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低分子化合物を用いた多能性幹細胞の心筋分化誘導法 UPDATE 実績あり 外国出願あり

国内特許コード P180015629
整理番号 4592
掲載日 2018年11月22日
出願番号 特願2016-523588
登録番号 特許第6651218号
出願日 平成27年5月29日(2015.5.29)
登録日 令和2年1月24日(2020.1.24)
国際出願番号 JP2015065643
国際公開番号 WO2015182765
国際出願日 平成27年5月29日(2015.5.29)
国際公開日 平成27年12月3日(2015.12.3)
優先権データ
  • 特願2014-113325 (2014.5.30) JP
発明者
  • 中辻 憲夫
  • 南 一成
出願人
  • 国立大学法人京都大学
発明の名称 低分子化合物を用いた多能性幹細胞の心筋分化誘導法 UPDATE 実績あり 外国出願あり
発明の概要 本発明は、多能性幹細胞の心筋分化誘導法であって、(1)多能性幹細胞をWNTシグナル活性化剤およびPKC活性化剤を含む培地中で培養する工程、および(2)工程(1)で得られた細胞をWNTシグナル阻害剤、Src阻害剤、およびEGF受容体阻害剤を含む培地中で培養する工程、を含む方法を提供する。
従来技術、競合技術の概要

心臓疾患は世界の死因1位であり、重症心不全患者においては心移植が唯一の治療法であるが、ドナー不足という問題を抱えている。心移植に代わる治療法として、ES細胞やiPS細胞などの多能性幹細胞由来の心筋細胞移植が有望視されており、早急な実現化が望まれている。しかしながら、多能性幹細胞由来の心筋細胞を再生医療に応用するためには、生産コストと安全性という大きな課題を解決しなければならない。

心筋細胞をヒトに移植するには、少なくとも10億個(10の9乗個)もの大量の細胞が必要と考えられている。しかしながら、現行の多能性幹細胞-心筋分化誘導法は、成長因子やサイトカイン、血清アルブミンなどの蛋白質を大量に必要とするため、非常にコストが高い。具体的には、10の9乗個の心筋細胞を生産するのに最低限必要な培地(10リットル)だけで、1千万円以上のコストがかかる見積りとなる。事実、現在一部で市販されているヒト多能性幹細胞由来心筋細胞は非常に小容量かつ高価(10の6乗スケールで数十万円)であり、移植に必要な10の9乗個の細胞となると数億円になる計算である。そのため、心筋分化誘導培地のコストを削減することは、心臓再生医療の実現化において非常に重要な課題となっている。

また、安全性の面においても、現行の分化誘導培地に含まれるサイトカインや蛋白質が問題となる。これらの蛋白質はすべて、動物細胞や細菌、酵母などによって作られているため、その元の細胞からの感染リスク(ウイルス、マイコプラズマ、プリオンなど)が生じる。心筋分化誘導は特に、移植の一歩手前のステップであるため、ここでの感染リスクは可能な限り減らさなければならない。

産業上の利用分野

本発明は、低分子化合物を用いた多能性幹細胞の心筋分化誘導法および心筋分化促進用キットに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
多能性幹細胞の心筋分化誘導法であって、以下の工程を含む方法:
(1)多能性幹細胞をWNTシグナル活性化剤およびPKC活性化剤を含む培地中で培養する工程、および;
(2)工程(1)で得られた細胞をWNTシグナル阻害剤、Src阻害剤、およびEGF受容体阻害剤を含む培地中で培養する工程
ここで、
WNTシグナル活性化剤は、BIOまたはCHIR99021であり、
PKC活性化剤は、PMAまたはプロストラチンであり、
Src阻害剤は、A419259またはSU6656であり、
EGF受容体阻害剤は、AG1478またはゲフィチニブであり、
WNTシグナル阻害剤は、以下の式(I)の化合物またはその塩である:
式(I):
【化1】
(省略)

[式中、R、R、R、R、R、R、R10及びR11が水素原子であり、
及びRが、各々独立して、メトキシ基、エトキシ基、又はプロポキシ基であり、
が、ハロゲン原子であり、
Xが、硫黄原子であり、および
nが、1から4の整数である]

【請求項2】
Wntシグナル阻害剤が、以下から選択される化合物またはその塩である、請求項1に記載の方法:
KY02111
【化2】
(省略)
T61164
【化3】
(省略)
KY02114
【化4】
(省略)
KY01045
【化5】
(省略)
KY02104
【化6】
(省略)
SO087
【化7】
(省略)
SO102
【化8】
(省略)
SO3031(KY01-I)
【化9】
(省略)
SO2031(KY02-I)
【化10】
(省略)
SO3042(KY03-I)
【化11】
(省略)
および、
SO2077
【化12】
(省略)


