TOP > 国内特許検索 > 非円形歯車要素対を用いた変速機

非円形歯車要素対を用いた変速機 NEW

国内特許コード P180015502
整理番号 2167
掲載日 2018年11月21日
出願番号 特願2010-111549
公開番号 特開2011-241840
登録番号 特許第5403276号
出願日 平成22年5月13日(2010.5.13)
公開日 平成23年12月1日(2011.12.1)
登録日 平成25年11月8日(2013.11.8)
発明者
  • 小森 雅晴
  • 古賀 英隆
出願人
  • 国立大学法人京都大学
発明の名称 非円形歯車要素対を用いた変速機 NEW
発明の概要 【課題】減速比の様々な組み合わせに対して非円形歯車対の減速比の変化を円滑にすることができ、正確に回転角度を伝達し、かつ動力を効率的に伝達することができる変速機を提供する。
【解決手段】歯車要素対16,17がクラッチ40,42により解除可能に入力部材12と出力部材14の間に連結される。非円形歯車要素対18がクラッチ44により解除可能に入力部材52と出力部材54の間に連結される。入力側増減速機60は、入力部材12から入力部材52に第1の減速比Rinで回転を伝達する。出力側増減速機70は出力部材54から出力部材14に第2の減速比Routで回転を伝達する。歯車要素対16,17の減速比の最小値をR、最大値をR、mを自然数又は自然数の逆数とすると、R<m×Rin×Rout<Rを満たす。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


現在では、例えば、自動車のオートマチックトランスミッションなど、減速比を多段階に変えることが可能な変速機はすでに数多く開発され、確立された機械となりつつある。



現在、大多数のロボットは、減速比が一定の減速機を装備した電動モータによって駆動されている。この電動モータは、低速回転時には大トルクを発生し、高速回転時には低トルクを発生する特性を有しているが、その対応範囲は狭い。また、減速比が一定の場合、この減速比は、通常、最大負荷時においても作業可能なように大きいものが選択されるため、無負荷時においても速度が制限されてしまい、作業効率が落ちるという問題があった。そのため、広い速度範囲で効率よくモータを駆動させるためには、必要に応じて減速比を変える変速機が必要である。



ロボットにおいては、負荷状態において減速比を変えることが求められ、減速比を変える過程においても負荷を支持し続けることが必要である。さらに、高精度に作業を行う必要があることから、減速比を変えるときにおいても正確な回転角度の伝達が求められている。また、回転を止めることなく減速比を変えることが要求されている。



一方、自動車、自転車では、すでに変速機が使われているが、減速比を変える際に動力を効率よく伝達することが課題となっている。



通常、減速比の異なる歯車対を同時に噛み合わせて回転させることはできないため、回転を止めることなく負荷を支持しつつ、減速比を変えることはできない。また、通常の自動車などの変速機では、減速比を変える前には、これから締結する歯車と軸の回転速度が異なるため、摩擦を利用してこれらを一致させていることから、歯車と軸の間には大きな滑りが生じ、正確な回転角度の伝達は困難であり、動力の伝達効率も悪い。



このような背景のもとに、非円形歯車要素対(非円形歯車対)を用いることにより、回転を止めることなく負荷を支持しつつ減速比を変えることができ、正確に回転角度を伝達し、かつ動力を効率的に伝達することができる変速機が提案されている。



例えば図8の構成図に模式的に示すように、変速機110は、入力軸112と出力軸114との間に、歯車対用クラッチ140,142を介して第1及び第2の歯車対116,117が配置され、非円形歯車対用クラッチ144を介して非円形歯車対118が配置されている。第1及び第2の歯車対116,117は、それぞれ、入力軸112側に配置された歯車120,122と、出力軸114側に配置された歯車130,132とが噛み合う。非円形歯車対118は、入力軸112側に配置された入力側非円形歯車124と、出力軸114側に配置された出力側非円形歯車134とが噛み合う。



クラッチ140のONにより第1の歯車対116が入力軸112と出力軸114との間に連結されたとき、第1の歯車対116によって決まる入力軸112と出力軸114との間の減速比はRとなる。クラッチ142のONにより第2の歯車対117が入力軸112と出力軸114との間に連結されたとき、第2の歯車対117によって決まる入力軸112と出力軸114との間の減速比はRとなる。



