TOP > 国内特許検索 > 微細機械共振器の作製方法

微細機械共振器の作製方法 NEW

国内特許コード P180015548
整理番号 4505
掲載日 2018年11月21日
出願番号 特願2014-023028
公開番号 特開2015-149689
登録番号 特許第6032759号
出願日 平成26年2月10日(2014.2.10)
公開日 平成27年8月20日(2015.8.20)
登録日 平成28年11月4日(2016.11.4)
発明者
  • 岡本 創
  • 山口 浩司
  • 須田 淳
  • 足立 亘平
出願人
  • 日本電信電話株式会社
  • 国立大学法人京都大学
発明の名称 微細機械共振器の作製方法 NEW
発明の概要 【課題】SiCを用いたマイクロ機械共振器で、更なる高いQ値が得られるようにする。
【解決手段】大気圧、純酸素雰囲気、1150℃・2時間の条件で熱酸化を行い、SiC残留物107を酸化する。酸化により、SiC残留物107は、SiO2となり、これをフッ酸水溶液でSiO2を除去し、微細機械共振器構造105の基板側裏面に、残留物のない状態とする。次に、微細機械共振器構造105に対してガスエッチング処理を行い、微細機械共振器構造105の表面を平滑化する。
【選択図】 図1E
従来技術、競合技術の概要


機械的な動作で種々の機能を発揮するマイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)が、センサーなどさまざまな応用で使用されている。現在、MEMSは、主にSiを用いて作製されている。これに対し、Siに比較して、高いヤング率,高温での高い降伏強度、高い化学的安定性などの特徴を有する炭化ケイ素(SiC)が、MEMSの材料として注目を集めている。SiCを用いたMEMS(SiC-MEMS)の研究開発は、Si上に堆積した3C-SiCや、多結晶SiC,アモルファスSiCが中心であった。しかしながら、3C-SiCは、結晶欠陥を多く含み、また、多結晶SiC,アモルファスSiCは、単結晶SiCに比べると、上述した特性が劣るという問題がある。



これに対し、高品質SiC単結晶ウエハーを用いてMEMSを作る研究も一部行われている。高品質SiC単結晶ウエハーを用いる場合、微細加工は難しいが、結晶欠陥が少なく、SiC本来の特性が得られる。発明者らは、単結晶SiCウエハーにSiCのp層およびn層を積層し、光電気化学エッチングもしくは電気化学エッチングを用い、p層またはn層の選択的エッチングを行うことで、薄膜(メンブレン)やブリッジ、カンチレバーなどのMEMSの基本構造を作製する技術を提案している(非特許文献1参照)。



単結晶SiCで作製したカンチレバー共振器は、230000という非常に高いQ値を持つ素晴らしい共振特性を持つ。これは、Si基板上に形成した3C-SiC薄膜により形成したカンチレバー共振器のQ値の約10倍であり、また、Siカンチレバー共振器の20倍に相当する(非特許文献1参照)。この結果は、高感度センサーなど、MEMSの応用上、極めて有用な特性である。このように、高温環境下で利用可能な厳環境MEMS用材料として、SiCが期待を集めている。



現在、SiCを材料としたMEMSである微細機械共振器は、半導体装置の製造技術を利用して作製されている(非特許文献1,2参照)。この1例について説明する。



まず、p型SiC基板を用意する(第1工程)。p型SiC基板の代わりに、n型もしくは半絶縁型のSiC基板の上に、p型SiCをエピタキシャル成長した基板を用いてもよい。



次に、p型SiC基板の主表面に、機械共振器となるn型SiC層を形成する(第2工程)。例えば、エピタキシャル成長もしくはイオン注入法により、n型SiC層を形成すればよい。次に、形成したn型SiC層の上に、公知のフォトリソグラフィー技術により、所定の形状のマスクパターンを形成する(第3工程)。



次に、形成したマスクパターンをマスクとし、反応性イオンエッチング(RIE)などにより、n型SiC層を選択的にエッチング除去し、マスクパターン形成領域以外のp型SiC表面を露出させる(第4工程)。マスクパターンの下には、n型SiC層による機械共振器構造が形成された状態となる。次に、マスクパターンを除去する(第5工程)。



次に、p型SiC基板に接続する電極を形成する(第6工程)。例えば、p型SiC基板の裏面に電極を形成すればよい。また、n型もしくは半絶縁型のSiC基板を用いた場合は、エピタキシャル成長したp型SiC層の露出している部分に電極を形成すればよい。



次に、n型SiC層による機械共振器構造の下部のp型SiCを除去し、n型SiCによる機械共振器を可動可能にする(第7工程)。例えば、上述した電極を用いた電気化学エッチングにより、露出しているp型SiCの選択的なエッチングを実施すればよい。次に、十分に洗浄し、また、上記電極が、後のプロセスで必要なければ酸などを用いて電極を除去する(第8工程)。



次に、機械共振器を可動可能にするためのp型SiCのエッチングが不十分であり、ポーラスあるいはスポンジ状のSiCが残留している場合がある(非特許文献1参照)。この残留物を除去するために、熱酸化を行う(第9工程)。SiC単結晶の熱酸化速度は非常に遅く、一方、上記SiC残留物は表面積/体積比が非常に大きいため、SiC単結晶の熱酸化が無視できる程度の時間の処理時間で、上記残留物の酸化が完了する。残留物は、酸化により、SiO2となる。酸化を行った後に、残留物をウエットエッチングで除去する。熱酸化には表面清浄化や表面変質層の除去効果もある(非特許文献1参照)。

産業上の利用分野


本発明は、SiCより構成された微細な構造を作製する微細機械構造の作製方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
SiC基板の上に単結晶SiCから構成された微細機械共振器構造を形成する構造形成工程と、
前記微細機械共振器構造に対してガスエッチング処理を行い、前記微細機械共振器構造の表面を平滑化する表面処理工程と
を備えることを特徴とする微細機械共振器の作製方法。

【請求項2】
請求項1記載の微細機械共振器の作製方法において、
前記構造形成工程では、電気化学エッチングにより前記微細機械共振器構造を形成することを特徴とする微細機械共振器の作製方法。

【請求項3】
請求項1または2記載の微細機械共振器の作製方法において、
前記表面処理工程では、水素で希釈した塩化水素でガスエッチングを行い、前記ガスエッチングは、1450℃未満の温度条件で行うことを特徴とする微細機械共振器の作製方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2014023028thum.jpg
出願権利状態 登録
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、下記までご連絡ください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close