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浮体と船の相対位置制御方法及び同システム NEW

国内特許コード P180015436
整理番号 A000261
掲載日 2018年11月6日
出願番号 特願2008-073432
公開番号 特開2009-227035
登録番号 特許第5168633号
出願日 平成20年3月21日(2008.3.21)
公開日 平成21年10月8日(2009.10.8)
登録日 平成25年1月11日(2013.1.11)
発明者
  • 大坪 和久
  • 正信 聡太郎
  • 加藤 俊司
出願人
  • 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構
  • 独立行政法人海上技術安全研究所
発明の名称 浮体と船の相対位置制御方法及び同システム NEW
発明の概要 【要約】 (修正有)
【課題】洋上プラットフォームの運動に応じてシャトルタンカーを安全領域の中で稼動できるように制御すること等が可能な浮体と船の相対位置制御方法及び同システムを提供すること。
【解決手段】シャトルタンカー1000周りの環境状況を検出する各種センサ200と、環境状況とこの環境状況により船体に働く環境外力の関係を予め算出して蓄えた外力データベース10と、各種センサ200の検出結果と外力データベース10のデータに基づいて船体に働く外力を評価する外力評価手段20と、外力が最少になるように船首方位を最適化する船首方位最適化手段30と、この出力に基づいて少なくとも目標とする浮体構造物2000に対する船首方位を制御するダイナミックポジショニング制御装置500とを備えて構成される。
【選択図】図3
従来技術、競合技術の概要 海底から石油を生産するシステムにおいては、浮体として洋上プラットフォームがよく使用されている。この洋上プラットフォームとしては、FPSO(Floating Production, Storage and Offloading:浮体式海洋石油生産・貯蔵・積出設備)が一般的であるが、近年、FPSOに比べて運動性能の優れたMPSO(Monocolumn Hull Floating Production Storage and Offloading:モノコラムハル型浮遊式生産システム)などのコンセプトが提案されている。MPSOは具体的には円柱もしくは多角形型の浮体であり、その中に生産した石油を貯蔵しておくとものである。

MPSOから石油を出荷する際には、様々な環境下においても、安全領域の中で船(シャトルタンカー)を位置保持する必要がある。しかしながら、MPSOは係留により位置保持されているものの、環境外乱に起因する長周期運動、及び流れによる渦励振運動(VIM)により大きく周期的運動をすることが実験などを通して明らかになってきた。したがって、シャトルタンカーはMPSOの運動に応じて安全領域の中で稼動できるようにMPSOの運動に応じた相対運動をするように制御する必要がある。

すなわち、MPSOの場合、VIMの現象を呈し始め横運動が起こると、MPSOの係留ライン(或いは、チェーン・合成繊維索からなる複合係留ライン)が動くため、シャトルタンカーがこの近傍にいる場合、それに応じて船体が動かなければ係留ラインにシャトルタンカーがぶつかってしまう。一方、シャトルタンカーがあまり遠くに行ったり、近づき過ぎると、ホースが切れ石油が漏れたり、シャトルタンカーがMPSOにぶつかる危険性もある。そのため、適正な船首方位と、ある程度一定の距離を保ちながら、相対的な位置保持をする必要がある。

このような事情は実のところ、MPSOに限られるものではない。すなわち、洋上プラットフォームはたとえ最大級の台風が到来しても、損壊したりせずに、限られた範囲にとどまる必要がある。さらに、利用目的(石油掘削・生産、ガスの探索・生産、熱水鉱床の発見、魚介類の増産等)に限らず、各利用目的に応じた機能が長期間に亘って発揮し続けることが保証される必要がある。

しかしながら、これまでは洋上プラットフォームにおける上述のような必要性自体が認識されていなかったために、これに対処する技術が厳密には存在しなかった。また、一般的な洋上プラットフォームに関するこれまでのシャトルタンカーの位置保持技術としては、絶対位置保持技術の高度化を図るものばかりであった。つまり、オペレータが指示する位置(Xd、Yd)及び方位(ψd)に船体が移動するように、PID(Proportional Integral Derivative :比例、積分、微分)制御や他の高度な最適制御理論を用いた制御系設計を行うものばかりであった。

