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エルゴチオネイン合成微生物、及びエルゴチオネインの製造方法

国内特許コード P180015326
整理番号 S2018-0434-N0
掲載日 2018年10月9日
出願番号 特願2018-038057
公開番号 特開2019-149972
出願日 平成30年3月2日(2018.3.2)
公開日 令和元年9月12日(2019.9.12)
発明者
  • 大津 厳生
  • 河野 裕介
  • 田中 尚志
  • 大利 徹
  • 佐藤 康治
出願人
  • 国立大学法人筑波大学
  • 国立大学法人北海道大学
発明の名称 エルゴチオネイン合成微生物、及びエルゴチオネインの製造方法
発明の概要 【課題】収量が高いエルゴチオネインの製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】システイン生産株である微生物に、システインとヘルシニンとから、ヘルシニルシステインスルホキシドへの反応を触媒する酵素をコードするエルゴチオネイン合成遺伝子を遺伝子導入された微生物を用いることにより、高収量でエルゴチオネインを産生することが可能になった。
【選択図】図5
従来技術、競合技術の概要

エルゴチオネインは、ライ麦角菌 (Claviceps purpurea)から単離された含硫アミノ酸として発見され、植物や動物の生体内にも存在することが見いだされている。しかしながら、植物や動物は、エルゴチオネインを合成することはできず、生体内のエルゴチオネインは、担子菌類などの微生物により合成されたエルゴチオネインに由来すると考えられている。特に担子菌類の一部のキノコ、例えばヒラタケ、シイタケ、マイタケ、エリンギなどの食用キノコにも含まれており、特にタモギタケに多く含まれていることが知られている。エルゴチオネインは、高い抗酸化性を有しており、またエラスターゼ阻害作用、チロシナーゼ阻害作用が報告されており、美白やしわ予防といった美容・食品分野で特に注目されている。また、エルゴチオネインが生体酸化防御システムに関与することが判明してきており、医療分野での応用も試みられている。

エルゴチオネインの製造方法として、タモギタケなどの担子菌からの抽出、化学合成、微生物を用いた発酵が試みられている。タモギタケなどの担子菌からの抽出は、原材料の取得に時間がかかり、大量生産には適していない。大量生産には化学合成が適しているが、高価な合成試薬を用いる必要があり、また精製コストが高くなるという問題がある(特許文献1)。微生物を用いた発酵の方法として、C1化合物資化性の細菌や酵母を用いた発酵(特許文献2、非特許文献1)、さらにはエルゴチオネイン生合成遺伝子を過剰発現させた微生物を用いた発酵(特許文献3)が挙げられる。しかしながら、遺伝子導入がされていない細菌や酵母を用いた発酵では、十分な量のエルゴチオネインを得ることが難しく、エルゴチオネイン生合成遺伝子を導入した微生物を用いた発酵を行った場合であっても、200μg/l程度の生産量を得ることが限界であった。

産業上の利用分野

本発明は、エルゴチオネイン合成微生物の創製、並びにかかるエルゴチオネイン合成微生物を用いたエルゴチオネインの製造方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
システイン生産株である微生物に、システインとヘルシニンとから、ヘルシニルシステインスルホキシドへの反応を触媒する酵素をコードする原核生物由来のエルゴチオネイン合成遺伝子を遺伝子導入された微生物を培養する工程を含む、エルゴチオネインの製造方法。

【請求項2】
前記エルゴチオネイン合成遺伝子がコードする酵素が、システインとヘルシニンとから、ヘルシニルシステインスルホキシドへの反応を触媒する一方で、γ-グルタミルシステインとヘルシニンとからヘルシニル-γ-グルタミル-システインスルホキシドへの反応を触媒しない、請求項1に記載の製造方法。

【請求項3】
前記微生物にヘルシニル-γ-グルタミル-システインスルホキシドから、ヘルシニルシステインスルホキシドへの反応を触媒するタンパク質をコードする遺伝子が導入されていない、請求項1又は2に記載の製造方法。

【請求項4】
前記エルゴチオネイン合成遺伝子が、Methylobacterium属細菌由来のegtB様遺伝子である、請求項1~3のいずれか一項に記載の製造方法。

【請求項5】
前記システイン生産株である微生物が、変異型cysE、変異型serA、変異型cysBからなる群から選ばれる少なくとも1の遺伝子を有する大腸菌である、請求項1~4のいずれか一項に記載の製造方法。

【請求項6】
システイン生産株が、さらにmetJ遺伝子を欠損されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の製造方法。

【請求項7】
前記微生物を培養する培地が、ヒスチジン添加培地である、請求項1~6のいずれか一項に記載の製造方法。

【請求項8】
システイン生産株である微生物において、システインとヘルシニンとから、ヘルシニルシステインスルホキシドを触媒する酵素をコードする原核生物由来のエルゴチオネイン合成遺伝子を導入されたエルゴチオネイン生産能を有する微生物。

【請求項9】
前記エルゴチオネイン合成遺伝子がコードする酵素が、システインとヘルシニンとから、ヘルシニルシステインスルホキシドへの反応を触媒する一方で、γ-グルタミルシステインとヘルシニンとからヘルシニル-γ-グルタミル-システインスルホキシドへの反応を触媒しない、請求項8に記載の微生物。

【請求項10】
前記微生物に、ヘルシニル-γ-グルタミル-システインスルホキシドから、ヘルシニルシステインスルホキシドへの反応を触媒するタンパク質をコードする遺伝子が導入されていない、請求項8又は9に記載の微生物。

【請求項11】
前記エルゴチオネイン合成遺伝子が、Methylobacterium属細菌由来のegtB様遺伝子である、請求項8~10のいずれか一項に記載の微生物。

【請求項12】
前記システイン生産株である微生物が、変異型cysE、変異型serA、変異型cysB、及びydeD遺伝子からなる群から選ばれる少なくとも1の遺伝子を有する大腸菌である、請求項11に記載の微生物。

【請求項13】
システインとヘルシニンとから、ヘルシニルシステインスルホキシドを触媒する酵素をコードするエルゴチオネイン合成遺伝子を導入されたエルゴチオネイン生産能を有する大腸菌。

【請求項14】
前記エルゴチオネイン合成遺伝子がMethylobacterium属細菌由来のegtB様遺伝子である、請求項13に記載の大腸菌。

【請求項15】
さらに、egtD又はegtE遺伝子が導入された、請求項13又は14に記載の大腸菌。

【請求項16】
変異型serA遺伝子、ydeD遺伝子、及び変異型cysE遺伝子が導入された、請求項13~15のいずれか一項に記載の大腸菌。

【請求項17】
さらにmetJ遺伝子が欠損された、請求項13~16のいずれか一項に記載の大腸菌。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2018038057thum.jpg
出願権利状態 公開
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