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被処理水の生物学的浄化剤、生物学的浄化システムおよび生物学的浄化方法 NEW 外国出願あり

国内特許コード P180015438
整理番号 B000049JP
掲載日 2018年11月6日
出願番号 特願2012-548858
登録番号 特許第5773541号
登録日 平成27年7月10日(2015.7.10)
国際出願番号 JP2011079270
国際公開番号 WO2012081715
国際出願日 平成23年12月13日(2011.12.13)
国際公開日 平成24年6月21日(2012.6.21)
優先権データ
  • 特願2010-277039 (2010.12.13) JP
発明者
  • 古谷 尚稔
  • 増田 信行
  • 納 篤
  • 小林 幹男
  • 浅野 英郎
  • 奥村 維男
  • 中村 英克
  • 黒坂 鮎美
出願人
  • 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構
発明の名称 被処理水の生物学的浄化剤、生物学的浄化システムおよび生物学的浄化方法 NEW 外国出願あり
発明の概要 重金属イオンおよび硫酸イオンを含有する被処理水中の重金属イオンを長期間にわたって十分に除去可能とするとともに、処理水の有機物汚染を十分に抑制することが可能な、未使用バイオマス資源を用いた生物学的浄化剤等を提供する。
本発明の浄化剤は、硫酸還元菌を保有する穀物殻を含有することを特徴とする。また、本発明の生物学的浄化システムは、前記浄化剤が収容され、嫌気状態が維持された処理容器と、該処理容器内に前記被処理水を供給する供給系と、前記処理容器内で前記浄化剤によって前記重金属イオンが除去された処理水を前記処理容器から排出する排出系と、を有する。さらに、本発明の生物学的浄化方法は、前記浄化剤と前記被処理水とを嫌気状態で接触させることにより、前記重金属イオンを硫化物として沈殿させて前記被処理水から除去する。
従来技術、競合技術の概要 例えば、金属鉱山の坑廃水のような鉱山由来の排水や、工業用排水などの各種排水には、種々の重金属イオンが含まれており、重金属イオンの中には人体や環境に有害な影響を及ぼすものが多数存在する。このため、これらの重金属イオンを含有する水を排出する際には、各国ごとに定められた排水基準を満足させるための処理が必要となる。

さらに最近では、各国や地域によって排水基準を現状よりもさらに厳しくして環境汚染を防止する傾向があり、被処理水中に含有する重金属イオン濃度を安価に極力低減する技術を開発することが強く望まれている。

ところで、鉱山坑廃水や工業用排水などの各種排水は、一般に、Fe,Zn,Cu,Pb,Cd,As等の重金属イオンを含有し、さらに、硫酸イオン(SO42-)も50~3000mg/L程度含有していることがある。

このような被処理水中に含まれる重金属イオンを除去する手段としては、例えば、被処理水中に消石灰や炭酸カルシウム等のアルカリ剤を添加することによって被処理水を中和し、これにより、重金属イオンを水酸化物や炭酸化物として沈殿させる方法や、被処理水に人為的に硫化水素などの硫化剤を添加し、これによって、重金属イオンを硫化物として沈殿させる方法などが挙げられる。

しかしながら、アルカリ剤を添加する方法は、電気モーター等で撹拌しながら被処理水を中和する中和処理工程と、その後の中和処理により生じた沈殿物を分離する固液分離処理工程とが必要である。また、処理対象元素によっては(特にZn,Pb,Cd)中和剤等薬剤が多量に必要となる場合がある。さらに、大量の沈殿物(スラッジ)が生成するため、日常的な維持管理や沈殿物を堆積するための広大な土地の確保等が必要である。よって、これらに関連するコスト、例えば、薬剤(アルカリ剤)の使用、電力の消費および固液分離作業等に伴うコストが必要になるという問題がある。

また、硫化剤を添加する方法は、有毒ガスである硫化水素を積極的に発生させるため危険が伴い、管理を厳重にしなければならないという欠点を有している。

このため最近では、環境に優しい被処理水の浄化手段として、これまで不用の産物として廃棄していた未使用バイオマス資源を用いた方法が注目されている。

未使用バイオマス資源を用いた方法としては、例えば特許文献1には、炭化籾殻又は銀白色籾殻に、無機酸及び/又はアルカリを加え、加熱した後、濾過、乾燥することを特徴とする、表面積と吸着能力の大きい活性籾殻の製造方法が記載されている。また、特許文献2には、重金属を含有する被処理水をそば殻と接触させて、該被処理水中の重金属をそば殻に吸着させることを特徴とする水処理方法が記載されている。

