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BCR-ABLチロシンキナーゼ活性測定用試薬 NEW

国内特許コード P180015448
整理番号 8-P2007-219-JP01
掲載日 2018年11月19日
出願番号 特願2008-135973
公開番号 特開2009-278942
登録番号 特許第5665262号
出願日 平成20年5月23日(2008.5.23)
公開日 平成21年12月3日(2009.12.3)
登録日 平成26年12月19日(2014.12.19)
発明者
  • 大場 雄介
  • 近藤 健
出願人
  • 国立大学法人北海道大学
発明の名称 BCR-ABLチロシンキナーゼ活性測定用試薬 NEW
発明の概要
【課題】
本発明は、CML患者の薬剤抵抗性を調べる際に有用な、BCR-ABLのチロシンキナーゼ活性検出用試薬と、それを用いた薬剤抵抗性の確認方法を提供することを目的とする。
【解決手段】
蛍光共鳴エネルギー移動を可能とする2種以上の分子により修飾された、BCR-ABLによってリン酸化される基質タンパク質又は被リン酸化部位を含むそのペプチド断片からなる、BCR-ABLのチロシンキナーゼ活性を検出するための試薬。
本発明の試薬は、患者から採取される血液検体に含まれる微量の腫瘍細胞を用いてBCR-ABLのチロシンキナーゼ活性を検出することができる。またその検出は簡便迅速であり、かつ高感度で広いダイナミックレンジにおいて行うことができる。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


白血病は、これを放置すると重大な合併症により死に至る血液腫瘍性疾患である。白血病の一種である慢性骨髄性白血病(CML)および一部の急性リンパ性白血病(ALL)においては、9・22番染色体の相互転座により生じる特徴的なフィラデルフィア(Ph)染色体転座によりbcr-abl融合遺伝子が形成され、この遺伝子から恒常的なチロシンキナーゼ活性をもつ細胞質タンパク質(BCR-ABL)が発現されること、そしてこのBCR-ABLのチロシンキナーゼ活性によって種々のタンパク質がリン酸化されることが発症に関連していること、等が知られている。



白血病の治療法としては、一般に、抗癌剤等の投与による薬学的治療又は造血幹細胞移植等の移植治療のいずれか、あるいはその両方が選択される。特に、CMLの薬学的治療は、2-フェニルアミノピリミジン系化合物であるチロシンキナーゼ阻害剤の投与を中心に行われており、現在では、登録商標名「イマニチブ」(imatinib、STI-571又は登録商標名グリーベック(Gleevec)とも呼ばれる)の投与が標準的な薬学的治療法となりつつある。



イマニチブは、BCR-ABLのキナーゼドメインにおけるATP結合部位を標的とする、選択性の高い分子標的薬物の一種である。一般に、分子標的薬物の使用は、その特異性から高い安全性と効果が期待される、理想の治療法の一つである。しかし同時に、分子標的薬物の使用は、突然変異を有する標的分子を持つ患者に対してはその期待される薬効が発揮され難いという問題を伴うことが多く、イマニチブを代表とするBCR-ABLを標的分子とした2-フェニルアミノピリミジン系化合物であるチロシンキナーゼ阻害剤もその例外ではない。



標準的な治療法であるイマチニブの投与によっても症状の改善を期待することが出来ない白血病患者にとって、イマニチブ以外の白血病治療薬の投与へと治療方針を速やかに変更すること、或いは白血病と診断された初期の段階から治療効果が望まれるイマニチブ以外の適切な薬物を選択して投与することは極めて重要であり、それは当該患者のイマニチブ耐性を検査することの重要性に通ずる。



現在、白血病患者のイマニチブ耐性の検査は、主に、患者のbcr-abl遺伝子の塩基配列を決定してBCR-ABLの変異の種類を確認する方法(例えば非特許文献1)又はBCR-ABLの基質タンパク質であるCrkLのリン酸化をイムノブロッティングで検出する方法(例えば非特許文献2)によって、行われている。



