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(In Japanese)炎症及び過剰免疫を抑制する装置、並びに炎症及び過剰免疫を抑制するための方法

Patent code P180015292
File No. (S2016-0047-N0)
Posted date Sep 25, 2018
Application number P2017-545471
Date of filing Oct 13, 2016
International application number JP2016080443
International publication number WO2017065239
Date of international filing Oct 13, 2016
Date of international publication Apr 20, 2017
Priority data
  • P2015-203033 (Oct 14, 2015) JP
Inventor
  • (In Japanese)甲斐 広文
  • (In Japanese)首藤 剛
  • (In Japanese)スイコ メリー アン ソテン
  • (In Japanese)荒木 栄一
  • (In Japanese)近藤 龍也
Applicant
  • (In Japanese)国立大学法人熊本大学
Title (In Japanese)炎症及び過剰免疫を抑制する装置、並びに炎症及び過剰免疫を抑制するための方法
Abstract (In Japanese)炎症抑制又は炎症性サイトカイン産生抑制のための新たな手段を提供する。
微弱なパルス電流を生体又は生体組織に通電し、当該生体又は生体組織における炎症を抑制する装置を、電力供給手段と、電力の供給を受けて直流電流を所定の間隔で間欠的に印加するための電流制御手段と、を備え、該電流制御手段はパルス幅変調制御手段を含み、該パルス幅変調制御手段は、矩形波であるとともに、当該パルス波の1周期における立ち上がりのピーク値を示す時間(「パルス持続時間」)が0.1ミリ秒以上であり、当該ピーク値が1.0V以上20V以下であり、当該パルス波のDuty比が5.5%以上である、パルス波を発生するように構成する。
Outline of related art and contending technology (In Japanese)

地球上に存在するあらゆる生命は、灼熱から極寒まで過酷な地球環境の変動に暴露されつつも、その環境を受容・適応することで生存し、現代まで進化を遂げてきた。人類もそれは例外ではなく、暴露される様々な刺激を感知し、あらゆる環境に順応できるシステムを進化の過程で獲得している。このシステムを最大限に活用した人類の英知の結晶の一つが医薬品であるとも言える。しかしながら、現代においてもその受容機構が明らかにされていない刺激も存在する。その代表的な例が、脱分極を惹起させないレベルの微弱な電流である。これまで、生体に対する電流の作用については次の3つが明らかにされている。(1)能動的な電気特性として、活動電位発生を伴う現象。(2)受動的な電気特性として、抵抗損失による組織の発熱・変形・破壊。(3)極めて微弱な電流の長期作用として、骨の発育や損傷治癒の促進作用等の、元来の生理機能に対する補助的効果。このうち(3)は、長い歴史を有し、その臨床的有用性が経験的に認知されていたにも関わらず、その生体の受容・作用メカニズムについては全く不明であった。

しかしながら、近年、微弱電流の生体の受容・作用メカニズムへの注目が集まっている。例えば、本発明者らにより、以下の報告がなされている。特定のパルス幅の微弱電流刺激を認識する受容機構が存在し、微弱電流が、インスリン刺激下のAKT活性化の増強反応(非特許文献1-2)や、慢性炎症病態との関連から注目されているp53の活性化作用(非特許文献3)を及ぼすことが報告されている。この最適化された物理的療法は、正常動物には、全く作用を示さないが、糖尿病モデル(非特許文献4-5など)、虚血性再還流障害モデル(非特許文献6)、慢性腎臓病モデル(非特許文献7)において有効であることが報告されている。さらには、メタボリックシンドローム対象者や肥満2型糖尿病患者におけるクロスオーバーの臨床試験において、極めて良好な結果が報告されている(非特許文献8)。

また、本発明者らにより、微弱電流と温熱(38℃~45℃)を組み合わせて、熱ショックタンパク質又はユビキチン化タンパク質を介して生体又は生体組織における正常化機能を活性化する生体組織正常化装置が提案されている(特許文献1:特許第5148254号公報)。そこでは、パルス波の1周期における立ち上がりのピーク値を示す時間が0.05ミリ秒以上0.1ミリ秒以下であり、当該ピーク値が3.0V以上20.0V以下であり、パルス波の立ち上がり時間が18ナノ秒以上5000ナノ秒以下であるの矩形波であるパルス波が用いられている。

免疫応答反応においては多くのサイトカインが重要な役割を担っていることが知られている。なかでも、Th1細胞が産生するIL-2は、Tc細胞やNK細胞を活性化し、さらに、B細胞の増殖・抗体産生細胞への分化、Th細胞自身の増殖・分化も促進することなど、IL-2は獲得免疫全体を活性化するため、生体防御への寄与は大きいと考えられる。通常,このように免疫を活性化する炎症性サイトカインであるIL-2は、IL-10などの抗炎症性サイトカインとの間で免疫の恒常性を維持している。一方、この免疫の恒常性が破綻し、IL-2過剰に産生されると、炎症応答が誘導され、炎症関連疾患の発症を促進する因子となりうる。したがって、IL-2産生を抑制し、適切にコントロールすることは、炎症関連疾患(難治性の自己免疫疾患や潰瘍性大腸炎など)の治療に有効であると考えられる。

