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1,1’-ビナフチル誘導体の製造方法および1,1’-ビナフチル誘導体 外国出願あり

国内特許コード P180015743
整理番号 5346
掲載日 2018年12月20日
出願番号 特願2018-501114
出願日 平成29年2月3日(2017.2.3)
国際出願番号 JP2017004117
国際公開番号 WO2017145716
国際出願日 平成29年2月3日(2017.2.3)
国際公開日 平成29年8月31日(2017.8.31)
優先権データ
  • 特願2016-031194 (2016.2.22) JP
発明者
  • 嶋田 豊司
  • 中西 和樹
出願人
  • 国立大学法人京都大学
発明の名称 1,1’-ビナフチル誘導体の製造方法および1,1’-ビナフチル誘導体 外国出願あり
発明の概要 本開示の製造方法では、1,1’-ビナフチル骨格の2位および2’位に、当該骨格に直接結合した酸素原子を含む電子供与性基をそれぞれ有する1,1’-ビナフチル前駆誘導体と、有機酸と、ヨウ素化剤または臭素化剤とを混合する。本開示の製造方法によれば、1,1’-ビナフチル骨格の8位および/または8’位に置換基が導入された1,1’-ビナフチル誘導体が得られる。本開示の製造方法により得られる1,1’-ビナフチル誘導体は、1,1’-ビナフチル骨格の4位、4’位、5位、5’位、6位および6’位から選ばれる少なくとも1つの位置にさらに置換基の導入がなされた化合物でありうる。
従来技術、競合技術の概要


2つのナフタレン骨格の1位同士が結合した分子構造を有する1,1’-ビナフチルは、その骨格(ビナフチル骨格)の2位および2’位に置換基を有することにより、軸不斉化合物である1,1’-ビナフチル誘導体となる。このような1,1’-ビナフチル誘導体として、ジフェニルホスフィノ基(-PPh2)を2位および2’位に有する2,2’-ビス(ジフェニルホスフィノ)-1,1’-ビナフチル(BINAP)、およびヒドロキシ基(水酸基;-OH)を2位および2’位に有する1,1’-ビ-2-ナフトール(BINOL)が知られている。BINAPおよびBINOLは、例えば、その軸不斉を利用して、遷移金属および典型金属の優れた不斉配位子として、触媒的不斉合成反応または不斉分子識別場の構築などに利用されている。



2位および2’位にメトキシ基のようなアルコキシ基または水酸基を有する1,1’-ビナフチル誘導体に対して、ビナフチル骨格の他の位置に置換基を導入することが試みられている。必要に応じて2位および2’位のアルコキシ基を加水分解により水酸基に変換できることもあって、このような他の位置への置換基の導入により、BINOL骨格またはBINOL類似の骨格を有するビナフチル誘導体の、より幅広い用途への応用が期待される。



非特許文献1には、2位および2’位に水酸基を有するBINOLに対して、ビナフチル骨格の3位、3’位、6位および6’位にヨウ素基(-I)またはペンタフルオロエチル基(-C25基)を導入する方法が開示されている。この方法では、ヒドロキシ基をメトキシメチル(MOM)基により保護する保護反応および保護基であるMOM基を脱離させる脱離反応を含む多段的な反応が必須であり、直接的な置換基の導入は実現していない。非特許文献2には、2位および2’位にメトキシ基を有する1,1’-ビナフチル誘導体に対して、Sc(OTf)3触媒の存在下、その骨格の6位および6’位にヨウ素基(-I)を導入する方法が開示されている。



特許文献1には、2位および2’位にメトキシ基を有する1,1’-ビナフチル誘導体に対して、ルイス酸の存在下、その骨格の3位および3’位、または3位、3’位、6位および6’位にヨウ素基(-I)を導入する方法が開示されている。特許文献1には、ルイス酸に代えて、ブレンステッド酸であるトリフルオロメタンスルホン酸を使用した場合、置換基導入の反応が進行しないことが、併せて記載されている。

産業上の利用分野


本発明は、1,1’-ビナフチル誘導体の製造方法、具体的な例として、ビナフチル骨格の特定の位置に置換基が導入された1,1’-ビナフチル誘導体の製造方法、ナフタレン誘導体からの1,1’-ビナフチル誘導体の製造方法、および上記特定の位置に置換基が導入された誘導体からのさらなる1,1’-ビナフチル誘導体の製造方法に関する。本発明は、また、これらの製造方法により実現する新規な1,1’-ビナフチル誘導体に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
1,1’-ビナフチル骨格の2位および2’位に、前記骨格に直接結合した酸素原子を含む電子供与性基をそれぞれ有する1,1’-ビナフチル前駆誘導体と、
有機酸と、
ヨウ素化剤または臭素化剤と、を混合して、
前記骨格の8位および/または8’位に置換基が導入された1,1’-ビナフチル誘導体を得る、1,1’-ビナフチル誘導体の製造方法。