【請求項3】
Wntシグナル阻害剤が、KY02111、SO3031(KY01-I)、SO2031(KY02-I)、またはSO3042(KY03-I)である、請求項に記載の方法。

【請求項4】
Wntシグナル阻害剤が、SO3042(KY03-I)である、請求項に記載の方法。

【請求項5】
工程(2)の培地が2種以上のWNTシグナル阻害剤を含み、前記2種以上のWNTシグナル阻害剤の1つが請求項のいずれかに記載の式(I)の化合物またはその塩であり、他のWNTシグナル阻害剤がIWP2、XAV939、およびIWR1から選択される1種以上の化合物である、請求項1~のいずれかに記載の方法。

【請求項6】
2種以上のWNTシグナル阻害剤が、請求項のいずれかに記載の式(I)の化合物またはその塩およびXAV939である、請求項に記載の方法。

【請求項7】
WNTシグナル活性化剤が、CHIR99021である、請求項1~のいずれかに記載の方法。

【請求項8】
PKC活性化剤が、PMAである、請求項1~のいずれかに記載の方法。

【請求項9】
Src阻害剤が、A419259である、請求項1~のいずれかに記載の方法。

【請求項10】
EGF受容体阻害剤が、AG1478である、請求項1~のいずれかに記載の方法。

【請求項11】
WNTシグナル活性化剤がCHIR99021であり、
PKC活性化剤がPMAであり、
WNTシグナル阻害剤が、KY02111、SO3031(KY01-I)、SO2031(KY02-I)、およびSO3042(KY03-I)から選択される化合物並びにXAV939であり、
Src阻害剤がA419259であり、および
EGF受容体阻害剤がAG1478である、請求項1~10のいずれかに記載の方法。

【請求項12】
WNTシグナル阻害剤が、SO3042(KY03-I)およびXAV939である、請求項11に記載の方法。

【請求項13】
工程(1)および(2)における培地が蛋白質成分およびペプチド成分を含まない、請求項1~12のいずれかに記載の方法。

【請求項14】
工程(1)および(2)において細胞を浮遊培養により培養する、請求項1~13のいずれかに記載の方法。

【請求項15】
工程(1)が1~3日間であり、工程(2)が2~13日間である、請求項1~14のいずれかに記載の方法。

【請求項16】
多能性幹細胞がサルまたはヒト多能性幹細胞である、請求項1~15のいずれかに記載の方法。

【請求項17】
多能性幹細胞がサルまたはヒトES細胞またはiPS細胞である、請求項16に記載の方法。

【請求項18】
心筋細胞の製造方法である、請求項1~17のいずれかに記載の方法。

【請求項19】
WNTシグナル活性化剤、PKC活性化剤、WNTシグナル阻害剤、Src阻害剤、およびEGF受容体阻害剤を含む、心筋分化促進用キット
ここで、
WNTシグナル活性化剤は、BIOまたはCHIR99021であり、
PKC活性化剤は、PMAまたはプロストラチンであり、
Src阻害剤は、A419259またはSU6656であり、
EGF受容体阻害剤は、AG1478またはゲフィチニブであり、
WNTシグナル阻害剤は、以下の式(I)の化合物またはその塩である:
式(I):
【化13】
(省略)

[式中、R、R、R、R、R、R、R10及びR11が水素原子であり、
及びRが、各々独立して、メトキシ基、エトキシ基、又はプロポキシ基であり、
が、ハロゲン原子であり、
Xが、硫黄原子であり、および
nが、1から4の整数である]

【請求項20】
WNTシグナル活性化剤がCHIR99021であり、
PKC活性化剤がPMAであり、
WNTシグナル阻害剤が、
KY02111
【化14】
(省略)
SO3031(KY01-I)
【化15】
(省略)
SO2031(KY02-I)
【化16】
(省略)
および、
SO3042(KY03-I)
【化17】
(省略)
から選択される化合物並びにXAV939であり、
Src阻害剤がA419259であり、および
EGF受容体阻害剤がAG1478である、請求項19に記載の心筋分化促進用キット。

【請求項21】
WNTシグナル阻害剤が、SO3042(KY03-I)およびXAV939である、請求項20に記載の心筋分化促進用キット。
国際特許分類(IPC)
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出願権利状態 登録
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