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リポソーム-エキソソームハイブリッドベシクル及びその調製法 NEW

国内特許コード P180015520
整理番号 4050
掲載日 2018年11月21日
出願番号 特願2013-060148
公開番号 特開2014-185090
登録番号 特許第6137894号
出願日 平成25年3月22日(2013.3.22)
公開日 平成26年10月2日(2014.10.2)
登録日 平成29年5月12日(2017.5.12)
発明者
  • 秋吉 一成
  • 佐藤 祐子
  • 澤田 晋一
出願人
  • 国立大学法人京都大学
発明の名称 リポソーム-エキソソームハイブリッドベシクル及びその調製法 NEW
発明の概要 【課題】エキソソームへの生理活性物質の導入の手法を提供する。
【解決手段】生理活性物質を内包するリポソームとエキソソームを複合化してなる、リポソーム-エキソソームハイブリッドベシクル。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


細胞は、生体膜構造を有する様々なベシクル(extracellular vesicle)を放出している。その中で、エキソソームは、細胞が分泌するエンドソーム由来の50-100nm のサイズを有するベシクルであり、近年、エキソソーム中にメッセンジャーRNA(mRNA)やマイクロRNA(miRNA)が含まれており、他の細胞にRNA を運ぶシャトルとして機能することが見いだされた。生物における細胞間コミュニケーション手段として、これまでは細胞間の直接の接着や増殖因子、サイトカインなどの生理活性タンパク質、ペプチド、ホルモンを用いる経路が知られていたが、特定の細胞由来の細胞膜タンパク質や核酸を含むエキソソームが、長距離の細胞間コミュニケーション経路として、種々の生命現象に重要に関わっていることが明らかにされつつあり、医療やバイオへの応用研究が進められている。



エキソソームをドラッグデリバリーキャリアとして応用した例はまだそれほど多くはないが、エキソソームを分泌する側の細胞を適切に選択することにより、また、疾病特異的に発現している膜タンパク質等のリガンドをエンドソームや細胞膜に過剰発現させてエキソソームに移行させるにより、標的指向性を上昇させ、ドラッグキャリアとして利用することが試みられている。例えば、Zhang らは、マウスリンパ腫EL-4 由来のエキソソームにがん細胞の増殖を抑制するクルクミンを含有させ、マウスの骨髄細胞に到達させることに成功している(非特許文献1)。また、Erviti らは、siRNAを搭載したエキソソームをマウスの脳に送り込むことに成功している(非特許文献2)。Erviti らは、脳にターゲティングするために、遺伝子工学的手法を用いてニューロン特異的ペプチド(RVG ペプチド)を融合させたエキソソーム膜タンパク質(Lamp2b)を発現する樹状細胞を作製した。その細胞から回収したエキソソームに電気穿孔法を用いてsiRNA を内包させ、マウスに投与したところ、脳のニューロンやミクログリアなどにsiRNA が送達され、標的遺伝子がノックダウンされることを報告している。また、Erviti らは、アルツハイマー病治療の標的遺伝子であるBACE1 のノックダウンにも成功している。また、東京医科大学の大野らのグループでは、上皮成長因子受容体[EGFR]に高い親和性を持つ人工ペプチド[GE11]を発現する遺伝子と腫瘍抑制性マイクロRNA を導入した細胞から抽出精製したエキソソームに、GE11 が膜表面に発現しており、目的のマイクロRNA が内包されていることを示した。さらにそこで得られたエキソソームをマウスに導入したところ、GE11 提示型エキソソームが乳がんモデルマウスで腫瘍の発達を効率よく抑制することを報告した。細胞種によりエキソソームはレセプター/リガンド相互作用、マクロピノサイトーシス等の様々なエンドサイトーシスやファゴサイトーシスによって受け手側の細胞に取り込まれると報告されている(非特許文献3)。このような背景から、エキソソームを用いたドラッグデリバリーは、新しい治療法として期待されている。