非円形歯車対118は、入力軸112と出力軸114との間に第1の歯車対116が連結されたときの減速比Rと等しい減速比となる噛み合い区間と、第2の歯車対117が連結されたときの減速比Rと等しい減速比となる噛み合い区間とを含む。入力軸112と出力軸114との間に連結する歯車対116,117を切り替えるとき、過渡的に入力軸112と出力軸114との間に非円形歯車対118を連結する。(例えば、特許文献1参照)。

産業上の利用分野


本発明は非円形歯車要素対を用いた変速機に関し、詳しくは、非円形歯車要素対を用いて減速比を切り替える変速機に関する。



なお、本明細書中において、「減速比」は、駆動側回転速度/被動側回転速度(あるいは、入力側回転速度/出力側回転速度)で表され、駆動側回転速度よりも被動側回転速度の方が小さくなる場合(いわゆる減速の場合)には1より大きい値となる。「減速比」は、駆動側回転速度よりも被動側回転速度の方が大きい場合(いわゆる増速の場合)についても同じ定義を用いて表し、この場合には、1より小さい値となる。駆動側回転速度と被動側回転速度が同じ場合は、減速比は1となる。すなわち、例えば、駆動側回転部材と被動側回転部材が直接的に結合されている場合は、駆動側回転部材と被動側回転部材の間の減速比は1となる。また、「減速比」は1つの回転部材の2つの部分の間の関係に対しても適用できるものとし、例えば、1つの回転部材の、ある部分と他の部分との間の「減速比」は1と考える。減速比は負の値をとらない。なお、上記の「回転速度」は「回転の角速度」に置き換えてもよい。

特許請求の範囲 【請求項1】
回転可能に支持された第1組の入力部材及び出力部材と、
前記第1組の入力部材と出力部材の間にそれぞれ配置された、少なくとも2組の歯車要素対と、
前記第1組の入力部材と出力部材の間に、少なくとも2組の前記歯車要素対をそれぞれ解除可能に連結する少なくとも2組の歯車要素対用クラッチと、
回転可能に支持された第2組の入力部材及び出力部材と、
前記第2組の入力部材と出力部材の間に配置された少なくとも1組の非円形歯車要素対と、
前記第2組の入力部材と出力部材の間に、少なくとも1組の前記非円形歯車要素対を解除可能に連結する少なくとも1組の非円形歯車要素対用クラッチと、
前記第1組の入力部材と前記第2組の入力部材とに結合され、前記第1組の入力部材と前記第2組の入力部材との間で回転を伝達し、前記第1組の入力部材から前記第2組の入力部材へ回転を伝達する場合の減速比が一定の第1の減速比となる入力側増減速機と、
前記第1組の出力部材と前記第2組の出力部材とに結合され、前記第1組の出力部材と前記第2組の出力部材との間で回転を伝達し、前記第2組の出力部材から前記第1組の出力部材へ回転を伝達する場合の減速比が一定の第2の減速比となる出力側増減速機と、
を備え、
減速比を、駆動側又は入力側の回転速度を被動側又は出力側の回転速度で除した値と定義したとき、
前記第1の減速比をRin、前記第2の減速比をRoutとすると、Rin×Rout≠1であり、´
各組の前記歯車要素対の減速比のうち最小値をR、最大値をR、mを自然数又は自然数の逆数とすると、少なくとも1つのmについて、R<m×Rin×Rout<Rを満たし、
前記非円形歯車要素対は、各組の前記歯車要素対のそれぞれの減速比Rに対応して、減速比がR/(Rin×Rout)となる第1組の噛み合い区間と、該第1組の噛み合い区間の間を接続する第2組の噛み合い区間とを含み、平均すると減速比がmになることを特徴とする、変速機。

