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キラルポリマーの製造方法、キラル炭素材料の製造方法、及びキラルポリマー NEW コモンズ

国内特許コード P180015709
整理番号 P2017-079314
掲載日 2018年11月26日
出願番号 特願2017-079314
公開番号 特開2018-177964
出願日 平成29年4月12日(2017.4.12)
公開日 平成30年11月15日(2018.11.15)
発明者
  • 金 仁華
出願人
  • 学校法人神奈川大学
発明の名称 キラルポリマーの製造方法、キラル炭素材料の製造方法、及びキラルポリマー NEW コモンズ
発明の概要 【課題】キラリティーを備えた、新たな材料を提供すること。
【解決手段】本発明は、直鎖状ポリエチレンイミン骨格を備えたポリマーと、2つのカルボキシル基を備え、4以上の炭素原子を備えたキラルなジカルボン酸化合物と、を含んでなる酸塩基型錯体のキラル超分子結晶に加水分解性の珪素化合物を作用させるゾルゲル法により、上記キラル超分子結晶の表面にシリカ層を形成させた複合体を得るゾルゲル工程と、上記複合体を酸処理して酸処理複合体を得る酸処理工程と、上記酸処理複合体の存在下、フェノール類化合物とホルムアルデヒドとを作用させて、当該フェノール類化合物とホルムアルデヒドとの縮合体からなる樹脂を上記酸処理複合体の表面に形成させて樹脂複合体を得る重合工程と、上記樹脂複合体にフッ化水素酸を作用させて、この樹脂複合体から上記シリカ層を形成するシリカを除去する除去工程と、を備えたキラルポリマーの製造方法である。
【選択図】図11
従来技術、競合技術の概要 近年、分子間相互作用により有機化合物を平衡又は非平衡状態で自己組織化させて得られる、特定の空間形状やナノメートルオーダーの規則的構造等を備えたナノ構造体が盛んに提案されている。これらのナノ構造体は、様々な組成の有機/無機複合ナノ材料を構築するための基盤として用いることができるばかりでなく、各種の材質からなるナノ構造体を形成するための鋳型としても用いることができることから、学際的分野や産業的分野等から関心を寄せられている。

このようなナノ構造物の例として、例えば特許文献1には、特定の化学構造を備えた界面活性剤を溶液中で自己組織化させ、その周囲でシリカ源となる化合物をゾルゲル反応させてメソポーラスシリカ粒子を形成させることが提案されている。また、特許文献2には、互いに相溶しない非水溶性及び水溶性である2種のポリマーからミクロな相分離構造を形成させ、これをもとに平均孔径1~200nmのシリンダー構造の細孔を備えた多孔質膜を形成させることが提案されている。また、生体高分子であるDNAやタンパク質が自己組織化により独特な立体構造を備えたナノ構造体となることもよく知られている。

また、キラリティーを備えたナノ構造体を鋳型とし、その周囲にシリカ等の金属酸化物の層を成長させることにより、鋳型の持つキラリティーを金属酸化物に転写させることが提案されている。このような例として、特許文献3には、らせん構造等の光学活性なキラル配向構造を備えた重合体を鋳型とし、当該鋳型に金属ソースを作用させてキラルな有機/無機複合体を得ることが提案されている。このような有機/無機複合体では、金属酸化物にキラリティーが転写されているので、例えば触媒活性を備えた金属酸化物を当該有機/無機複合体の無機成分として選択すれば、キラルな反応場を備えた金属酸化物触媒が得られる可能性があると考えられる。このような金属酸化物触媒となる可能性を備えたものとして、本発明者らにより、キラルな金属酸化物ナノ構造体が組み合わさってなる構造体が提案されている(特許文献4を参照)。

さらに、無水メタノール中、有機系酸性キラル界面活性剤と3-アミノフェノールとを混合し、それらを自己組織化させた後、それにホルムアルデヒドを加え、螺旋構造を有するキラル界面活性剤/フェノール樹脂の複合体を合成し、それらを炭化させることによるキラル炭素材料の合成が報告されている(非特許文献1を参照)。本発明者らも、ポリエチレンイミン/キラル酒石酸/キラルシリカで構成された複合体表面でのレゾルシノールとアルデヒドの重合反応を経由し、それを炭化することによるキラル炭素の形成を報告した(非特許文献2を参照)。しかしながら、これらいずれの方法でも、キラルフェノール樹脂そのものを得るには至ってない。

