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mTORC1活性化抑制剤 UPDATE

国内特許コード P190015758
整理番号 H28-019
掲載日 2019年1月8日
出願番号 特願2016-206578
公開番号 特開2018-065772
出願日 平成28年10月21日(2016.10.21)
公開日 平成30年4月26日(2018.4.26)
発明者
  • 渋谷 周作
  • 岩田 祐之
出願人
  • 国立大学法人山口大学
発明の名称 mTORC1活性化抑制剤 UPDATE
発明の概要 【課題】本発明の課題は、mTORC1活性化を抑制する剤や、mTORC1活性化を抑制することによる細胞増殖抑制剤を提供することにある。
【解決手段】ダイナミン依存性エンドサイトーシス阻害剤を有効成分とするmTORC1活性化抑制剤を作製する。ダイナミン依存性エンドサイトーシス阻害剤が、ダイナソア、PitStop(登録商標)‐2、又はクロルプロマジンであることが好ましい。
【選択図】図7
従来技術、競合技術の概要


真核細胞はTOR(target of rapamycin:哺乳類細胞ではmTORと呼ばれる)というタンパク質を持つ。TORは酵母からヒトまで生物種を超えて広く保存されており、このことから、TORが細胞の基本的機能に欠かすことの出来ない重要なタンパク質であることが示唆されている。事実、マウスでmTORを欠損させると胚発生初期で発生停止に陥ることが知られている。



mTORは2つの異なる機能を持った複合体として存在し、それぞれmTOR complex 1(mTORC1)、mTOR complex 2(mTORC2)と呼ばれる。mTORC1とmTORC2の違いはmTORに結合する調節タンパク質の違いによる。mTORC2の活性化メカニズムについては未だ不明な点が多いが、mTORC1の活性化メカニズムは比較的よく研究されている。



mTORC1は、細胞外液に含まれるアミノ酸等の栄養素及びインスリン等の成長因子が存在する時に細胞内で活性化されることが報告されている(非特許文献1参照)。活性化されたmTORC1は、様々なタンパク質をリン酸化することにより、細胞の生存や増殖を助けることが知られている。しかしながら、その活性化メカニズムが明らかになったのは最近のことである。最近の知見によると、mTORC1の活性化は、リソソームと呼ばれる、膜小胞の形をした細胞内小器官で起こることが明らかとなった。リソソーム内腔と細胞質内にはアミノ酸センサータンパク質が存在し、それらのセンサータンパク質がアミノ酸を感知すると、mTORC1をリソソーム膜上に移動させる。リソソーム膜上にはRhebと呼ばれるmTORC1の活性化分子が局在するため、mTORC1が活性化される、というメカニズムがこれまで明らかとなっている(非特許文献2、3参照)。しかし、アミノ酸は極性分子であり、それ自身は生体膜を通り抜けることが出来ない性質を持つため、細胞外液のアミノ酸がどのようにしてリソソーム内腔や細胞質内に効率よく到達できるのか、未だ明らかではない。こうしたなか、mTORの活性に関与するL-グルタミン及びL-ロイシンの細胞内への取り込みに関しては、SLC1A5やSLC7A5/SLC3A2ヘテロダイマーがトランスポーターとして働くことが開示されている(非特許文献4参照)。



mTOR阻害剤としてはラパマイシン(Rapamycin)が知られているが(非特許文献5参照)、ラパマイシンはFKBP12と呼ばれるタンパク質を介してmTOR自体をターゲットとしており、長時間作用させるとmTORC1だけでなくmTORC2にも作用することが知られている。



一方、細胞質と細胞外液の境目である細胞膜では、常時、エンドサイトーシスと呼ばれる現象が起こっている。エンドサイトーシスは、細胞膜の一部が細胞質側に陥没し、ついで、陥没した部分が細胞膜から切り離されることによって、小胞として細胞質側に落ち込むという現象である。このようにして出来た小胞は、内腔に細胞外液を含む。このような小胞はエンドソームと呼ばれる細胞内小器官とまず融合し、最終的にはリソソームと融合することが知られているため、エンドサイトーシスは細胞外液をリソソーム内腔に効率的に運ぶ手段として有力である。エンドサイトーシスとしては、いくつか知られているが、細胞外液に含まれるどの物質が上記のいずれのエンドサイトーシスによって細胞質内にとりこまれているかの詳細は明らかとなっていない。



また、エンドサイトーシス阻害剤の用途として、腫瘍に対する免疫応答を増強させるための免疫療法剤(特許文献1参照)や、仮足形成阻害剤若しくは腫瘍の浸潤抑制剤(特許文献2参照)が開示されているが、エンドサイトーシス阻害剤とmTORC1の活性や、エンドサイトーシス阻害剤と細胞増殖との関係は知られていない。

産業上の利用分野


本発明はダイナミン依存性エンドサイトーシス阻害剤を有効成分とするmTORC1活性化抑制剤や、かかるmTORC1活性化抑制剤を含む細胞増殖抑制用組成物に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
ダイナミン依存性エンドサイトーシス阻害剤を有効成分とするmTORC1活性化抑制剤。

【請求項2】
ダイナミン依存性エンドサイトーシス阻害剤が、ダイナソア、PitStop(登録商標)-2、又はクロルプロマジンであることを特徴とする請求項1記載のmTORC1活性化抑制剤。

【請求項3】
請求項1又は2記載のmTORC1活性化抑制剤を含む細胞増殖抑制用組成物。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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出願権利状態 公開
山口TLOは平成11年11月に山口大学の教官50名の出資により設立された、リエゾン一体型のTLO活動会社です。山口大学を主とし、山口県内の大学・高専の研究成果をご紹介致します。特許の内容に興味を持たれた方は、下記までご連絡ください。


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