TOP > 国内特許検索 > コア/シェル複合ナノ粒子を製造する方法

コア/シェル複合ナノ粒子を製造する方法 NEW

国内特許コード P180015493
整理番号 1096
掲載日 2018年11月21日
出願番号 特願2005-315132
公開番号 特開2007-118147
登録番号 特許第4938285号
出願日 平成17年10月28日(2005.10.28)
公開日 平成19年5月17日(2007.5.17)
登録日 平成24年3月2日(2012.3.2)
発明者
  • 庄司 哲也
  • 中村 直樹
  • 加藤 晃
  • 山本 真平
  • 高野 幹夫
  • 小野 輝男
出願人
  • 国立大学法人京都大学
発明の名称 コア/シェル複合ナノ粒子を製造する方法 NEW
発明の概要 【課題】焼結を防止して予め熱処理され特定の結晶構造とされたナノ粒子をコアとし、その表面にシェル形成する方法であって、相間移動触媒等の強密着性の分散剤によるシェル形成反応への妨害を排除して、優れた特性を発揮するコア/シェル複合ナノ粒子を製造する方法を提供する。
【解決手段】ナノサイズのコア粒子にシェルを被覆したコア/シェル複合ナノ粒子を製造する方法であって、
必要な特性を発現する結晶構造とするための熱処理を予め施されたコア粒子が第1分散剤により第1有機溶媒中に分散している第1溶液に、極性溶媒を添加することにより、該コア粒子から該第1分散剤を剥離除去し該ナノ粒子を凝集させて回収し、該回収したコア粒子を第2分散剤により第2有機溶媒中に分散させた第2溶液に、該シェルの前駆体を添加し、該コア粒子の表面に該シェルを形成するコア/シェル複合ナノ粒子の製造方法。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


近年、異なる特性を持つ2相をナノスケール(数十nm以下)で微細に混在させて、バルクの複合材料や単相材料では得られない優れた特性を発揮するナノ複合材料が注目されている。



ナノ複合材料の一つの代表的な形態として、有用な特性を持つナノ粒子(いわゆる機能性ナノ粒子)をコアとして、その表面にコアとは異なる特性を持つシェルを被覆したコア/シェル複合ナノ粒子が提案されている。



コアとなる機能性ナノ粒子には、結晶構造が規則構造と不規則構造の2つの状態を持っていて、規則構造の状態でのみ有用な特性を発揮するものが多い。このような機能性ナノ粒子は一般に化学的溶液合成法により生成されるが、合成したままのナノ粒子は不規則構造の状態であり、そのままでは本来の機能特性は示さない。



したがって、合成したままのナノ粒子にシェルを被覆してもコア/シェル複合ナノ粒子として期待される特性は得られない。



そこで、コア/シェル複合状態で、コア粒子の規則・不規則変態点を超える温度で熱処理してコア粒子を規則構造に変換すれば良いように考えられる。しかし現実には、規則・不規則変態点はコアやシェルの原子が活発に拡散するような高温であることが多く、コア/シェル間で成分元素の相互拡散が起きてしまい、画然と2相分離したコア/シェル複合構造が崩壊する。



これを回避するためには、シェル形成より以前に、予めナノ粒子に熱処理を施して規則構造とする必要がある。しかし、ナノサイズの微粒子は凝集し易く、熱処理温度で焼結してしまい、ナノサイズを維持して規則化することができないという問題があった。



そこで本出願人の一部は、特願2005-261617において、ナノ粒子に焼結防止用のバリア層を被覆してから熱処理する方法を提案した。バリア層は熱処理後に除去する。これにより、ナノサイズを維持して規則化することが可能になった。



ただし、バリア層の除去は水溶液中での処理により行なうが、表面が露出したナノ粒子は溶媒である水により酸化されやすいため、酸化の危険のない有機溶媒中へ移動させる。その際、水中から有機溶媒中へのナノ粒子の移動は相間移動触媒を用いて行なう。



