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体積計測用ヘルムホルツ共鳴容器、体積計測装置、及び体積計測方法 NEW

国内特許コード P180015524
整理番号 3520
掲載日 2018年11月21日
出願番号 特願2013-550357
登録番号 特許第6103713号
出願日 平成24年12月21日(2012.12.21)
登録日 平成29年3月10日(2017.3.10)
国際出願番号 JP2012083280
国際公開番号 WO2013094739
国際出願日 平成24年12月21日(2012.12.21)
国際公開日 平成25年6月27日(2013.6.27)
優先権データ
  • 特願2011-280906 (2011.12.22) JP
発明者
  • 近藤 直
  • 小川 雄一
  • 篠原 義昭
  • 西津 貴久
出願人
  • 国立大学法人京都大学
  • 国立大学法人岐阜大学
発明の名称 体積計測用ヘルムホルツ共鳴容器、体積計測装置、及び体積計測方法 NEW
発明の概要 液体中で、ヘルムホルツ共鳴を用いて対象物の体積を非接触で計測できるようにするためのヘルムホルツ共鳴容器110は、密閉可能な開口部132を有する容器130と、容器130の内部の中空部分と連通する下端と、開口する上端とを持つネック部138と、ネック部138の上端に設けられ、ネック部138の内部に連通する開口部を持つカバー部材140とを含む。カバー部材140の開口部112の縁部が、当該開口部に近くなるほど肉厚が薄くなる、音声発生のためのリード部152を形成している。リード部152に送水管118から水流をあてることによりリード部152により音声が発生し、この音声に応答して容器110でヘルムホルツ共鳴が発生する。容器130内に対象物を入れておき、ヘルムホルツ共鳴のピーク周波数を調べることで、所定の関数関係により対象物の体積を計測できる。
従来技術、競合技術の概要


近年、水産資源に対する需要が世界的に増加し、水産資源の減少又は枯渇が問題となっている。こうした問題に対する対策の1つとして、水産資源の養殖がある。水産資源の養殖により、水産物の生産を農作物及び畜産物の生産と同様に安定的に行なうことができれば、水産資源の減少及び枯渇という問題を解消できる。



ところが、水産業を農作物及び畜産物の生産と同様に安定化させ、効率化させるためには、解決しなければならない問題が多く存在する。例えば情報化の促進、及び環境に対する配慮である。この両者は互いに関連している。



農作物及び畜産物の場合、商品情報を多くの人が共有するための情報化の仕組みがかなり整備されている。いわゆるトレーサビリティを確保するための仕組みも普及している。水産業でも同様の情報化の仕組みが整備されていてしかるべきである。ところが、水産業は情報化の面で明らかに遅れをとっている。そのため、消費者が安心して水産物を購入できるようにするための情報化が必要である。



農作物及び畜産物の生産では、環境に対する配慮が重要とされている。例えば農作物の生産で使用する農薬、肥料等についても、トレーサビリティの面から管理が細かくなされている。例えば遺伝子組み換え食物の登場、いわゆるBSE(Bovine Spongiform Encephalopathy)問題等によって、トレーサビリティに関する消費者の関心も高くなっており、生産者としても畜産物の生産でも環境に対する配慮が必須である。そしてこの点でも情報化が必要である。



ところが、水産業では、情報化が十分でないために、環境への配慮も十分に行なうことができないという問題がある。例えば、養殖の問題を考える。養殖では、対象となる魚類等に餌を与えなければならない。ところが、餌をやりすぎると、餌の食べ残しが生じる。餌のやりすぎは養殖業者の経済的負担になるだけでなく、赤潮及び海底汚泥化の一因ともなる。したがって、餌は必要最低限だけ与えるようにする必要がある。理想的には、養殖対象の生魚等の成長にあわせ、餌の量を精密に調整できればよい。ある一定程度まで成長した生魚のみを出荷するようにすれば、水産物の品質の安定化という面で好ましい。生簀内の生魚の成長具合が具体的に把握できれば、養殖業者の持つ資産評価が有効に行なえることになり、養殖業者の経営の安定化にもつながる。



