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成分濃度分析方法 NEW

国内特許コード P180015594
整理番号 4866
掲載日 2018年11月22日
出願番号 特願2015-068228
公開番号 特開2016-188777
登録番号 特許第6288717号
出願日 平成27年3月30日(2015.3.30)
公開日 平成28年11月4日(2016.11.4)
登録日 平成30年2月16日(2018.2.16)
発明者
  • 田島 卓郎
  • 中村 昌人
  • 都甲 浩芳
  • 小川 雄一
  • 白神 慧一郎
出願人
  • 日本電信電話株式会社
  • 国立大学法人京都大学
発明の名称 成分濃度分析方法 NEW
発明の概要 【課題】測定が困難であった生体の成分などの被測定試料の濃度を求める技術を提供する。
【解決手段】予め設定した緩和式における緩和項に含まれる各値につき、被測定試料の濃度に対する当該値の濃度依存性を記録したデータベースを用い、まず、被測定試料の誘電緩和スペクトルを得る(S1)。次に、得た誘電緩和スペクトルに非線形最小自乗フィッティングを行うことにより前記各値を求める(S3)。次に、求めた値をデータベースに記録した濃度依存性に適用して、被測定試料の濃度を求める(S5)。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


近年では、高齢化が進み、成人病に対する対応が大きな課題になりつつある。血糖値などの検査においては血液の採取が必要なために患者にとって大きな負担となるので、血液を採取しない非侵襲な成分濃度測定装置が注目されている。



非侵襲な成分濃度測定装置として、分光法が提案されている。従来の非侵襲的な測定法としては、様々な周波数帯において試みられており、近赤外分光法では拡散反射法、光音響法が、中赤外分光法では全反射減衰法が試みられている(非特許文献1、2、3参照)。



分光法では、皮膚内に電磁波を照射し、測定対象とする血液成分、例えば、グルコース分子と水の相互作用に従い、電磁波を吸収させ、電磁波の振幅を観測する。しかし、グルコースと電磁波の相互作用は小さく、また生体に安全に照射しうる電磁波の強度には制限があり、生体の血糖値測定においては、十分な効果をあげるにいたっていない。



図10は、従来の赤外分光システムを示す。



赤外分光器101は、ブロードな近赤外領域の波長の光を発生する連続波光源を備え、マルチコアファイバ102を介して、照射部103と検出部104が接続される。照射部103は、被検体Tに光を照射し、検出部104は、生体内散乱による拡散反射した光を検出する。(非特許文献1参照)。



そして、アルブミン、グルコース、コレステロール等から多変量検量モデルを構築して、Partial Least Squares回帰法によりターゲット分子であるグルコースの非侵襲測定を高精度に行う。



赤外領域には、生体成分に係る種々の吸収があるが、非侵襲的測定法においては、生体の主成分である水の背景吸収、生体組織(皮膚、血球等)の光散乱が大きな誤差要因となることが知られている。例えば、水の背景吸収はグルコースの吸収の1000倍となるため、環境温湿度の影響や発汗による組織水分量の変化が誤差要因として顕著となる。また、生体は多成分系であり、生体成分の定量には、主成分分析やPLS回帰分析等の多変量解析等のケモメトリックス手法が用いられることが一般的である。近赤外領域では皮膚の光散乱を利用した拡散反射法により、グルコース、アルブミン、コレステロール等の血液成分や水、光散乱シミュレーションによりモデル化を行った生体光散乱係数をデータベース105として、検量モデルを作成し、演算部106が、未知のスペクトルを分析し、表示部107に表示する(非特許文献1参照)。



しかしながら、多成分系における成分の吸収スペクトルにおいて発熱や発汗による水分量変化や温度変化等が生じ、定量精度が悪化するという問題がある。



マイクロ波からミリ波の周波数帯では、従来の測定法としては、マイクロ波からミリ波帯において、ベクトルネットワークアナライザ(Vector Network Analyzer:以下VNA)に接続した同軸型プローブを用いた反射型測定による誘電分光測定がある(非特許文献3参照)。



図11は、従来のマイクロ波・ミリ波帯誘電分光測定系を示す。図は、誘電分光法による成分濃度測定装置を示す構成例である。



ここでは、背景成分及び対象成分が混合されてなる溶液における対象成分の濃度を測定する。非特許文献3にも記載されるように同軸型プローブ201を用いて複素誘電率を測定する方法は一般的である。符号Gはグランド、符号Sは信号線である。開放端の同軸線路は液体の測定試料202に適している。開放端からは無限遠境界を前提として反射信号から複素誘電率が計算される。つまり、測定試料202に電場を印加し、VNAにより、反射係数と位相を周波数領域で測定する。また、測定試料202に立ち上がりの速いステップ状の電圧を印加し、その反射波形の時間変化から複素誘電率を求める方法もある。この際には、反射係数のかわりに透過係数を測定してもよい。この方法を時間領域反射(または透過)測定法と呼ばれる。周波数領域の測定では、反射係数/位相スペクトルを取得するために印加電界の周波数を掃引する。測定したスペクトルから複素誘電率は、次のように算出できる。