【請求項2】
回転可能に支持された第1組の入力部材及び出力部材と、
前記第1組の入力部材と出力部材の間にそれぞれ配置された、少なくとも2組の歯車要素対と、
前記第1組の入力部材と出力部材の間に、少なくとも2組の前記歯車要素対をそれぞれ解除可能に連結する少なくとも2組の歯車要素対用クラッチと、
回転可能に支持された第2組の入力部材及び出力部材と、
前記第2組の入力部材と出力部材の間に配置された少なくとも1組の非円形歯車要素対と、
前記第2組の入力部材と出力部材の間に、少なくとも1組の前記非円形歯車要素対を解除可能に連結する少なくとも1組の非円形歯車要素対用クラッチと、
前記第1組の入力部材と前記第2組の入力部材とに結合され、前記第1組の入力部材と前記第2組の入力部材との間で回転を伝達し、前記第1組の入力部材から前記第2組の入力部材へ回転を伝達する場合の減速比が一定の第1の減速比となる入力側増減速機と、
を備え、
前記第1組の出力部材と前記第2組の出力部材とは、前記第1組の出力部材と前記第2組の出力部材との間で回転を伝達するように結合され、
減速比を、駆動側又は入力側の回転速度を被動側又は出力側の回転速度で除した値と定義したとき、
前記第2組の出力部材から前記第1組の出力部材へ回転を伝達する場合の第2の減速比をRoutとすると、Rout=1であり、
前記第1の減速比をRinとすると、Rin≠1であり、
各組の前記歯車要素対の減速比のうち最小値をR、最大値をR、mを自然数又は自然数の逆数とすると、少なくとも1つのmについて、R<m×Rin×Rout<Rを満たし、
前記非円形歯車要素対は、各組の前記歯車要素対のそれぞれの減速比Rに対応して、減速比がR/(Rin×Rout)となる第1組の噛み合い区間と、該第1組の噛み合い区間の間を接続する第2組の噛み合い区間とを含み、平均すると減速比がmになることを特徴とする、変速機。

【請求項3】
回転可能に支持された第1組の入力部材及び出力部材と、
前記第1組の入力部材と出力部材の間にそれぞれ配置された、少なくとも2組の歯車要素対と、
前記第1組の入力部材と出力部材の間に、少なくとも2組の前記歯車要素対をそれぞれ解除可能に連結する少なくとも2組の歯車要素対用クラッチと、
回転可能に支持された第2組の入力部材及び出力部材と、
前記第2組の入力部材と出力部材の間に配置された少なくとも1組の非円形歯車要素対と、
前記第2組の入力部材と出力部材の間に、少なくとも1組の前記非円形歯車要素対を解除可能に連結する少なくとも1組の非円形歯車要素対用クラッチと、
前記第1組の出力部材と前記第2組の出力部材とに結合され、前記第1組の出力部材と前記第2組の出力部材との間で回転を伝達し、前記第2組の出力部材から前記第1組の出力部材へ回転を伝達する場合の減速比が一定の第2の減速比となる出力側増減速機と、
を備え、
前記第1組の入力部材と前記第2組の入力部材とは、前記第1組の入力部材と前記第2組の入力部材との間で回転を伝達するように結合され、
減速比を、駆動側又は入力側の回転速度を被動側又は出力側の回転速度で除した値と定義したとき、
前記第1組の入力部材から前記第2組の入力部材へ回転を伝達する場合の第1の減速比をRinとすると、Rin=1であり、
前記第2の減速比をRoutとすると、Rout≠1であり、
各組の前記歯車要素対の減速比のうち最小値をR、最大値をR、mを自然数又は自然数の逆数とすると、少なくとも1つのmについて、R<m×Rin×Rout<Rを満たし、
前記非円形歯車要素対は、各組の前記歯車要素対のそれぞれの減速比Rに対応して、減速比がR/(Rin×Rout)となる第1組の噛み合い区間と、該第1組の噛み合い区間の間を接続する第2組の噛み合い区間とを含み、平均すると減速比がmになることを特徴とする、変速機。

【請求項4】
前記非円形歯車要素対の減速比は、最小値がR/(Rin×Rout)と等しく、最大値がR/(Rin×Rout)と等しいことを特徴とする、請求項1乃至3のいずれか一つに記載の変速機。

【請求項5】
m=1であることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか一つに記載の変速機。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2010111549thum.jpg
出願権利状態 登録
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、下記までご連絡ください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close