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免疫体質又は免疫応答型を判定するためのバイオマーカー及び免疫応答型制御剤 NEW 新技術説明会

国内特許コード P180015460
整理番号 137-P2014-014-JP01
掲載日 2018年11月19日
出願番号 特願2014-133367
公開番号 特開2016-010346
出願日 平成26年6月27日(2014.6.27)
公開日 平成28年1月21日(2016.1.21)
発明者
  • 北村 秀光
  • 武冨 紹信
  • 大野 陽介
  • 大竹 淳矢
  • 寺田 聖
出願人
  • 国立大学法人北海道大学
発明の名称 免疫体質又は免疫応答型を判定するためのバイオマーカー及び免疫応答型制御剤 NEW 新技術説明会
発明の概要 【課題】患者の免疫体質を予測することのできるバイオマーカーとなり得るマイクロRNA、患者の免疫応答の型を判定することのできるバイオマーカーとなり得るマイクロRNA、及び患者に投与することでその免疫応答を制御することのできるマイクロRNAの提供。
【解決手段】特定のマイクロRNAである、被験者の免疫体質の判定方法に用いるための又は被験者の免疫応答の型の判定方法に用いるためのバイオマーカー、これらバイオマーカーを用いて被験者の免疫体質又は被験者の免疫応答の型を判定する方法並びに免疫応答の型の判定方法に用いるためのマイクロRNAを有効成分とする免疫応答型制御剤。患者の免疫体質を予め判定することによって、又は免疫治療を実行中の患者の免疫応答を判定することによって、感染症やがんワクチン治療の効果を予見することができる他、広く免疫関連疾患の予防、改善、治療が可能となる。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


がんの標準治療法は、化学療法、放射線治療及び外科的切除であるが、がん治療のオプションとしてがんワクチンによる免疫治療が提唱され、実用化に向けた研究が盛んに行われている。



これまで、がんの免疫治療によって生命予後の延長といった一定の効果は散見されている。しかしながら、ワクチン投与後に誘導された抗腫瘍免疫応答が臨床効果に直接結び付かない症例や、ワクチンの頻回投与による抗腫瘍免疫応答の疲弊が生じた症例も認められており、当初期待された腫瘍の完全退縮のような治療効果は限定的である。そのため、がん免疫治療は、標準的ながん治療法に至っているとは言いがたい状況にある。



がん免疫治療の効果が限定的であることの要因の一つとして、がん患者体内での免疫機能の低下を含む抗腫瘍免疫の不良が考えられている。例えば、がん微小環境下で産生誘導されるIL-6が樹状細胞の機能抑制をもたらしていることが指摘されている(非特許文献1)。IL-6は、樹状細胞に作用することで、MHCクラスII分子及びCD86の発現を抑制して抗原提示能を低下させると共に、ナイーブT細胞からのエフェクターT細胞であるヘルパーT細胞への分化誘導能を有するIL-12の産生も抑制するためである。



また、免疫治療によってがんを縮退させるためには、キラーT細胞の誘導などを含むTh1型の免疫応答が持続して惹起されることが重要である。しかし、免疫治療に利用可能な腫瘍抗原は数多く提唱されている一方で、個々の患者において果たしてTh1型の免疫応答が惹起され得るかどうかを予見する有効な手段は、未だ見いだされていない。同様に、免疫治療を継続していく過程で、Th1型の免疫応答が適切に惹起されているかどうかを簡便に判定することのできる臨床学的指標又はバイオマーカーも報告されていない。



このように、優れた効果を奏するがん免疫治療の開発には、治療前及び治療過程における、がん患者の免疫応答を予測し又は評価する標準化されたモニタリング法の開発や、臨床効果を予見し得る新規バイオバーカーの探索と同定が求められている。



一方、様々な疾患に関連して、特異的な塩基配列を有する微小なRNA(マイクロRNA、以下、miRと表す)が注目されている。miRは20~25塩基からなる短い一本鎖RNAであり、これと相補的な配列を持つmRNAと相互作用することによって遺伝子発現及び転写調節に関与することが知られている。また最近では、血清中にもmiRが安定的に存在していることが明らかになり、各種がんの悪性度、患者の生命予後の予測に加え、HIV感染、HCV感染、関節リウマチ、薬物性肝障害、心筋梗塞や脳梗塞のバイオマーカー又は診断薬としてのmiRの利用に関する研究開発が試みられている。