【数1】


ここで、ε*は未知サンプルの複素誘電率、εi*(i=A,B,C)は較正サンプルA,B,Cの複素誘電率である。また、ρ*は複素反射係数で、測定で得られた反射係数をΓi、位相をφiとするとき、



【数2】


と表される。ρiはそれぞれ較正サンプルの測定結果に対応し、ρ*は未知サンプルの測定結果を表す。



開放端同軸型のプローブを用いる場合の一般的な測定では、較正サンプルAとして空気中での開放端、較正サンプルBとして金属板による短絡、較正サンプルCとして誘電率が既知の純水等の溶液サンプルを用いる。また、反射型同軸プローブ以外の装置では伝送線路の通過/反射特性を計測することにより、測定試料の誘電率を測定する方法がある。



図12は、従来のミリ波帯・テラヘルツ波帯誘電分光測定系を示す。図12は、連続発振した光源を用いたホモダイン検波方式電磁波分光測定システムを示す。



本システムは、第1連続波光源1a及び第2連続波光源1bと、第1スプリッタ2a及び第2スプリッタ2bと、第1カプラ3a及び第2カプラ3bと、光位相変調器4と、第1フォトミキサ5a及び第1フォトミキサ5aとTHzミキサとの両機能を一体化させた第3フォトミキサ5cとで主に構成されている(特許文献2、非特許文献4参照)。符号100は、測定試料、符号8はレンズである。



従来の誘電分光装置においては、電磁波をホモダイン検波する際には、第3フォトミキサ5cでのミキシング時における2つの光路長差が一致していることが必要である。そのため、空間を伝搬するテラヘルツ(THz)波の伝搬長や光が伝搬するファイバの長さ等を調整する。テラヘルツ波帯ではレンズや放物面鏡を用いた疑似光学系によるフリースペース法により測定対象の複素誘電率を計測することが一般的である。なおフリースペース法は非特許文献3にも記載されるようにミリ波帯でも用いられる。



以上のように、観測される電波の周波数に対応する信号の振幅や位相から、誘電緩和スペクトルを算定する。一般的にはCole-Cole式に基づき緩和カーブの線形結合として表現し、複素誘電率を算定する。成分計測では、例えば液中に含まれるグルコースやコレステロール等の成分の量に複素誘電率は相関があり、その変化に対応した電気信号(振幅、位相)として測定される。非特許文献5には数G~40GHz帯まで動作する伝送線路の伝送特性の変化により測定した試料の誘電率を、多項式のキャリブレーションモデルに代入し、血中生体成分濃度を算定する方法が開示されている。

産業上の利用分野


本発明は、誘電分光法を用いた対象成分の成分濃度分析方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
4つのデバイ緩和式と2つのローレンツアン式の線形結合により表される緩和式における緩和項に含まれる各値につき、被測定試料の濃度に対する当該値の濃度依存性を記録したデータベースを用いる成分濃度分析方法であって、
前記被測定試料の誘電緩和スペクトルを得るステップと、
前記誘電緩和スペクトルに非線形最小自乗フィッティングを行うことにより前記各値を求めるステップと、
前記求めた値を前記データベースに記録した濃度依存性に適用して、前記被測定試料の濃度を求めるステップと
を行うことを特徴とする成分濃度分析方法。

【請求項2】
前記緩和項に含まれる各値の少なくとも1つを定数とすることを特徴とする請求項1記載の成分濃度分析方法。

【請求項3】
前記緩和式は、
【数5】


χβは、被測定試料のダイポールモーメントに依存するβ緩和項、
χδは、水と被測定試料との相互作用によるダイポールモーメントに依存するδ緩和項、
χslowは、バルク水の低速緩和項、
χfastは、バルク水の高速緩和項、
χは、分子間伸縮振動項、
χは、水の振動項、
各項のΔεは、緩和強度、
各項のτは、緩和時間、
ΔV、ΔVは、振動強度、
ωは、共鳴周波数、
γは、減衰定数、
εは、赤外領域における誘電率
であることを特徴とする請求項1又は2に記載の成分濃度分析方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 登録
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