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微粒子の3D位置特定装置及び特定方法 NEW コモンズ 新技術説明会

国内特許コード P180015366
整理番号 KIT15050
掲載日 2018年10月29日
出願番号 特願2016-047872
公開番号 特開2017-161436
出願日 平成28年3月11日(2016.3.11)
公開日 平成29年9月14日(2017.9.14)
発明者
  • カチョーンルンルアン パナート
  • 鈴木 恵友
  • 白川 裕晃
  • 堺 航也
出願人
  • 国立大学法人九州工業大学
発明の名称 微粒子の3D位置特定装置及び特定方法 NEW コモンズ 新技術説明会
発明の概要 【課題】走査せず、ワンショットで各単ナノ粒子の深さ座標位置zの情報を得ることにより、3次元位置情報を高分解能で求める。
【解決手段】レーザー光を屈折率の大きい媒質n1と小さい媒質n2の境界面で全反射させることにより発生させた近接場光を媒質n2の中に存在する微粒子に照射する。レーザー光源を、波長λ1を有する第1のレーザー光源と、波長λ1とは異なる波長λ2を有する第2のレーザー光源によって構成する。イメージセンサは、散乱光を波長毎に分離して検出して、記憶媒体に記憶する。波長毎に記憶されている3次元散乱光強度分布より、最大強度値を検出し、かつ、そのx、y座標位置を、微粒子のx、y座標位置として出力する。波長毎に検出した最大強度値を用いて演算し、演算結果を微粒子のz座標位置として出力する。

【選択図】 図1
従来技術、競合技術の概要 半導体製造分野、ドラッグデリバリー、バイオマーカー等の分野では、ナノ粒子が多様に用いられており、近年では、光学部品の性能向上及びナノ粒子を用いた新たな測定手法の発展により、電子顕微鏡に頼らず、ナノスケールにおける現象を光学的かつ動的に観察するようになってきている。

ナノスケールにおける加工現象を、例えば、ポリシング加工の場合を例として説明する。図13は、ポリシングパッド(マイクロパターンパッド)を用いた化学的機械的研磨装置の動作を説明する図である。平坦化プロセスとして、CMP(Chemical Mechanical Polishing; 化学的機械的ポリシング)技術が採用されている。ウエハは、キャリアにより保持され、回転しているプラテンに貼り付けたポリシングパッド表面上に対して荷重を受けながら回転する。同時に研磨液であるスラリー(研磨粒子が含まれる化学溶液)がポリシングパッド上に供給されることにより研磨が進行する。

図14は、CMPプロセスによる材料除去現象を説明する図である。材料除去現象は、被ポリシング面に形成された水和分子層に微粒子(粒径数100 nm以下)が凝着した後離れることにより、材料除去が進行すると考えられている。微粒子とスラリー流れがポリシングの微視的挙動に直接影響するが、従来、それらの現象が十分に解明されているとは言い難い。

本発明者らは、全反射顕微鏡法「非特許文献1」の応用により、単ナノ粒子(粒径50nm以下)を自作装置で動的に追跡することができた「非特許文献2、3」。次に、全反射表面に在るナノ粒子からの(エバネッセント光の)散乱光とその粒子径の特性(関係性)を導いた「非特許文献4」。

図15は、非特許文献2に開示の被ポリシング面近傍の現象を可視化する手法を説明する図である。この可視化手法は、単波長のレーザー光を照射した際に発生する近接場光(別名;エバネッセント光)を利用する。近接場光は通常、屈折率の大きい媒質n1(本事例では,被加工表面内部)から小さい媒質n2(本事例では,加工溶液)にレーザー光が入射する際、入射角が臨界角を超えると全反射が生じる。この反射発生面において、発生したエバネッセント光は発生面垂直方向(加工溶液)へは指数関数的に減衰するが、そこに微小散乱体(ポリシング加工では、ポリシング液中微粒子、場合によっては、ポリシングパッドアスペリティも含める)が侵入すると、伝搬光に変換されるため、その散乱体(微粒子)の挙動が観察可能となる。すなわち、ナノ粒子が被加工界面領域に入るとき(加工に関わるナノ粒子)だけ、散乱光を発生させ、被加工面近傍のみの現象観察が可能になる。

これによって導かれた散乱光とその粒子径の関係は、該境界面に滞在する粒子径が凡そ散乱光強度の二乗に比例することがわかった「非特許文献4」。しかし、実用上動的観察するためには、単ナノ粒子が常に動いているため、全反射表面にとどまるのではなく、上下(深さ方向にも)運動している点および、任意の粒径により、散乱光からの情報では、いずれも特定することが不可能である。

図16は、従来提案されていた技術に基づくウェハ上の表面異物検出を説明する図である(非特許文献5参照)。図16は、図15における屈折率の小さい媒質n2(例えば、加工溶液)の下面にウェハを位置させたものに相当する。屈折率の大きい媒質n1(例えば、半球レンズ)と小さい媒質n2(例えば、加工溶液)の境界面(図示の基準面)に単波長のレーザー光を照射する。これにより発生したエバネッセント光を、ウェハ上の加工溶液中微粒子に照射すると、ある適切な基準面からの深さにより、各微粒子の2次元平面内位置(x、y座標)をリング状のフーリエ変換された散乱光パターンにより、特定することができる。

