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生分解性ポリマーを用いた3次元培養方法、及び細胞移植を可能にする培養基材 NEW 外国出願あり

国内特許コード P180015622
整理番号 4720
掲載日 2018年11月22日
出願番号 特願2016-556642
出願日 平成27年10月30日(2015.10.30)
国際出願番号 JP2015080641
国際公開番号 WO2016068266
国際出願日 平成27年10月30日(2015.10.30)
国際公開日 平成28年5月6日(2016.5.6)
優先権データ
  • 特願2014-223702 (2014.10.31) JP
発明者
  • 亀井 謙一郎
  • 劉 莉
  • 中辻 憲夫
  • 陳 勇
  • 佐藤 秀樹
  • 鈴木 昌和
出願人
  • 国立大学法人京都大学
  • グンゼ株式会社
発明の名称 生分解性ポリマーを用いた3次元培養方法、及び細胞移植を可能にする培養基材 NEW 外国出願あり
発明の概要 本発明は、生分解性ポリマーからなる支持体上に、生分解性ポリマーからなるナノファイバーを含有してなる、細胞の培養用基材を提供する。また、該基材上に細胞を播種し、該細胞を静置培養することを特徴とする、細胞の培養方法を提供する。さらに、該基材と、該基材上で培養した細胞とを含んでなる、細胞移植療法剤を提供する。
従来技術、競合技術の概要


ヒト多能性幹細胞は適切な条件下において無制限に増殖が可能であり、また生体組織のどの細胞にも分化できる性質(多分化能)を持つことから、細胞移植治療・創薬スクリーニング・再生医療など様々な分野への応用が期待されている。しかし、従来のヒト多能性幹細胞の培養法では、フィーダー細胞や各種高分子などを細胞培養基材として用いてきたが、これらの方法は準備操作が煩雑である上に品質が安定していないため、安定したヒト多能性幹細胞の培養・供給は困難であった。特に、ヒト多能性幹細胞の高品質・大量・全自動培養法の開発には、より安定・安価な方法が必要であるが、未だにそのような方法は確立されていない。



従来行われてきた培養皿を用いる2次元培養では、培養皿が100枚単位で必要であること、個々の培養皿から継代操作が必要であること等の事情から、ヒト多能性幹細胞の高品質・大量・全自動培養法の開発には不向きである。そこで、限られたスペースでの多能性幹細胞の大量培養を可能にするためには、3次元培養化が必須となっている。これまで、浮遊培養やマイクロビーズなどを用いた培養法が開発されてきたが(非特許文献1、2)、細胞塊の凝集や撹拌による細胞表面でのずり応力などが問題となっており、実用化には至っていない。



近年、フィーダー細胞を用いない新規ヒト多能性幹細胞培養法の開発が盛んに行われている。現在、広く使用されている細胞培養基材としては、マトリゲルや組換えタンパク質(非特許文献3)等が挙げられるが、これらの材料はコストが高く、また、ロット間による品質の差が大きいなど安定性に欠けている。



このような条件で培養されたヒト多能性幹細胞は不安定な状態になり、その結果、細胞増殖速度の異常、非常に不均一な細胞群への変質、分化能の損失、核型の変異等の異常を引き起こしてしまう。
これに代わるものとして、ポリマーなどの高分子を用いた細胞培養基材の開発も報告され(非特許文献4、5)、製品化されるようになってきたが、安定した製品は得られるものの、非常に高価であり、また細胞株によっては適さない場合もあるなど、安定・安価な細胞培養基材を作製するには至っていない。



細胞培養基材は、目的の細胞群に必要な酸素と栄養を供給し、しかも安定的な形状を保持することが条件であるが、近年ナノファイバーが注目されている。ナノファイバーは、繊維径がナノメートルのオーダーの極細繊維であり、ナノファイバーからなる構造体は細胞外マトリクスと近似したサイズであり、比表面積の増大により細胞接着性が向上する、3次元培養が可能となる等の利点があることから、合成ポリマー(非特許文献6)や、合成ポリマーとコラーゲンやゼラチン等の生体高分子との混合物(非特許文献6、7)からなるナノファイバーが作製されているが、フィーダー細胞を用いない培養系では、ヒトES細胞を維持増殖することができないと報告されている(非特許文献7)。



ところで、従来、ヒト多能性幹細胞の継代には、コラゲナーゼ、ディスパーゼ、トリプシン等の酵素を用いた手法か、セルストレイナーやピペッティング等による機械的継代方法が行われてきたが、酵素を用いた手法では、酵素反応による細胞へのダメージがあり、また細胞に対する酵素反応が不均一である。しかも、単一細胞まで分散させると細胞が死滅してしまうといった問題点がある。一方、機械的な継代方法は、細胞のダメージが非常に大きく、問題点が多かった。



本発明者らは、ヒト多能性幹細胞の培養用基材として、生体適合性が高く安価な生体材料を用いることに着目し、エレクトロスピニング法を用いて、生体材料をナノファイバー化することを考案した(特許文献1)。該ナノファイバー基材上で培養したヒト多能性幹細胞は、マトリゲル上での培養と同等の優れた増殖を示した。また、該ナノファイバー基材を用いて継代培養を行うと、酵素処理を行うことなく、わずかなピペッティング操作のみで単一細胞にまで分散させることができ、従来法でみられるような細胞死が顕著に抑制されることが明らかとなった。

産業上の利用分野


本発明は、細胞、例えば、胚性幹細胞(ES細胞)や人工多能性幹細胞(iPS細胞)などの多能性幹細胞をはじめとする幹細胞、特にヒト多能性幹細胞の3次元培養に適し、かつ細胞を剥離することなく直接生体に移植可能な培養基材、並びに該培養基材を用いた細胞の培養方法、当該方法により得られる安全な細胞移植療法剤等に関する。より詳細には、本発明は、生分解性ポリマーからなるナノファイバーを生分解性ポリマーの支持体上に塗布した細胞培養用基材、並びに当該培養用基材を用いて、継代時、酵素処理を行うことなく単一細胞にまで分散させることによる、細胞の維持増幅方法、当該培養用基材と該基材上で培養した細胞とを含む細胞移植療法剤等に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
生分解性ポリマーからなる支持体上に、生分解性ポリマーからなるナノファイバーを含有してなる、細胞の培養用基材。

【請求項2】
支持体を構成する生分解性ポリマーが合成ポリマーである、請求項1記載の基材。

【請求項3】
合成ポリマーがポリグリコール酸(PGA)である、請求項2記載の基材。

【請求項4】
支持体が不織布である、請求項1~3のいずれか1項に記載の基材。

【請求項5】
ナノファイバーを構成する生分解性ポリマーがゼラチン又は合成ポリマーである、請求項1~4のいずれか1項に記載の基材。

【請求項6】
合成ポリマーがPGAである、請求項5記載の基材。

【請求項7】
細胞が多能性幹細胞である、請求項1~6のいずれか1項に記載の基材。

【請求項8】
請求項1~6のいずれか1項に記載の基材上に細胞を播種し、該細胞を静置培養することを特徴とする、細胞の培養方法。

【請求項9】
細胞が多能性幹細胞である、請求項8記載の方法。

【請求項10】
請求項1~6のいずれか1項に記載の基材と、該基材上で培養した細胞とを含んでなる、細胞移植療法剤。

【請求項11】
細胞が多能性幹細胞から分化誘導されたものである、請求項10記載の剤。
国際特許分類(IPC)
Fターム
出願権利状態 公開
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