TOP > 国内特許検索 > 太陽光発電モジュール評価方法、評価装置および評価プログラム

太陽光発電モジュール評価方法、評価装置および評価プログラム NEW

国内特許コード P180015702
整理番号 S2017-0363-N0
掲載日 2018年11月22日
出願番号 特願2017-066163
公開番号 特開2018-170853
出願日 平成29年3月29日(2017.3.29)
公開日 平成30年11月1日(2018.11.1)
発明者
  • 石河 泰明
  • モハマド・アミヌル・イスラム
出願人
  • 国立大学法人 奈良先端科学技術大学院大学
発明の名称 太陽光発電モジュール評価方法、評価装置および評価プログラム NEW
発明の概要 【課題】電圧誘起劣化(PID)現象が発生しつつある太陽光発電モジュールを一早く検知できる評価方法および評価装置を提供する。
【解決手段】被評価太陽光発電セル又はモジュールに対して電流を注入し、発光を検知することにより太陽光発電セル又はモジュールの品質を評価する方法において、セル又はモジュールの注入電流量と各セルの発光強度との相関の線形性を判定することにより、各セルの電圧誘起劣化度合いを評価する。線形性の判定は、セル又はモジュールの短絡電流と略同等の注入電流量をIとした場合に、0.25I~Iの範囲内における注入電流量と発光強度との相関の線形性を判定することが好ましい。この範囲内における注入電流量と発光強度とが比例しないものを、電圧誘起劣化(PID)が発生した又は発生しつつある太陽光発電セルとする評価する。
【選択図】図1
従来技術、競合技術の概要


太陽光発電モジュール設置後の稼働状況検査技術としては、熱イメージを取得することによる電気的な劣化状況の診断技術や、同時に太陽光発電モジュールや複数枚のモジュールで構成される太陽光発電アレイに電流を注入し、太陽光発電アレイ等に光を照射することによる発光(フォトルミネッセンス)をカメラで撮像する技術が知られている(例えば、特許文献1を参照。)。
しかしながら、熱イメージを取得する診断では、電気抵抗の増加箇所または漏れ電流が発生している箇所の取得はできるものの、発熱現象の切り分けや、抵抗変化以外の診断は難しいといった問題がある。また、太陽光発電モジュール等のフォトルミネッセンスでは、照射される光の面積は限定的であるため、光が照射された場所の状況が診断されるものの、太陽光発電アレイが広大な面積をもつ場合の診断には、極めて長い時間の測定が必要になるといった問題がある。



また、太陽光発電モジュール等に電流を注入し、太陽光発電モジュール等からの発光(エレクトロルミネッセンス)による稼働状況検査技術が報告されている。(非特許文献1)。
一方で、近年、メガソーラーのような大規模な太陽光発電事業における太陽光発電モジュールにおいて、電圧誘起劣化(PID:Potential Induced Degradation)現象が報告されている。太陽光発電事業において、短期間で大幅な出力低下を招くおそれがあり、事前にPIDの可能性を確認することが重要とされている。PID現象は、実際に太陽光発電モジュールとして設置した後の実地使用で初めて現象が確認できるものであり、太陽光発電モジュールの製造時の品質管理では回避することが困難とされている。



太陽光発電モジュールの場合、PID現象は短期間で大幅な出力低下が発生するが、エレクトロルミネッセンスでPID現象により出力が低下した太陽光発電モジュールを評価すると、発光強度の著しい低下もしくは発光しないこと等を確認できる。
しかしながら、PID現象による出力低下が起こらなければ、不良モジュールの検出は困難であるといった課題がある。そこで、太陽光発電モジュールの出力管理において、著しい出力低下が発生する前に、PID現象が進行している太陽光発電モジュールを検知することが要望される。なお、PID現象が進行している太陽光発電モジュールを検知するために、モジュールに注入される電流値は、検査される太陽光発電モジュールの短絡電流値と同等である。これは、太陽光発電セルからの発光原理から、注入電流と発光強度が比例関係にあることを利用しているものである(非特許文献2を参照)。

産業上の利用分野


本発明は、太陽光発電モジュールの品質を評価する技術に関するものである。

特許請求の範囲 【請求項1】
被評価太陽光発電セル又はモジュールに対して電流を注入し、エレクトロルミネッセンスを検知することにより太陽光発電セル又はモジュールの品質を評価する方法において、
上記のセル又はモジュールの注入電流量と各セルの発光強度との相関の線形性を判定することにより、各セルの電圧誘起劣化度合いを評価することを特徴とする太陽光発電モジュール評価方法。

【請求項2】
上記の線形性の判定は、
上記のセル又はモジュールの短絡電流と略同等の注入電流量をIとした場合に、0.25I~Iの範囲内における注入電流量と発光強度との相関の線形性を判定することを特徴とする請求項1に記載の太陽光発電モジュール評価方法。

【請求項3】
前記範囲内における注入電流量と発光強度とが比例しないものを、電圧誘起劣化が発生した又は発生しつつある太陽光発電セルとすることを特徴とする請求項2に記載の太陽光発電モジュール評価方法。

