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細胞質送達ペプチド NEW

国内特許コード P180015695
整理番号 4731
掲載日 2018年11月22日
出願番号 特願2016-552026
出願日 平成27年9月28日(2015.9.28)
国際出願番号 JP2015077395
国際公開番号 WO2016052442
国際出願日 平成27年9月28日(2015.9.28)
国際公開日 平成28年4月7日(2016.4.7)
優先権データ
  • 特願2014-198741 (2014.9.29) JP
発明者
  • 二木 史朗
  • 秋柴 美沙穂
  • 川口 祥正
  • 武内 敏秀
出願人
  • 国立大学法人京都大学
発明の名称 細胞質送達ペプチド NEW
発明の概要 エンドサイトーシスで取り込まれたタンパク質を高効率で細胞質に送達する。
下記式(I):
R-IWLTALKFXGKHXAKHXAKQXL-R(I)
(式中、XはL、E又はDを示す。XはA、E又はDを示す。XはL、E又はDを示す。XはQ、E又はDを示す。但しX~Xの少なくとも1つはE又はDを示す。Rは水素原子、アシル基、アルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基又はアリールオキシカルボニル基を示す。Rは水酸基(OH)、アミノ基(NH2)、S-R2a、SK-R2a又はSKL-R2a(R2aはOH又はNH2を示す。)、アルコキシ基、アラルキルオキシ基又はアリールオキシ基を示す。但し、アミノ酸はL型アミノ酸とD型アミノ酸のいずれであってもよい。)で表されるペプチド。
従来技術、競合技術の概要


タンパク質、核酸の生細胞内への導入は細胞機能の計測・解析や細胞機能の調節に非常に有用なアプローチである。例えば、現在、蛍光タンパク質との融合により、種々の細胞内タンパク質の局在や挙動の観察が行われている。しかし、蛍光タンパク質の融合による細胞内局在や挙動への影響やタンパク質活性への影響は捨てきれず、また、融合タンパク質の細胞内発現量の調節も難しい。従って、これらの厳密な評価においては、複数の方法での検証が望ましい。融合する蛍光タンパク質の蛍光特性にも制約があり、適切な蛍光団で化学標識したタンパク質を細胞内に導入できればこの問題の解決に資する。また、近年、天然タンパク質の認識能を活用した種々のバイオセンサーが開発されてきており(非特許文献1)、細胞内計測への応用が期待されている。しかし、このような化学修飾されたタンパク質を細胞外から細胞内へと導入しようとする際に、細胞外から加えたタンパク質の少なからぬ量がエンドソームに保持され、細胞質へと放出・拡散しないために、これらのタンパク質の細胞内可視化や計測の所望の機能を発揮できない場合が多い。



一方、近年、種々のバイオ高分子医薬品の開発が急速に進んでいる。中でも抗体は非常に高い標的特異性を持つため、低分子医薬品に代わる分子標的薬として世界中で開発が進められている。しかし、一般に抗体は細胞質内に移行しないため、その標的は細胞膜上の受容体もしくは細胞外の疾患関連因子に限られているのが現状である。細胞質中には細胞骨格関連タンパク質や、キナーゼ関連因子など種々の疾病治療に際して標的となりうるものが多い。そのため、高分子の効率的細胞内導入法が確立すれば、抗体医薬の適用範囲は大幅に拡大する。さらにsiRNAなどの核酸(DNA、RNA)、医薬も細胞内導入の目的物質である。



以上により、抗体を始めとする生理活性タンパク質、核酸、医薬を生細胞の細胞質へ効果的に導入する方法の確立が求められている。



エンドソームに内包されたタンパク質や薬物を細胞質に放出する代表的なエンドソーム不安定化ペプチドとして、GALA(非特許文献2)、インフルエンザ・ヘマグルチニン HA2 タンパク質由来ペプチド(非特許文献3)などが挙げられる。これらは、pH依存的膜融合ペプチドであり、エンドソーム内のpHが5程度になると膜融合性を発揮し、エンドソーム膜を傷害し、内包物を細胞質に放出するとされる。また、膜透過ペプチドとして知られるHIV-1 TatペプチドとHA2ペプチドの連結体(非特許文献4)なども報告されており、CreとTatの融合タンパク質等の生理活性タンパク質の細胞内導入に用いられた例が報告されている。



