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無線通信システムおよび無線通信方法 NEW

国内特許コード P180015669
整理番号 5338
掲載日 2018年11月22日
出願番号 特願2016-118188
公開番号 特開2017-224948
出願日 平成28年6月14日(2016.6.14)
公開日 平成29年12月21日(2017.12.21)
発明者
  • アベセカラ ヒランタ
  • 篠原 笑子
  • 福園 隼人
  • 松井 宗大
  • 溝口 匡人
  • 山本 高至
  • 尹 博
出願人
  • 日本電信電話株式会社
  • 国立大学法人京都大学
発明の名称 無線通信システムおよび無線通信方法 NEW
発明の概要 【課題】無線LANの稠密環境において隠れ端末およびさらし端末の影響によるスループットの低下を回避できるように無線基地局が使用するチャネルを選択する。
【解決手段】複数の無線基地局とそれぞれ配下の無線端末を備え、該複数の無線基地局が所定数のチャネルの中から一部のチャネルを共用して配下の無線端末と無線通信を行う無線通信システムにおいて、無線基地局は、隣接無線基地局間でそれぞれの識別子と使用チャネルを含む無線環境情報を送受信し、自局に隣接する隣接無線基地局および該隣接無線基地局に隣接する次隣接無線基地局の使用チャネルを収集して保持する無線環境情報収集・保持手段と、隣接無線基地局および次隣接無線基地局の使用チャネルに基づいて、所定数のチャネルの中から自局の使用チャネルを選択して設定するチャネル選択・設定手段とを備える。
【選択図】 図1
従来技術、競合技術の概要


近年、ノートパソコンやスマートフォン等の持ち運び可能で高性能な無線端末の普及により企業や公共スペースだけではなく、一般家庭でもIEEE802.11標準規格の無線LANが広く使われるようになっている。IEEE802.11標準規格の無線LANには、 2.4GHz帯を用いるIEEE802.11b/g/n 規格の無線LANと、5GHz帯を用いるIEEE802.11a/n/ac規格の無線LANがある。



IEEE802.11b規格やIEEE802.11g規格の無線LANでは、2400MHzから2483.5MHz間に5MHz間隔で13チャネルが用意されている。ただし、同一場所で複数のチャネルを使用する際は、干渉を避けるためスペクトルが重ならないようにチャネルを使用すると最大で3チャネル、場合によっては4チャネルまで同時に使用できる。



IEEE802.11a規格の無線LANでは、日本の場合は、5170MHzから5330MHz間と、5490MHzから5710MHz間で、それぞれ互いに重ならない8チャネルおよび11チャネルの合計19チャネルが規定されている。なお、IEEE802.11a規格では、チャネル当たりの帯域幅が20MHzに固定されている。



無線LANの最大伝送速度は、IEEE802.11b規格の場合は11Mbps であり、IEEE802.11a規格やIEEE802.11g規格の場合は54Mbps である。ただし、ここでの伝送速度は物理レイヤ上での伝送速度である。実際にはMAC(Medium Access Control )レイヤでの伝送効率が50~70%程度であるため、実際のスループットの上限値はIEEE802.11b規格では5Mbps 程度、IEEE802.11a規格やIEEE802.11g規格では30Mbps 程度である。また、伝送速度は、情報を送信しようとする通信局が増えればさらに低下する。



一方で、有線LANでは、Ethernet(登録商標)の100Base-T インタフェースをはじめ、各家庭にも光ファイバを用いたFTTH(Fiber to the home)の普及から、 100Mbps ~1Gbps 級の高速回線の提供が普及しており、無線LANにおいても更なる伝送速度の高速化が求められている。



そのため、2009年に標準化が完了したIEEE802.11n規格では、これまで20MHzと固定されていたチャネル帯域幅が最大で40MHzに拡大され、また、空間多重送信技術(MIMO:Multiple input multiple output)技術の導入が決定された。IEEE802.11n規格で規定されているすべての機能を適用して送受信を行うと、物理レイヤでは最大で 600Mbps の通信速度を実現可能である。



さらに、2013年に標準化が完了したIEEE802.11ac規格では、チャネル帯域幅を80MHzや最大で 160MHzまで拡大することや、空間分割多元接続(SDMA:Space Division Multiple Access)を適用したマルチユーザMIMO(MU-MIMO)送信方法の導入が決定している。IEEE802.11ac規格で規定されているすべての機能を適用して送受信を行うと、物理レイヤでは最大で約 6.9Gbps の通信速度を実現可能である。



IEEE802.11規格の無線LANは、 2.4GHz帯または5GHz帯の免許不要な周波数帯で運用するため、IEEE802.11規格の無線基地局は、無線LANセル(BSS:Basic Service Set )を形成する際に、自無線基地局で対応可能な周波数チャネルのうち、運用する周波数チャネルを決定する必要がある。



