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複合粒子を含む腎機能診断用イメージング剤 NEW

国内特許コード P180015530
整理番号 4744
掲載日 2018年11月21日
出願番号 特願2014-181733
公開番号 特開2016-056114
登録番号 特許第6372800号
出願日 平成26年9月5日(2014.9.5)
公開日 平成28年4月21日(2016.4.21)
登録日 平成30年7月27日(2018.7.27)
発明者
  • 多胡 善幸
  • 吉田 慎一
  • 吉岡 芳親
  • 陳 挺
  • 森 勇樹
  • 大野 工司
出願人
  • 株式会社カネカ
  • 国立大学法人大阪大学
  • 国立大学法人京都大学
発明の名称 複合粒子を含む腎機能診断用イメージング剤 NEW
発明の概要 【課題】腎臓機能可視化のために適した新規イメージング剤を提供する。
【解決手段】複合粒子を含むイメージング剤であって、前記複合粒子は、高分子グラフト鎖が微粒子表面に結合した複合粒子であり、前記高分子グラフト鎖のグラフト密度が0.1本鎖/nm2以上であり、前記高分子グラフト鎖の数平均分子量(Mn)が、30,000以上である腎機能診断用イメージング剤。前記微粒子にはMR;測定には、鉄、コバルト、合金、酸化鉄等が用いられ、光イメージであれば、前記磁性材料等であってもなくても良い無機粒子若しくは微粒子に結合又は封入された有機発色色素又は発蛍光色素が用いられる腎機能診断用イメージング剤。
【選択図】図5
従来技術、競合技術の概要


腎臓は、血液から老廃物等をろ過し、尿を生成後、膀胱に送り出す臓器である。腎臓は、他にも恒常性維持、血圧調節、ホルモン分泌等の機能を有し、生体にとって非常に重要である。そのため、腎臓の機能が低下すると体全体に悪影響を及ぼす。



腎機能が低下する原因としては、免疫系の異常や薬に対するアレルギー、高血圧、糖尿病など(以上、慢性腎不全)や、出血や急激な血圧低下、感染症、熱傷に伴う脱水(以上、急性腎不全)など複数の因子が挙げられ、疾患の種別も原因別に細かく分類される。慢性腎不全を含め最終的に透析治療が必要になる腎機能疾患全般を総称し、慢性腎臓病(CKD、chronic kidney disease)と呼ぶ。



腎臓病には、腎臓そのものに何らかの原因があって起こる一次性腎臓病と、糖尿病や高血圧、痛風など他の病気が原因で起きる二次性腎臓病がある。二次性腎臓病の糖尿病性腎症では、高血圧や高血糖値の影響で糸球体に硬化が生じて、糸球体のフィルター機能が低下し、腎機能の障害を起こす。腎機能障害としては、例えば、ネフローゼ症候群、吸収不良症候群、尿毒症が挙げられる。



一般的に、腎機能は、尿または血液を採取し、尿素窒素、クレアチニン、電解質(ナトリウム、カリウム、クロール)、蛋白アルブミン、糸球体濾過量等を指標にして検査する(例えば非特許文献1)。それら検査の多くは、簡便でスクリーニング検査としては有効ではあるものの、様々な要因(例えば、過激な運動、精神的ストレス、発熱など)により変動するため、腎機能を詳細に把握するためには、精密検査が必要となる。



精密検査の1つとして腎臓の画像診断があり、超音波やCT(コンピューター断層撮影)検査は、主に形態学的な診断に適用されている。腎臓の血流評価には、ヨード造影剤を用いた造影CT検査が実施されている。泌尿器領域の腫瘍の描出には、上記検査に加えて、造影または非造影MRI(磁気共鳴イメージング)も有効性が高いとされている。しかしながら、いずれの検査も腎機能の良悪を正確に診断することは困難である。



現在のところ、腎疾患の重症度の最終判定および治療方針決定には、腎生検による病理組織学的診断が不可欠とされている。しかしながら、腎生検は腎組織の一部を採取して顕微鏡で評価するものであり侵襲的検査であるため、出血、感染などの合併症の危険性が常に伴う。また腎生検を受けるためには、専門医と設備の整った施設に入院しなければならず、患者への肉体的・社会的負担は無視できない。