一方、キラリティーを備えた化合物に発光を示す化合物を錯形成等の手段により結合させ、円偏光発光を示す光学機能材料を得ることも提案されている。このような材料の一例として、非特許文献1には、希土類錯体にキラルな化合物を結合させることにより、希土類錯体から発せられる蛍光が非円偏光発光から円偏光発光に変化することが報告されている。また、非特許文献2には、蛍光発光を示す化合物であるチオフェンとキラルな(R)-1-(2-ナフチル)エチルアミンとの超分子固体錯体において、円偏光発光が観察されたことが報告されている。また、特許文献5には、キラルな配位子を備えた7配位型の希土類錯体が円偏光発光を示すことが報告されている。
産業上の利用分野 本発明は、キラルポリマーの製造方法、キラル炭素材料の製造方法、及びキラルポリマーに関する。
特許請求の範囲 【請求項1】
直鎖状ポリエチレンイミン骨格を備えたポリマーと、2つのカルボキシル基を備え、4以上の炭素原子を備えたキラルなジカルボン酸化合物と、を含んでなる酸塩基型錯体のキラル超分子結晶に加水分解性の珪素化合物を作用させるゾルゲル法により、前記キラル超分子結晶の表面にシリカ層を形成させた複合体を得るゾルゲル工程と、
前記複合体を酸処理して酸処理複合体を得る酸処理工程と、
前記酸処理複合体の存在下、下記一般式(I)で示すフェノール類化合物とホルムアルデヒドとを作用させて、当該フェノール類化合物とホルムアルデヒドとの縮合体からなる樹脂を前記酸処理複合体の表面に形成させて樹脂複合体を得る重合工程と、
前記樹脂複合体にフッ化水素酸を作用させて、この樹脂複合体から前記シリカ層を形成するシリカを除去する除去工程と、を備えたキラルポリマーの製造方法。
【化1】


(上記一般式(I)中、Rは炭素数1~5のアルキル基又はアルコキシ基であり、m+mが1以上6以下の整数であることを条件に、mは1以上の整数であり、nは0以上の整数である。)

【請求項2】
前記重合工程にて、前記フェノール類化合物を含む溶液中に前記酸処理複合体を10分以上浸漬させた後に、当該溶液中へホルムアルデヒドを投入することを特徴とする請求項1記載のキラルポリマーの製造方法。

【請求項3】
前記珪素化合物がアルコキシシランである請求項1又は2記載のキラルポリマーの製造方法。

【請求項4】
前記ジカルボン酸化合物が酒石酸である請求項1~3のいずれか1項記載のキラルポリマーの製造方法。

【請求項5】
前記フェノール類化合物がレゾルシノールである請求項1~4のいずれか1項記載のキラルポリマーの製造方法。

【請求項6】
請求項1~5のいずれか1項記載のキラルポリマーの製造方法で得たキラルポリマーを焼成する工程を備えたキラル炭素材料の製造方法。

【請求項7】
直鎖状ポリエチレンイミン骨格を備えたポリマーと、2つのカルボキシル基を備え、4以上の炭素原子を備えたキラルなジカルボン酸化合物と、を含んでなる酸塩基型錯体のキラル超分子結晶に有機シラン化合物を作用させるゾルゲル法により、前記キラル超分子結晶の表面にシリカ層を形成させた複合体を得るゾルゲル工程と、
前記複合体を酸処理して酸処理複合体を得る酸処理工程と、
前記酸処理複合体の存在下、下記一般式(I)で示すフェノール類化合物とホルムアルデヒドとを作用させて、当該フェノール類化合物とホルムアルデヒドとの縮合体からなる樹脂を前記酸処理複合体の表面に形成させて樹脂複合体を得る重合工程と、
前記樹脂複合体を焼成させて得た焼成体にフッ化水素酸を作用させて、この焼成体から前記シリカ層を形成するシリカを除去する焼成除去工程と、を備えたキラル炭素材料の製造方法。
【化2】


(上記一般式(I)中、Rは炭素数1~5のアルキル基又はアルコキシ基であり、m+mが1以上6以下の整数であることを条件に、mは1以上の整数であり、nは0以上の整数である。)

【請求項8】
下記一般式(I)で示すフェノール類化合物とホルムアルデヒドとの縮合体であって、円二色性スペクトル測定において正又は負のコットン効果が観察されることを特徴とするキラルポリマー。
【化3】


(上記一般式(I)中、Rは炭素数1~5のアルキル基又はアルコキシ基であり、m+mが1以上6以下の整数であることを条件に、mは1以上の整数であり、nは0以上の整数である。)

【請求項9】
熱重量分析により求められた、水を除く無機成分の含有量が10質量%未満であることを特徴とする請求項8記載のキラルポリマー。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2017079314thum.jpg
出願権利状態 公開
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