TOP > 国内特許検索 > 機械装置の動力伝達システム

機械装置の動力伝達システム NEW

国内特許コード P180015707
整理番号 1911
掲載日 2018年11月26日
出願番号 特願2017-055173
公開番号 特開2018-158389
出願日 平成29年3月21日(2017.3.21)
公開日 平成30年10月11日(2018.10.11)
発明者
  • シュミッツ アレクサンダー
  • 汪 偉
  • オルガド アレクシス カルロス
  • 許 ▲晋▼誠
  • 小林 健人
  • アルバレス ロペス ハビエル
  • 王 語詩
  • 菅野 重樹
出願人
  • 学校法人早稲田大学
発明の名称 機械装置の動力伝達システム NEW
発明の概要 【課題】人間や物体に対する不意の衝突時等における安全性を確保しつつ、様々なニーズに応えた所望の動力伝達を実現すること。
【解決手段】動力伝達システム10は、入力部21から出力部22への伝達動力の上限値であるトルクリミット値を可変にする可変トルクリミッタ16と、入力部21の変位状態を検出する入力側変位センサ17Aと、出力部22の変位状態を検出する出力側変位センサ17Bと、センサ17A,17Bの検出結果に基づいて動力の伝達制御を行う制御装置19とを備えている。制御装置19は、伝達動力がトルクリミット値を超えるときに動力の伝達を遮断する安全対策用制御機能25と、ティーチングを行う際に動力の伝達を遮断するティーチング用制御機能26と、ロボットアーム11の目標動作や構造を考慮した演算により伝達動力の目標値を求め、当該目標値での動力の伝達を可能にトルクリミット値の調整を行う動作用制御機能27とを有する。
【選択図】 図1
従来技術、競合技術の概要 ロボットと人間とが共生する環境下においては、当該環境に対するロボットの安全対策が重要になる。この安全対策として、ロボットが所望の動作を行っている最中に環境中の人間や物体に不意に衝突した場合に、当該衝突を緩和するコンプライアンス機能が必要になる。当該コンプライアンス機能としては、ロボットの可動部であるロボットアーム等に衝突時の衝撃緩和用のばね等の弾性要素を取り付けたものが一般的である。しかしながら、当該ばねを衝撃緩和用として用いる場合、例えば、衝突時にばねを弱めることでクッション性を高める等、ロボットの動作中にばねの弾性を調整する必要があり、このことがロボットアームの位置制御を難しくする一要因になる。また、ばね等の弾性要素は、ロボットの加速動作をスピーディーにしにくくするばかりか、ロボットの動作時における振動発生の要因にもなる。

ところで、特許文献1には、ロボットハンドが所定以上の大きさの外力で他の物体等に衝突した際に、当該物体等に作用する力を逃がす衝突トルク緩衝機構を備えたロボットが開示されている。この衝突トルク緩衝機構は、ロボットハンド側とロボットアーム側との間の接続部分に潤滑剤を充填し、当該潤滑剤の粘性によって、ロボットアーム側にある程度までの外力が作用してもロボットハンド側とロボットアーム側の連結状態を維持する一方で、それを超える外力が作用したときに、ロボットハンド側とロボットアーム側の相対回転を許容することで、衝突時に物体に作用する力を緩衝するようになっている。

