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ピコクロラム属微細藻類 UPDATE

国内特許コード P190015759
整理番号 H27-031
掲載日 2019年1月8日
出願番号 特願2016-039659
公開番号 特開2017-153416
出願日 平成28年3月2日(2016.3.2)
公開日 平成29年9月7日(2017.9.7)
発明者
  • 藤井 克彦
出願人
  • 国立大学法人山口大学
発明の名称 ピコクロラム属微細藻類 UPDATE
発明の概要 【課題】40%の二酸化炭素を含有するガスの雰囲気下で生育可能な微細藻類や、かかる微細藻類を用いた二酸化炭素の固定化方法の提供。
【解決手段】40%の二酸化炭素を含有するガスの雰囲気下で増殖可能なピコクロラム(Picochlorum)属微細藻類。当該微細藻類は、特定の配列からなる塩基配列と98%以上の同一性を有する塩基配列を含有する18SrDNAを有する微細藻類や、(a)特定の配列に記載の塩基配列を含有する16SrDNAを有する細菌;(b)特定の配列に記載の塩基配列と98%以上の同一性を有する塩基配列を含有する16SrDNAを有する細菌;と共生している微細藻類であることが好ましい。かかる微細藻類は40%COガスを封入した容器内で増殖能力が高く、COを効率よく固定化することが可能となる。
【選択図】図4
従来技術、競合技術の概要


微細藻類は光合成を行うことにより微細藻類自身の生命活動に必要な各種有機物を生合成できるという特徴を有している。この微細藻類の特徴を生かして、二酸化炭素(CO)を固定化することや、微細藻類で有機物を生合成する研究が行われている。



工業由来の排気ガス(以下、産業ガス)はCOを含んでおり、中でも火力発電所や製鉄所のガスは15~40%のCOを含んでいる。定期的に開催される気候変動枠組条約締結国会議COPでは、締結国がCO排出量の削減を目指すこと、削減目標を到達できなかった国は排出権取引により実質的なペナルティを課せられることが検討されている。従って、産業ガスに含まれるCOの削減は官民挙げての努力目標であり、COの低減あるいは資源化技術の開発が求められている。



他方、温暖化が進む今日であってもCOは大気中の0.03%程度であるが、原始地球では大気の主成分であり、30%程度を占めていたと考えられている。COは有機物の乏しい環境で微細藻類が光合成により増殖するための炭素源となる。この低濃度のCOに順応した現在の微細藻類種はCO濃度を2~3%にするだけで増殖が促進されるが、それ以上の高濃度になると培養液のpH低下等により生育が抑制されはじめる。従って、微細藻類の培養で産業ガスを利用する場合、COが2~3%程度になるように空気等で希釈したものを通気する必要があり、COの利用という点からは非効率である。



また、屋外で商業スケールの培養を行う場合、厳密な雑菌防除は困難であり、ある程度の野生藻類の混入を覚悟しなければならない。2~3%のCOは目的藻類のみならず野生藻類にとっても好適な濃度であることから、野生増殖の増殖をも刺激するリスクを備えている。従って、目的藻類が高濃度COでも生育が抑制されずに増殖できるのであれば、混入した野生藻類が繁殖するリスクも低減でき、屋外培養が成功する可能性が高くなる。



高濃度COでも生育が可能な微細藻類として、例えば5~60%の濃度のCOに耐性を有する微細藻類クロロコックム ドルシベントラレ クラノ エト チハラ エスピー ノブ(Chlorococcum dorsiventrale Kurano et Chihara sp. nov.)株(特許文献1参照)や、Synechocystis属に属する新規微細藻類(特許文献2参照)や、生育至適CO濃度が20~40%である微細藻クロレラ ソロキニアナHAK-2株(特許文献3参照)が開示されている。特許文献1記載の株は5%、20%の二酸化炭素分圧下では増殖能力が高いが、40%の二酸化炭素分圧下では、20%の二酸化炭素分圧下と比較して1/3程度まで増殖能力が低下するという問題があった。また、特許文献2記載の株はCOの至適濃度が約10%であり、COを10~20%程度含有している排ガスを用いる場合には空気と混合させてCOの濃度が1~5%程度になるように調整することが必要とされており、二酸化炭素の固定としては非効率的であるという問題があった。さらに、特許文献3記載の株は40℃という高温環境下で選択された株であり、培養温度が40℃より低いと増殖そのものが低下するという問題があった。

産業上の利用分野


本発明は、40%濃度の二酸化炭素の雰囲気下で生育可能なピコクロラム(Picochlorum)属微細藻類や、かかる微細藻類を用いた二酸化炭素の固定化方法に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
40%の二酸化炭素を含有するガスの雰囲気下で増殖可能なピコクロラム(Picochlorum)属微細藻類。

【請求項2】
配列番号1又は2記載の塩基配列と98%以上の同一性を有する塩基配列を含有する18SrDNAを有することを特徴とする請求項1記載のピコクロラム属微細藻類。

【請求項3】
乾燥菌体あたりのγ-アミノ酪酸含量が3.5mol%以上であることを特徴とする請求項1又は2記載のピコクロラム属微細藻類。

【請求項4】
以下の(a)又は(b)記載の細菌と共生していることを特徴としている請求項1~3のいずれか記載のピコクロラム属微細藻類。
(a)配列番号3~13のいずれか記載の塩基配列を含有する16SrDNAを有する細菌;
(b)配列番号3~13のいずれか記載の塩基配列と98%以上の同一性を有する塩基配列を含有する16SrDNAを有する細菌;

【請求項5】
Azisu-1株又はAzisu-2株であることを特徴とする請求項1~4のいずれか記載のピコクロラム属微細藻類。

【請求項6】
請求項1~5のいずれか記載のピコクロラム属微細藻類を含有する飼料。

【請求項7】
請求項1~5のいずれか記載のピコクロラム属微細藻類を含有する食品。

【請求項8】
請求項1~5のいずれか記載のピコクロラム属微細藻類を含有する化粧品。

【請求項9】
請求項1~5のいずれか記載のピコクロラム属微細藻類を培養する工程を有する二酸化炭素の固定化方法。

【請求項10】
0.02~60%の二酸化炭素を含有するガスを供給しつつ培養することを特徴とする請求項9記載の二酸化炭素の固定化方法。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2016039659thum.jpg
出願権利状態 公開
山口TLOは平成11年11月に山口大学の教官50名の出資により設立された、リエゾン一体型のTLO活動会社です。山口大学を主とし、山口県内の大学・高専の研究成果をご紹介致します。特許の内容に興味を持たれた方は、下記までご連絡ください。


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