しかし、前記2つの方法は何れも比較的多量の検体(腫瘍細胞)を必要とする他に、感度やダイナミックレンジの点で十分とは言えないこと、さらにイムノブロッティングでは細胞の可溶化が必要であることから、再解析のためには採血や骨髄穿刺を繰り返す必要があること、などの問題が指摘されている。
【非特許文献1】
Shahら、Cancer cell、2002年、第2巻、第2号、第117-125頁
【非特許文献2】
ten Hoeveら、Cancer Res.、1994年、第54巻、第10号、第2563-2567頁

産業上の利用分野


本発明は、蛍光共鳴エネルギー移動を可能とする2種以上の化合物により修飾された、BCR-ABLのチロシンキナーゼ活性を検出するための試薬と、それを用いた慢性骨髄性白血病(CML)及び一部の急性リンパ性白血病(ALL)患者からの検体に含まれるチロシンキナーゼの薬物感受性を確認する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
蛍光共鳴エネルギー移動を可能とする2種以上の分子により修飾された、BCR-ABLによってリン酸化される基質タンパク質又は被リン酸化部位を含むそのペプチド断片からなる、BCR-ABLのチロシンキナーゼ活性を検出するための試薬であって、前記蛍光共鳴エネルギー移動を可能とする2種以上の分子のうちの少なくとも1が配列番号8に示されるアミノ酸配列の465~708番目までのアミノ酸配列からなるCFP変異体である前記試薬

【請求項2】
蛍光共鳴エネルギー移動を可能とする2種以上の分子により修飾された、BCR-ABLによってリン酸化される基質タンパク質又は被リン酸化部位を含むそのペプチド断片からなる、BCR-ABLのチロシンキナーゼ活性を検出するための試薬であって、前記基質タンパク質又は被リン酸化部位を含むそのペプチド断片が配列番号2に示されるアミノ酸配列の1~222番目までのアミノ酸配列からなるペプチド断片である前記試薬

【請求項3】
前記基質タンパク質又は被リン酸化部位を含むそのペプチド断片のN末端とC末端がそれぞれ蛍光共鳴エネルギー移動を可能とする2種以上の分子により修飾された、請求項1又は2に記載の試薬。

【請求項4】
前記蛍光共鳴エネルギー移動を可能とする2種以上の分子が、前記タンパク質又は被リン酸化部位を含むそのペプチド断片のN末端及びC末端に融合タンパク質として連結された蛍光タンパク質である、請求項1~3の何れかに記載の試薬。

【請求項5】
前記蛍光タンパク質が、GFP、eGFP、YFP、CFP、DsRed及びそれらの変異体よりなる群から選ばれる蛍光タンパク質である、請求項4に記載の試薬。

【請求項6】
前記蛍光共鳴エネルギー移動を可能とする2種以上の分子により修飾された、BCR-ABLによってリン酸化される基質タンパク質又は被リン酸化部位を含むそのペプチド断片が、配列番号8に示されるアミノ酸配列からなる融合タンパク質である、請求項1に記載の試薬。

【請求項7】
前記蛍光共鳴エネルギー移動を可能とする2種以上の分子により修飾された、BCR-ABLによってリン酸化される基質タンパク質又は被リン酸化部位を含むそのペプチド断片が、配列番号6又は配列番号8に示されるアミノ酸配列からなる融合タンパク質である、請求項2に記載の試薬。

【請求項8】
チロシンキナーゼ阻害剤と請求項1~7の何れかに記載の試薬と患者から採取された検体とをインキュベートする工程、及び前記試薬からの蛍光発光を検出する工程を含む、前記検体に含まれるチロシンキナーゼの前記チロシンキナーゼ阻害剤に対する抵抗性を確認する方法。

【請求項9】
蛍光発光が、蛍光共鳴エネルギー移動を可能とする2種以上の分子間における蛍光共鳴エネルギー移動により生ずる蛍光発光である、請求項8に記載の方法。

【請求項10】
検体が腫瘍細胞であり、インキュベートが当該腫瘍細胞の内部で行われる、請求項8又は9に記載の方法。

【請求項11】
試験化合物の存在下で請求項1~7の何れかに記載の試薬とBCR-ABLとを反応させる工程、及び前記試薬からの蛍光発光を測定する工程を含む、BCR-ABLのチロシンキナーゼ活性に対する阻害剤をスクリーニングする方法。