このように餌の養殖対象に関する情報を得て、その情報を用いて養殖を効率的に行なう手法を精密養魚と呼ぶ。今後精密養魚が普及していくことは間違いない。



しかし、現状では、精密養魚を行なうために必要な基本的情報が不足している。基本的な問題として、養殖対象の生魚の成長具合をどのように計測するかという問題がある。



生魚の成長具合の指標として、その重さではなく体積を用いる考え方がある。養殖対象の体積は水産物の終了に直結する情報であり、給餌量を決める大きな指針になる。対象が生物であり、傷つけると商品価値が落ちることを考えると、計測対象に接触せずにその体積を計測できれば好ましい。また、養殖対象としては種々の魚が考えられるため、計測対象の形状によらず安定的かつ正確に体積を計測することができればより好ましい。いうまでもなく、計測時間は短い方が好ましい。



このような目標を達成できる可能性がある1つの手法として、ヘルムホルツ共鳴を用いる手法がある。ヘルムホルツ法は、ある空間の体積(容積)を計測するための手法としてよく知られており、その原理が上記特許文献1に開示されている。



ヘルムホルツ法の原理について説明する。図1を参照して、ヘルムホルツ共鳴は、容器30のように、中空の容器本体42と、容器本体42の中空部に導通した開口部46を持ついわゆるネック部40とを持つ容器で起こる。この形状はビール瓶を想定すると分かりやすい。容器本体42の空気のばね的な性質により、ネック部40の部分で上下の振動が生まれる。この振動がヘルムホルツ共鳴であって、容器30の形状に固有の共鳴周波数(ヘルムホルツ共鳴周波数と呼ぶ。)を持つことが知られている。



ネック部40の断面積S(m)、ネック部40の長さL(m)、及び容器本体42の容積V(m)は予め分かっているものとする。図1に示すように、空気中に置かれた容器本体42内に体積計測の対象物44があるときのヘルムホルツ共鳴周波数f(Hz)は以下の式により表される。



【数1】


ただしcは空気中の音速(m/s)、Vは対象物の体積(m)、Lは開口端補正量である。ネック部40の長さL及び断面積S、並びに容器本体42の容積Vは変化しないので、空気中では対象物44の体積Vの値にしたがって周波数fが変化する。したがって、予め共鳴周波数fと対象物の対象物44の体積Vとの関係を求めておけば、共鳴周波数fを計測することにより対象物44の体積Vを定めることができる。



共鳴周波数を求める方法として知られているものに、打撃法と音響共鳴法とがある。



打撃法では、容器30に何かで打撃を与えて容器30による共鳴系の周波数応答を調べる。図2に示すように、この場合の容器30において発生する音響のパワースペクトル60において、打撃による入力信号62に応答して、特定の周波数にピーク64が見られる。このピークの周波数が共鳴周波数fであり、この値から対象物44の体積Vを知ることができる。



音響共鳴法では、容器30内で低い周波数から高い周波数に(又はその逆の方向に)周波数を変化させる音声を発生させ、その周波数応答を調べる。例えば図3を参照して、音響共鳴法による入力信号に応答して容器30において発声する音響のパワースペクトル74において、特定の周波数でピーク72が見られる。このピーク72がこの共鳴系の共鳴周波数fであり、この共鳴周波数fから対象物44の体積Vを知ることができる。

産業上の利用分野


この発明は物体の体積を音響的に計測する技術に関し、特に、水等の液体中で活動する生魚等の体積を、ヘルムホルツ共鳴を用いて計測する技術に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
液体を貯留する、所定の容積を規定する中空部分を有する容器本体と、前記容器本体の前記中空部分と連通する一端、及び、端面が形成された他端、を持つ筒状のネック部とを含むヘルムホルツ共鳴容器、を用いて、液体中の対象物の体積を非接触で計測する方法であって、
前記端面には開口部が形成されており、
前記端面の前記開口部の縁部を形成する部分の少なくとも一部が、当該開口部に近くなるほど肉厚が薄くなるように形成されて、音声発生のためのリード部を構成しており、
前記方法は、
前記ヘルムホルツ共鳴容器を液体中に浸漬することにより、前記中空部分と前記ネック部とが前記液体に満たされ、かつ、前記ネック部の前記端面も前記液体中に位置するようにするステップと、
前記中空部分に前記対象物を配置するステップと、
前記中空部分に前記対象物が配置されている間に、前記リード部に向けて液体の流れを一定流量で一定方向からあてることにより、前記リード部に音声を発生させるステップと、
前記リード部が発生した音声に共鳴して前記ヘルムホルツ共鳴容器内で発生する共鳴音のピーク周波数を測定するステップと、
前記測定するステップで測定された周波数を変数とする関数により、前記対象物の体積を算出するステップとを含む、液体中の対象物の体積を非接触で計測する方法。

