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PAR1阻害をメカニズムとする異所性骨化の治療薬剤

国内特許コード P180015303
整理番号 (S2016-0190-N0)
掲載日 2018年9月25日
出願番号 特願2017-551922
出願日 平成28年11月17日(2016.11.17)
国際出願番号 JP2016084101
国際公開番号 WO2017086385
国際出願日 平成28年11月17日(2016.11.17)
国際公開日 平成29年5月26日(2017.5.26)
優先権データ
  • 特願2015-228232 (2015.11.20) JP
発明者
  • 江良 択実
  • 木ト 貴之
出願人
  • 国立大学法人 熊本大学
発明の名称 PAR1阻害をメカニズムとする異所性骨化の治療薬剤
発明の概要 【課題】FOP患者における病態メカニズムをより明らかにするとともに,得られた知見を活かした新たな治療薬や治療方法,診断方法等の開発。
【解決手段】発明者らは,FOPにおいて,外傷等による炎症をきっかけとして生じる異所性骨化が,PAR1を介して起こっているという新たな知見を見出した。発明者らはこの知見から,PAR1を阻害することにより,FOPの異所性骨化を抑制することを特徴とする薬剤等にかかる発明を完成させたものである。
【選択図】図4
従来技術、競合技術の概要


進行性骨化性線維異形成症(Fibrodysplasia ossificans progressiva,以下,「FOP」)は,全身の軟部組織や筋肉が進行性に骨化する疾患である。FOPでは,通常,骨化することがない軟部組織が,外傷等による炎症をきっかけに骨化する異所性骨化という現象が生じることが特徴として挙げられる。FOPでは,進行性の骨化により,四肢における関節の可動性が低下したり,背中の変形などが生じる。



最近の研究によりFOPは,ALK2(activin receptor-like kinase 2)における遺伝子の点変異により惹起される疾患であることが明らかとなってきた。
すなわち,ALK2は,骨誘導因子として知られるBMP(bone morphogenetic protein)の1回膜貫通型受容体として機能するリン酸化酵素である。通常,ALK2は,細胞外領域でBMPと結合することにより活性化され,細胞内に骨形成シグナルを伝達する。FOP患者では,このALK2の遺伝子に点変異が起こり,R206HやG356Dと呼ばれる変異型のALK2タンパクが生じる。これらの変異型ALK2では,細胞外領域におけるBMPと結合しなくても活性化されており,常に,骨形成シグナルを伝達してしまう。結果として,骨誘導が異常に促進され,軟部組織や筋肉等の骨化が進行してしまうことが明らかとなっている。



このようにFOP発症のメカニズムが明らかとなってきた一方,FOPにおける異所性骨化のメカニズムについては,ほとんど明らかになっていない。加えて,FOPでは,未だ,有効な治療法が確立されていないのが現状である。
すなわち,FOP治療薬の開発は,発症要因であるALK2を標的としたキナーゼ阻害剤に焦点をあてて,開発が行われてきた。しかしながら,現在まで,臨床の場にて有効な治療薬は開発されていない。
そもそも,ALK2とBMPによる骨形成シグナル伝達は,正常な発達時における骨形成にも重要な役割を果たしている。このことから,ALK2阻害薬を成長期の子供に投与すると,成長に伴う正常な骨格形成に悪影響を及ぼすことが危惧される。すなわち,ALK2阻害をメカニズムとした薬剤開発は,有効性が期待されるものの,安全性の観点からの懸念がぬぐいきれないものである。



このように,FOPにおいて臨床使用される治療薬は未だ開発されていない。これに加えて,外科的治療は,手術時の侵襲によって骨化が促進されるため行うことができない。これらの事情からFOPでは,未だ,有効な治療法が確立されていないのが現状である。そのため,FOPでは,乳児期から学童期にかけて発症し,40歳ぐらいまでには拘束性の呼吸障害によって高い確率で死亡してしまう。このことから,FOPは,難治性疾患として指定されている。

産業上の利用分野


本発明は,PAR1阻害をメカニズムとする異所性骨化の治療薬剤に関する。より詳細にいうと本発明は,FOPに特徴的にみられる病態である異所性骨化を,治療ないし予防するための薬剤に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
PAR1を阻害することにより,異所性骨化を治療ないし予防することを特徴とする薬剤


【請求項2】
PAR1阻害が,PAR1のアンタゴニストによりなされることを特徴とする請求項1に記載の薬剤


【請求項3】
PAR1アンタゴニストが,ethyl [(1R,3aR,4aR,6R,8aR,9S,9aS)-9-{(1E)-2-[5-(3-fluorophenyl)pyridin-2-yl]ethen-1-yl}-1-methyl-3-oxododecahydronaphtho[2,3-c]furan-6-yl]carbamate,またはその塩であることを特徴とする請求項2に記載の薬剤


【請求項4】
異所性骨化が,進行性骨化性線維異形成症による症状であることを特徴とする請求項1から3に記載の薬剤


【請求項5】
請求項1ないし4に記載の薬剤を用いて,異所性骨化を治療ないし予防する方法

国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 公開
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