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金属オキシハライドを原料とした金属サルファハライド及び/又は金属セレンハライドの合成方法、並びに、それを利用した半導体部材の製造方法 NEW

国内特許コード P180015477
整理番号 5172
掲載日 2018年11月21日
出願番号 特願2017-538507
出願日 平成28年9月8日(2016.9.8)
国際出願番号 JP2016076477
国際公開番号 WO2017043586
国際出願日 平成28年9月8日(2016.9.8)
国際公開日 平成29年3月16日(2017.3.16)
優先権データ
  • 特願2015-177080 (2015.9.8) JP
発明者
  • 阿部 竜
  • 東 正信
  • 国奥 広伸
出願人
  • 国立大学法人京都大学
発明の名称 金属オキシハライドを原料とした金属サルファハライド及び/又は金属セレンハライドの合成方法、並びに、それを利用した半導体部材の製造方法 NEW
発明の概要 2種類以上のハロゲンを含む場合(例えば、BiSAA’及び/又はBiSeAA’;ここでA,A’はハロゲン元素を示す)でもハロゲン組成を容易に制御でき、しかも簡便且つ穏和な合成条件で合成可能な金属サルファハライド及び/又は金属セレンハライドの合成方法として、金属オキシハライドを硫化水素及び/又はセレン化水素と接触させることを特徴とする、金属サルファハライド及び/又は金属セレンハライドの合成方法を提供する。
従来技術、競合技術の概要

再生可能エネルギーである太陽光エネルギーと資源豊富な水とを利用して安価で且つ高性能な光エネルギー変換システムを構築することは、省エネルギー、環境保全等の観点から特に重要な課題となっている。例えば、太陽光エネルギーを用いて水を分解して水素を得る技術は、水素燃料電池の早期実用化のために是非必要な技術であり、これに適した半導体光触媒の開発が世界中で活発に進められている。


また、太陽エネルギーを直接電気エネルギーに変換する太陽電池の開発では、従来のシリコン系太陽電池に加えて近年では色素増感型太陽電池、各種化合物系太陽電池等の開発が活発に進められている。最近ではペロブスカイト系太陽電池の研究開発が過熱化している。特に鉛系ペロブスカイト系太陽電池は、約800nmまでの太陽光を吸収し、太陽光エネルギー変換効率が10%を超えることが報告されており、しかも簡単な手法で得られるため次世代の太陽電池として期待されている。しかしながら、鉛を含むことや水分に簡単に溶解するなどの点で実用化への課題は未だ大きい。


太陽電池及び光触媒では、各種の半導体材料を用いて光エネルギーを電気エネルギー又は化学エネルギーに変換しているが、その高効率化及び応用範囲拡大のためには、半導体のバンド構造を自在に制御し、利用可能な光の波長をできるだけ長波長化するとともに、内在する化学反応とのポテンシャルのマッチングを図ることが必須である。そして、特に高価な装置などを用いずに穏和な条件でこれを実現することが望まれている。


上記に関連し、例えば、金属カチオンと酸素アニオンとハロゲンアニオンとからなる金属オキシハライド(MM’1-xA’1-z:ここで、M,M’は金属カチオンを示し、A,A’はハロゲンアニオンを示す。0≦x≦1、0<y≦1、0≦z≦1を示す。)ではそのハロゲン組成を連続的に変化させることにより、バンド構造及びポテンシャルを比較的自由に制御することが可能であり、これらは光触媒及び太陽電池への応用が注目されている材料群である。


例えば、金属オキシハライドの一種であるビスマスオキシハライド(BiOAA’:ここで、A,A’はCl,Br又はIを示す。)は、室温でのソフトケミカル手法によって、2種類のハロゲンアニオンの比率を任意に変化させ、その光吸収領域及びバンドレベルを比較的自由に変化させられることが報告されている(非特許文献1)。しかしながら、ビスマスオキシハライドが吸収可能な波長領域は、長波長まで吸収するBiOIにおいて最大600nm程度までと限定的であり、太陽電池などへの応用は困難である。