腎生検は主として、1)1日1.0g以上の尿蛋白がみられる場合、2)原因不明の腎障害があるが、画像検査で腎臓が萎縮していない場合、3)血尿が持続し進行する慢性腎炎が疑われる場合、または、4)急速に腎機能が低下している場合に適用される。一方、腎生検の禁忌の場合として、1)慢性的な腎機能障害のため画像検査ですでに腎臓が萎縮している場合、2)出血傾向やコントロール不全な高血圧のため止血困難な場合、3)多発性嚢胞腎の場合、4)腎生検の実施中および検査中および検査後の安静が守れない患者や指示に従えない場合などがある。腎生検を行えない症例は、実際の臨床では非常に多く、問題となっている(例えば非特許文献1)。



多くの体内診断薬において、正常な腎臓と、疾患を有した腎臓を見分けられないことが問題となっている。腫瘍や炎症の診断においては、FDG(フルオロデオキシグルコース)を用いた疾患部位のPET(陽電子放出断層撮影)検査が実施されている。しかしながら、特異性の低さから、FDGを用いる腎臓の診断は困難とされている(例えば非特許文献2)。つまり、腎臓を標的とするイメージング剤としては、正常な腎臓と疾患を有した腎臓を分けてターゲティングする機能を有することが求められている。これに対して、例えば腎線維症の診断においては、コラーゲン結合ペプチドを含む放射性医薬品(例えば特許文献1)が報告されているが、この医薬品は限定的な疾患にしか反応しない。その為、この医薬品は、著しく汎用性を欠くことから診断薬としても実用的ではない。

産業上の利用分野


本発明は、複合粒子を含む腎機能診断用イメージング剤に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
複合粒子を含むイメージング剤であって、
前記複合粒子は、高分子グラフト鎖が微粒子表面に結合した複合粒子であり、
前記高分子グラフト鎖のグラフト密度が0.1本鎖/nm2以上であり、
前記高分子グラフト鎖の数平均分子量(Mn)が、30,000以上であり、
前記高分子グラフト鎖が、前記微粒子表面上の重合開始基を基点としたアクリル酸誘導体、メタクリル酸誘導体、アクリルアミド誘導体、メタクリルアミド誘導体およびスチレン誘導体からなる群から選択される1以上のリビングラジカル重合によって得られ、
前記高分子グラフト鎖は、前記微粒子により近い第1ブロックと、前記微粒子から遠い第2ブロックからなり、
前記第1ブロックにおける高分子グラフト鎖の数平均分子量(Mn)が、19,000~30,000であり、
前記第2ブロックにおける高分子グラフト鎖の数平均分子量(Mn)が、99,000~180,000であり、
前記微粒子が、鉄(Fe)、コバルト(Co)、合金、および酸化鉄からなる群から選択される1以上の微粒子であり、
集積性の差により腎臓の機能を診断するための、腎機能診断用イメージング剤。

【請求項2】
前記高分子グラフト鎖の分子量分布が、1~1.5である請求項1に記載の腎機能診断用イメージング剤。

【請求項3】
前記高分子グラフト鎖は、前記微粒子により近い第1ブロックと、前記微粒子から遠い第2ブロックからなり、
前記第1ブロックにおける高分子グラフト鎖および前記第2ブロックにおける高分子グラフト鎖の分子量分布(Mw/Mn)が、それぞれ1~1.5である請求項1または2に記載の腎機能診断用イメージング剤。

【請求項4】
投与方法が、静脈投与である請求項1~3のいずれかに記載の腎機能診断用イメージング剤。

【請求項5】
請求項1~4のいずれかに記載の腎機能診断用イメージング剤が投与された腎臓のイメージング図に基づき、前記イメージング剤が投与された腎臓中の前記複合粒子の集積量を算出する手段、および
前記集積量に基づいて、前記腎臓の機能を評価する手段を備えた装置からなる腎機能診断システム。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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