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デジタルPCR用熱サイクル装置 NEW

国内特許コード P180015374
整理番号 S2017-0454-N0
掲載日 2018年11月1日
出願番号 特願2017-043620
公開番号 特開2018-143197
出願日 平成29年3月8日(2017.3.8)
公開日 平成30年9月20日(2018.9.20)
発明者
  • 橋本 雅彦
  • 藤田 圭佑
  • 西畠 健亮
出願人
  • 学校法人同志社
発明の名称 デジタルPCR用熱サイクル装置 NEW
発明の概要 【課題】デジタルPCRの熱サイクルにおける変性及びアニーリング/伸長のためのホールド時間をなくし、デジタルPCRの高速化を実現するデジタルPCR用熱サイクル装置の提供。
【解決手段】PCR反応液の液滴6と油相7のエマルジョンを収容するための液滴収容部2を有する容器1と、平坦な上面5aが加熱面をなすヒーター5とを備えるデジタルPCR用熱サイクル装置。容器1は、上下に貫通する開口3aが少なくとも1つ形成された容器本体3と、容器本体3の下面に接合された熱伝導性を有する基板4とを有し、容器本体3の開口3aと基板4から容器1の液滴収容部2が形成され、容器1はヒーター5の上面5aに載置され、容器1の液滴収容部2に液滴6が単層をなして収容された状態で、容器1の基板4がヒーター5によりPCRの熱サイクルに従って繰り返し温度昇降されるデジタルPCR用熱サイクル装置。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


デジタルPCR法においては、まず、テンプレート(増幅対象)DNA、DNA合成酵素(DNAポリメラーゼ)およびプライマーと呼ばれるオリゴヌクレオチド等を含む反応液(PCR反応液)が、複数の微細ウェル(反応パーティション)に分配される。このとき、微細ウェルのサイズが均一であれば、DNA分子の分配はポアソン分布に従う。



その後、微細ウェルは、PCR用の熱サイクル装置によって、変性(94℃程度)・アニーリング(60℃程度)・伸長(72℃程度)のための3段階の温度変化を生じさせる熱サイクル、あるいは変性(94℃程度)・アニーリング/伸長(60℃~68℃程度)のための2段階の温度変化を生じさせる熱サイクルを施され、それによって一斉にPCR増幅が行われる。



このとき、DNA分子が1つ以上存在していた微細ウェル内では、PCR増幅が進行し、PCR生産物が得られる。なお、PCR反応液には予め蛍光プローブが含有され、PCR生産物が存在していれば蛍光シグナルが得られるようになっている。



こうして、デジタルPCR終了後、各微細ウェルの蛍光シグナルのオン/オフが判定される。そして、微細ウェルの全体に占める蛍光陽性ウェルの割合がわかれば、微細ウェル1個当たりの平均DNA分子数λが、
λ=-ln(1-p)
ここで、pは蛍光陽性液滴の割合を表す、によって算出される。



さらに、微細ウェルの個数と微細ウェル1個当たりの体積が既知であるから、PCR反応液中のDNA分子数が算出される。
このように、デジタルPCRは、従来のPCRとは異なり、外部リファレンスを用いることなくDNAの絶対定量を可能とする。
それ故、デジタルPCR法においては、微細ウェル内において一分子からPCR増幅ができることが必須条件となる。なぜなら、もしこの条件が満たされないと、上式のpの値を正しく見積もることができないからである。



また近年では、マイクロ流体チップを用いて製造した微小な液滴(エマルジョン)を微細ウェルの代わりに使用したデジタルPCR法が盛んに研究されている。
なお、液滴(エマルジョン)を反応パーティションとして使用するデジタルPCRを、特にドロプレットデジタルPCRと呼ぶこともある。