これに対して、上記式中の酸素アニオンを硫黄アニオンに置き換えた金属サルファハライド(BiSAA’)又は酸素アニオンをセレンアニオンに置き換えた金属セレンハライド(BiSeAA’)では、これらのアニオンの導入によって、その吸収波長が大幅に長波長化するため、太陽電池などへの応用が期待されている。


しかしながら、金属サルファハライド系化合物及び金属セレンハライド系化合物の合成報告は少なく、例えば、ビスマスサルファハライド(BiSA)については、前駆体溶液を加熱した基板上に吹き付けて合成するスプレーパイロリシス法(非特許文献2,3)、混合した材料をガラス管に真空封入して加熱する気相成長法(非特許文献4)、水溶媒中又は有機溶媒中でのソルボサーマル法(非特許文献5,6)等に限られている。


詳細には、非特許文献2には、0.02M相当の硝酸ビスマスと0.04M相当のヨウ化アンモニウムとチオ尿素とをエチレングリコール中に溶解した前駆体溶液を225~300℃に加熱した基板上に吹き付けてBiSIを得ることが記載されている。非特許文献3には、0.05M塩化ビスマス水溶液と0.04Mヨウ素とのエタノール溶液、及び0.1Mチオ尿素水溶液をそれぞれ別々に用意し、各ノズルから320℃に加熱した基板に塗布してBiSIを得ることが記載されている。非特許文献4には、ビスマス、硫黄及びヨウ素を量論比で混合し、ガラス管に真空封入後、540℃で2日間保持してBiSIを得ることが記載されている。非特許文献5には、純水に塩化ビスマスとチオ尿素とヨウ素とをモル比1:1:1で溶解し、160℃のオートクレーブ中、加圧条件下で30時間水熱合成することでBiSIを得ることが記載されている。また、非特許文献6には、エタノール溶媒中に塩化ビスマスとチオ尿素とヨウ化ナトリウムとをモル比1:1:2で溶解するか、又はヨウ化ビスマスと硫化ビスマスとをモル比1:1で溶解させ、180℃のオートクレーブ中、加圧条件下で一晩ソルボサーマル合成することでBiSIを得ることが記載されている。

産業上の利用分野

本発明は、金属オキシハライドを原料とした金属サルファハライド及び/又は金属セレンハライドの合成方法、並びに、それを利用した半導体部材の製造方法に関する。


上記金属サルファハライド及び金属セレンハライドは、例えば、太陽光エネルギーを利用して水を光分解することにより水素を得る光触媒、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換する光電極(光電変換材料、太陽電池)等の用途に有用である。

特許請求の範囲 【請求項1】
金属オキシハライドを硫化水素及び/又はセレン化水素と接触させることを特徴とする、金属サルファハライド及び/又は金属セレンハライドの合成方法。

【請求項2】
100~600℃の温度条件で前記金属オキシハライドを前記硫化水素及び/又は前記セレン化水素と接触させる、請求項1に記載の合成方法。

【請求項3】
前記金属オキシハライドは、層状構造を有する、請求項1又は2に記載の合成方法。

【請求項4】
前記金属オキシハライドに含まれる金属は、Bi,Sb及びInからなる群から選択される少なくとも一種である、請求項1~3のいずれかに記載の合成方法。

【請求項5】
前記金属オキシハライドに含まれるハロゲン元素は、Cl,Br及びIからなる群から選択される少なくとも一種である、請求項1~4のいずれかに記載の合成方法。

【請求項6】
基材上に金属オキシハライドを含有する被膜を形成後、前記被膜を硫化水素及び/又はセレン化水素と接触させることにより金属サルファハライド及び/又は金属セレンハライドを合成することを特徴とする、半導体部材の製造方法。

【請求項7】
前記被膜の形成方法は、前記金属オキシハライドを含有するスラリーを前記基材上に塗布する工程を有する、請求項6に記載の半導体部材の製造方法。

【請求項8】
前記被膜の形成方法は、前記金属オキシハライドを電気泳動により前記基材上に被覆する工程を有する、請求項6に記載の半導体部材の製造方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 公開
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