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最適特性を有する非天然型タンパク質の製造方法 NEW

国内特許コード P180015360
整理番号 1903
掲載日 2018年10月25日
出願番号 特願2017-041685
公開番号 特開2018-143172
出願日 平成29年3月6日(2017.3.6)
公開日 平成30年9月20日(2018.9.20)
発明者
  • 木賀 大介
  • 榎本 利彦
出願人
  • 学校法人早稲田大学
発明の名称 最適特性を有する非天然型タンパク質の製造方法 NEW
発明の概要 【課題】
最適特性を有する非天然型タンパク質の取得を最適解とするときに、複数の変異体の間で試験管内組換えを行う方法によっても解決不可能な困難性を解決し、最適特性を有する非天然型タンパク質を製造するための製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】
タンパク質の進化工学において、局所最適解に留まってしまう問題を回避するために、本発明では、計算機科学の最適化において行われる「焼きなまし法(Simulated annealing)」の適用を、本発明独自の改変遺伝暗号を持つタンパク質合成系によって調製されたタンパク質に対して行うことを可能とする進化工学的な手法を着想し、本着想の正当性を実験的に確認することにより、本発明を完成させた。
【選択図】図6
従来技術、競合技術の概要 タンパク質を産業応用するために、野生型タンパク質のアミノ酸配列を複数の残基について改変することが多く行われている。改変についての従来技術として、変異が導入されて目的とする性質が向上した変異体をそのまま活用するだけでなく、このような第一世代変異体にさらに変異を加えた変異体ライブラリーの中から、より有用な第二世代変異体を単離する人工進化も行われている。追加変異を導入したライブラリー作製、変異体単離、のサイクルは3回以上繰り返されることも多い。

タンパク質の複数の残基への改変を蓄積する進化工学の有効性が知られているが、その限界と課題も知られている。タンパク質のアミノ酸配列の可能性は、タンパク質の長さをn残基とすると、20のn乗となり、非常に大きなバラエティを持つため、タンパク質工学による設計のみならず、点変異と選択を繰り返す人工進化によっても、局所的な最適解としての配列が得られるのみで、活性のより高い配列を得ることが困難であった(図1参照)。そこで、複数の変異体の間で試験管内組換えを行う方法が開発されてはいるが、まだ困難が続いている。

また、タンパク質合成系において変則暗号表に基づく翻訳時のタンパク質への変異導入方法も考案されている(特許文献1)。しかし、この文献では、局所解に陥らず最適解を求めることができる問題及びその解決法についての示唆はなく、この問題に対する解決法はなかった。
産業上の利用分野 本発明は、進化分子工学的手法への焼きなまし法の導入に基づく最適特性を有する非天然型タンパク質の製造方法に関する。
特許請求の範囲 【請求項1】
標的タンパク質に対して最適特性を有する非天然型タンパク質の製造方法であって、
(i) 標的タンパク質を選定するステップと、
(ii) 該標的タンパク質をコードするDNAに突然変異を導入するステップと、
(iii)タンパク質合成系で移動平均暗号表を使用することで、個々の突然変異導入DNAに対して移動平均翻訳をすることにより、配列空間上の活性地形曲線又は曲面に対する配列方向の移動平均曲線又は移動平均曲面を取得するステップであって、
前記移動平均翻訳の方法が、特定のアミノ酸種の一部のアミノ酸を当該アミノ酸種以外の天然のアミノ酸に置換してなる非天然型タンパク質を取得するために、前記特定のアミノ酸種に対応する普遍遺伝暗号表を反映する塩基配列を有する天然型アミノアシルtRNAと、前記天然のアミノ酸に対応する移動平均暗号表を反映する塩基配列を有する非天然型アミノアシルtRNAとを含むタンパク質合成系で翻訳する方法である、
ステップと、
(iv) それぞれ異なる配列を持つ核酸分子群に対応して前記移動平均曲線又は移動平均曲面より最適配列により示される個々の核酸分子から生産されるタンパク質群の平均活性を評価することで最適配列に近似する非天然型タンパク質を選別するステップと、
(v) 前記最適配列に近似するアミノ酸配列を有する非天然型タンパク質に対応するDNA及びこれにさらに変異を導入したDNAに対して普遍遺伝暗号表に基づく翻訳により、最適特性を有する非天然型タンパク質を取得するステップと、
を含むことを特徴とする最適特性を有する非天然型タンパク質の製造方法。

【請求項2】
前記ステップ(iv)又は(v)のステップで選別された非天然型タンパク質に対応するDNAを前記ステップ(ii)の標的タンパク質をコードするDNAに置換し、前記ステップ(ii)~(v)を反復することにより移動平均暗号による翻訳でのウィンドウ幅を徐々に変化させるステップをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の製造方法。

【請求項3】
前記タンパク質合成系における天然型アミノアシルtRNAと非天然型アミノアシルtRNAとの割合を変化させた割合の条件下で翻訳することで移動平均のウィンドウ幅を変化させることを特徴とする請求項1又は2に記載の製造方法。

【請求項4】
前記非天然型アミノアシルtRNAが、アラニンtRNA変異体又はセリンtRNA変異体である、請求項1~3のいずれか1項に記載の製造方法。

【請求項5】
前記の特定のアミノ酸が、トレオニン(Thr)、リジン(Lys)、トリプトファン(Trp)、システイン(Cys)、チロシン(Tyr)、アスパラギン(Asn)及びアルギニン(Arg)からなる群から選択される少なくとも1つである、請求項1~4のいずれか1項に記載の製造方法。

【請求項6】
前記タンパク質合成系が、細胞内又は無細胞系のタンパク質合成系であることを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の製造方法。

【請求項7】
前記特性が、標的タンパク質の機能特性、生理特性、生理活性、薬理活性、結合特性、酵素活性、安定性、耐熱性(熱耐性)、耐塩性、耐pH性、耐酸化性、耐溶媒性、耐低温性、又は、これら以外の過酷条件への耐性特性から選択されることを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2017041685thum.jpg
出願権利状態 公開
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