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光遅延回路、集積光素子および集積光素子の製造方法 NEW 外国出願あり

国内特許コード P180015499
整理番号 367
掲載日 2018年11月21日
出願番号 特願2004-215648
公開番号 特開2006-039018
登録番号 特許第4457296号
出願日 平成16年7月23日(2004.7.23)
公開日 平成18年2月9日(2006.2.9)
登録日 平成22年2月19日(2010.2.19)
発明者
  • 杉立 厚志
  • 八田 竜夫
  • 野田 進
出願人
  • 国立大学法人京都大学
発明の名称 光遅延回路、集積光素子および集積光素子の製造方法 NEW 外国出願あり
発明の概要 【課題】小型で、環境変動に対し安定で制御しやすい光遅延回路を得ること。
【解決手段】フォトニック結晶の周期的な屈折率分布構造に対して導入される線状の欠陥によって形成される欠陥導波路3a,3bが複数並列に配置されてなる光遅延回路1であって、欠陥導波路3a,3bは、欠陥導波路3a,3b間の距離が近接して配置され、光の合分波を行う合分波部4a,4bと、合分波部4a,4bから分岐し、欠陥導波路3a,3b中を伝送する光が互いに干渉しない欠陥導波路間の距離を有して配置される光遅延部と、を備え、複数の欠陥導波路3a,3b間の構成を異ならせる。
【選択図】 図1

従来技術、競合技術の概要


従来、光信号時分割多重伝送の伝送容量の増大化を図る方法として光遅延線を用いた光信号時分割多重伝送方法が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。図19は、この光遅延線を用いた光信号時分割多重伝送系の構成の従来例を示す図である。送信側において、nチャネルの電気信号を電気・光変換回路111に同時並列に入力してnチャネルの光信号が生成され、時分割多重における各チャネルのタイムスロットの時間幅に対応する基準遅延時間ずつ順次に遅延量が異なるn本の光遅延線群112および各光遅延線の出力光信号を合波する合波器113に同時並列に入力し、その合波出力として基準遅延時間ずつ遅延したnチャネルの光信号からなる時系列光信号が光伝送路104に出力される。また、受信側において、光伝送路104から入力されるnチャネルの時系列光信号を分波器115によってnチャネルの光信号に分波し、n本の光遅延線群116に分波したnチャネルの光信号を同時並列に入力し、その出力光を光・電気変換回路117によってnチャネルの電気信号に変換する。



この特許文献1に記載の光信号時分割多重伝送方法で用いられる光遅延線(112,116)は、ファイバを用いて構成されている。この従来の光遅延線(112,116)において、たとえば2つに分岐したファイバ間で40Gbpsの信号の送受信で1bit分の遅延Δt(=25psec)を生じさせるためには、Δt×c/n=25[psec]×3×108[m/sec]/1.5≒5[mm]のファイバ長差をつける必要がある。



このような光遅延線は、マッハツェンダ干渉計を構成する際などにも用いられる。図20は、差動位相変調(Differential Phase Shift Keying、以下、DPSKという)受信デバイスの構造の従来例を模式的に示す図である。この図に示されるように、DPSK受信デバイス150は、2個の合分波器131とファイバ132で構成される1ビット遅延線からなるマッハツェンダ干渉計130と2個のフォトディテクタ141からなるフォトディテクタモジュール140とが外付けファイバ151を用いて接続された構成を有しており、時間遅延光回路を構成している(たとえば、非特許文献1)。



【特許文献1】
特開平6-53936号公報
【非特許文献1】
E. A. Swanson, et al., "High Sensitivity Optically Preamplified Direct Detection DPSK Receiver with Active Delay-Line Stabilization", IEEE Photonics Technology Letters, 1994, 6, p.263