【請求項4】
上記の線形性の判定は、
上記のセル又はモジュールの短絡電流と略同等の注入電流量をIとした場合に、0.25I~Iの範囲内において、注入電流量と発光強度との相関を近似直線で表し、該近似直線の決定係数Rに対して閾値を設定して、設定された閾値に応じて線形性を判定することを特徴とする請求項1に記載の太陽光発電モジュール評価方法。

【請求項5】
前記近似直線は最小二乗直線であり、
前記決定係数Rが0.995以上1以下の範囲の場合には、電圧誘起劣化現象が発生していない太陽光発電セル、前記決定係数Rが0.990以上0.995未満の範囲の場合には、電圧誘起劣化現象が発生しつつある太陽光発電セル、又は前記決定係数Rが0.990未満の場合には、電圧誘起劣化現象が発生した太陽光発電セル、として評価することを特徴とする請求項4に記載の太陽光発電モジュール評価方法。

【請求項6】
被評価太陽光発電モジュールに対して電流を注入し、モジュール内に存在する電圧誘起劣化が発生した太陽光発電セル数が全体のセル数に占める割合が予め設定した値に達した場合に、被評価太陽光発電モジュールを電圧誘起劣化したと評価することを特徴とする請求項1~5の何れかの太陽光発電モジュール評価方法。

【請求項7】
被評価太陽光発電セル又はモジュールに対して電流を注入する電流供給部と、
太陽光発電セル又はモジュールのエレクトロルミネッセンス像を撮影して画像データを出力する撮像部と、
上記のセル又はモジュールの注入電流量と各セルの発光強度との相関の線形性を判定する判定部と、
前記判定部からの判定結果に基づいて、各セルの電圧誘起劣化度合いを評価する評価部、
を備えたことを特徴とする太陽光発電モジュール評価装置。

【請求項8】
前記判定部は、
上記のセル又はモジュールの短絡電流と略同等の注入電流量をIとした場合に、0.25I~Iの範囲内における注入電流量と発光強度との相関の線形性を判定し、
前記評価部は、
前記範囲内における注入電流量と発光強度とが比例しないものを、電圧誘起劣化が発生した又は発生しつつある太陽光発電セルとして評価する、
ことを特徴とする請求項7に記載の太陽光発電モジュール評価装置。

【請求項9】
前記判定部は、
上記のセル又はモジュールの短絡電流と略同等の注入電流量をIとした場合に、0.25I~Iの範囲内において、注入電流量と発光強度との相関を近似直線で表し、該近似直線の決定係数Rに閾値を設定して、設定された閾値に応じて線形性を判定し、
前記評価部は、
前記近似直線が最小二乗直線である場合において、
前記決定係数Rが0.995以上1以下の範囲の場合には、電圧誘起劣化現象が発生していない太陽光発電セル、前記決定係数Rが0.990以上0.995未満の範囲の場合には、電圧誘起劣化現象が発生しつつある太陽光発電セル、又は前記決定係数Rが0.990未満の場合には、電圧誘起劣化現象が発生した太陽光発電セル、として評価することを特徴とする請求項7に記載の太陽光発電モジュール評価装置。

【請求項10】
被評価太陽光発電セル又はモジュールに対して電流を注入しながら、セル又はモジュールのエレクトロルミネッセンス像を撮影した画像データを入力する入力ステップと、
前記画像データから、セル又はモジュールの注入電流量と各セルの発光強度との相関の線形性を判定する判定ステップと、
上記判定の結果に基づいて、各セルの電圧誘起劣化度合いを評価する評価ステップと、
上記評価結果を出力する出力ステップ、
を、コンピュータに実行させるための太陽光発電モジュール評価プログラム。

【請求項11】
前記判定ステップは、
上記のセル又はモジュールの短絡電流と略同等の注入電流量をIとした場合に、0.25I~Iの範囲内における注入電流量と発光強度との相関の線形性を判定し、
前記評価ステップは、
前記範囲内における注入電流量と発光強度とが比例しないものを、電圧誘起劣化が発生した又は発生しつつある太陽光発電セルとして評価する、
ことを特徴とする請求項10に記載の太陽光発電モジュール評価プログラム。

【請求項12】
前記判定ステップは、
上記のセル又はモジュールの短絡電流と略同等の注入電流量をIとした場合に、0.25I~Iの範囲内において、注入電流量と発光強度との相関を近似直線で表し、該近似直線の決定係数Rに閾値を設定して、設定された閾値に応じて線形性を判定し、
前記評価ステップは、
前記近似直線が最小二乗直線である場合において、
前記決定係数Rが0.995以上1以下の範囲の場合には、電圧誘起劣化現象が発生していない太陽光発電セル、前記決定係数Rが0.990以上0.995未満の範囲の場合には、電圧誘起劣化現象が発生しつつある太陽光発電セル、又は前記決定係数Rが0.990未満の場合には、電圧誘起劣化現象が発生した太陽光発電セル、として評価することを特徴とする請求項10に記載の太陽光発電モジュール評価プログラム。

【請求項13】
請求項10~12の何れかの太陽光発電モジュール評価プログラムが搭載されたサーバコンピュータ。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2017066163thum.jpg
出願権利状態 公開
ライセンスをご希望の方、特許の内容に興味を持たれた方は、下記「問合せ先」までお問い合わせください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close