【請求項2】
前記液体は水であり、
前記対象物は内部に浮き袋を持つ水圏生物であり、
前記関数は、前記周波数が高いほど体積が小さくなるような関数である、請求項1に記載の方法。

【請求項3】
前記液体は水であり、
前記対象物は内部に浮き袋を持たない水圏生物であり、
前記関数は、前記周波数が高いほど体積が大きくなるような関数である、請求項1に記載の方法。

【請求項4】
前記算出するステップで算出された前記水圏生物の体積がしきい値以上か否かに応じて前記水圏生物を分類し、第1及び第2の互いに分離された領域に分離するステップをさらに含む、請求項2又は請求項3に記載の方法。

【請求項5】
ヘルムホルツ共鳴により対象物の体積を非接触で計測する方法で用いられるヘルムホルツ共鳴容器であって、
液体を貯留する、所定の容積を規定する中空部分を有する容器本体と、
前記容器本体の前記中空部分と連通する一端、及び、端面が形成された他端、を持つ筒状のネック部とを含み、
前記端面には開口部が形成されており、
前記端面の前記開口部の縁部を形成する部分の少なくとも一部が、当該開口部に近くなるほど肉厚が薄くなるように形成された、音声発生のためのリード部を構成している、ヘルムホルツ共鳴容器。

【請求項6】
前記端面は、前記開口部を除いて前記ネック部の前記他端全てを覆う形状を持つ、請求項5に記載の容器。

【請求項7】
前記容器本体は、前記ネック部と連通する部分とは異なる他の開口部を持つ、請求項5又は請求項6に記載のヘルムホルツ共鳴容器。

【請求項8】
前記端面は、前記ネック部の内部に面する第1の面と、前記ネック部の内部と反対側に面する第2の面とを持つ平板状であり、
前記ヘルムホルツ共鳴容器はさらに、前記第2の面に設けられ、液体を供給する給液管を、当該給液管の先端が前記リード部に向くように前記第2の面に取り付ける取り付け部材を含む、請求項5~請求項7のいずれかに記載のヘルムホルツ共鳴容器。

【請求項9】
請求項に記載のヘルムホルツ共鳴容器を用い、前記対象物の体積を非接触で計測するための体積計測装置であって、
前記ヘルムホルツ共鳴容器は、その全体が所定の液体中に置かれ、
前記体積計測装置は、
前記給液管の、前記先端とは別の端部に、前記所定の液体と同種の液体を所定流量で供給するポンプと、
前記液体中に置かれた前記ヘルムホルツ共鳴容器の近傍において音声を収集する音声収集手段と、
前記給液管から供給される前記液体により前記リード部が発生する音により、前記ヘルムホルツ共鳴容器において発生する共鳴音のピーク周波数を、前記音声収集手段の出力に基づいて特定し、当該周波数の関数として前記容器本体内に存在する前記対象物の体積を算出する体積算出手段とを含む、体積計測装置。

【請求項10】
前記所定の液体は水であり、
前記対象物は内部に浮き袋を持つ水圏生物であり、
前記関数は、前記周波数が高いほど体積が小さくなるような関数である、請求項9に記載の体積計測装置。

【請求項11】
前記所定の液体は水であり、
前記対象物は内部に浮き袋を持たない水圏生物であり、
前記関数は、前記周波数が高いほど体積が大きくなるような関数である、請求項9に記載の体積計測装置。
国際特許分類(IPC)
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出願権利状態 登録
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