一方、生体構成成分であるリン脂質から成るリポソームを用いたドラッグデリバリーは、近年盛んに研究されている。リポソームをドラッグキャリアとして用いる利点として、内包物質の制御のしやすさが挙げられる。リポソームを利用したドラッグキャリアは、PEG を修飾すること等により、血中滞留性の向上や補体等による捕捉から回避可能になり、また、標的細胞志向型の抗体等を表面に修飾することにより、標的特異性が飛躍的に向上している。近年本発明者らは、無細胞タンパク質合成系にリポソームを共存させることで、膜タンパク質の遺伝子発現に伴うリポソームへの直接構成、さらに、膜タンパク質を発現したリポソームだけを精製するシステムの構築に成功している(非特許文献4)。



特許文献1は、組換え体センダイウイルスを利用した膜融合性リポソームを開示しているが、エキソソームについての記載はない。特許文献2は、B型肝炎ウイルスタンパク質中空バイオナノ粒子とリポソームを用いたsiRNAの内包と細胞選択的なsiRNAの導入方法を開示しているが、エキソソームについての記載はない。



特許文献3は、外因性遺伝物質を取り込ませたエキソソームを含む組成物を開示し、エキソソームに遺伝物質を取り込ませる具体的方法としてエレクトロポレーションが開示されている。特許文献3の明細書には、トランスフェクション剤を使用できること、トランスフェクション剤としてカチオン性リポソームが例示されているが、カチオン性リポソームを使用した実施例の記載はない。

産業上の利用分野


本発明は、リポソーム-エキソソームハイブリッドベシクル及びその調製法、物質導入用担体、導入剤に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
生理活性物質を内包するリポソームとエキソソームを複合化してなり、前記リポソームは逆転写酵素、プライマー及びデオキシリボヌクレオチド三リン酸を内包するものを除くものであり、前記エキソソームは、細胞から放出される小胞であって、直径は30~200nmであり、リン脂質、コレステロ-ル、タンパク質及び核酸を含むものである、リポソーム-エキソソームハイブリッドベシクル。

【請求項2】
前記生理活性物質がタンパク質または薬物である請求項1に記載のベシクル。

【請求項3】
前記リポソームがカチオン性リポソームである、請求項1又は2に記載のベシクル。

【請求項4】
前記ベシクルがsiRNAを含む、請求項1~3のいずれかに記載のベシクル。

【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載のベシクルからなる生理活性物質導入用担体。

【請求項6】
請求項5に記載のベシクルからなる生理活性物質の導入剤。

【請求項7】
生理活性物質を内包するリポソームとエキソソームを混合し、凍結・融解工程に供することを特徴とし、前記リポソームは逆転写酵素、プライマー及びデオキシリボヌクレオチド三リン酸を内包するものを除くものであり、前記エキソソームは、細胞から放出される小胞であって、直径は30~200nmであり、リン脂質、コレステロ-ル、タンパク質及び核酸を含むものである、請求項1~4のいずれかに記載のリポソーム-エキソソームハイブリッドベシクルの調製法。

【請求項8】
生理活性物質を内包するカチオン性リポソームとエキソソームを混合し、複合化させることを特徴とし、前記カチオン性リポソームは逆転写酵素、プライマー及びデオキシリボヌクレオチド三リン酸を内包するものを除くものであり、前記エキソソームは、細胞から放出される小胞であって、直径は30~200nmであり、リン脂質、コレステロ-ル、タンパク質及び核酸を含むものである、請求項1~4のいずれかに記載のリポソーム-エキソソームハイブリッドベシクルの調製法。

【請求項9】
生理活性物質を内包するリポソームとエキソソームを混合し、ポリエチレングリコール(PEG)及び/又はPEG-脂質により複合化させることを特徴とし、前記リポソームは逆転写酵素、プライマー及びデオキシリボヌクレオチド三リン酸を内包するものを除くものであり、前記エキソソームは、細胞から放出される小胞であって、直径は30~200nmであり、リン脂質、コレステロ-ル、タンパク質及び核酸を含むものである、請求項1~4のいずれかに記載のリポソーム-エキソソームハイブリッドベシクルの調製法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
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出願権利状態 登録
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