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生理活性タンパク質の同定方法及びその方法によって得られた生理活性タンパク質 NEW

国内特許コード P180015418
整理番号 (S2015-1988-N64)
掲載日 2018年11月5日
出願番号 特願2017-539953
出願日 平成28年9月14日(2016.9.14)
国際出願番号 JP2016077198
国際公開番号 WO2017047672
国際出願日 平成28年9月14日(2016.9.14)
国際公開日 平成29年3月23日(2017.3.23)
優先権データ
  • 特願2015-180831 (2015.9.14) JP
発明者
  • 相澤 康則
  • 北野 翔平
  • 喜田 裕一郎
出願人
  • 国立大学法人東京工業大学
  • 株式会社ライフィズ
発明の名称 生理活性タンパク質の同定方法及びその方法によって得られた生理活性タンパク質 NEW
発明の概要 本発明の目的は、mRNA上に存在するmORF以外のORFから翻訳される生理活性タンパク質を同定する方法を提供することである。
前記課題は、本発明の真核生物のmRNAにおけるメインのオープンリーディングフレーム(ORF)以外の生理活性を有するタンパク質をコードしているORFを特定することを特徴とする生理活性タンパク質の同定方法であって、(1)候補ORFを組み込んだ発現ベクターを細胞に導入し、導入された細胞を培養する工程、(2)培養細胞から、候補ORFから翻訳される候補タンパク質を免疫沈降することにより、候補タンパク質に結合するタンパク質を検出する工程、(3)候補タンパク質に結合する他のタンパク質が検出された候補タンパク質を生理活性タンパク質と判定する工程、を含む生理活性タンパク質の同定方法によって解決することができる。
従来技術、競合技術の概要


真核生物のタンパク質遺伝子から転写されるメッセンジャーRNA(以下、mRNAと称する)は現在、機能性タンパク質をコードしている読み枠(Open Reading Frame:以下、ORFと称する)を1つしかもたない、すなわちモノシストロニックであると考えられている。これは、オペロン構造をもつ、すなわちポリシストロニックな細菌遺伝子と対比されて説明される、現在の遺伝子学の大原則の1つである。
しかし、真核生物のmRNAのヌクレオチド配列には、開始コドンと終始コドンが同じフレームにあるORF領域が、1つのmRNA上に複数存在している。多くのmRNA上においては、これらの複数のORFのうちの1つのORFが、有意に他のORFよりも長い。一般的には、この最長のORFが、生理活性・細胞機能を有する生理活性タンパク質をコードしていると考えられている。



非特許文献1及び2は、メインのORF(以下、mORFと称することがある)の上流に開始コドンを有するORF(upstream ORF:以下、uORFと称する)が、mORFの翻訳制御に関与していることを報告している。これらの翻訳タンパク質は、mORFの翻訳制御の機能を有しているが、それ自体が生理活性を有しているわけではない。すなわち、動物から、mORF以外のORFから翻訳される生理活性を有するタンパク質は見出されていなかった。

産業上の利用分野


本発明は、生理活性タンパク質の同定方法及びそれによって得られた生理活性タンパク質に関する。本発明によれば、メッセンジャーRNAにコードされているメインのタンパク質以外の生理活性タンパク質を同定することができる。

特許請求の範囲 【請求項1】
真核生物のmRNAにおけるメインのオープンリーディングフレーム(ORF)以外の生理活性を有するタンパク質をコードしているORFを特定することを特徴とする生理活性タンパク質の同定方法であって、
(1)候補ORFを組み込んだ発現ベクターを細胞に導入し、導入された細胞を培養する工程であって、前記候補ORFの開始コドンが、AUG又はAUGの1つの塩基が他の塩基である非AUGであり、
(2)培養細胞から、候補ORFから翻訳される候補タンパク質に結合するタンパク質を検出する工程、
(3)候補タンパク質に結合する他のタンパク質が検出された候補タンパク質を生理活性タンパク質と判定する工程、
を含む生理活性タンパク質の同定方法。

【請求項2】
前記細胞培養工程(1)において、細胞培養液にプロテアソーム阻害剤又はリソソーム阻害剤を添加する、請求項1に記載の生理活性タンパク質の同定方法。

【請求項3】
前記結合タンパク質検出工程(2)の前に、予め候補ORFから翻訳される候補タンパク質の発現を検出し、発現量が多い候補ORFを選択する工程を含む、請求項1又は2に記載の生理活性タンパク質の同定方法。

