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新規核酸合成法 NEW

国内特許コード P180015687
整理番号 5202
掲載日 2018年11月22日
出願番号 特願2016-190363
公開番号 特開2017-104092
出願日 平成28年9月28日(2016.9.28)
公開日 平成29年6月15日(2017.6.15)
優先権データ
  • 特願2015-232383 (2015.11.27) JP
発明者
  • 保川 清
  • 岡野 啓志
  • 藤原 伸介
  • 藤原 綾子
  • 秀瀬 涼太
  • 柳原 格
  • 名倉 由起子
  • 林 司
  • 宇治家 武史
出願人
  • 国立大学法人京都大学
  • 学校法人関西学院
  • 地方独立行政法人 大阪府立病院機構
発明の名称 新規核酸合成法 NEW
発明の概要 【課題】高い正確性及び高い逆転写活性を維持したcDNA合成方法を提供すること。また、NASBA法においてヘリカーゼを用いることにより標的核酸がDNAの場合にも合成効率を向上させる方法を提供すること。
【解決手段】特定の(i)逆転写酵素、(ii)逆転写DNAポリメラーゼ、及び(iii)ヘリカーゼを含有する溶液中で、RNAを鋳型としてcDNAを合成する方法。また、逆転写酵素、RNaseH、RNAポリメラーゼ、NTP、dNTP、及びヘリカーゼを含む溶液中で、標的DNAを鋳型として核酸を増幅させる方法。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


現在のcDNA合成には、モロニーマウス白血病ウイルス(MMLV)逆転写酵素やトリ骨髄芽球症ウイルス(AMV)逆転写酵素に代表されるレトロウイルス由来の逆転写酵素が用いられているが、感度および正確性がDNAを鋳型とするDNA合成に及ばない。これは、鋳型RNAがつくる二次構造や、逆転写酵素の耐熱性が低いこと、校正活性をもたないこと、が原因である。これまでに、アミノ酸変異導入により、野生型逆転写酵素よりも耐熱性が高い逆転写酵素(耐熱型逆転写酵素)が報告されている(例えば、特許文献1、非特許文献1及び2)。しかし、それらの耐熱性は、野生型逆転写酵素よりは高いが、耐熱型DNAポリメラーゼと比較すると著しく低い。



耐熱型DNAポリメラーゼにアミノ酸変異を導入することより、逆転写活性を有する耐熱型DNAポリメラーゼが報告されている(例えば特許文献2)。これらは校正活性を有するので高い正確性が期待される。しかし、その逆転写活性は逆転写酵素と比較すると弱く(例えば非特許文献4)、実用化には至っていない。



RNA・DNAヘリカーゼ(単にRNAヘリカーゼ又はヘリカーゼともよばれる)は、核酸のミスアニーリングを解消することが報告されている。従って、cDNA合成でしばしば問題となる非特異的増幅の解消が期待できる(例えば非特許文献5)。しかし、RNA・DNAヘリカーゼは本来のアニーリングを弱めることもある。逆転写酵素の作用を十分保持させた反応条件において、RNA・DNAヘリカーゼの作用によりミスアニーリングを解消させることは困難と考えられており、実用化には至っていない。



Nucleic acid sequence based amplification(NASBA)は一定温度のRNA増幅法である(例えば非特許文献6)。RT-PCRのように温度の上げ下げが不要なため、RT-PCRよりも広い用途が期待される。NASBA以外で温度の上げ下げが不要なRNA増幅法としては、標的RNAにMMLV逆転写酵素あるいはAMV逆転写酵素で代表される逆転写酵素を作用させて二本鎖cDNAを合成し、これにTtE-UvrDで代表される耐熱型ヘリカーゼおよびBstポリメラーゼで代表される耐熱型鎖置換DNAポリメラーゼを作用させて一定温度でDNAを増幅させる方法(特許文献3)、および標的RNAに、PYROPHAGE 3173で代表される、逆転写活性とDNA依存性DNAポリメラーゼ活性の両方を有するDNAポリメラーゼ(以下「逆転写DNAポリメラーゼ」)を作用させて二本鎖cDNAを合成し、これにRecQヘリカーゼあるいはT.テングコンジェンシスおよびT.アクチアシス由来ヘリカーゼで代表される耐熱型ヘリカーゼおよび上記逆転写DNAポリメラーゼを作用させて一定温度でDNAを増幅させる方法(特許公報4)が報告されている。しかし、それらの増幅効率はNASBAやPCRより低く、ほとんど実用化されていない。



ところで、NASBA法は、通常標的核酸がRNAの場合に用いられる手法であるが、標的核酸がDNAの場合であっても、これを増幅させることができる(例えば非特許文献7)。しかし、標的核酸がDNAである場合のNASBA法の増幅効率は低く、これを微生物存在の検査等に応用しようとしても検出感度が低いため、実現は難しかった。その結果、NASBA法の実用化は、標的核酸がRNAであるに限定されている。

産業上の利用分野


本発明は、新規な核酸合成法(特に、cDNA合成法及びNASBA法によるDNA合成法)に関する。本明細書に示される全ての文献(特にWO2012/020759号及びWO2010/050418号)の内容は、参照により本明細書に組み込まれる。

