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中性子による長寿命核分裂生成物の処理方法 NEW 外国出願あり

国内特許コード P180015617
整理番号 5318
掲載日 2018年11月22日
出願番号 特願2016-091774
公開番号 特開2017-198622
出願日 平成28年4月28日(2016.4.28)
公開日 平成29年11月2日(2017.11.2)
発明者
  • 森 義治
出願人
  • 国立大学法人京都大学
発明の名称 中性子による長寿命核分裂生成物の処理方法 NEW 外国出願あり
発明の概要 【課題】高速炉や加速器駆動原子炉を用いることなく、加速器単体で高強度の中性子を発生させて、効率的に長寿命核分裂生成物に原子核変換を施すことが可能な、中性子による長寿命核分裂生成物の処理方法を提供する。
【解決手段】重陽子等の中性子を含む一次粒子をFFAG加速器10内で所定条件下で加速させ、板状ターゲット18に衝突させることで、一次粒子のブレークアップにより高エネルギーで一方向にビームを形成する第一の中性子と、板状ターゲット中の原子核の励起により低エネルギーで拡散する第二の中性子が生じる。そこで、第一の中性子のビームの進行方向に第一のLLFP20を配置し、板状ターゲット18の近傍に第二のLLFP24を配置する。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


原子炉の運転に伴い排出される長寿命核分裂生成物(LLFP:Long-Lived Fission Product)の処理問題は、原子力利用の最大の問題である。現状では地層処分による埋設処理が想定されているが、大きな反対がある。また、高速炉や加速器駆動原子炉による核分裂によって生成した中性子を利用して、原子核変換によりLLFPを放射能的に無害化する技術も知られている。



ここで、加速器で高エネルギーに加速した陽子等の一次粒子を固定原子核ターゲットに衝突させて生成した中性子や負ミュオン等の二次粒子を用いて、原子核変換によりLLFPを放射能的に無害化し、さらに資源として再利用することは、原理的には可能である。これを実現するためには、従来にない高強度でかつ高効率に中性子を生成させると同時に、生成した中性子を局在化させることが極めて重要である。しかしながら従来、高強度の中性子を局在化して生成可能な、加速器を含む中性子発生システムは開発されておらず、そのため、高速炉や加速器駆動原子炉を用いることなく、加速器単体でLLFPの処理をする技術は存在しなかった。



例えば、線形加速器から加速された一次粒子のビームを取り出して、これを固定原子核ターゲットに当てて中性子を発生する方法がある。しかし、この方法では、ビーム入射方向の長さが1m以上という長大なターゲットが必要であり、中性子生成部を局在化することができない。そのため、この方法ではLLFPを効率良く原子核変換処理することが困難であった。



また、特許文献1には、リング状FFAG(Fixed Field Alternating Gradient)加速器内で、磁場と電場の作用で陽子又は重陽子である一次粒子を周回させつつ加速して、このFFAG加速器内に配置した板状ターゲットに、加速した一次粒子を衝突させて、原子核反応により中性子を発生させる技術が記載されている。

産業上の利用分野


本発明は、加速器を用いて発生させた中性子による長寿命核分裂生成物の処理方法に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
複数のセクターマグネット及び少なくとも一つの高周波加速装置をリング状に配置してなるFFAG加速器内に、中性子を含む一次粒子を導入する工程と、
前記FFAG加速器における磁場勾配係数kを下記の式(1)に設定しつつ、高周波電場の周波数を固定した条件下で、磁場と電場の作用で前記一次粒子を前記FFAG加速器内で周回させつつ高エネルギーに加速する工程と、
前記FFAG加速器内に配置した板状ターゲットに、加速した前記一次粒子を衝突させて、前記一次粒子のブレークアップにより高エネルギーの第一の中性子が生じ、前記板状ターゲット中の原子核の励起により低エネルギーの第二の中性子が生じる工程と、
前記第一の中性子が、前記一次粒子の前記板状ターゲットへの入射経路の延長方向にビームを形成し、当該ビームの進行方向に配置した第一の長寿命核分裂生成物に衝突して、該第一の長寿命核分裂生成物に原子核変換を施し、
前記第二の中性子が、前記板状ターゲットの周囲に拡がり、前記板状ターゲットの近傍に配置した第二の長寿命核分裂生成物に原子核変換を施す工程と、
を有することを特徴とする、中性子による長寿命核分裂生成物の処理方法。

【数1】


ここで、Tは前記一次粒子が貯蔵ビームを形成する段階での前記一次粒子の運動エネルギーであり、Mは前記一次粒子の静止質量エネルギーである。

【請求項2】
前記一次粒子が、重水素の原子核又は三重水素の原子核である、請求項1に記載の長寿命核分裂生成物の処理方法。

【請求項3】
前記板状ターゲットに衝突する際の前記一次粒子の核子当たりのエネルギーが50MeV/核子以上であり、前記板状ターゲットの厚さが1mm以上である、請求項1又は2に記載の長寿命核分裂生成物の処理方法。

【請求項4】
前記第一の中性子のビームの先に、前記第一の長寿命核分裂生成物に替えて、第二のターゲットを配置し、
該第二のターゲットに前記ビームを衝突させて負パイ中間子を発生させ、
前記第一の長寿命核分裂生成物を前記第二のターゲットの近傍に配置して、
前記負パイ中間子が崩壊してなる負ミュオンが、前記第一の長寿命核分裂生成物に原子核変換を施す、請求項1~3のいずれか一項に記載の長寿命核分裂生成物の処理方法。

【請求項5】
前記第一の中性子のビームの先に、前記第一の長寿命核分裂生成物に替えて、第一空間中に置かれた第二のターゲットを配置し、
該第二のターゲットに前記ビームを衝突させて負パイ中間子を発生させ、
前記第二のターゲットが配置された前記第一空間に隣接して、重水素-三重水素分子(DT分子)のガスを充填した第二空間を形成し、該第二空間の周囲に閉じ込め磁場を形成し、
前記負パイ中間子が、前記閉じ込め磁場の作用で前記第一空間から前記第二空間に移動し、
前記第二空間にて、前記負パイ中間子が崩壊してなる負ミュオンが核融合反応を起こして第三の中性子が発生し、
前記第一の長寿命核分裂生成物を前記第二のターゲットの近傍に配置して、
前記第三の中性子が前記第一の長寿命核分裂生成物に原子核変換を施す、請求項1~3のいずれか一項に記載の長寿命核分裂生成物の処理方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2016091774thum.jpg
出願権利状態 公開
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