しかし、上記提案の方法では、有機溶媒中に分散しているナノ粒子の表面は分散剤としての相間移動触媒が強固に密着して覆っているため、このままではナノ粒子の表面にシェルを形成する反応を行なうことができないという問題があった。



そこで、バリア層により焼結を防止した状態で予め熱処理されて特定の結晶構造とされたナノ粒子をコアとし、その表面にシェル形成する方法であって、相間移動触媒等の強密着性の分散剤によるシェル形成反応への妨害を排除して、優れた特性を発揮するコア/シェル複合ナノ粒子を製造する方法が求められている。



従来、コア/シェル複合構造を持つ機能性ナノ粒子の生成に関する種々の提案がなされている。



特許文献1、2には、コアとしてのフェライト微粒子を水に懸濁させ、これに分散剤と金属イオンの水溶液とを加え、得られた混合懸濁液を加熱処理することにより、フェライト微粒子表面にスピネルフェライトから成るシェルが形成された複合フェライト磁性粉の製造方法が記載されている。シェルの形成工程で用いる分散剤は、シェルの形成反応を阻害しないことが必要であるが、コア粒子の生成工程で用いる分散剤は必ずしもシェルの形成反応には適さない場合がある。特許文献1、2では、この観点からコアとシェルとで形成時の分散剤を使い分けるという考慮がなく、コア/シェル複合ナノ粒子を確実に製造することができない。また、コアを規則構造等の特定の結晶構造とするための熱処理を必要とする場合についての示唆はない。



特許文献3には、コアとしての半導体ナノ粒子にシェルとして有機物コーティングする際に、界面活性剤または両親媒性有機化合物の存在下でナノ粒子を水性溶媒中から油性溶媒中へ移行させることが開示されている。コアを規則構造等の特定の結晶構造とするための熱処理を必要とする場合についての示唆はない。



特許文献4には、FePtナノ粒子の表面に界面活性剤を付着させることで、ナノ粒子を所定間隔で単分散させることが開示されているが、コア/シェル複合構造については何ら示唆がなく、したがって、コアを規則構造等の特定の結晶構造とするための熱処理を必要とする場合についての示唆はない。



特許文献5には、磁化可能な微粒子にコーティングを施す際に界面活性剤を用いることが開示されているが、コアを規則構造等の特定の結晶構造とするための熱処理を必要とする場合についての示唆はない。



【特許文献1】
特開平6-69017号公報
【特許文献2】
特開平6-69018号公報
【特許文献3】
特開2005-103746号公報
【特許文献4】
特開2005-48250号公報
【特許文献5】
特表2004-528550号公報

産業上の利用分野


本発明は、ナノサイズのコア粒子にシェルを被覆したコア/シェル複合ナノ粒子を製造する方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ナノサイズのコア粒子にシェルを被覆したコア/シェル複合ナノ粒子を製造する方法であって、
焼結防止用バリア層としてコア粒子の表面に被膜を形成する工程、
該被膜を形成したコア粒子に、必要な特性を発現する結晶構造とするための熱処理を施す工程、
該熱処理を施したコア粒子の該被膜を溶解除去して該コア粒子の表面を露出させる工程、および
該コア粒子第1分散剤により第1有機溶媒中に分散させて第1溶液を形成する工程、
を含む方法において、
該第1溶液に極性溶媒を添加することにより、該コア粒子から該第1分散剤を剥離除去し該ナノ粒子を凝集させて回収する工程、
該回収したコア粒子を第2分散剤により第2有機溶媒中に分散させて第2溶液を形成する工程、および
該第2溶液に該シェルの前駆体を添加し、該コア粒子の表面に該シェルを形成する工程
更に含むことを特徴とするコア/シェル複合ナノ粒子の製造方法。

【請求項2】
請求項1において、該極性溶媒がアルコール類であることを特徴とする方法。

【請求項3】
請求項1または2において、該第2分散剤が該シェルの形成温度において安定であることを特徴とする方法。

【請求項4】
請求項1から3までのいずれか1項において、該第1分散剤が相間移動触媒であることを特徴とする方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2005315132thum.jpg
出願権利状態 登録
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、下記までご連絡ください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close