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種々の規格の多くの無線LAN機器に対応するために、RoF(Radio over Fiber)を用いた無線LANシステム(RoF-WLAN)が検討されている。
図3は、RoF-WLANと既存WLANの共存構成例を示す。 図3において、宅内もしくはオフィス内に、既存WLANの既存AP(Access Point) 11および既存STA(Station )12と、RoF-WLANのRoF-APのRF処理部21およびRoF-STA24が存在する。ここで、RoF-APの機能は、光ファイバ23を介して接続されるRF処理部21と局舎内のAP処理部22に分割されている。RoF-APのRF処理部21は、光信号と電波との変換を行う構成であり、RoF-APのAP処理部22は、PHY(Physical)層およびMAC(Medium Access Control )層のAP処理を行う。したがって、RF処理部21とAP処理部22と間には光ファイバ23を介して通信することによる伝搬遅延が発生し、RoF-APとしてフレーム送受信やキャリア検出が遅れる。
そのため、既存WLANとRoF-WLANが共存する構成において、CSMA/CA方式によりアクセス制御を行う場合、RoF-WLANのフレーム送受信やキャリア検出が遅れることによる衝突が発生し、RoF-WLANのスループット特性が劣化する。図4に、RoF-WLANの伝搬遅延(0~50μs)に対応する上りスループットに対する下りスループットの比(上下スループット比)の特性を示すが、従来方式として示すように下りスループットの劣化が大きい。
非特許文献1では、RoF-WLANと既存WLANの共存構成におけるRoF-WLANの下りスループット特性を改善するために、既存WLANの通信に付随してRoF-APに優先的に送信権を与える方法が提案されている。図4に、非特許文献1の提案方式として示すように、下りスループット特性を改善効果が著しく、以下に示すように上下スループット比が1を大きく超えている。
図5は、非特許文献1に示すRoF-WLANにおけるRTSフレーム送信制御例を示す。 図5において、RoF-APのRF処理部21,AP処理部22およびRoF-STA24は、既存WLANのRTS/CTSフレームを受信してNAV(Network Allocation Vector )期間を取得し、そのNAV期間の送信を控える。ただし、RoF-APでは、RTS/CTSフレームの遅れにより、設定されるNAV期間も遅れて設定される。そのため、RoF-APでは送信データがある場合に、NAV期間の終了時刻から往復伝搬遅延(RTT)時間前のタイミングで送信制御に入り、DIFS時間以下のTw 時間後に、ランダムバックオフ期間を設けずにRTSフレームを送信する。これにより、RoF-APからRoF-STAへのRTSフレームの送信は成功し、RoF-WLANにおける下りスループットの改善が可能になる。なお、Tw =DIFSとした場合でも、既存WLANがデータ送受信を終えてDIFS後にランダムバックオフ期間0でRTSフレームを送信する場合を除き、RoF-APからRoF-STAへのRTSフレームの送信は成功する。
また、RoF-STAにおける上り方向の送信開始制御は、既存WLANとの間でCSMA/CAに基づくキャリアセンスを行い、通常のRTS/CTSアクセス手順に従って行われる。
本発明は、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access /Collision Avoidance )方式によるアクセス制御を行う無線通信システムおよび無線通信方法に関する。
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