さらに、IEEE802.11n規格またはIEEE802.11ac規格の無線基地局では、運用する帯域幅も決定する必要がある。例えば、IEEE802.11n規格の場合は、帯域幅は最大で40MHzまで対応可能であるが、周辺の無線環境状況によって40MHzではなく20MHzで運用した方が効率的な場合がある。同様に、IEEE802.11ac規格の場合は、連続した80MHzまたは連続した 160MHzまたは非連続の80+80MHz、すなわち最大で 160MHzまで対応可能であるが、周辺の無線環境状況によって40MHzや20MHzで運用した方が効率的な場合がある。



自セルで使用するチャネル、帯域幅およびそれ以外のパラメータの設定値および自無線基地局において対応可能なその他のパラメータは、定期的に送信するBeaconフレームや、無線端末から受信するProbe Request フレームに対するProbe responseフレーム等に記載し、運用が決定された周波数チャネル上でフレームを送信し、配下の無線端末および周辺の他通信局に通知することで、セルの運用を行っている。



自セルで使用するパラメータの設定値には、例えば、アクセス権取得に関するパラメータ値やQoS(Quality of Services )等のパラメータ値が含まれる。また、自無線基地局において対応可能なその他のパラメータには、フレーム送信に用いる帯域幅、制御フレーム送信に使用する基本データレートや、データ送受信可能な変調方式と符合化率に関するデータレートセットなどが含まれる。



無線基地局において、周波数チャネルや帯域幅およびその他のパラメータの選択および設定方法には、次の4つの方法がある。
(1) 無線基地局の製造メーカで設定されたデフォルトのパラメータ値をそのまま使用する方法
(2) 無線基地局を運用するユーザが手動で設定した値を使用する方法
(3) 各無線基地局が起動時に自局において検知する無線環境情報に基づいて自律的にパラメータ値を選択して設定する方法
(4) 無線LANコントローラなどの集中制御局で決定されたパラメータ値を設定する方法



ここで、IEEE802.11ac規格においてチャネル帯域幅を40MHz、80MHz、 160MHzと広くする場合、5GHz帯において同一場所で同時に使えるチャネル数は、チャネル帯域幅が20MHzで19チャネルだったものが、9チャネル、4チャネル、2チャネルと少なくなる。すなわち、チャネル帯域幅が増加するにつれて、使えるチャネル数が低減することになる。



また、同一場所で同時に使えるチャネル数は、通信に用いるチャネル帯域幅によって、 2.4GHz帯の無線LANでは3つ、5GHz帯の無線LANでは2つ,4つ,9つ,または19のチャネルになるので、実際に無線LANを導入する際には無線基地局が自BSS内で使用するチャネルを選択する必要がある。



このとき、使用可能なチャネル数よりもBSS数が多い無線LANの稠密環境では、複数のBSSが同一チャネルを使うことになる(OBSS:Overlapping BSS )。その場合、同一チャネルを使用するBSS間の干渉の影響により、当該BSSおよびシステム全体のスループットが低下することになる。そのため無線LANでは、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)を用いて、キャリアセンスによりチャネルが空いているときにのみデータの送信を行う自律分散的なアクセス制御が使われている。



具体的には、送信要求が発生した通信局は、まず所定のセンシング期間(DIFS:Distributed Inter-Frame Space )だけキャリアセンスを行って無線媒体の状態を監視し、この間に他の通信局による送信信号が存在しなければ、ランダム・バックオフを行う。通信局は、引き続きランダム・バックオフ期間中もキャリアセンスを行うが、この間にも他の通信局による送信信号が存在しない場合に、チャネルの利用権(TXOP:Transmission Opportunity)を得る。チャネルの利用権を得た通信局(TXOP Holder )は、同一BSS内の他の通信局にデータを送信し、またそれらの通信局からデータを受信できる。このようなCSMA/CA制御を行う場合、同一チャネルを使用する無線LANの稠密環境では、キャリアセンスによりチャネルがビジーになる頻度が高くなるため、送信機会(チャネルの利用権を得る機会)が低下し、スループットが低下することになる。したがって、周辺環境をモニタリングし、適切なチャネルを選択することが重要になる。



無線基地局におけるチャネルの選択方法は、IEEE802.11標準規格で定まっていないため、各ベンダーが独自の方法を採用しているが、最も一般的なチャネル選択方法としては、干渉電力の最も少ないチャネルを自律分散的に選択する方法がある。無線基地局は、一定期間すべてのチャネルについてキャリアセンスして最も干渉電力が小さいチャネルを選択し、選択したチャネル上で配下の端末装置とデータの送受信を行う。なお、干渉電力とは、近隣BSSや他システムから受信する信号のレベルであり、例えば、受信信号強度(RSSI:Received Signal Strength Indicator)により測定することができる。



また、IEEE802.11標準規格では、BSS周辺の無線状況が変化した場合におけるチャネルの変更手順が規定されているが、基本的に、レーダ検出などによる強制移行以外は、一度選択したチャネルの再選択を行っていない。すなわち、現状無線LANでは、無線状況の変化に応じたチャネルの最適化は行われていない(非特許文献1)。

