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金属材料の押出加工用金型およびこの金型を用いた金属材料の結晶微細化方法 NEW コモンズ

国内特許コード P180015726
整理番号 DP1816
掲載日 2018年11月29日
出願番号 特願2017-045565
公開番号 特開2018-149547
出願日 平成29年3月10日(2017.3.10)
公開日 平成30年9月27日(2018.9.27)
発明者
  • 宮本 博之
  • 駒田 直紀
出願人
  • 学校法人同志社
発明の名称 金属材料の押出加工用金型およびこの金型を用いた金属材料の結晶微細化方法 NEW コモンズ
発明の概要 【課題】金属材料に効率よくせん断ひずみを加えることによって結晶の微細化を図り、レアメタル等の添加を行わなくても、材料の強度を靭性を損なうことなく高めることができる金属材料押出加工用金型およびこの金型を用いた金属材料の結晶微細化方法の提供。
【解決手段】円柱状の金属材料を押出加工する押出加工経路11が、この押出加工経路11の出口まで達し、円柱状をした材料装填部12と、材料装填部12に連設され、金属材料を断面円形から楕円形に変形させる材料断面変形部13と、材料断面変形部13で楕円形状に変形された金属材料を、楕円形を保ちながら徐々にねじり率が増大するねじり形状をした非線形ねじり部14と、この非線形ねじり部14の出口の回転を阻害しない状態を保ちつつ楕円形状になった金属材料を円柱状に形状回復させる断面形状回復部15を備える構成とした。
【選択図】 図1
従来技術、競合技術の概要 近年、機器や装置の高性能化を図るために、機器や装置に用いる金属材料の強度や靭性の改善が求められている。
たとえば、金属材料中にレアメタルを添加して金属材料の強度や靭性を改善することが行われている。

しかし、レアメタルは、高価であるため、その使用量を削減する動きが活発化している(非特許文献1参照)。
そのため、レアメタルの添加を抑えることができる代替金属材料の開発や、レアメタルのリサイクル技術の開発が求められている(非特許文献2参照)。

一方、金属材料の強度は、転位と呼ばれる材料中の線欠陥と密接な関係がある (非特許文献3参照)。
上記転位に影響を与えて、金属材料の強度を向上させる代表的な方法としては、加工強化および固溶強化が挙げられる。

加工強化は、金属材料に塑性変形を与え、変形部分に転位を堆積させることにより金属材料の強度を向上させる方法である。
しかし、加工強化は、材料の強化に伴い、靱性が低下するという問題がある。

一方、固溶強化は、合金などのように材料に他物質を混入させ、転位の移動を抑制し、材料の強度を向上させる方法である。
しかし、固溶強化は、他物質を混入させるため、リサイクル性の点に問題がある。

これに対し、加工強化および固溶強化の欠点をもたない強化方法として、超微細粒(以下、「UFG」と記す)を形成する方法が注目を集めている。
UFGの形成は、材料の組織をナノレベルまで微細化し、転位が動きにくい粒界を増加させることにより、他の強化方法と比較し靭性を損なわずに材料の強度を向上させることができる(非特許文献4参照)。

さらに、UFGの形成を用いた強化方法では、材料中に他物質を混入させないため、リサイクル性の点で有利である(非特許文献5参照)。
UFGを形成する代表的な加工方法としては、高圧ねじり(以下、「HPT」と記す)加工および等経路角押出し(以下、「ECAP」と記す)加工などの強ひずみ加工(以下、「SPD」と記す)が挙げられる(非特許文献6参照)。

しかし、上記HPT加工は、コインサイズの材料の加工に限定されるという問題があり、ECAP加工は、不連続な加工工程を必要とするという問題がある。
すなわち、HPT加工およびECAP加工は生産性の点で問題がある。

HPT加工およびECAP加工に比べ、生産性の良いSPD加工方法としては、ねじり押出 (以下、「TE」記す) 加工が挙げられる(非特許文献7参照)。
TE加工は、ねじりによるせん断ひずみを原材料に導入し、UFGを形成させる方法である(非特許文献8参照)。

