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EGF受容体阻害剤を含む多能性幹細胞の心筋分化促進剤 NEW 実績あり 外国出願あり

国内特許コード P180015610
整理番号 3796
掲載日 2018年11月22日
出願番号 特願2015-504208
登録番号 特許第6351567号
出願日 平成26年2月5日(2014.2.5)
登録日 平成30年6月15日(2018.6.15)
国際出願番号 JP2014052673
国際公開番号 WO2014136519
国際出願日 平成26年2月5日(2014.2.5)
国際公開日 平成26年9月12日(2014.9.12)
優先権データ
  • 特願2013-046591 (2013.3.8) JP
発明者
  • 中辻 憲夫
  • 南 一成
出願人
  • 国立大学法人京都大学
発明の名称 EGF受容体阻害剤を含む多能性幹細胞の心筋分化促進剤 NEW 実績あり 外国出願あり
発明の概要 本発明は、EGF受容体阻害剤を含む多能性幹細胞の心筋分化促進剤を提供する。また、本発明は、EGF受容体阻害剤を含む、心筋分化促進用キット、およびEGF受容体阻害剤を含む培地中で多能性幹細胞を培養することを含む、多能性幹細胞の心筋分化誘導方法を提供する。
従来技術、競合技術の概要


多能性幹細胞の分化誘導方法は、再生医療の実現やインビトロでの薬効評価試験、あるいは薬剤安全性試験の確立の鍵を握るものである。特に、心疾患は現在日本人の死亡原因の第二位であり、再生医療や心疾患薬効評価については重要である。また心臓に対して心不全や不整脈など重篤な副作用を引き起こす薬物が多いことから、心毒性試験に用いることのできる均一な心筋細胞の安定的な供給が求められている。



ヒトES/iPS細胞を心筋へ分化させる手法として、マウス由来の支持細胞であるEND2細胞とヒトES細胞を共培養する方法が報告されている(非特許文献1、参照により本明細書に含まれる)。しかしながら、その分化効率は低く、そのマウス由来のEND2細胞がヒト心筋細胞に混入するため、純粋なヒト心筋細胞が得られないという問題がある。



ヒトES/iPS細胞を心筋へ分化させる他の手法として、ES細胞から胚葉体を形成し、そこにいくつかのサイトカイン(維芽細胞成長因子(FGF)、骨形態形成タンパク4(BMP4)、血管内皮細胞増殖因子、DKK1、アクチビンA)を添加して心筋細胞を誘導する方法が報告されている(非特許文献2および3、参照により本明細書に含まれる)。また、BMP4、FGF2、インスリンと血清とを用いて心筋細胞を誘導する方法が報告されている(非特許文献4、参照により本明細書に含まれる)。しかしながら、これらの方法は大量のサイトカインが必要なためコストが上昇し実用化には適さない。他に、タンキラーゼ阻害剤XAV939を用いてマウスES細胞から心筋細胞を誘導する方法も報告されているが(非特許文献5、参照により本明細書に含まれる)、血清を必要とする問題点に加え、誘導効率も10~60%と低いため、再生医療への適用が難しい。



本発明者らは、これまでに、多能性幹細胞からの心筋分化を促進する低分子化合物を報告している(特許文献1および2、並びに非特許文献7、参照により本明細書に含まれる)。



上皮成長因子(EGF)受容体は、EGFをリガンドとするチロシンキナーゼ型受容体であり、細胞増殖、分化、維持などの調節に重要である。EGFシグナリングは心臓発生においても重要な役割を持つことが報告されている(非特許文献6、参照により本明細書に含まれる)。また、EGF受容体は癌細胞の増殖や転移などにも深く関わっており、ゲフィチニブなどのEGF受容体阻害剤が抗癌剤として使用されている。しかしながら、ゲフィチニブやAG1478などのEGF受容体阻害剤をヒト多能性幹細胞の心筋分化に応用した報告はこれまでにない。

産業上の利用分野


本発明は、EGF受容体阻害剤を含む多能性幹細胞の心筋分化促進剤に関する。また、本発明は、EGF受容体阻害剤を含む、心筋分化促進用キット、およびEGF受容体阻害剤を含む培地中で多能性幹細胞を培養することを含む、多能性幹細胞の心筋分化誘導方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ンビトロにおける多能性幹細胞の心筋分化誘導方法であって、
(1)多能性幹細胞をWntシグナル活性化剤を含む培地中で培養する工程、および;
(2)工程(1)の後、前記細胞をEGF受容体阻害剤を含む培地中で培養する工程であって、培養期間の全体または一部において、EGF受容体阻害剤およびWntシグナル阻害剤を含む培地中で細胞を培養する、工程
含み、培養が浮遊培養により行われる、方法。

【請求項2】
多能性幹細胞が霊長類の細胞である、請求項に記載の方法。

【請求項3】
多能性幹細胞が、サルまたはヒトES細胞またはiPS細胞であり、
工程(1)を、心筋分化培養の開始から2または3日間実施し、工程(2)を、心筋分化培養の2、3、または4日目から14日目までのうち3~10日間実施する、請求項1または2に記載の方法。