前記特許文献1の衝突トルク緩衝機構において、ロボットハンド側とロボットアーム側の相対回転を許容するトルク値は、潤滑剤の粘性によって決まり、製品毎に一定値に設定される。ところが、昨今のロボットの様々な役割を考慮すると、前記トルク値を可変にすることにより、安全性を確保しつつ種々の動作を可能にするロボットが要請される。このため、本発明者らは、モータによって動作する入力部から、ロボットアーム側に繋がる出力部に伝達されるトルクを電気的に調整可能な電磁式の摩擦クラッチ等を用いたロボット制御システムを既に提案している(特許文献2参照)。
産業上の利用分野 本発明は、入力側から出力側に伝達されるトルクや力の上限値となるリミット値を可変にする可変動力伝達装置を使用し、所定の条件下で出力側への動力の伝達制御を行う機械装置の動力伝達システムに関する。
特許請求の範囲 【請求項1】
入力部から出力部への伝達動力となるトルクや力の上限値であるリミット値を可変にする可変動力伝達装置を用い、前記入力部に繋がる入力側部位からの動力を前記出力部に繋がる出力側部位に伝達する機械装置の動力伝達システムにおいて、
前記入力部の変位状態を検出する入力側変位センサと、前記出力部の変位状態を検出する出力側変位センサと、これらセンサの検出結果に基づいて前記動力の伝達制御を行う制御装置とを更に備え、
前記可変動力伝達装置は、前記伝達動力が前記リミット値以下のときに、前記入力部及び前記出力部を一体的に動作可能にして前記動力をそのまま伝達し、前記伝達動力が前記リミット値を超えるときに、前記入力部及び前記出力部を相対的に動作可能にして前記動力を前記リミット値以下で伝達する構造をなし、
前記制御装置は、前記伝達動力が前記リミット値を超えるときに、前記動力の伝達を遮断する安全対策用制御機能と、前記出力部側部位を把持して当該部位の目標動作軌跡を手動で設定するティーチングを行う際に、前記動力の伝達を遮断するティーチング用制御機能と、前記機械装置の目標動作や構造を考慮した演算により前記伝達動力の目標値を求め、当該目標値での前記動力の伝達を可能に前記リミット値の調整を行う動作用制御機能とを有することを特徴とする機械装置の動力伝達システム。

【請求項2】
前記安全対策用制御機能では、前記入力側変位センサでの検出値と前記出力側変位センサでの検出値との間の差が予め設定された値よりも大きい場合に、前記動力の伝達を遮断するように前記可変動力伝達装置を作動させることを特徴とする請求項1記載の機械装置の動力伝達システム。

【請求項3】
前記入力部に前記動力を付与する駆動装置を更に備え、
前記ティーチング用制御機能では、前記ティーチングの開始時に前記動力の伝達を遮断する一方、前記ティーチングの終了時に前記動力の伝達を可能にするように前記可変動力伝達装置を作動させるとともに、前記開始時と前記終了時のそれぞれの前記出力側変位センサの検出値の差分を求め、前記終了時に、前記駆動装置の駆動により、前記入力側変位センサの検出値に対し前記差分の変位を生じさせることで、前記入力部からの動力を使って前記出力部を前記開始時の初期位置に戻すことを特徴とする請求項1記載の機械装置の動力伝達システム。

【請求項4】
前記可変動力伝達装置は、前記伝達動力が前記リミット値以下のときに、前記入力部と前記出力部の間に発生する静摩擦力を利用して前記動力を伝達する一方、前記伝達動力が前記リミット値を超えるときに、前記入力部と前記出力部の間に発生する動摩擦力を利用して前記動力を伝達するとともに、印加電圧の大きさによって前記各摩擦力を調整可能に設けられた電磁式の摩擦クラッチからなり、
前記動作用制御機能では、前記入力側変位センサでの検出値と前記出力側変位センサでの検出値との間の差が予め設定された値よりも大きいときと、そうでないときとで前記印加電圧を変えることで、前記リミット値を所定値に維持することを特徴とする請求項1記載の機械装置の動力伝達システム。