しかし、免疫治療の開始前において、患者が免疫治療を受けたときにその免疫応答がTh1型Th2型のいずれになり易いかという免疫体質を予測することのできるバイオマーカーとしてのmiRは依然として報告されていない。また、免疫治療を受けている患者の免疫応答がTh1型であるかTh2型であるかを判定することのできるバイオマーカーとしてのmiRも、依然として報告されていない。さらに、患者の免疫応答の型を制御することができるmiR又はその機能を阻害し得る核酸も報告されていない。

産業上の利用分野


本発明は、生体特にヒトの免疫応答の型を予測又は確認することのできるバイオマーカーとして利用可能なマイクロRNA、これらバイオマーカーを用いた免疫体質又は免疫応答型の判定方法及び前記マイクロRNAを有効成分とする免疫応答型制御剤に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
表1及び表2に示されるID及びアクセッション番号で特定されるマイクロRNAよりなる群から選択される1種以上のマイクロRNAである、被験者の免疫体質の判定に用いるためのバイオマーカー。
【表1】


【表2】



【請求項2】
被験者の免疫体質を判定する方法であって、
1)被験者から採取された試料における、請求項1に規定される表1及び/又は表2に示されるマイクロRNAの少なくとも一種以上を含む複数のマイクロRNAの発現量を測定する工程、
2)前記マイクロRNAの発現量から前記表1及び/又は表2に示されるマイクロRNAの少なくとも一種以上の相対的発現量を算出する工程、及び
3)2)で算出された前記表1に示されるマイクロRNAの相対的発現量が前記表1に示されるそれぞれの基準相対的発現量以上であるときは被験者の免疫体質をTh1型であると判定し、又は2)で算出された前記表2に示されるマイクロRNAの相対的発現量が前記表2に示されるそれぞれの基準相対的発現量以上であるときは被験者の免疫体質をTh2型であると判定する工程
を含む、前記判定方法。

【請求項3】
相対的発現量がグローバルノーマライゼーション法によって算出される、請求項2に記載の判定方法。

【請求項4】
表3~表6に示されるマイクロRNAよりなる群から選択される1種以上のマイクロRNAである、被験者の免疫応答の型の判定に用いるためのバイオマーカー。
【表3】


【表4】


【表5】


【表6】



【請求項5】
被験者の免疫応答の型を判定する方法であって、
1)免疫治療開始前及び開始後においてそれぞれ被験者から採取された試料における、請求項4に規定される表3、表4、表5及び/又は表6に示されるマイクロRNAよりなる群から選択される少なくとも1種以上のマイクロRNAの発現量を測定する工程、並びに
2)1)の治療開始後の発現量が、前記表3に示されるマイクロRNAについては治療開始前の発現量の2倍以上であるとき及び/若しくは前記表4に示されるマイクロRNAについては治療開始前の発現量の1/2以下であるときは被験者の免疫応答の型をTh1型であると判定し、又は前記表5に示されるマイクロRNAについては治療開始前の発現量の2倍以上であるとき及び/若しくは前記表6に示されるマイクロRNAについては治療開始前の発現量の1/2以下であるときは被験者の免疫応答の型をTh2型であると判定する工程
を含む、前記判定方法。

【請求項6】
マイクロRNAの発現量がグローバルノーマライゼーション法によって算出される相対的発現量である、請求項5に記載の判定方法。

【請求項7】
請求項1に規定される表1及び表2並びに請求項4に規定される表3~表6に示されるマイクロRNA、前記マイクロRNAと相補的なマイクロRNA、前記マイクロRNA及び前記相補的なマイクロRNAに対する阻害性核酸並びにそれらの機能的等価物よりなる群から選択される少なくとも一種以上の核酸を有効成分とする、免疫応答型制御剤。

【請求項8】
請求項7に記載の免疫応答型制御剤を含有する医薬。

国際特許分類(IPC)
Fターム
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JP2014133367thum.jpg
出願権利状態 公開
参考情報 (研究プロジェクト等) 免疫・癌細胞の機能制御剤およびバイオマーカー
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