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ファイバー・オン・ファイバーを用いた細胞の3次元培養方法及びそのための基材 NEW

国内特許コード P180015607
整理番号 4091
掲載日 2018年11月22日
出願番号 特願2015-521463
出願日 平成26年6月3日(2014.6.3)
国際出願番号 JP2014064789
国際公開番号 WO2014196549
国際出願日 平成26年6月3日(2014.6.3)
国際公開日 平成26年12月11日(2014.12.11)
優先権データ
  • 特願2013-117242 (2013.6.3) JP
発明者
  • 亀井 謙一郎
  • 中辻 憲夫
  • 劉 莉
出願人
  • 国立大学法人京都大学
発明の名称 ファイバー・オン・ファイバーを用いた細胞の3次元培養方法及びそのための基材 NEW
発明の概要 本発明は、支持体上に、ゼラチン、コラーゲン及びセルロースからなる群より選択される生体高分子からなるナノファイバーを含有してなる、細胞の培養用基材、該基材を含む細胞凍結剤、該基材上に細胞を播種し、該細胞を静置培養することを含む、細胞の培養方法、酵素を含まない解離液を用いて基材から細胞を解離させ、該細胞を別の上記培養基材上に播種し、該細胞をさらに静置培養することを含む、前記方法、特に、継代時に、細胞を単一細胞にまで分散させることを含む、方法、該細胞凍結剤を用いて、多能性幹細胞を凍結保存する方法等を提供する。
従来技術、競合技術の概要


ヒト多能性幹細胞は適切な条件下において無制限に増殖が可能であり、また生体組織のどの細胞にも分化できる性質(多分化能)を持つことから、細胞移植治療・創薬スクリーニング・再生医療など様々な分野への応用が期待されている。しかし、従来のヒト多能性幹細胞の培養法では、フィーダー細胞や各種高分子などを細胞培養基材として用いてきたが、これらの方法は準備操作が煩雑である上に品質が安定していないため、安定したヒト多能性幹細胞の培養・供給は困難であった。特に、ヒト多能性幹細胞の高品質・大量・全自動培養法の開発には、より安定・安価な方法が必要であるが、未だにそのような方法は確立されていない。



従来行われてきた培養皿を用いる2次元培養では、培養皿が100枚単位で必要であること、個々の培養皿から継代操作が必要であること等の事情から、ヒト多能性幹細胞の高品質・大量・全自動培養法の開発には不向きである。そこで、限られたスペースでの多能性幹細胞の大量培養を可能にするためには、3次元培養化が必須となっている。これまで、浮遊培養やマイクロビーズなどを用いた培養法が開発されてきたが(非特許文献1、2)、細胞塊の凝集や撹拌による細胞表面でのずり応力などが問題となっており、実用化には至っていない。



近年、フィーダー細胞を用いない新規ヒト多能性幹細胞培養法の開発が盛んに行われている。現在、広く使用されている細胞培養基材としては、マトリゲルや組換えタンパク質(非特許文献3)等が挙げられるが、これらの材料はコストが高く、また、ロット間による品質の差が大きいなど安定性に欠けている。



このような条件で培養されたヒト多能性幹細胞は不安定な状態になり、その結果、細胞増殖速度の異常、非常に不均一な細胞群への変質、分化能の損失、核型の変異等の異常を引き起こしてしまう。
これに代わるものとして、ポリマーなどの高分子を用いた細胞培養基材の開発も報告され(非特許文献4、5)、製品化されるようになってきたが、安定した製品は得られるものの、非常に高価であり、また細胞株によっては適さない場合もあるなど、安定・安価な細胞培養基材を作製するには至っていない。



細胞培養基材は、目的の細胞群に必要な酸素と栄養を供給し、しかも安定的な形状を保持することが条件であるが、近年ナノファイバーが注目されている。ナノファイバーは、繊維径がナノメートルのオーダーの極細繊維であり、ナノファイバーからなる構造体は細胞外マトリクスと近似したサイズであり、比表面積の増大により細胞接着性が向上する、3次元培養が可能となる等の利点があることから、合成ポリマー(非特許文献6)や、合成ポリマーとコラーゲンやゼラチン等の生体高分子との混合物(非特許文献6、7)からなるナノファイバーが作製されているが、フィーダー細胞を用いない培養系では、ヒトES細胞を維持増殖することができないと報告されている(非特許文献7)。
一方、生体高分子のみからなるナノファイバーを多能性幹細胞の培養基材として用いたという報告は皆無である。