2次元画像平面だけでなく、奥行き又は深さ方向を含めた3次元情報を動的に観察するには、深さ方向における走査が必要である。現状は、動的に観察することは可能であるものの、必然的にフレームレートを向上させることが困難である。また、点強度分布の考え方から、一般的に縦(深さ)分解能が50nmより大きいという問題もある。

なお、特許文献1~3には、エバネッセント光を発生させるために全反射させる種々の手段が開示されている。また、特許文献4には、プリズムとか波長選択ミラーを用いる波長分離手段が開示されている。
産業上の利用分野 本発明は、レーザー光を境界面で全反射させることにより発生させた近接場光を液体中の微粒子に照射して、その散乱光を検出することにより微粒子の3次元位置を特定する3D位置特定装置及び特定方法に関する。
特許請求の範囲 【請求項1】
レーザー光源より入射したレーザー光を屈折率の大きい媒質n1と小さい媒質n2の境界面で全反射させることにより、該境界面の外側近傍に発生させた近接場光を前記小さい媒質n2の中に存在する微粒子に照射し、かつ、該微粒子からの散乱光を検出する散乱光検出手段を備えた微粒子の3D位置特定装置において、
前記レーザー光源を、第1の波長λ1を有する第1のレーザー光源と、第1の波長λ1とは異なる第2の波長λ2を有する第2のレーザー光源によって構成し、
前記散乱光検出手段は、発生した散乱光を第1の波長λ1と第2の波長λ2の波長毎に分離して検出するイメージセンサを備え、
前記イメージセンサによって検出した波長毎の3次元散乱光強度分布を波長毎に記憶する記憶媒体を備え、
波長毎に記憶されている前記3次元散乱光強度分布より、波長毎に最大強度値を検出する検出手段を備え、かつ、少なくともいずれか一方の波長について検出した最大強度値のx、y座標位置を、微粒子のx、y座標位置として出力し、
波長毎に検出した前記最大強度値を用いて演算する演算手段を備えて、該演算手段は、演算結果を微粒子のz座標位置として出力する、
ことからなる微粒子の3D位置特定装置。

【請求項2】
前記屈折率の大きい媒質n1としてレンズ或いはプリズムを用い、或いは該屈折率の大きい媒質n1’の上に、この媒質n1’と屈折率の略等しいレンズ或いはプリズムを載置した請求項1に記載の微粒子の3D位置特定装置。

【請求項3】
前記屈折率の大きい媒質n1としてレンズ或いはプリズムを用い、かつ、前記屈折率の小さい媒質n2として用いる流体の下側に被加工材を配置した請求項1に記載の微粒子の3D位置特定装置。

【請求項4】
前記散乱光検出手段は、発生した散乱光を集光する対物レンズを備えて、該対物レンズは、発生した散乱光を検出可能の任意の位置に配置して、レンズ開口数NAによって決まる所定範囲内の散乱光を集光する請求項1に記載の微粒子の3D位置特定装置。

【請求項5】
前記散乱光検出手段は、散乱光を波長毎に分離する波長分離手段を備えて、前記イメージセンサは、前記波長分離手段により波長毎に分離した散乱光を検出する請求項1に記載の微粒子の3D位置特定装置。

【請求項6】
前記演算手段による演算は、波長λ1の最大強度値と、波長λ2の最大強度値の比Iλ1/Iλ2を演算して、微粒子のz座標値を算出する請求項1に記載の微粒子の3D位置特定装置。

【請求項7】
前記最大強度値の比Iλ1/Iλ2の演算は、
全反射照明条件定数ξ2>ξ1であり、かつ、Ioλ1、Ioλ2は、照明光強度定数として、
【数12】


によって微粒子のz座標値を算出する請求項6に記載の微粒子の3D位置特定装置。

【請求項8】
第1のレーザー光源に対して、第2のレーザー光源は、逆方向から、屈折率の大きい媒質n1と小さい媒質n2の境界面に入射させた請求項1に記載の微粒子の3D位置特定装置。

【請求項9】
Dは粒径、kは、顕微鏡光学系の定数であるとして、
散乱光強度 I(D) ∝D[1-exp(-kD)] ≒D2
の関係式に基づき,微粒子の3次元座標位置情報に加えて、微粒子からの散乱光強度から微粒子の粒径を求める請求項1に記載の微粒子の3D位置特定装置。

【請求項10】
レーザー光源より入射したレーザー光を屈折率の大きい媒質n1と小さい媒質n2の境界面で全反射させることにより、該境界面の外側近傍に発生させた近接場光を前記小さい媒質n2の中に存在する微粒子に照射し、かつ、該微粒子からの散乱光を検出する微粒子の3D位置特定方法において、
前記レーザー光源を、第1の波長λ1を有する第1のレーザー光源と、第1の波長λ1とは異なる第2の波長λ2を有する第2のレーザー光源によって構成し、
発生した散乱光を第1の波長λ1と第2の波長λ2の波長毎に分離して検出するイメージセンサを備え、
前記イメージセンサによって検出した波長毎の3次元散乱光強度分布を波長毎に記憶し、
波長毎に記憶されている前記3次元散乱光強度分布より、波長毎に最大強度値を検出し、かつ、少なくともいずれか一方の波長について検出した最大強度値のx、y座標位置を、微粒子のx、y座標位置として出力し、
波長毎に検出した前記最大強度値を用いて演算した演算結果を、微粒子のz座標位置として出力する、
ことからなる微粒子の3D位置特定方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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