たとえば特許文献1では、洋上プラットフォームとシャトルタンカーとの目標相対角と実相対角の偏差に基づいてスラスタを制御する技術的思想が開示されているが、フィードフォワードではなく、偏差が生じてしまってからファジイ制御を使用し制御を行っている点、及び現実を反映するデータベースに基づく制御値を割り出すものではない点から、上述した新たな課題に対する精密な解決手段を与えるのは困難であった。

また、たとえば特許文献2では、実際の船のパラメータを推定演算し、最適参照針路に基づきフィードフォワード制御及びフィードバック制御を行う技術的思想が開示されているが、船首方位の偏差に基づいてフィードフォワード制御のパラメータを補正する方法であったため誤差や応答性に限界があった。船では誤差がたとえ少々の程度であっても、係留索の切断等、安全上の大きな脅威となるために、上述した新たな課題に対する精密な解決手段としては現実的に困難であった。

さらに特許文献3では、軌道演算部の演算結果による参照針路に基づきフィードフォワード制御を行い、フィードバック制御で補正を行う技術的思想が開示されているが、設定針路と設定値のインプットによる軌道演算により参照針路を求めているため理論値による限界が大きいことから、上述した新たな課題に対する精密な解決手段としては現実的に困難であった。
特開2002-173091号公報
特開平09-207889号公報
特開平08-207894号公報
産業上の利用分野 本発明は、相対位置制御方法及び同システムに係り、特に、例えばシャトルタンカー等の船とその目標とする洋上プラットフォーム等に対する船首方位や位置保持等の制御を行う浮体と船の相対位置制御方法及びそのシステムに関する。
特許請求の範囲 【請求項1】
円柱型もしくは多角柱型をした浮体の運動に応じて変化する安全領域の中で船を稼働させる浮体と船の相対位置制御方法であって、
船体周りの環境状況を検出するセンサからの情報と、
前記環境状況により前記船体に働く環境外力の関係を、予め数値計算によって得て、および/または予め実験によって得て蓄えたデータベースからの情報
に基づいて、前記船体に瞬時に働く外力を評価して、
前記外力が最少になるように船首方位を最適化し、
この最適化した結果に基づいて前記浮体に対する前記船の位置および前記船首方位を制御することを特徴とする浮体と船の相対位置制御方法。

【請求項2】
前記瞬時に働く外力を評価した結果に基づいてフィードフォワード制御を行って、前記浮体に対する前記船の位置および前記船首方位を制御することを特徴とする請求項1記載の浮体と船の相対位置制御方法。

【請求項3】
記環境状況として、および潮流の状況を前記センサが検出することを特徴とする請求項1あるいは2記載の浮体と船の相対位置制御方法。

【請求項4】
前記船体周りの環境状況に係る情報に加えて、もしくはこれに代替させて、前記浮体の周囲の環境状況に係る情報を、前記浮体に対する前記船の位置および前記船首方位の制御に利用したことを特徴とする請求項1あるいは2記載の浮体と船の相対位置制御方法。

【請求項5】
円柱型もしくは多角柱型をした浮体の運動に応じて変化する安全領域の中で船を稼働させる浮体と船の相対位置制御システムであって、
船体周りの環境状況を検出するセンサと、
前記環境状況より前記船体に働く環境外力の関係を予め数値計算によって得て、および/または予め実験によって得て蓄えたデータベースと、
前記センサの検出結果と前記データベースの情報とに基づいて前記船体に瞬時に働く外力を評価する外力評価手段と、
前記外力が最少になるように船首方位を最適化する最適化手段と、
この最適化手段の出力に基づいて、前記浮体に対する前記船の位置および前記船首方位を制御するダイナミックポジショニング制御装置と
を備えたことを特徴とする浮体と船の相対位置制御システム。

【請求項6】
前記ダイナミックポジショニング制御装置は、
前記船の位置および前記船首方位を制御するフィードバック制御部を有し、
このフィードバック制御部の信号に前記外力評価手段の出力をフィードフォワード制御信号として付加し前記浮体に対する前記船の位置および前記船首方位を制御することを特徴とする請求項記載の浮体と船の相対位置制御システム。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2008073432thum.jpg
出願権利状態 登録


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