【請求項12】
試験化合物の存在下で請求項1~7の何れかに記載の試薬とBCR-ABLとを反応させる工程がBCR-ABLを発現することのできる細胞の内部で行われる、請求項11に記載の方法。

【請求項13】
SH2ドメインを含むペプチドとBCR-ABLによって認識される被リン酸化部位を含むペプチドの2種のペプチドからなる、BCR-ABLのチロシンキナーゼ活性を検出するための試薬であって、前記2種のペプチドがそれぞれ蛍光共鳴エネルギー移動を可能とする異なる分子により修飾されており、前記蛍光共鳴エネルギー移動を可能とする異なる分子のうちの1が配列番号8に示されるアミノ酸配列の465~708番目までのアミノ酸配列からなるCFP変異体である前記試薬

【請求項14】
前記SH2ドメインを含むペプチドが配列番号9に示されるアミノ酸配列からなるペプチドである、請求項13に記載の試薬。

【請求項15】
前記BCR-ABLによって認識される被リン酸化部位が配列番号2に示されるアミノ酸配列の204~211番目のアミノ酸配列である、請求項13又は14に記載の試薬。

【請求項16】
SH2ドメインを含むペプチドとBCR-ABLによって認識される被リン酸化部位を含むペプチドの2種のペプチドからなる、BCR-ABLのチロシンキナーゼ活性を検出するための試薬であって、前記2種のペプチドがそれぞれ蛍光共鳴エネルギー移動を可能とする異なる分子により修飾されており、前記2種のペプチドのうちの少なくともいずれか配列番号2に示されるアミノ酸配列の1~222番目までのアミノ酸配列からなるペプチド断片である前記試薬

【請求項17】
前記蛍光共鳴エネルギー移動を可能とする異なる分子が、前記SH2ドメインを含むペプチドのN末端と前記BCR-ABLによって認識される被リン酸化部位を含むペプチドのC末端に融合タンパク質として連結された異なる蛍光タンパク質である、請求項13~16の何れかに記載の試薬。

【請求項18】
前記蛍光タンパク質が、GFP、eGFP、YFP、CFP、DsRed及びそれらの変異体よりなる群から互いに異なって選ばれる蛍光タンパク質である、請求項17に記載の試薬。

【請求項19】
チロシンキナーゼ阻害剤と請求項13~18の何れかに記載の試薬と患者から採取された検体とをインキュベートする工程、及び前記試薬からの蛍光発光を検出する工程を含む、前記検体に含まれるチロシンキナーゼの前記阻害剤に対する抵抗性を確認する方法。

【請求項20】
蛍光発光が、蛍光共鳴エネルギー移動を可能とする2種以上の分子間における蛍光共鳴エネルギー移動により生ずる蛍光発光である、請求項19に記載の方法。

【請求項21】
検体が腫瘍細胞であり、インキュベートが当該腫瘍細胞の内部で行われる、請求項19又は20に記載の方法。

【請求項22】
試験化合物の存在下で請求項13~18の何れかに記載の試薬とBCR-ABLとを反応させる工程、及び前記試薬からの蛍光発光を測定する工程を含む、BCR-ABLのチロシンキナーゼ活性に対する阻害剤をスクリーニングする方法。

【請求項23】
試験化合物の存在下で請求項13~18の何れかに記載の試薬とBCR-ABLとを反応させる工程が、BCR-ABLを発現することのできる細胞の内部で行われる、請求項22に記載の方法。

【請求項24】
下記(i)または(ii)をコードするDNA;
(i)請求項1~7の何れかに記載の基質タンパク質もしくはペプチド断片、
(ii)請求項13~18の何れかに記載の2種のペプチド
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 登録
参考情報 (研究プロジェクト等) 分子標的治療薬の感受性試験
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