ところで、デジタルPCRにおいても、熱サイクル装置としては、従来のPCR法で用いられる熱サイクル装置が一般に使用されている。
従来の熱サイクル装置としては、例えば、特許文献1に記載されたものがある。
特許文献1に記載の熱サイクル装置は、基台と、基台の上面に立設された支持壁と、支持壁の一面に取り付けられたモータと、支持壁の他面側に突出するモータの駆動軸に固定された本体とを備えている。



本体は、互いに間隔をあけて対置された一対のフランジと、一対のフランジ間にのび、互いに上下に間隔をあけて配置された第1加熱部、スペーサーおよび第2加熱部と、一対のフランジ間にのび、第1加熱部、スペーサーおよび第2加熱部のそれぞれの両側を被覆する一対の固定板と、一対のフランジおよび一対の固定板によって画成された下部開口を被覆する底板と、一対のフランジおよび一対の固定板によって画成された上部開口を被覆する蓋と、を備えており、一対のフランジのうちの一方のフランジがモータの駆動軸に固定されている。第1および第2加熱部は、それぞれアルミニウム製のヒートブロックと、ヒーターとからなっている。
また、第1加熱部のヒートブロック、スペーサーおよび第2加熱部のヒートブロックの上下に整合する位置に複数の穴が貫通形成されており、これらの貫通穴が、バイオチップを装着するための装着部を形成している。



そして、PCR反応液と、PCR反応液よりも比重が小さく、かつ反応液と混和しない液体とが充填されたバイオチップが熱サイクル装置の本体の装着部に装着され、第1および第2加熱部の温度が制御されつつ、本体がモータによって回転せしめられて、バイオチップを起立状態に保持する位置と、バイオチップを逆立ち状態に保持する位置の2つの位置に切り替えられることによって、バイオチップ内のPCR反応液に熱サイクルが施されるようになっている。



しかしながら、この熱サイクル装置においては、第1および第2加熱部のヒートブロックからバイオチップ内のPCR反応液に熱が伝わるのに一定の時間を要するため、変性・アニーリング・伸長の各設定温度において10秒~1分程度のホールド時間(待機時間)が設けられる。
そのため、PCR生産物を得るまでに時間がかかるという問題があり、ホールド時間をいかに短縮するかがデジタルPCR法における主要な課題の1つとなっている。

産業上の利用分野


本発明は、デジタルPCR(Polymerase Chain Reaction)法において使用される熱サイクル装置に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
PCR反応液の液滴と油相とのエマルジョンを収容するための液滴収容部を有する容器と、
前記容器を支持するための支持手段と、
前記容器を加熱するための熱源とを備えたデジタルPCR用熱サイクル装置であって、
前記容器が、
上下に貫通する開口が少なくとも1つ形成された容器本体と、
前記容器本体の下面に接合された熱伝導性を有する基板と、を有し、
前記容器本体の前記開口が前記液滴収容部の内部空間を形成するとともに、前記基板の上面が前記液滴収容部の底面を形成し、
前記熱源が、前記支持手段によって支持された前記容器の下面に接触し、または前記容器の下方において前記容器の下面に対向して配置され、
前記容器の前記液滴収容部に、前記エマルジョンが、前記液滴が単層をなすように収容された状態で、前記容器の前記基板が前記熱源によりPCRの熱サイクルに従って繰り返し温度昇降されるものであることを特徴とするデジタルPCR用熱サイクル装置。

【請求項2】
前記熱源はヒーターからなり、前記ヒーターの上面が平坦な加熱面を形成するとともに前記支持手段をなし、前記容器は前記ヒーターの上面に載置されていることを特徴とする請求項1に記載のデジタルPCR用熱サイクル装置。

【請求項3】
前記ヒーターはフラットベッド熱サイクラーからなっていることを特徴とする請求項2に記載のデジタルPCR用熱サイクル装置。

【請求項4】
前記基板はガラス板からなっていることを特徴とする請求項1~請求項3のいずれかに記載のデジタルPCR用熱サイクル装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2017043620thum.jpg
出願権利状態 公開
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