産業上の利用分野


本発明は、無線LAN(Local Area Network)の稠密環境において、各無線局のCSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access with Collision Avoidance)制御に起因するスループットの低下を改善する無線通信システムおよび無線通信方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
複数の無線基地局とそれぞれ配下の無線端末を備え、該複数の無線基地局が所定数のチャネルの中から一部のチャネルを共用して配下の無線端末と無線通信を行う無線通信システムにおいて、
前記無線基地局は、
受信信号強度が所定の閾値以上となる2つの無線基地局を「隣接する」および「隣接無線基地局」とし、該隣接無線基地局間でそれぞれの識別子と使用チャネルを含む無線環境情報を送受信し、自局に隣接する隣接無線基地局および該隣接無線基地局に隣接する次隣接無線基地局の使用チャネルを収集して保持する無線環境情報収集・保持手段と、
前記隣接無線基地局および前記次隣接無線基地局の使用チャネルに基づいて、前記所定数のチャネルの中から自局の使用チャネルを選択して設定するチャネル選択・設定手段と を備えたことを特徴とする無線通信システム。

【請求項2】
請求項1に記載の無線通信システムにおいて、
前記チャネル選択・設定手段は、所定のチャネルを共用する前記隣接無線基地局同士が互いに隣接しない場合に、自局の使用チャネルとして当該所定のチャネルを選択しない構成である
ことを特徴とする無線通信システム。

【請求項3】
請求項1に記載の無線通信システムにおいて、
前記チャネル選択・設定手段は、所定のチャネルを共用する前記隣接無線基地局と前記次隣接無線基地局があって自局と前記次隣接無線基地局が隣接しない場合に、自局の使用チャネルとして当該所定のチャネルを選択しない構成である
ことを特徴とする無線通信システム。

【請求項4】
請求項1に記載の無線通信システムにおいて、
前記チャネル選択・設定手段は、それぞれ所定のチャネルを共用しながら互いに隣接しない前記隣接無線基地局のペア数をチャネルごとに計数し、該ペア数が最少のチャネルを選択する構成である
ことを特徴とする無線通信システム。

【請求項5】
請求項1に記載の無線通信システムにおいて、
前記チャネル選択・設定手段は、第1のチャネルを共用しながら互いに隣接しない第1の隣接無線基地局のペアがあり、第2のチャネルを共用する第2の隣接無線基地局と前記次隣接無線基地局があって自局と前記次隣接無線基地局が隣接しない場合に、自局のスループットを優先する場合には前記第2のチャネルを選択し、第2の隣接無線基地局のスループットを優先する場合には前記第1のチャネルを選択する構成である
ことを特徴とする無線通信システム。

【請求項6】
複数の無線基地局とそれぞれ配下の無線端末を備え、該複数の無線基地局が所定数のチャネルの中から一部のチャネルを共用して配下の無線端末と無線通信を行う無線通信方法において、
前記無線基地局は、
受信信号強度が所定の閾値以上となる2つの無線基地局を「隣接する」および「隣接無線基地局」とし、該隣接無線基地局間でそれぞれの識別子と使用チャネルを含む無線環境情報を送受信し、自局に隣接する隣接無線基地局および該隣接無線基地局に隣接する次隣接無線基地局の使用チャネルを収集して保持する第1のステップと、
前記隣接無線基地局および前記次隣接無線基地局の使用チャネルに基づいて、前記所定数のチャネルの中から自局の使用チャネルを選択して設定する第2のステップと
を有することを特徴とする無線通信方法。

【請求項7】
請求項6に記載の無線通信方法において、
前記第2のステップは、所定のチャネルを共用する前記隣接無線基地局同士が互いに隣接しない場合に、自局の使用チャネルとして当該所定のチャネルを選択しない処理を行う ことを特徴とする無線通信方法。

【請求項8】
請求項6に記載の無線通信方法において、
前記第2のステップは、所定のチャネルを共用する前記隣接無線基地局と前記次隣接無線基地局があって自局と前記次隣接無線基地局が隣接しない場合に、自局の使用チャネルとして当該所定のチャネルを選択しない処理を行う
ことを特徴とする無線通信方法。

【請求項9】
請求項6に記載の無線通信方法において、
前記第2のステップは、それぞれ所定のチャネルを共用しながら互いに隣接しない前記隣接無線基地局のペア数をチャネルごとに計数し、該ペア数が最少のチャネルを選択する処理を行う
ことを特徴とする無線通信方法。

【請求項10】
請求項6に記載の無線通信方法において、
前記第2のステップは、第1のチャネルを共用しながら互いに隣接しない第1の隣接無線基地局のペアがあり、第2のチャネルを共用する第2の隣接無線基地局と前記次隣接無線基地局があって自局と前記次隣接無線基地局が隣接しない場合に、自局のスループットを優先する場合には前記第2のチャネルを選択し、第2の隣接無線基地局のスループットを優先する場合には前記第1のチャネルを選択する処理を行う
ことを特徴とする無線通信方法。
国際特許分類(IPC)
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