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遺伝子改変非ヒト生物、卵細胞、受精卵、及び標的遺伝子の改変方法 NEW

国内特許コード P180015430
整理番号 (AF37P001)
掲載日 2018年11月5日
出願番号 特願2017-555960
出願日 平成28年11月29日(2016.11.29)
国際出願番号 JP2016085391
国際公開番号 WO2017104404
国際出願日 平成28年11月29日(2016.11.29)
国際公開日 平成29年6月22日(2017.6.22)
優先権データ
  • 特願2015-247960 (2015.12.18) JP
発明者
  • 新藤 隆行
  • 桜井 敬之
出願人
  • 国立研究開発法人科学技術振興機構
発明の名称 遺伝子改変非ヒト生物、卵細胞、受精卵、及び標的遺伝子の改変方法 NEW
発明の概要 本発明は、よりCas9の発現が高く、複数の異なる遺伝子又は同一遺伝子内の複数箇所を同時に高効率で編集可能な遺伝子改変非ヒト生物を提供する。本発明の遺伝子改変非ヒト生物は、Cas9(CRISPR-associated 9)をコードする遺伝子が核ゲノム中に少なくとも3コピーを有する。本発明の卵細胞は、Cas9をコードする遺伝子が少なくとも3コピー導入された核ゲノムを有する遺伝子改変非ヒト生物由来である。本発明の受精卵は、前記卵細胞と、同種の生物由来の精子とを受精させてなる。本発明の標的遺伝子の改変方法は、前記遺伝子改変非ヒト生物由来の細胞、前記卵細胞、又は前記受精卵にガイドRNAを導入する工程を備える。
従来技術、競合技術の概要


疾患のメカニズムの研究や新しい医薬品の開発研究において、その疾患の病態を反映した疾患モデル動物の存在は、研究の成否の鍵を握っている。ヒト疾患の遺伝的要因に関しては、近年の急速なゲノム解析技術の発達により、数百万ヶ所に及ぶSNP座位について比較的容易に遺伝情報を得ることができるようになってきた。この技術を用いて多数の疾患について、数多くの疾患関連遺伝子座位が同定され、報告された。その一方で、こうした疾患候補遺伝子の遺伝子改変マウスを作製しても、表現型を呈さないことがほとんどである。これは、単一遺伝子の異常では、生活習慣病の様な多因子が関与する病態を説明できるとは限らないためである。従って、これらの各々の候補遺伝子を標的にした創薬もその効果に限界があると考えられる。こうした問題の解決のためには、多遺伝子座改変疾患モデル動物を迅速、かつ体系的に準備・活用する体制を整える必要性があるが、従来のES細胞を介した遺伝子改変法では、1操作、1遺伝子座、1カ所の遺伝子改変しかできないため、その実現は困難であった。



近年、CRISPR(Clustered Regularly Interspaced Short Palindromic Repeats)システムによる遺伝子改変技術が登場した。CRISPRシステムは、従来のES細胞を介した遺伝子改変技術を超越する斬新なポテンシャルを持つ。CRISPRシステムでは、3種類のRNA又はDNA、すなわち標的遺伝子の切断をガイドするガイドRNA、実際に切断に携わるヌクレアーゼであるCas9(CRISPR-associated 9)のmRNA、切断される遺伝子領域に相同的に組み込まれる改変遺伝子の3種類を受精卵へ顕微注入して、その胚を成体まで発生させることで、遺伝子改変マウスが得られる。



非特許文献1には、CRISPRシステムを用いて、ES細胞のROSA26遺伝子領域にCas9をコードする遺伝子をノックインすることにより、Cas9ノックインマウスを作製できることが記載されている。

産業上の利用分野


本発明は、遺伝子改変非ヒト生物、卵細胞、受精卵、及び標的遺伝子の改変方法に関する。
本願は、2015年12月18日に、日本に出願された特願2015-247960号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。

特許請求の範囲 【請求項1】
Cas9(CRISPR-associated 9)をコードする遺伝子が核ゲノム中に少なくとも3コピーを有することを特徴とする遺伝子改変非ヒト生物。

【請求項2】
前記Cas9が改変体である、請求項1に記載の遺伝子改変非ヒト生物。

【請求項3】
前記Cas9が標的配列を含む標的遺伝子の一方又は両方の鎖を切断する活性を欠如している改変体である、請求項2に記載の遺伝子改変非ヒト生物。

【請求項4】
さらに、前記核ゲノムが前記Cas9をコードする遺伝子に作動可能に連結された、CAGプロモーター、発現誘導性プロモーター、ウイルス性プロモーター又は組織特異的プロモーターを含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の遺伝子改変非ヒト生物。