産業上の利用分野


この発明は、光通信や光情報処理に用いる光デバイスにおいて、フォトニック結晶を用いて、時間位相差を生じさせる光導波路を有する光遅延回路、この光遅延回路と受光器を組み合わせて光信号の感度を高める集積光素子、およびこの集積光素子の製造方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
フォトニック結晶の周期的な屈折率分布構造に対して導入される線状の欠陥によって形成される欠陥導波路が複数並列に配置されてなる光遅延回路であって、
前記複数の欠陥導波路は、前記欠陥導波路の経路上で、他の欠陥導波路中を伝送する光と互いに干渉しない距離に配置される光遅延部と、前記他の欠陥導波路中の光と互いに干渉する距離をおいて互いに平行に配置され、いずれかの前記欠陥導波路に入力された時分割多重された光信号を多重分離し、前記欠陥導波路に入力された光信号を時分割多重する合分波部と、を有するとともに、前記フォトニック結晶の第1の端面と第2の端面との間を並列して結ぶように、前記周期的な屈折率分布構造に導入され、
前記欠陥導波路を構成する前記光遅延部の少なくとも一部の幅は、他の欠陥導波路を伝播する光とは異なる導波モードの光が伝播するように、それぞれの前記欠陥導波路で異なることを特徴とする光遅延回路。

【請求項2】
前記第1または第2の端面の複数の欠陥導波路のうちいずれかの欠陥導波路に入力された時分割多重化された光信号のタイムスロットの時間幅に対応する時間だけ遅延量を異ならせるように、前記各欠陥導波路の幅が設定されていることを特徴とする請求項1に記載の光遅延回路。

【請求項3】
前記フォトニック結晶は、周期的な空気穴構造が形成される薄膜スラブ構造を有し、上下両面が前記フォトニック結晶よりも屈折率の低い誘電体で挟まれることを特徴とする請求項1または2に記載の光遅延回路。

【請求項4】
前記フォトニック結晶は、コア層の上下両面を前記コア層よりも屈折率の低いクラッド層で挟んだ構造を有することを特徴とする請求項1または2に記載の光遅延回路。

【請求項5】
厚さ方向に垂直な方向に貫通するように周期的な空気穴構造が形成されたフォトニック結晶に対して導入される線状の欠陥によって形成される欠陥導波路が複数並列に配置されてなる光遅延回路であって、
前記複数の欠陥導波路は、前記欠陥導波路の経路上で、他の欠陥導波路中を伝送する光と互いに干渉しない距離に配置される光遅延部と、前記他の欠陥導波路中の光と互いに干渉する距離をおいて互いに平行に配置され、いずれかの前記欠陥導波路に入力された時分割多重された光信号を多重分離し、前記欠陥導波路に入力された光信号を時分割多重する合分波部と、を有するとともに、前記フォトニック結晶の第1の端面と第2の端面との間を並列して結ぶように、前記周期的な屈折率分布構造に導入され、
前記欠陥導波路の前記光遅延部の少なくとも一部の周囲の領域に形成される空気穴構造の格子周期は他の領域に形成される空気穴構造の格子周期とは異なる格子周期であり、該格子周期は、他の欠陥導波路を伝播する光とは異なる導波モードの光が伝播するように、それぞれの前記欠陥導波路で異なることを特徴とする光遅延回路。

【請求項6】
厚さ方向に垂直な方向に貫通するように周期的な空気穴構造が形成されたフォトニック結晶に対して導入される線状の欠陥によって形成される欠陥導波路が複数並列に配置されてなる光遅延回路であって、
前記複数の欠陥導波路は、前記欠陥導波路の経路上で、他の欠陥導波路中を伝送する光と互いに干渉しない距離に配置される光遅延部と、前記他の欠陥導波路中の光と互いに干渉する距離をおいて互いに平行に配置され、いずれかの前記欠陥導波路に入力された時分割多重された光信号を多重分離し、前記欠陥導波路に入力された光信号を時分割多重する合分波部と、を有するとともに、前記フォトニック結晶の第1の端面と第2の端面との間を並列して結ぶように、前記周期的な屈折率分布構造に導入され、
前記欠陥導波路の前記光遅延部の少なくとも一部の周囲の領域に形成される空気穴構造の空気穴径は他の領域に形成される空気穴構造の空気穴径とは異なる格子周期であり、該空気穴径は、他の欠陥導波路を伝播する光とは異なる導波モードの光が伝播するように、それぞれの前記欠陥導波路で異なることを特徴とする光遅延回路。

