(4)[L858R]-h-EGFRの5'側に前記発現用プロモーター領域を連結する受容体発現用遺伝子とする受容体発現用遺伝子調製工程、(5)前記受容体発現用遺伝子とm-SSCPrtTA RecBAC発現用遺伝子とを精製し、マウス胚にマイクロインジェクションして、トランスジェニックマウスを得る工程を備えることを特徴とする請求項6または7に記載のトランスジェニック動物の作製方法。

【請求項9】
(1)28個のエクソンと27個のイントロンの全遺伝子領域を含有するh-EGFR遺伝子を含むBACにおいて、h-EGFR遺伝子のEx21に選択用カセットを組み込み、選択用遺伝子導入h-EGFR遺伝子を得る選択用遺伝子組換え工程、(2)前記選択用遺伝子導入h-EGFR遺伝子のEx21の前後のゲノム配列を相同配列として[L858R]変異の両端に配置し、EGFRトランスファーコンストラクトを作製する修飾工程、(3)前記Ex21の選択用カセットをEGFRトランスファーコンストラクトの[L858R]変異リペアーフラグメントで置換する置換工程、(4)[L858R]-h-EGFRの5'側に前記発現用プロモーター領域を連結する受容体発現用遺伝子とする受容体発現用遺伝子調製工程、(4-1)前記受容体発現用遺伝子調製工程で得られた[L858R]-h-EGFRのEx20に選択用カセットを組み込み、選択用遺伝子導入[L858R]-h-EGFR遺伝子を得る第2選択用遺伝子組換え工程、(4-2)前記第2選択用遺伝子導入[L858R]-h-EGFR遺伝子のEx20の前後のゲノム配列を相同配列として[T790M]変異の両端に配置し、EGFRトランスファーコンストラクトを作製する第2修飾工程、(4-3)前記Ex20の選択用カセットをEGFRトランスファーコンストラクトの[T790M]変異リペアーフラグメントで置換することで、EGFRの5'側に前記発現用プロモーター領域を備えた第2受容体発現用遺伝子とする第2受容体発現用遺伝子調製工程、(5)前記第2受容体発現用遺伝子とm-SSCPrtTA RecBAC発現用遺伝子とを精製し、マウス胚にマイクロインジェクションして、トランスジェニックマウスを得る工程を備えることを特徴とする請求項6または7に記載のトランスジェニック動物の作製方法。

【請求項10】
前記選択用遺伝子導入h-EGFR遺伝子を作製する際に用いられるPCR反応用の一対のプライマーの塩基数は、50塩基~60塩基であることを特徴とする請求項8または9に記載のトランスジェニックマウスの作製方法。
国際特許分類(IPC)
画像

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出願権利状態 公開
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