【請求項4】
前記候補ORFが、
(a)候補ORFの開始コドンが、前記メインORFの開始コドンより5’UTR側に存在すること、
(b)候補ORFのコードするタンパク質が10アミノ酸以上であること、
(c)候補ORFが、1種の真核生物のmRNAにおけるメインORF以外のORFであり、前記候補ORFから翻訳されるアミノ酸配列が、他の1種又は2種以上の真核生物のmRNAにおけるメインORF以外のORFから翻訳されるアミノ酸配列に対して50%以上の同一性を有するORFであること、
(d)候補ORFの開始コドンがAUGであること、及び
(e)真核生物の細胞に発現しているペプチドを質量分析により分析し、得られたペプチドの分子量を用いて候補ORFのデータベースから一致するアミノ酸配列が検索されたORFであること、
からなる群から選択される1つ以上の条件を満たす、請求項1~3のいずれか一項に記載の生理活性タンパク質の同定方法。

【請求項5】
前記結合タンパク質検出工程(2)における、前記結合タンパク質を検出する方法が、免疫沈降、酵母ツーハイブリッド法、プロテインアレイ法、ペルオキシダーゼを用いたラベル法、及びBioID法からなる群から選択される方法である、請求項1~4のいずれか一項に記載の生理活性タンパク質の同定方法。

【請求項6】
前記真核生物が、哺乳類である、請求項1~5のいずれか一項に記載の生理活性タンパク質の同定方法。

【請求項7】
(1)配列番号1で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質、
(2)配列番号1で表されるアミノ酸配列を含み、しかも、育児行動の基盤となる精神活動の異常を抑制する機能を示すタンパク質、
(3)配列番号1で表されるアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入、及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、しかも、育児行動の基盤となる精神活動の異常を抑制する機能を示すタンパク質、あるいは、
(4)配列番号1で表されるアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入、及び/又は付加されたアミノ酸配列を含み、しかも、育児行動の基盤となる精神活動の異常を抑制する機能を示すタンパク質。

【請求項8】
(1)配列番号10又は11で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質、
(2)配列番号10又は11で表されるアミノ酸配列を含み、しかも、Peroxiredoxin 1との結合能を有するタンパク質、
(3)配列番号10又は11で表されるアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入、及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、しかも、Peroxiredoxin 1との結合能を有するタンパク質、あるいは、
(4)配列番号10又は11で表されるアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入、及び/又は付加されたアミノ酸配列を含み、しかも、Peroxiredoxin 1との結合能を有するタンパク質。

【請求項9】
(1)配列番号14又は15で表されるアミノ酸配列からなるタンパク質、
(2)配列番号14又は15で表されるアミノ酸配列を含み、しかも、Q Subcomponent Binding Proteinとの結合能を有するタンパク質、
(3)配列番号14又は15で表されるアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入、及び/又は付加されたアミノ酸配列からなり、しかも、Q Subcomponent Binding Proteinとの結合能を有するタンパク質、あるいは、
(4)配列番号14又は15で表されるアミノ酸配列において、1又は数個のアミノ酸が欠失、置換、挿入、及び/又は付加されたアミノ酸配列を含み、しかも、Q Subcomponent Binding Proteinとの結合能を有するタンパク質。

【請求項10】
請求項7~9のいずれか一項に記載のタンパク質をコードするポリヌクレオチド。

【請求項11】
請求項10に記載のポリヌクレオチドを含む発現ベクター。

【請求項12】
請求項10に記載のポリヌクレオチドを含む形質転換体。

【請求項13】
請求項7~9のいずれか一項に記載のタンパク質に結合する抗体又はその断片。

【請求項14】
請求項7に記載のタンパク質をコードする遺伝子の発現が部分的に又は完全に抑制されたノックアウト非ヒト動物又は細胞。

【請求項15】
請求項14に記載のノックアウト非ヒト動物又は細胞に、候補化合物を投与することを特徴とする、育児行動の基盤となる精神活動の異常を抑制する化合物のスクリーニング方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
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