【請求項7】
前記複数の欠陥導波路は、互いに異なる屈折率を有することを特徴とする請求項1~6のいずれか1つに記載の光遅延回路。

【請求項8】
一方の欠陥導波路は、この欠陥導波路に近接して1つ以上の点欠陥を有することを特徴とする請求項1~7のいずれか1つに記載の光遅延回路。

【請求項9】
前記フォトニック結晶は、上下両面が前記フォトニック結晶よりも屈折率の低い誘電体で挟まれることを特徴とする請求項5~8のいずれか1つに記載の光遅延回路。

【請求項10】
光遅延回路の端部に形成される前記合分波部の導波路幅は、外部の結合光学系からの光の入射効率を高めるように広げて形成されることを特徴とする請求項1~9のいずれか1つに記載の光遅延回路。

【請求項11】
前記複数の欠陥導波路の合分波部は、外部の結合光学系からの光が前記複数の欠陥導波路に同時に入射するように近接して、光遅延回路の端部に配置されることを特徴とする請求項1~10のいずれか1つに記載の光遅延回路。

【請求項12】
フォトニック結晶の周期的な屈折率分布構造に対して導入される線状の欠陥によって形成される欠陥導波路が複数並列に配置されてなる光遅延回路であって、
前記複数の欠陥導波路は、前記フォトニック結晶の第1の端面と第2の端面との間に、前記他の欠陥導波路中の光と互いに干渉する距離をおいて互いに平行に配置され、
前記欠陥導波路の幅は、他の欠陥導波路を伝播する光とは異なる導波モードの光が伝播するように、それぞれの前記欠陥導波路で異なるとともに、
前記欠陥導波路の伝播長は、前記各欠陥導波路を伝播する光を分岐または合波する長さに設定されることを特徴とする光遅延回路。

【請求項13】
フォトニック結晶の周期的な屈折率分布構造に対して導入される線状の欠陥によって形成される欠陥導波路が複数並列に配置されてなる光遅延回路であって、
前記複数の欠陥導波路は、前記欠陥導波路の経路上で、他の欠陥導波路中を伝送する光と互いに干渉しない距離に配置される光遅延部と、前記他の欠陥導波路中の光と互いに干渉する距離をおいて互いに平行に配置され、いずれかの前記欠陥導波路に入力された時分割多重された光信号を多重分離し、前記欠陥導波路に入力された光信号を時分割多重する合分波部と、を有するとともに、前記フォトニック結晶の第1の端面と第2の端面との間を並列して結ぶように、前記周期的な屈折率分布構造に導入され、
前記各欠陥導波路の屈折率は、それぞれ異なることを特徴とする光遅延回路。

【請求項14】
2つの欠陥導波路間に1bitの遅延が生じるように前記光遅延部を形成した請求項1~1のいずれか1つに記載の光遅延回路と、
前記光遅延回路の前記欠陥導波路と接続され、前記欠陥導波路からの光を伝播させる導波路と、該導波路を伝播してきた光を検出するフォトディテクタとを含んで構成される導波路型フォトディテクタを有する光検出部と、
を備え、
前記光遅延回路は、
前記欠陥導波路の延在方向の両側に、前記光遅延部の両側を挟むように2つの前記合分波部を有し、
一方の前記合分波部は、外部から入射した光信号を複数の光信号に分波し、
他方の前記合分波部は、前記光遅延部で遅延が生じた前記複数の光信号を合波して干渉波とすることを特徴とする集積光素子。

【請求項15】
前記光遅延回路と前記光検出部は、同一基板上に一括形成されることを特徴とする請求項14に記載の集積光素子。

【請求項16】
前記光検出部の導波路は、p-i-n構造を有することを特徴とする請求項14または15に記載の集積光素子。

【請求項17】
前記光検出部の導波路は、上下に厚みのあるバルク構造を有することを特徴とする請求項14~16のいずれか1つに記載の集積光素子。
国際特許分類(IPC)
Fターム
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出願権利状態 登録
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