しかしながら、特許文献1及び2に記載された方法は、いずれも被処理水中の重金属イオンを除去するために吸着に着目したものであって、この吸着のみでは重金属イオンの除去能力を長期間にわたって高いレベルで維持できないという問題があり、それを解消するためのコスト、手間等の負担も大きなものとなっていた。

そこで、吸着によらない重金属イオンの除去方法として、近年、硫酸還元菌の作用を用いて、硫酸イオンを含む被処理水から重金属イオンを除去する技術が研究されつつある。

特許文献3には、人工湿地において、硫酸還元菌によって硫酸イオンを還元して硫化物イオンを生成し、この硫化物イオンと重金属とを反応させて重金属の硫化物を生成して沈殿分離することにより、被処理水から重金属イオンを除去する技術が記載されている。この文献では、硫酸還元菌のエネルギー源としては、乳酸、肥料、培養土などの有機物を人工湿地に供給することが記載されている。また、非特許文献1には、硫酸還元菌のエネルギー源として、干し草、木材チップ、家畜の糞などを用いることが記載されている。
産業上の利用分野 本発明は、重金属イオンおよび硫酸イオンを含有する被処理水中の重金属イオンを除去するための生物学的浄化剤、生物学的浄化システムおよび生物学的浄化方法に関する。
特許請求の範囲 【請求項1】
重金属イオンおよび硫酸イオンを含有する被処理水から、前記重金属イオンを硫化物として除去するための生物学的浄化剤であって、
前記被処理水を連続的に通水させる過程で、硫酸還元菌により前記硫酸イオンを還元して硫化水素イオンを生成し、この硫化水素イオンと前記重金属イオンとを反応させて、前記金属イオンの硫化物を析出させるものであり、
前記硫酸還元菌を保有する穀物殻を含有し、
前記連続的な通水に供される前に予め、前記被処理水によって水封および静置されることで、前記穀物殻に付着した前記硫酸還元菌が嫌気状態で培養されたものであることを特徴とする被処理水の生物学的浄化剤。

【請求項2】
前記穀物殻が籾殻またはそば殻である請求項1に記載の被処理水の生物学的浄化剤。

【請求項3】
重金属イオンおよび硫酸イオンを含有する被処理水から、前記重金属イオンを硫化物として除去するための生物学的浄化システムであって、
請求項1または2に記載の生物学的浄化剤が収容され、嫌気状態が維持された処理容器と、
該処理容器内に前記被処理水を連続的に供給する供給系と、
前記処理容器内で前記生物学的浄化剤によって前記重金属イオンが除去された処理水を前記処理容器から連続的に排出する排出系と、
を有することを特徴とする被処理水の生物学的浄化システム。

【請求項4】
前記被処理水がその重力に従って、前記供給系、前記処理容器および前記排出系の順に移動可能に構成した請求項に記載の被処理水の生物学的浄化システム。

【請求項5】
重金属イオンおよび硫酸イオンを含有する被処理水から、前記重金属イオンを硫化物として除去するための生物学的浄化方法であって、
硫酸還元菌を保有する穀物殻を含有する生物学的浄化剤を、予め前記被処理水によって水封および静置することで、前記穀物殻に付着した前記硫酸還元菌を嫌気状態で培養し、
その後、前記生物学的浄化剤前記被処理水嫌気状態で連続的に通水することにより、前記硫酸還元菌により前記硫酸イオンを還元して硫化水素イオンを生成し、この硫化水素イオンと前記重金属イオンとを反応させて、前記金属イオンの硫化物を析出させて、前記重金属イオンを前記被処理水から除去することを特徴とする被処理水の生物学的浄化方法。

【請求項6】
前記穀物殻が籾殻またはそば殻である請求項5に記載の被処理水の生物学的浄化方法。

【請求項7】
前記被処理水は、鉱山坑廃水である請求項5または6に記載の被処理水の生物学的浄化方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2012548858thum.jpg
出願権利状態 登録


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