IL-2の遺伝子発現制御は,NF-κB,AP-1,NFATの3つの転写因子が協調して行っている。T細胞表面のTCRが刺激を受けると、その下流のシグナル伝達は、TCR/CD3複合体とそれに会合するチロシンキナーゼやアダプター分子から開始する。これらにより活性化されたPLC-γは、PIP2を加水分解することでDAGとIP3を生じ、DAGはPKCやMAPKの活性化、IP3はカルシウムの細胞内流入を誘導する。また、PKCの活性化は、補助刺激受容体であるCD28の下流でも誘導される。PKCは、IκBとNF-κBを解離させることでNF-κBの核内移行を誘導し(PKC/NF-κB経路)、また、MAPKの活性化はそれに続くAP-1の活性化を誘導する(MAPK/AP-1経路)。一方で、IP3による細胞内のカルシウム濃度の上昇は、カルシウム/カルモジュリン依存性プロテインキナーゼの1つであるカルシニューリンを活性化する。さらに、カルシニューリンはNFATを脱リン酸化して活性化することで、NFATの核内移行を誘導する(カルシウム流入/NFAT経路)。これらのシグナルの下流で活性化された転写因子は,IL-2の転写を促進する。

現在、臨床の現場において、シクロスポリンA(CsA)やタクロリムス(FK506)などの免疫抑制薬が自己免疫疾患の治療や拒絶反応の抑制に用いられている。これらの薬物は、カルシニューリンに作用し、NFATの活性化を阻害することでIL-2の発現抑制を標的としており、著効を示すことが知られている。しかしながら、有効治療濃度域が狭く、腎毒性や易感染性などの副作用が問題となることから、血中薬物濃度モニタリングが必須である。さらに、シクロスポリンAやタクロリムスは、薬物代謝酵素であるCYP3Aサブファミリーにより代謝されるため、この酵素の活性に影響する薬物や食品と併用する場合には、血中薬物濃度の上昇・低下が起こる可能性がある、実際に、これまで様々な薬物との相互作用が報告されており、生ワクチンや肺高血圧症治療薬であるボセンタンとは併用禁忌とされている。このように、免疫抑制薬には薬物ならではの欠点も存在するため、より安全性の高いIL-2産生抑制法の開発が必要とされている。

Field of industrial application (In Japanese)

本発明は、生体内において生じた炎症、特には自己免疫作用により生じた炎症を抑制するための装置に関する。本発明はまた、生体内に生じた過剰免疫を抑制する装置に関する。

本発明はまた、生体内に生じた炎症、特には自己免疫作用により生じた炎症を抑制するための方法、並びに過剰免疫を抑制する方法に関する。

Scope of claims (In Japanese)
【請求項1】
 
微弱なパルス電流を生体又は生体組織に通電し、当該生体又は生体組織における炎症を抑制する装置であって、
電力供給手段と
電力の供給を受けて直流電流を所定の間隔で間欠的に印加するための電流制御手段と、
を備え、
該電流制御手段はパルス幅変調制御手段を含み、
該パルス幅変調制御手段は、パルス波が矩形波であり、そして、当該パルス波の1周期における立ち上がりのピーク値を示す時間(「パルス持続時間」)が0.1ミリ秒以上であり、当該ピーク値が1.0V以上20V以下であり、当該パルス波のDuty比が5.5%以上であるパルス波を発生するように構成されていることを特徴とする装置。

【請求項2】
 
前記炎症が炎症性サイトカインの産生により生じる炎症であり、前記炎症抑制が、該炎症性サイトカインの産生抑制に基づく請求項1に記載の装置。

【請求項3】
 
前記炎症がIL-2、IL-6、TNF-α、INF-γのいずれか一以上の炎症性サイトカインの産生により生じる炎症であり、前記炎症抑制が該炎症性サイトカインの産生抑制に基づく請求項2に記載の装置。

【請求項4】
 
前記炎症性サイトカインがIL-2である請求項3に記載の装置。

【請求項5】
 
前記直流電流の間歇的な間隔が55ppsより大きくかつ前記パルス持続時間が1ミリ秒より大きい請求項1~4のいずれか一つに記載の装置。

【請求項6】
 
前記パルス持続時間が10ミリ秒以上である請求項5に記載の装置。

【請求項7】
 
前記直流電流の間歇的な間隔が550ppsより大きくかつ前記パルス持続時間が0.1ミリ秒より大きい請求項1~4のいずれか一つに記載の装置。

【請求項8】
 
前記直流電流の間歇的な間隔が5500pps以上である請求項7に記載の装置。

【請求項9】
 
請求項1~8のいずれか一つに記載の装置を用いた治療装置。

【請求項10】
 
さらに、生体又は生体組織の異なる部位の表面に付着する導電性の1対のパッド
を備え、
前記電流制御手段は、さらに前記1対のパッド間に間欠的に微弱な直流電流を生じさせるように構成されている、請求項1~9のいずれか一つに記載の装置。

【請求項11】
 
前記炎症が、全身性自己免疫疾患又は臓器特異性自己免疫疾患より選ばれる疾患に基づく請求項1~10のいずれか一つに記載の装置。

【請求項12】
 
全身性自己免疫疾患又は臓器特異性自己免疫疾患より選ばれる疾患に基づく炎症の治療のために用いられる請求項1~10のいずれか一つに記載の装置。

【請求項13】
 
免疫抑制剤が投与されている患者に使用される請求項1~10のいずれか一つに記載の装置。
IPC(International Patent Classification)
F-term
Drawing

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JP2017545471thum.jpg
State of application right Published
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