【請求項2】
前記前駆誘導体と前記有機酸と前記ヨウ素化剤とを混合する、請求項1に記載の1,1’-ビナフチル誘導体の製造方法。

【請求項3】
前記電子供与性基が-OR基であり、
前記Rは、水素原子、炭素数1~50のアルキル基、アリル基、ベンジル基、トリフルオロメタンスルホニル基、シリル基、または水酸基の保護基である請求項1または2に記載の1,1’-ビナフチル誘導体の製造方法。

【請求項4】
前記Rが水素原子、メチル基、またはトリフルオロメタンスルホニル基である請求項3に記載の1,1’-ビナフチル誘導体の製造方法。

【請求項5】
前記ヨウ素化剤が、1,3-ジヨード-5,5-ジメチルヒダントインおよびN-ヨードスクシンイミドから選ばれる少なくとも1種である請求項1~4のいずれかに記載の1,1’-ビナフチル誘導体の製造方法。

【請求項6】
前記有機酸が、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸およびパラトルエンスルホン酸から選ばれる少なくとも1種である請求項1~5のいずれかに記載の1,1’-ビナフチル誘導体の製造方法。

【請求項7】
前記置換基が、有機酸基、水酸基およびヨウ素基または臭素基から選ばれる少なくとも1種である請求項1~6のいずれかに記載の1,1’-ビナフチル誘導体の製造方法。

【請求項8】
前記骨格の4位、4’位、5位、5’位、6位および6’位から選ばれる少なくとも1つの位置にさらに前記置換基が導入された前記ビナフチル誘導体を得る、請求項1~7のいずれかに記載の1,1’-ビナフチル誘導体の製造方法。

【請求項9】
ナフタレン骨格の2位に置換基を有するナフタレン誘導体と、有機酸と、ヨウ素化剤または臭素化剤と、を混合して前記誘導体のカップリング反応を進行させて、1,1’-ビナフチル骨格の2位および2’位に置換基をそれぞれ有する1,1’-ビナフチル誘導体を得る、1,1’-ビナフチル誘導体の製造方法。

【請求項10】
前記置換基が、前記骨格に直接結合した酸素原子を含む電子供与基である請求項9に記載の1,1’-ビナフチル誘導体の製造方法。

【請求項11】
前記置換基が-OR基であり、前記Rは、水素原子、炭素数1~50のアルキル基、アリル基、ベンジル基、トリフルオロメタンスルホニル基、シリル基、または水酸基の保護基である請求項9または10に記載の1,1’-ビナフチル誘導体の製造方法。

【請求項12】
前記Rが水素原子、メチル基、またはトリフルオロメタンスルホニル基である請求項11に記載の1,1’-ビナフチル誘導体の製造方法。

【請求項13】
前記ビナフチル骨格の8位および/または8’位にさらに置換基が導入された前記ビナフチル誘導体を得る、請求項9~12のいずれかに記載の1,1’-ビナフチル誘導体の製造方法。

【請求項14】
以下の式(1)に示す1,1’-ビナフチル誘導体に対して、Y1、Y2、-OR1、-OR2および少なくとも1つのXから選ばれる少なくとも1つの基が関与する反応を進行させて、当該反応を反映した、前記式(1)に示す誘導体とは異なる1,1’-ビナフチル誘導体を得る、1,1’-ビナフチル誘導体の製造方法。
式(1)において、Xはヨウ素基または臭素基、R1およびR2は、互いに独立して、水素原子、炭素数1~50のアルキル基、アリル基、ベンジル基、トリフルオロメタンスルホニル基、シリル基、または水酸基の保護基であり、Y1およびY2は、互いに独立して、前記誘導体のビナフチル骨格に直接結合した酸素原子を含む有機酸基、または水酸基である。
【化1】



【請求項15】
前記Xがヨウ素基であり、前記R1およびR2が水素原子、メチル基、またはトリフルオロメタンスルホニル基であり、Y1およびY2が互いに独立して、前記有機酸基または水酸基である請求項14に記載の1,1’-ビナフチル誘導体の製造方法。

【請求項16】
前記反応が、置換反応および加水分解反応から選ばれる少なくとも1つの反応である請求項14または15に記載の1,1’-ビナフチル誘導体の製造方法。

【請求項17】
ビナフチル骨格の8位および/または8’位に置換基を有する1,1’-ビナフチル誘導体。

【請求項18】
前記置換基が、前記骨格に直接結合した酸素原子を含む基、炭素数1~50の脂肪族基、または炭素数6~30のアリール基である請求項17に記載の1,1’-ビナフチル誘導体。

【請求項19】
前記置換基が、前記骨格に直接結合した酸素原子を含む基P1であり、
前記骨格における3以上の他の位置に、前記骨格に直接結合した酸素原子を含む基P2を有する請求項17に記載の1,1’-ビナフチル誘導体。P1およびP2は、同一であっても異なっていてもよい。
国際特許分類(IPC)
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出願権利状態 公開
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