加えて、従来、ヒト多能性幹細胞の継代には、コラゲナーゼ、ディスパーゼ、トリプシン、等の酵素を用いた手法か、セルストレイナーやピペッティング等による機械的継代方法が行われてきたが、酵素を用いた手法では、酵素反応による細胞へのダメージがあり、また細胞に対する酵素反応が不均一である。しかも、単一細胞まで分散させると細胞が死滅してしまうといった問題点がある。一方、機械的な継代方法は、細胞のダメージが非常に大きく、問題点が多い。

産業上の利用分野


本発明は、細胞、例えば、胚性幹細胞(ES細胞)や人工多能性幹細胞(iPS細胞)などの多能性幹細胞をはじめとする幹細胞、特にヒト多能性幹細胞の培養に適した培養基材、並びにそれを用いた幹細胞の培養方法等に関する。より詳細には、本発明は、ゼラチン、コラーゲン、セルロース等の生体高分子からなるナノファイバー(バイオナノファイバー)をガーゼやスポンジ等の支持体上に塗布した細胞の培養用基材、当該培養用基材を含む細胞凍結剤、並びに当該培養用基材を用いて、継代時、酵素処理を行うことなく単一細胞にまで分散させることによる、細胞の維持増幅方法、細胞凍結方法等に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
支持体上に、ゼラチン、コラーゲン及びセルロースからなる群より選択される生体高分子からなるナノファイバーを含有してなる、細胞の培養用基材。

【請求項2】
該ナノファイバーが架橋処理されている、請求項1記載の基材。

【請求項3】
生体高分子がゼラチン又はコラーゲンである、請求項1又は2記載の基材。

【請求項4】
生体高分子がゼラチンである、請求項1又は2記載の基材。

【請求項5】
ナノファイバーがエレクトロスピニング法により得られる、請求項1~4のいずれか1項に記載の基材。

【請求項6】
支持体が、ガーゼ及びスポンジからなる群より選択される請求項1~5のいずれかに記載の基材。

【請求項7】
細胞が幹細胞である、請求項1~6のいずれか1項に記載の基材。

【請求項8】
幹細胞が多能性幹細胞である、請求項7記載の基材。

【請求項9】
多能性幹細胞がES細胞又はiPS細胞である、請求項8記載の基材。

【請求項10】
多能性幹細胞がヒト由来である、請求項8又は9記載の基材。

【請求項11】
培養が細胞の維持増幅培養である、請求項1~10のいずれか1項に記載の基材。

【請求項12】
請求項1~6のいずれか1項に記載の基材を含む、細胞凍結剤。

【請求項13】
請求項1~6のいずれか1項に記載の基材上に細胞を播種し、該細胞を静置培養することを特徴とする、細胞の培養方法。

【請求項14】
酵素を含まない解離液を用いて基材から細胞を解離させ、該細胞を請求項1~6のいずれか1項に記載の基材上に播種し、該細胞をさらに静置培養することを特徴とする、請求項13記載の方法。

【請求項15】
継代時に、細胞を単一細胞にまで分散させることを特徴とする、請求項14記載の方法。

【請求項16】
細胞を無血清培地で培養することを特徴とする、請求項13~15のいずれか1項に記載の方法。

【請求項17】
無血清培地がxenoフリー培地である、請求項16記載の方法。

【請求項18】
無血清培地がタンパク質不含培地である、請求項16記載の方法。

【請求項19】
細胞が幹細胞である、請求項13~18のいずれか1項に記載の方法。

【請求項20】
幹細胞が多能性幹細胞である、請求項19記載の方法。

【請求項21】
多能性幹細胞がES細胞又はiPS細胞である、請求項20記載の方法。

【請求項22】
多能性幹細胞がヒト由来である、請求項20又は21記載の方法。

【請求項23】
培養が細胞の維持増幅培養である、請求項13~22のいずれか1項に記載の方法。

【請求項24】
請求項12に記載の凍結剤を用いて細胞を凍結保存する方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
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