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培養容器 NEW

国内特許コード P180015300
整理番号 (S2016-0034-N0)
掲載日 2018年9月25日
出願番号 特願2017-548768
出願日 平成28年11月1日(2016.11.1)
国際出願番号 JP2016082413
国際公開番号 WO2017078007
国際出願日 平成28年11月1日(2016.11.1)
国際公開日 平成29年5月11日(2017.5.11)
優先権データ
  • 特願2015-218569 (2015.11.6) JP
発明者
  • 松本 太郎
  • 風間 智彦
  • 萩倉 一博
出願人
  • 学校法人日本大学
発明の名称 培養容器 NEW
発明の概要 培養容器本体11と、培養容器本体11の底面11c近傍に底面11cに対向して配置され、底面11cとの間に培養領域としての培養領域A1を形成する仕切板15と、培養容器本体11に設けられた試料出入口19と、を備え、仕切板15の一端側に形成された開口部を介して培養領域A1と試料出入口19が連通している培養容器1。培養容器1及びこれを用いた培養方法によれば、扱いが容易で大量の脂肪細胞を一度に培養できる。大量の脂肪細胞の脱分化と、脱分化しない細胞の除去を、効率よく行なうことができる。
従来技術、競合技術の概要


イモリなどの有尾両生類は高い組織再生能がある動物として知られている。その組織再生機序として終末分化した細胞の脱分化現象が関与していることが明らかにされている。たとえばイモリの四肢が切断されると、断端の筋細胞が脱分化をおこし、多分化能と増殖活性を持った再生芽細胞と呼ばれる細胞に変化する。この再生芽細胞が増殖したのち、骨、血管、神経など多様な組織に分化することにより、数週間の経過で肢が元通りに再生することがわかってきた。このような終末分化細胞の脱分化現象は、ほ乳類では起こらないと一般的に考えられていた。



ところが、加野らは、ヒトを含むほ乳類の脂肪組織から単離した成熟脂肪細胞を天井培養という方法で体外培養することにより、生じてくる線維芽細胞の様な形態をした細胞群が、高い増殖能と多分化能を獲得することを明らかにした(特許文献1)。
これは一端終末分化した細胞でも適切な環境下で培養することにより、人工的に未分化な細胞へと脱分化させることが可能であることを意味している。この成熟脂肪細胞に由来する多能性細胞を、脱分化脂肪細胞(dedifferentiated fat cell、以下「DFAT」ともいう)という。



DFATは、培養骨髄間葉系幹細胞や脂肪組織由来幹細胞のように成体組織に微量に存在する幹細胞を付着培養後に増殖させ得られる細胞群に比べ、(1)成熟脂肪細胞分画から調製される細胞であることから、煩雑な選別操作なしで純度の高い細胞が得られ、(2)組織採取量が微量(1g以下)ですむことから、全身状態が不良な患者や高齢者などからも調製できるといった優位性がある。またDFATはiPS細胞のような全能性は獲得していないが、遺伝子操作やウイルスベクターなどを用いない簡便な方法で短期間に大量調製が可能であるため、再生医療用ドナー細胞として早期の臨床応用が期待されている。さらに外科手術時に廃棄される脂肪組織を利用することにより、バンキングシステムの構築も容易であると考えられている。
またDFATは少量の脂肪組織から年齢を問わず調製が可能であることから、重症心不全や高齢者など、いままで自己幹細胞移植が困難と考えられてきた患者に対する新規再生医療用ドナー細胞として期待されている。臨床応用に関しては、骨、軟骨、血管、心筋、平滑筋といった中胚葉由来組織の再生医療に幅広く適応できると考えられている。



ここで、従来の天井培養の概要を図5に示す。従来の天井培養は、(イ)脂肪組織を採取し、コラゲナーゼ処理およびフィルトレーションを行った後、低速度遠心分離を行う工程と、(ロ)浮遊した成熟脂肪細胞分画を採取し、培地(20%ウシ胎児血清添加DMEM)で満たした培養容器中で培養を行う工程と、(ハ)成熟脂肪細胞が培養容器の天井側に付着し、細胞分裂により線維芽細胞様の形態を示すDFATが産生され、DFATが分裂増殖を繰り返しコロニー形成が認められた時点で培地を交換し、培養容器を反転させる工程と、(ニ)その後、通常の付着培養を行う工程と、を備える。

産業上の利用分野


本発明は、少量の培地で簡便に培養を行える培養容器に関する。より詳しくは、本発明は、成熟脂肪細胞の天井培養に用いられる培養容器及びそれを用いた培養方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
培養容器本体と、
前記培養容器本体の底面近傍に底面に対向して配置され前記底面との間に培養領域を形成する仕切板と、
前記培養容器本体の一部に設けられた試料出入口と、を備え、
前記仕切板の一端側に形成された開口部を介して前記培養領域と前記試料出入口が連通することを特徴とする、培養容器。

【請求項2】
前記仕切板は、前記開口部の縁に沿って前記底面側に突出したふち板を備えることを特徴とする、請求項1に記載の培養容器。

【請求項3】
前記試料出入口は、前記培養容器の前記開口部側の側面もしくは天井面に設けられていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の培養容器。

【請求項4】
前記仕切板と前記底面の離間距離は、3.5mm~5mmであることを特徴とする、請求項1~3のいずれか1項に記載の培養容器。

【請求項5】
前記仕切板は、前記底面側主面に接着層を備えることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の培養容器。

【請求項6】
前記接着層は、ラミニン、フィブロネクチン、I型コラーゲン、ゼラチンからなる群から選ばれることを特徴とする、請求項5に記載の培養容器。

【請求項7】
前記仕切板は、前記開口部の他端側の一部に、空気孔を有することを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載の培養容器。

【請求項8】
前記仕切板は、前記空気孔の縁に沿って前記底面側に突出したふち板を備えることを特徴とする、請求項7に記載の培養容器。

【請求項9】
前記開口部と前記空気孔は、前記仕切板の略対角線上に互いに対向するように設けられていることを特徴とする、請求項3~8のいずれか1項に記載の培養容器。

【請求項10】
前記培養容器は、脂肪細胞の脱分化を行なう際の天井培養用容器であることを特徴とする、請求項1~9のいずれか1項に記載の培養容器。

【請求項11】
培養容器の底面近傍に底面に対向して配置され前記底面との間に培養領域を形成する仕切板、前記培養領域の開口部を介して前記培養領域と連通する試料出入口を備える培養容器の前記培養領域に、成熟脂肪細胞と培養液を充填する工程と、
浮遊した前記成熟脂肪細胞を前記仕切板に接着させる工程と、
前記培養容器をわずかに傾斜させ、前記培養領域内の培養液の一部と脱分化しなかった成熟脂肪細胞を、前記開口部を介して前記試料出入口から培養容器の外に取り出す工程と、
を備えることを特徴とする、脂肪細胞の脱分化方法。

【請求項12】
前記接着工程において、接着層を介して、前記成熟脂肪細胞を前記仕切板に接着させることを特徴とする、請求項11に記載の脂肪細胞の脱分化方法。

【請求項13】
前記傾斜角度は、90度以下であることを特徴とする、請求項11又は12に記載の脂肪細胞の脱分化方法。

【請求項14】
前記培養容器が、請求項1~9のいずれか1項に記載の培養容器であることを特徴とする、請求項11に記載の脂肪細胞の脱分化方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2017548768thum.jpg
出願権利状態 公開
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