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タイトジャンクション機能低下に起因する疾患の予防及び/又は治療剤 NEW

国内特許コード P180015390
整理番号 S2017-0158-N0
掲載日 2018年11月1日
出願番号 特願2017-051126
公開番号 特開2018-155538
出願日 平成29年3月16日(2017.3.16)
公開日 平成30年10月4日(2018.10.4)
発明者
  • 善本 知広
  • 福岡 あゆみ
  • 松下 一史
出願人
  • 学校法人兵庫医科大学
発明の名称 タイトジャンクション機能低下に起因する疾患の予防及び/又は治療剤 NEW
発明の概要 【課題】タイトジャンクション機能低下に起因する疾患の予防及び/又は治療剤をスクリーニングする方法、及びタイトジャンクション機能低下に起因する疾患の予防及び/又は治療剤を提供すること。
【解決手段】被検物質によりCST1の機能が促進された場合に、被検物質がタイトジャンクション機能増強能を有すると判定することを含む、タイトジャンクション機能低下に起因する疾患の予防及び/又は治療剤をスクリーニングする方法、及び、有効成分として、CST1の機能を促進する作用を有する物質を含む、タイトジャンクション機能低下に起因する疾患の予防及び/又は治療剤による。
【選択図】図5
従来技術、競合技術の概要


生体は上皮細胞層及び血管内皮細胞層によって、脳、血管、腎臓などのコンパートメントが形成されている。上皮細胞層や血管内皮細胞層は、生体内外および組織内外を隔てるバリアとして機能することにより、恒常性維持に深く関わっている。これらの細胞層では、隣接する細胞間にタイトジャンクション(tight junction)(以下「TJ」)が発達しており、TJによって細胞と細胞の間隙がシールされ、物質の透過が制御されている。TJ構成タンパク質(例えば、ZO-1やClaudin-1等)が何らかの原因で減少した場合、TJの構造的な破壊が起こり、物質の透過バリアとして機能が低下することが知られている。



TJは、花粉やダニなど、アレルギーを引き起こす様々なアレルゲンの体内への侵入を予防しており、アレルギー性鼻炎やアトピー性皮膚炎等のアレルギー性疾患において重要な役割を果たす。アレルギー性鼻炎では、鼻粘膜上皮細胞におけるTJの崩壊により、抗原が上皮組織下に侵入することが、発症と増悪につながる。アレルギー性鼻炎の発症の起点は、鼻粘膜に付着したアレルゲン(抗原)が上皮細胞を通過し、上皮組織下に侵入することである。アレルギー性鼻炎の抑制には、鼻粘膜上皮細胞が「物理的バリア」として上皮組織下への抗原の侵入を防ぐことが重要であり、より詳細には物理的バリアである上皮細胞のTJの機能を維持することが重要である。実際、本発明者らは特許文献1にて、1)大気中の微小粒子状物質(PM2.5)が鼻粘膜上皮細胞のTJを破壊する結果、抗原透過性が亢進しアレルギー性鼻炎を増悪させること、2)PM2.5に対する阻害薬はTJを保護しアレルギー性鼻炎の増悪を予防・治療できることを見出してきた。



アレルゲンにはプロテアーゼが含まれており、外来性プロテアーゼは直接的にTJ構成タンパク質を分解することで、上皮バリアを破壊、または上皮細胞や免疫細胞を刺激してサイトカイン/ケモカイン産生を誘導することが知られている。Cystatin Aはヒトの汗に含まれる内在性プロテアーゼ阻害タンパク質であり、ダニのプロテアーゼ抗原(Der p1やDer f1)に対するIgE抗体の産生を抑制することが報告されている(非特許文献1)。



Cystatinファミリーに属するシステインプロテアーゼ阻害タンパク質の1つに、CST1がある。CST1は、主にヒトの唾液、涙液、血漿や尿中等に分泌されていることが知られている。CST1は基質と競合し、パパイン等の外来性プロテアーゼの活性を阻害する。非特許文献2では、鼻粘膜上皮における網羅的遺伝子解析を行ったところ、スギ花粉の飛散時期に相関してCST1がスギ花粉症患者の鼻粘膜上皮細胞に著明に発現することが報告されている。しかしながら、スギ花粉症患者の鼻粘膜でCST1が発現上昇する生理的または病因的意義については、明らかにはされていない。

