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熱輻射光源 NEW

国内特許コード P180015671
整理番号 5335
掲載日 2018年11月22日
出願番号 特願2016-035999
公開番号 特開2017-152637
出願日 平成28年2月26日(2016.2.26)
公開日 平成29年8月31日(2017.8.31)
発明者
  • 野田 進
  • 井上 卓也
  • カン ドンヨン
  • 浅野 卓
出願人
  • 国立大学法人京都大学
発明の名称 熱輻射光源 NEW
発明の概要 【課題】波長選択性に優れ、且つ、速い応答速度で光の強度を制御することができる熱輻射光源を提供する。
【解決手段】熱輻射光源10は、量子井戸構造を有する層である量子井戸構造層111を挟むようにn型半導体から成るn層112とp型半導体から成るp層113が設けられた板状の基台11と、基台11の表面に設けられた、量子井戸構造層111における量子井戸内のサブバンド間における遷移エネルギーに対応する波長の光が共振するように孤立部材(第1孤立部材121、第2孤立部材122)が周期的に並んで成るフォトニック結晶部12と、基台11に設けられた、量子井戸構造層111に電圧を印加する電圧印加手段(電源14)とを備える。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


熱輻射光源は、物体に熱を与えるだけで発光を得ることができる、という利点を有する。熱輻射光源は、例えば赤外線を用いた各種センサの光源に用いることができ、特に、エンジンの排ガス中の成分を分析するガスセンサにおいて、エンジンの廃熱をセンシングのための赤外線に変換する光源として好適に用いることができる。



熱が与えられた物体が発する電磁波は、その温度に依存した波長範囲に広がるスペクトルを有する。例えば物体を数十℃~数百℃に加熱することにより得られる電磁波の波長範囲は数μm~数十μmとなり、高温になるほど、その範囲は短波長側に広がる。しかし、前述の赤外線センサでは一般に特定の波長の赤外線のみを利用するため、このような熱輻射光源を用いると、特定波長以外の不要な赤外線が被測定物に照射されてしまい、被測定物が加熱されてしまう等の悪影響が生じる。また、電気エネルギーを投入することにより熱輻射を発生させる場合において、広帯域の輻射が生じる光源では消費電力の増大が問題となる。



このような問題点を解決するべく、特許文献1、非特許文献1及び非特許文献2では、フォトニック結晶内に量子井戸構造が形成された熱輻射光源が提案されている。フォトニック結晶とは、周期的な屈折率分布を有する物であって、当該周期に対応した特定の波長を有する光の定在波が形成され得るものである。量子井戸構造とは、エネルギーバンドギャップの大きさが異なる複数種の、厚さ数nm~十数nm程度の半導体の層を積層することにより井戸型のエネルギーポテンシャル(量子井戸)を形成した物の構造をいう。



特許文献1では主に、量子井戸構造を有するスラブ(板材)に周期的に空孔が設けられたフォトニック結晶が用いられている。このフォトニック結晶では、スラブと空孔が異なる屈折率を有することから、周期的な屈折率分布が形成されている。一方、非特許文献1及び非特許文献2では、量子井戸構造を有する孤立部材が周期的に並べられたフォトニック結晶を基台上に配置した構成が用いられている。当該孤立部材は、周囲の空間(空気)とは異なる屈折率を有することから、周囲の空間と合わせて周期的な屈折率分布を形成している。孤立部材には、基台上面から上方に延びる部材が複数個孤立して2次元状に配置されたものや、基台上面に平行な方向に長い部材が複数個孤立して、互いに平行に1次元状に配置されたものがある(後者の例は、孤立部材は基台上面に平行な方向と共に、基台正面から上方にも延びているといえる)。以下、特許文献1に記載のフォトニック結晶を「空孔型フォトニック結晶」、非特許文献1及び非特許文献2に記載のフォトニック結晶を「孤立部材型フォトニック結晶」と呼ぶ。



これら各文献に記載の熱輻射光源では、熱源から熱が供給されると、量子井戸構造の量子井戸内に形成される離散的な複数のエネルギー準位(サブバンド)間において遷移(サブバンド間遷移)が生じ、その遷移エネルギーに対応した波長を中心とした有限の波長帯をもつ発光が生じる。そして、当該量子井戸構造が設けられたフォトニック結晶内において、該フォトニック結晶の周期により定まる1つの波長を有する光が共振して増幅される。これにより、各文献に記載の熱輻射光源は、当該特定波長において鋭いピークを有する波長スペクトルを持つ光を生成することができる。



また、特許文献1の熱輻射光源では、スラブの表裏両面に電極が設けられている。この熱輻射光源では、当該電極を用いて量子井戸構造に電圧を印加することにより、量子井戸内の電子又は正孔の数を変化させ、それにより上記特定波長の光の強度を制御することができる。光の強度は、量子井戸構造に与える熱の強弱によっても変化するが、その速度は極めて遅く、特許文献1のように電圧を用いて制御することで初めて、1MHzに達する高速の変調動作が可能になる。

産業上の利用分野


本発明は熱輻射光源に関する。熱輻射光源は、熱輻射により放射される電磁波を光源とする装置であるが、熱を入力とし、光(電磁波)を出力する熱-光変換装置と捉えることができる。この入力たる熱が電磁波(赤外線)で与えられる場合、波長変換装置とも捉えることができる。また、熱ではなく電気エネルギーを投入することにより熱輻射を発生させる装置と捉えることもできる。本発明における「熱輻射光源」は、これらいずれをも対象とする。

特許請求の範囲 【請求項1】
a) 量子井戸構造を有する層である量子井戸構造層を挟むようにn型半導体から成る層であるn層とp型半導体から成る層であるp層が設けられた板状の基台と、
b) 前記基台の表面に設けられた、前記量子井戸構造層における量子井戸内のサブバンド間における遷移エネルギーに対応する波長の光が共振するように孤立部材が周期的に並んで成るフォトニック結晶部と、
c) 前記基台に接続された、前記量子井戸構造層に電圧を印加する電圧印加手段と
を備えることを特徴とする熱輻射光源。

【請求項2】
前記フォトニック結晶部が、形状又は大きさが異なる2種類以上の前記孤立部材を有することを特徴とする請求項1に記載の熱輻射光源。

【請求項3】
前記量子井戸構造層の前記基台の前記表面側の面が該表面から100nm以下だけ離れた位置にあることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱輻射光源。

【請求項4】
前記量子井戸構造層が窒化物半導体から成ることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の熱輻射光源。

【請求項5】
前記量子井戸構造層がGaNを有することを特徴とする請求項4に記載の熱輻射光源。

【請求項6】
前記量子井戸構造層がGaNから成る層とAl1-xGaxN(0<x<1)から成る層を交互に複数回積層したものであることを特徴とする請求項5に記載の熱輻射光源。

【請求項7】
前記孤立部材が、電子又は正孔がドープされていない半導体材料から成ることを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の熱輻射光源。

【請求項8】
a) 量子井戸構造を有する層である量子井戸構造層を挟むようにn型半導体から成る層であるn層とp型半導体から成る層であるp層が設けられた板状の基台と、
b) 前記基台の表面に設けられた、前記量子井戸構造層における量子井戸内のサブバンド間における遷移エネルギーに対応する波長の光が共振するように孤立部材が周期的に並んで成るフォトニック結晶部と
を備えることを特徴とする熱輻射光源用素子。
国際特許分類(IPC)
Fターム
  • 5F241AA02
  • 5F241CA04
  • 5F241CA05
  • 5F241CA40
画像

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JP2016035999thum.jpg
出願権利状態 公開
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