特許請求の範囲 【請求項1】
以下の(i)逆転写酵素、(ii)逆転写DNAポリメラーゼ、及び(iii)ヘリカーゼを含有する溶液中で、RNAを鋳型としてcDNAを合成する方法。
(i)以下の(i-1)又は(i-2)に記載の逆転写酵素;
(i-1):配列番号1のアミノ酸配列において、69位のグルタミン酸、108位のアスパラギン酸、117位のグルタミン酸、124位のアスパラギン酸、286位のグルタミン酸、302位のグルタミン酸、313位のトリプトファン、435位のロイシン及び454位のアスパラギンからなる群より選ばれた少なくとも1つのアミノ酸が、正電荷アミノ酸に置換されたアミノ酸配列からなる、逆転写酵素
(i-2):(i-1)の逆転写酵素のアミノ酸配列において、前記アミノ酸置換が維持された状態から1又は2以上のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ逆転写活性を有する、逆転写酵素
(ii)以下の(ii-1)又は(ii-2)に記載の逆転写DNAポリメラーゼ;
(ii-1):配列番号2のアミノ酸配列において、326番目、329番目、384番目、388番目、408番目、及び438番目のアミノ酸からなる群より選択される少なくとも1つのアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列からなる、逆転写DNAポリメラーゼ
(ii-2):(ii-1)の逆転写DNAポリメラーゼのアミノ酸配列において、前記アミノ酸置換が維持された状態から1又は2以上のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ逆転写活性を有する、逆転写DNAポリメラーゼ
(iii)以下の(iii-1)又は(iii-2)に記載のヘリカーゼ;
(iii-1):配列番号3のアミノ酸配列からなる、ヘリカーゼ
(iii-2):(iii-1)のヘリカーゼのアミノ酸配列において、1又は2以上のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつヘリカーゼ活性を有する、ヘリカーゼ

【請求項2】
請求項1に記載の方法で得られうるcDNAに対して核酸増幅反応を行う工程を含む、鋳型RNAの存在を確認する方法。

【請求項3】
さらに、前記核酸増幅反応で得られうる増幅された核酸の検出工程を含む、請求項2に記載の方法。

【請求項4】
前記核酸増幅反応が、RT-PCR又はNASBAである、請求項2又は3に記載の方法。

【請求項5】
以下の(i)逆転写酵素、(ii)逆転写DNAポリメラーゼ、及び(iii)ヘリカーゼを備える、cDNA合成キット。
(i)以下の(i-1)又は(i-2)に記載の逆転写酵素;
(i-1):配列番号1のアミノ酸配列において、69位のグルタミン酸、108位のアスパラギン酸、117位のグルタミン酸、124位のアスパラギン酸、286位のグルタミン酸、302位のグルタミン酸、313位のトリプトファン、435位のロイシン及び454位のアスパラギンからなる群より選ばれた少なくとも1つのアミノ酸が、正電荷アミノ酸に置換されたアミノ酸配列からなる、逆転写酵素
(i-2):(i-1)の逆転写酵素のアミノ酸配列において、前記アミノ酸置換が維持された状態から1又は2以上のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ逆転写活性を有する、逆転写酵素
(ii)以下の(ii-1)又は(ii-2)に記載の逆転写DNAポリメラーゼ;
(ii-1):配列番号2のアミノ酸配列において、326番目、329番目、384番目、388番目、408番目、及び438番目のアミノ酸からなる群より選択される少なくとも1つのアミノ酸がアラニンに置換されたアミノ酸配列からなる、逆転写DNAポリメラーゼ
(ii-2):(ii-1)の逆転写DNAポリメラーゼのアミノ酸配列において、前記アミノ酸置換が維持された状態から1又は2以上のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつ逆転写活性を有する、逆転写DNAポリメラーゼ
(iii)以下の(iii-1)又は(iii-2)に記載のヘリカーゼ;
(iii-1):配列番号3のアミノ酸配列からなる、ヘリカーゼ
(iii-2):(iii-1)のヘリカーゼのアミノ酸配列において、1又は2以上のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、かつヘリカーゼ活性を有する、ヘリカーゼ

【請求項6】
逆転写酵素、RNaseH、RNAポリメラーゼ、NTP、dNTP、及びヘリカーゼを含む、標的DNAを鋳型として核酸を増幅させるためのミックス。

【請求項7】
逆転写酵素、RNaseH、RNAポリメラーゼ、NTP、及びdNTPからなる群より選択される少なくとも1種、ならびにヘリカーゼを備える、標的DNAを鋳型として核酸を増幅させるためのキット。

【請求項8】
逆転写酵素、RNaseH、RNAポリメラーゼ、NTP、dNTP、及びヘリカーゼを含む溶液中で、標的DNAを鋳型として核酸を増幅させる方法。

【請求項9】
RNAポリメラーゼがT7RNAポリメラーゼである、請求項6に記載のミックスもしくは請求項7に記載のキット、又は請求項8に記載の方法。
国際特許分類(IPC)
出願権利状態 公開
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