また、高い膜傷害性を有するハチ毒メリチンにおいて、塩基性アミノ酸のリジンを pH 感受性のマレイン酸誘導体で保護し、エンドソーム内での pH 低下により保護基が脱離することにより、エンドソーム膜を選択的に損傷させ、エンドソーム内包物を細胞質に放出される試みも報告されている(非特許文献5)。



さらに、ポリエチレンイミンなどのポリカチオン性ポリマーのプロトン化の程度が pH の低下に伴い上昇することにより、エンドソームの膨潤を誘起し、内容物(核酸など)を細胞質に放出することが報告されている(プロトンスポンジ効果:非特許文献6)。また種々のpH感受性ポリマーが遺伝子導入に用いられている(特許文献1)。

産業上の利用分野


本発明は、目的物質を細胞質に送達するためのペプチド、細胞質送達剤及び物質導入剤に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
下記式(I):
R-IWLTALKFXGKHXAKHXAKQXL-R(I)
(式中、XはL、E又はDを示す。XはA、E又はDを示す。XはL、E又はDを示す。XはQ、E又はDを示す。但しX~Xの少なくとも1つはE又はDを示す。Rは水素原子、アシル基、アルコキシカルボニル基、アラルキルオキシカルボニル基又はアリールオキシカルボニル基を示す。Rは水酸基(OH)、アミノ基(NH2)、S-R2a、SK-R2a又はSKL-R2a(R2aはOH又はNH2を示す。)、アルコキシ基、アラルキルオキシ基又はアリールオキシ基を示す。但し、アミノ酸はL型アミノ酸とD型アミノ酸のいずれであってもよい。)で表されるペプチド。

【請求項2】
はLを示し、XはAを示し、XはEを示し、XはQを示す、請求項1に記載のペプチド。

【請求項3】
下記のIA~IHのいずれかである、請求項1に記載のペプチド
R-IWLTALKFEGKHAAKHLAKQQLSKL-R2a(IA)
R-IWLTALKFLGKHEAKHLAKQQLSKL-R2a(IB)
R-IWLTALKFLGKHAAKHEAKQQLSKL-R2a(IC)
R-IWLTALKFLGKHEAKHEAKQQLSKL-R2a(ID)
R-IWLTALKFLGKHAAKHEAKQELSKL-R2a(IE)
R-IWLTALKFLGKHAAKHDAKQQLSKL-R2a(IF)
R-iwltalkflGkhaakheakqqlskl-R2a(IG)
R-IWLTALKFLGKHAAKHEAKQQL-R2a(IH)
(式中、Rは水素原子を示し、R2aはアミノ基を示し、IGの小文字のアルファベットはD型アミノ酸を示す。)で表されるペプチド。

【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項に記載のペプチドからなる細胞質送達剤。

【請求項5】
請求項1~3のいずれか1項に記載のペプチドをベクターに含む、細胞質を標的とする物質導入剤。

【請求項6】
請求項1~3のいずれか1項に記載のペプチドと目的物質が直接あるいはスペーサーを介して共有結合されてなる、細胞質を標的とする物質導入剤。

【請求項7】
請求項1~3のいずれか1項に記載のペプチドと目的物質が直接、あるいは目的物質と相互作用する他分子を介して非共有結合的な複合体を形成してなる、細胞質を標的とする物質導入剤。

【請求項8】
目的物質をベクターに内包する、請求項5に記載の細胞質を標的とする物質導入剤。

【請求項9】
前記ペプチドがベクターの構成成分に直接又はスペーサーを介して結合されている、請求項5に記載の物質導入剤。

【請求項10】
前記ペプチドが目的物質とともにベクターに内包されている、請求項5、8又は9に記載の物質導入剤。

【請求項11】
前記ベクターが、リポソーム、ナノゲル又はポリマーミセルである、請求項5、8又は9に記載の物質導入剤。

【請求項12】
ベクターがリポソームである、請求項11に記載の物質導入剤。

【請求項13】
ベクターの構成成分がコレステロールであり、前記ベクターがコレステロールと請求項1~3のいずれか1項に記載のペプチドを含む複合体を含む、請求項9に記載の物質導入剤。

【請求項14】
目的物質がタンパク質、核酸又は医薬である請求項6,7,8又は10に記載の物質導入剤。

【請求項15】
目的物質が抗体である請求項14に記載の物質導入剤。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 公開
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