【請求項4】
培地がアルブミン以外のタンパク質を含まない、請求項1~のいずれかに記載の方法。

【請求項5】
心筋細胞の製造方法である、請求項1~のいずれかに記載の方法。

【請求項6】
EGF受容体阻害剤が、AG1478、ゲフィチニブ、アファチニブ、ARRY334543、AST1306、AZD8931、BIBU1361、BIBX1382、BPDQ、BPIQ-I、BPIQ-II、カネルチニブ、CL-387,785、CUDC101、ダコミチニブ、バンデタニブ、EGFR Inhibitor III(CAS 733009-42-2)、EGFR/ErbB-2 Inhibitor(CAS 179248-61-4)、エルロチニブ、GW583340、GW2974、HDS029、ラパチニブ、WHI-P154、OSI-420、PD153035、PD168393、PD174265、ペリチニブ、Compound 56、XL657、PP3、AG-490、AG555、チロホスチンB42、チロホスチンB44、AG556、AG494、AG825、RG-13022、DAPH、EGFR Inhibitor(CAS 879127-07-8)、エルブスタチンアナログ(CAS 63177-57-1)、JNJ28871063、チロホスチン47、ラベンダスチンA、ラベンダスチンC、ラベンダスチンCメチルエステル、LFM-A12、TAK165、TAK285、チロホスチン51、チロホスチンAG183、チロホスチンAG528、チロホスチンAG99、チロホスチンRG14620、WZ3146、WZ4002、WZ8040、ブテイン、およびチロホスチンAG112から選択される、請求項1~のいずれかに記載の方法。

【請求項7】
EGF受容体阻害剤が、AG1478、ゲフィチニブ、およびPP3から選択される、請求項1~のいずれかに記載の方法。

【請求項8】
Wntシグナル阻害剤が以下の式(I)の化合物またはその塩である、請求項1~のいずれかに記載の方法:
式(I):
【化1】


[式中、
-Rは、各々独立して、水素原子;ハロゲン原子;水酸基;炭素数1~5の直鎖又は分岐アルコキシ基;非置換又はハロゲン原子で置換された炭素数1~5の直鎖又は分岐アルキル基;又は基-NR1213(R12及びR13は、各々独立して、水素原子、酸素原子、又は非置換又はハロゲン原子で置換された炭素数1~5の直鎖または分岐アルキル基である)である、ここでR-Rのうち隣接する2つが一緒になって-O-CH-O-または-O-(CH-O-を形成していてもよい、
-Rは、各々独立して、水素原子;ハロゲン原子;水酸基;炭素数1~5の直鎖又は分岐アルコキシ基;基-C(O)Aで置換された炭素数1~5の直鎖又は分岐アルコキシ基(Aは、非置換又は炭素数1~5の直鎖または分岐アルキル基で置換された飽和または不飽和5または6員環であり、該環は窒素原子、酸素原子、及び硫黄原子から独立に選択される1または2個の原子を含んでいてもよい);非置換又はハロゲン原子で置換された炭素数1~5の直鎖又は分岐アルキル基;又は基-NR1213(R12及びR13は、各々独立して、水素原子、酸素原子、又は非置換又はハロゲン原子で置換された炭素数1~5の直鎖または分岐アルキル基である)である、ここでR-Rのうち隣接する2つが一緒になって-O-CH-O-または-O-(CH-O-を形成していてもよい、
10-R11は、各々独立して、水素原子;又は炭素数1~5の直鎖又は分岐アルキル基である、
Xは、-CR14(R14は、水素原子、ハロゲン原子、水酸基、炭素数1~5の直鎖又は分岐アルコキシ基、又は非置換又はハロゲン原子で置換された炭素数1~5の直鎖又は分岐アルキル基である);酸素原子;硫黄原子;セレン原子;又は基-NR15(R15は、水素原子、炭素数1~5の直鎖又は分岐アルキル基、又は炭素数1~5の直鎖又は分岐アシル基である)である、および
nは、0から6の整数である]。

【請求項9】
式(I)の化合物またはその塩において、
、R、R、R、R、R、R10及びR11が水素原子である、
及びRが、メトキシ基、エトキシ基、又はプロポキシ基である、
が、ハロゲン原子である
Xが、硫黄原子である、および
nが、0から4の整数である、請求項に記載の方法。

【請求項10】
式(I)の化合物またはその塩において、
が、メトキシ基である、および
が、メトキシ基、エトキシ基、又はプロポキシ基である、請求項に記載の方法。

【請求項11】
Wntシグナル阻害剤が以下からなる群から選択される化合物またはその塩である、請求項に記載の方法:
KY02111
【化2】


KY01041
【化3】


T61164
【化4】


KY02114
【化5】


KY01045
【化6】


KY01040
【化7】


KY02109
【化8】


KY01042
【化9】


KY01043
【化10】


KY01046
【化11】


PB2852
【化12】


N11474
【化13】


PB2572
【化14】


PB2570
【化15】


KY02104
【化16】


SO087
【化17】


SO102
【化18】


SO096
【化19】


SO094
【化20】


SO3031(KY01-I)
【化21】


SO2031(KY02-I)
【化22】


SO3042(KY03-I)
【化23】


SO2077
【化24】




【請求項12】
Wntシグナル阻害剤がIWP2、XAV939、およびIWR1からなる群から選択される、請求項1~のいずれかに記載の方法。

【請求項13】
Wntシグナル活性化剤がBIOおよびCHIR99021からなる群から選択される、請求項1~12のいずれかに記載の方法。

【請求項14】
2以上のWntシグナル阻害剤、および2以上のWntシグナル活性化剤が併用される、請求項1~13のいずれかに記載の方法。
国際特許分類(IPC)
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出願権利状態 登録
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