【請求項5】
前記出力側部位には、当該出力側部位での重力の影響をキャンセルする重力補償機構が設けられることを特徴とする請求項1記載の機械装置の動力伝達システム。

【請求項6】
入力部から出力部への伝達動力となるトルクや力の上限値であるリミット値を可変にする可変動力伝達装置を用い、前記入力部に繋がる入力側部位からの動力を前記出力部に繋がる出力側部位に伝達する機械装置の動力伝達システムにおいて、
前記入力部の変位状態を検出する入力側変位センサと、前記出力部の変位状態を検出する出力側変位センサと、これらセンサの検出結果に基づいて前記可変動力伝達装置の作動を制御する制御装置とを更に備え、
前記可変動力伝達装置は、前記伝達動力が前記リミット値以下のときに、前記入力部及び前記出力部を一体的に動作可能にして前記動力をそのまま伝達し、前記伝達動力が前記リミット値を超えるときに、前記入力部及び前記出力部を相対的に動作可能にして前記動力を前記リミット値以下で伝達する構造をなし、
前記制御装置は、前記伝達動力が前記リミット値を超えるときの安全対策のための安全対策用制御機能を有し、
前記安全対策用制御機能では、前記入力側変位センサでの検出値と前記出力側変位センサでの検出値との間の差が予め設定された値よりも大きい場合に、前記入力部から前記出力部への前記動力の伝達を遮断するように前記可変動力伝達装置を作動させることを特徴とする機械装置の動力伝達システム。

【請求項7】
入力部から出力部への伝達動力となるトルクや力の上限値であるリミット値を可変にする可変動力伝達装置を用い、前記入力部に繋がる入力側部位からの動力を前記出力部に繋がる出力側部位に伝達する機械装置の動力伝達システムにおいて、
前記入力部に前記動力を付与する駆動装置と、前記入力部の変位状態を検出する入力側変位センサと、前記出力部の変位状態を検出する出力側変位センサと、前記駆動装置の駆動と前記可変動力伝達装置の作動を制御する制御装置とを更に備え、
前記制御装置は、前記出力側部位を把持して当該出力側部位の目標動作軌跡を手動で設定するティーチングを行う際のティーチング用機能を有し、
前記ティーチング用制御機能では、前記ティーチングの開始時に前記動力の伝達を遮断する一方、前記ティーチングの終了時に前記動力の伝達を可能にするように前記可変動力伝達装置を作動させるとともに、前記開始時と前記終了時のそれぞれの前記出力側変位センサの検出値の差分を求め、前記終了時に、前記駆動装置の駆動により、前記入力側変位センサの検出値に対し前記差分の変位を生じさせることで、前記入力部からの動力を使って前記出力部を前記開始時の初期位置に戻すことを特徴とする機械装置の動力伝達システム。

【請求項8】
入力部から出力部への伝達動力となるトルクや力の上限値であるリミット値を可変にする可変動力伝達装置を用い、前記入力部に繋がる入力側部位からの動力を前記出力部に繋がる出力側部位に伝達する機械装置の動力伝達システムにおいて、
前記入力部の変位状態を検出する入力側変位センサと、前記出力部の変位状態を検出する出力側変位センサと、前記可変動力伝達装置の作動を制御する制御装置とを更に備え、
前記可変動力伝達装置は、前記伝達動力が前記リミット値以下のときに、前記入力部と前記出力部の間に発生する静摩擦力を利用し、前記入力部及び前記出力部を一体的に動作可能にして前記動力をそのまま伝達する一方、前記伝達動力が前記リミット値を超えるときに、前記入力部と前記出力部の間に発生する動摩擦力を利用し、前記入力部及び前記出力部を相対的に動作可能にして前記動力を前記リミット値以下で伝達するとともに、印加電圧の大きさによって前記各摩擦力を調整可能に設けられた電磁式の摩擦クラッチからなり、
前記制御装置は、前記機械装置の目標動作や構造を考慮した演算により前記伝達動力の目標値を求め、当該目標値での前記動力の伝達を可能に前記リミット値の調整を行う動作用制御機能を有し、
前記動作用制御機能では、前記入力側変位センサでの検出値と前記出力側変位センサでの検出値との間の差が予め設定された値よりも大きいときと、そうでないときとで前記印加電圧を変えることで、前記リミット値を所定値に維持することを特徴とする機械装置の動力伝達システム。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

※ 画像をクリックすると拡大します。

JP2017055173thum.jpg
出願権利状態 公開
技術導入、技術提携、実用化開発(受託研究・共同研究等)のご相談を承っております。お気軽にご連絡ください。


PAGE TOP

close
close
close
close
close
close
close