産業上の利用分野


本発明は、タイトジャンクション機能低下に起因する疾患の予防及び/又は治療剤をスクリーニングする方法、および、タイトジャンクション機能低下に起因する疾患の予防及び/又は治療剤に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
被検物質によりCST1の機能が促進された場合に、被検物質がタイトジャンクション機能増強能を有すると判定することを含む、タイトジャンクション機能低下に起因する疾患の予防及び/又は治療剤をスクリーニングする方法。

【請求項2】
被検物質によりCST1の機能が促進された場合に、被検物質がタイトジャンクション構成タンパク質の破壊阻害能を有すると判定することを含む、タイトジャンクション機能低下に起因する疾患の予防及び/又は治療剤をスクリーニングする方法。

【請求項3】
CST1の機能が、花粉由来のプロテアーゼの活性阻害である、請求項1又は2に記載のスクリーニング方法。

【請求項4】
以下の工程1)~3)を含む、請求項1~3のいずれかに記載のスクリーニング方法:
1)被検物質と接触させていない花粉由来のプロテアーゼを基質と反応させ、プロテアーゼ活性を測定する工程;
2)被検物質と接触させた花粉由来のプロテアーゼを基質と反応させ、プロテアーゼ活性を測定する工程;
3)工程1)のプロテアーゼ活性に比較して、工程2)のプロテアーゼ活性が低い場合に、被検物質がタイトジャンクション機能増強能を有すると判定する工程。

【請求項5】
基質が、メチルクマリンアミドと基質ペプチドとの結合した合成基質であり、プロテアーゼ活性が、合成基質から遊離したアミノメチルクロマリンの蛍光強度により測定される、請求項4に記載のスクリーニング方法。

【請求項6】
以下の工程1)~3)を含む、請求項1~3のいずれかに記載のスクリーニング方法:
1)被検物質に接触させていない上皮細胞について、CST1の機能を測定する工程:
2)被検物質に接触させた上皮細胞について、CST1の機能を測定する工程:
3)工程1)の上皮細胞に比較して、工程2)の上皮細胞のCST1の機能が促進されている場合に、被検物質がタイトジャンクション機能増強能を有すると判定する工程。

【請求項7】
以下の工程1)~3)を含む、請求項1~3のいずれかに記載のスクリーニング方法:
1)被検物質の非存在下でCST1を上皮細胞に接触させ、タイトジャンクションの機能を測定する工程:
2)被検物質の存在下でCST1を上皮細胞に接触させ、タイトジャンクションの機能を測定する工程:
3)工程1)の上皮細胞に比較して、工程2)の上皮細胞のタイトジャンクション機能が増強されている場合に、被検物質がタイトジャンクション機能増強能を有すると判定する工程。

【請求項8】
以下の工程1)~3)を含む、請求項1~3のいずれかに記載のスクリーニング方法:
1)CST1発現形質転換非ヒト動物にアレルゲンを感作させ、その後アレルゲンに曝露させた非ヒト動物について、タイトジャンクションの破壊の程度を測定する工程;
2)前記非ヒト動物に、被検物質を投与し、タイトジャンクション破壊の程度を測定する工程;
3)工程1)の非ヒト動物に比較して、工程2)の非ヒト動物のタイトジャンクション破壊が抑制されている場合に、被検物質がタイトジャンクション機能増強能を有すると判定する工程。

【請求項9】
タイトジャンクション機能低下に起因する疾患が、アレルギー疾患である、請求項1~8のいずれかに記載のスクリーニング方法。

【請求項10】
有効成分として、CST1の機能を促進する作用を有する物質を含む、タイトジャンクション機能低下に起因する疾患の予防及び/又は治療剤。

【請求項11】
有効成分として、CST1の機能を促進することにより、タイトジャンクション構成タンパク質の破壊の阻害作用を有する物質を含む、タイトジャンクション機能低下に起因する疾患の予防及び/又は治療剤。

【請求項12】
CST1の機能を増強する作用を有する物質が、CST1タンパク質である、請求項11に記載のタイトジャンクション機能低下に起因する疾患の予防及び/又は治療剤。

【請求項13】
タイトジャンクション機能低下に起因する疾患の予防及び/又は治療剤が、点鼻剤である、請求項10~12のいずれかに記載のタイトジャンクション機能低下に起因する疾患の予防及び/又は治療剤。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2017051126thum.jpg
出願権利状態 公開


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