【請求項5】
非ヒト生物が哺乳動物である、請求項1~4のいずれか一項に記載の遺伝子改変非ヒト生物。

【請求項6】
前記核ゲノムに前記Cas9をコードする遺伝子がタンデムに導入された、請求項1~5のいずれか一項に記載の遺伝子改変非ヒト生物。

【請求項7】
Cas9をコードする遺伝子が少なくとも3コピー導入された核ゲノムを有する遺伝子改変非ヒト生物由来であることを特徴とする卵細胞。

【請求項8】
前記卵細胞が核にCas9をコードする遺伝子が導入された核ゲノムを有さない、請求項7に記載の卵細胞。

【請求項9】
請求項7又は8に記載の卵細胞と、同種の生物由来の精子とを受精させてなることを特徴とする受精卵。

【請求項10】
前記卵細胞が核にCas9をコードする遺伝子が導入された核ゲノムを有さない、請求項9に記載の受精卵。

【請求項11】
前記精子が野生型の前記同種の生物由来である、請求項9又は10に記載の受精卵。

【請求項12】
請求項1~6のいずれか一項に記載の遺伝子改変非ヒト生物由来の細胞、請求項7又は8に記載の卵細胞、又は請求項9~11のいずれか一項に記載の受精卵にガイドRNAを導入する工程を備えることを特徴とする標的遺伝子の改変方法。

【請求項13】
請求項1~6のいずれか一項に記載の遺伝子改変非ヒト生物由来の細胞、請求項7又は8に記載の卵細胞、又は請求項9~11のいずれか一項に記載の受精卵にガイドRNAを導入する工程と、
前記遺伝子改変非ヒト生物由来の細胞、前記遺伝子改変非ヒト生物由来の卵細胞、又は前記遺伝子改変非ヒト生物由来の受精卵内において発現しているCas9がPAM(Proto-spacer Adjacent Motif)配列の上流に位置する切断部位で前記標的遺伝子を切断する工程と、
前記ガイドRNAと前記標的遺伝子の相補的結合によって決定される領域において、改変された前記標的遺伝子を得る工程と、を備え、
前記標的遺伝子は前記PAM配列を有し、
前記ガイドRNAは、前記標的遺伝子中の前記PAM配列の上流の塩基配列に相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むものであることを特徴とする標的遺伝子の改変方法。

【請求項14】
請求項1~6のいずれか一項に記載の遺伝子改変非ヒト生物由来の細胞、請求項7又は8に記載の卵細胞、又は請求項9~11のいずれか一項に記載の受精卵にガイドRNAを導入する工程と、
前記遺伝子改変非ヒト生物由来の細胞、前記遺伝子改変非ヒト生物由来の卵細胞、又は前記遺伝子改変非ヒト生物由来の受精卵内において発現しているCas9がPAM配列の3塩基上流に位置する切断部位で前記標的遺伝子を切断する工程と、
前記ガイドRNAと前記標的遺伝子の相補的結合によって決定される領域において、改変された前記標的遺伝子を得る工程と、を備え、
前記標的遺伝子はNGG(Nは、アデニン、シトシン、チミン及びグアニンからなる群から選択された任意の1塩基)からなるPAM配列を有し、
前記ガイドRNAは、前記標的遺伝子中の前記PAM配列の1塩基上流から20塩基以上24塩基以下上流までの塩基配列に相補的な塩基配列からなるポリヌクレオチドを含むものであることを特徴とする標的遺伝子の改変方法。

【請求項15】
前記導入工程において、導入対象が遺伝子改変非ヒト生物由来の細胞であるとき、生きた遺伝子改変非ヒト生物にガイドRNAを導入する、請求項12~14のいずれか一項に記載の標的遺伝子の改変方法。

【請求項16】
前記導入工程において、導入対象が遺伝子改変非ヒト動物由来の受精卵であるとき、さらに、前記受精卵を同種の非ヒト動物の子宮又は卵管へ移植し、発生させる工程を備える、請求項12~14のいずれか一項に記載の標的遺伝子の改変方法。

【請求項17】
前記導入工程において、2種類以上の前記ガイドRNAを導入する、請求項12~16のいずれか一項に記載の標的遺伝子の改変方法。

【請求項18】
前記導入工程において、前記ガイドRNAとともに外来遺伝子を導入する、請求項12~17のいずれか一項に記載の標的遺伝子の改変方法。

【請求項19】
前記外来遺伝子がPAM配列を有さない、請求項18に記載の標的遺伝子の改変方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
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