また、TE加工の場合、1つの経路に複数のねじりを有することにより、生産性を向上させることができる。
しかし、上記従来のTE加工では、金型が複数のねじり部を有する構成を採用しても、強度や靭性の十分な向上が望めない。

その原因としては、以下のようなことが考えられる。
すなわち、従来のTE加工においては、ねじり部において、材料の送り量(押出量)と、材料のねじり率が一定である線形ねじりであるため、押出される金属材料はねじり部の入口においてせん断変形を受けた後、せん断変形がほとんど加わらない状態で経路に沿って回転移動する(剛体変形)。

そのため、従来のTE加工においては、押出加工される金属材料に導入されるせん断ひずみはねじり部入口に限定され、効率よく結晶を微細化することができない。

なお、UFGは、ひずみが大きくなるに伴って形成しやすくなる。したがって、従来のTE加工におけるせん断ひずみを増大させることにより、UFGの形成を促進できると考えられる。
そこで、金型のねじり部を金属材料の押出方向下流側に向かってねじり率が徐々に大きくなるような内面螺旋形状として、ねじり部を通過する金属材料のねじり率を下流側に向かって徐々に大きくすることによって、せん断ひずみを金属材料に継続して加えながら純銅を押出すようにした押出加工方法、すなわち、非線形ねじり押出法(nonlinear twist extrusion 、以下、「NTE」と記す)が発明者らによってすでに提案されている(非特許文献9参照)。
産業上の利用分野 本発明は、金属材料の押出加工用金型およびこの金型を用いた金属材料の結晶微細化方法に関する。
特許請求の範囲 【請求項1】
柱状の金属材料を押出加工する押出加工経路を備える金属材料の押出加工用金型であって、
前記押出加工経路が、押出加工経路の材料押出方向出口側端に、押出軸周りのねじり率が徐々に増大する内面ねじり形状をした非線形ねじり部を備えていることを特徴とする押出加工用金型。

【請求項2】
押出加工経路が、押出加工経路入口から押出加工経路内に通された柱状の金属材料を、押出しに伴い、材料押出方向に直交する1軸方向の経路幅が小さくなるように断面形状が変化する内面形状をした材料断面変形部を非線形ねじり部の押出方向上流側に備えている請求項1に記載の押出加工用金型。

【請求項3】
柱状の金属材料を押出加工する押出加工経路を備える金属材料の押出加工用金型であって、
前記押出加工経路が、材料断面変形部と、この材料断面変形部に連設された非線形ねじり部と、この非線形ねじり部に連設されるとともに、前記押出加工経路の押出方向後端に設けられた断面形状回復部を備え、
前記材料断面変形部は、断面円形の材料入口と、断面非円形の材料出口を有し、前記材料断面変形部を通過する金属材料が断面円形から断面非円形に変形可能な内面形状に形成されていて、
前記非線形ねじり部は、押出軸周りのねじり率が材料押出方向入口から出口に向かって徐々に増大する内面ねじり形状をしており、
前記断面形状回復部は、出口が円形をしていて、前記材料押出方向に直交する断面形状が、前記材料押出方向の入口から出口に向かって、前記非線形ねじり部出口側端の断面非円形から断面円形に徐々に変化するとともに、
前記非線形ねじり部出口のねじり率を前記断面形状回復部出口まで維持する、あるいは、前記断面形状回復部出口に向かってねじり率を徐々に増大させるように作用する内面形状に形成されていることを特徴とする押出加工用金型。

【請求項4】
非円形が楕円形である請求項3に記載の押出加工用金型。

【請求項5】
押出加工経路が、経路入口側端部に、柱状の金属材料が装填される材料装填部を備えている請求項1~請求項4のいずれかに記載の押出加工用金型。

【請求項6】
請求項1~請求項5のいずれかに記載の押出加工用金型で柱状金属材料を押出加工する押出工程を備えることを特徴とする金属材料の結晶微細化方法。

【請求項7】
請求項3~5のいずれかに記載の押出加工用金型で押出加工された加工柱状金属材料をさらに請求項3~5のいずれかに記載の押出加工用金型で押出加工する工程を備えている請求項6に記載の金属材料の結晶微細化方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 公開
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