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アミロイドβ蛋白並びにタウ蛋白及び/又はリン酸化タウ蛋白の測定方法 NEW

国内特許コード P190015787
整理番号 S2017-0595-N0
掲載日 2019年1月23日
出願番号 特願2017-068409
公開番号 特開2018-169349
出願日 平成29年3月30日(2017.3.30)
公開日 平成30年11月1日(2018.11.1)
発明者
  • 遠山 育夫
  • 清水 志乃
  • 亀島 直子
出願人
  • 国立大学法人滋賀医科大学
発明の名称 アミロイドβ蛋白並びにタウ蛋白及び/又はリン酸化タウ蛋白の測定方法 NEW
発明の概要 【課題】一度の採取により得られた鼻腔内検体を用いた、アミロイドβ蛋白並びにタウ蛋白及び/又はリン酸化タウ蛋白の量を同時測定する方法を提供する。
【解決手段】以下の工程(I)及び(II)を含む、鼻腔内検体中のアミロイドβ蛋白並びにタウ蛋白及び/又はリン酸化タウ蛋白の量を同時測定する方法:(I) 鼻腔から採取した鼻腔内検体を、可溶化剤及び界面活性剤を含む抽出液中に溶出させる工程、及び(II) 工程(I)で得られた抽出液から、免疫学的測定法により、鼻腔内検体中のアミロイドβ蛋白並びにタウ蛋白及び/又はリン酸化タウ蛋白の量を測定する工程。
【選択図】なし
従来技術、競合技術の概要


アルツハイマー病は、初老期から老年期に起こる進行性の認知症を特徴とする疾患であり、現在、国内の患者数は460万人以上と言われている。さらに今後、人口の高齢化に伴いその数は確実に増加すると予想される。アルツハイマー病は、これまで根本治療法がなかったが、1999年にワクチン療法がモデルマウスで成功して以来、根本治療法開発への期待が高まっている。これら根本治療法を有効に活用するためには、早期且つ簡便にアルツハイマー病を診断する方法が不可欠である。



アルツハイマー病の臨床症状は、記憶障害、高次脳機能障害(失語、失行、失認、構成失行)等である。その症状は他の認知症疾患でも共通して見られることが多く、臨床症状だけでアルツハイマー病と確定診断することは極めて困難である。



一方、アルツハイマー病の特徴的な病理組織所見としては、老人斑と神経原線維変化がある。前者の主構成成分はβシート構造をとったアミロイドβ蛋白であり、後者のそれは過剰リン酸化されたタウ蛋白である。アルツハイマー病においては臨床症状が発症するかなり前から、脳内では凝集したアミロイドβ蛋白の蓄積等の上記病理的組織変化が始まっていることが知られている。また、過剰リン酸化されたタウ蛋白の蓄積は、アミロイドβ蛋白の蓄積よりは遅れて生じてくると考えられているが、神経原線維変化はアミロイドβ蛋白の蓄積と比べて疾患の重症度と密接に関連していると考えられている。そのため、アミロイドβ蛋白とタウ蛋白の両方を検出することで、アルツハイマー病の早期診断と重症度の診断が可能となる。



このような観点から、近年、脳内アミロイドβ蛋白に選択的に結合する造影剤を用いたポジトロン断層撮影法(PET)、シングルフォトン断層撮影法(SPECT)、及び核磁気共鳴イメージング法(MRI)による老人斑の画像化についての研究が進められている。また、タウ蛋白に結合するPETやSPECT用の放射性造影剤の研究も進められている。



本発明者らは、侵襲性が低いアルツハイマー病の診断方法として、鼻腔から綿棒などにより採取した鼻腔内検体を用いることでアミロイドβ蛋白及びタウ蛋白の濃度を測定できることを報告している(特許文献1、2、非特許文献1)。特許文献1、2、及び非特許文献1で報告されている方法では、アミロイドβ蛋白を検出するために、可溶化剤としてギ酸を添加することが行われている。これは、検体中ではアミロイドβ蛋白が凝集しているため、ギ酸により凝集を解きほぐして、可溶性アミロイドβモノマーとすることで、アミロイドβ蛋白の検出が可能となるためである。



しかしながら、ギ酸は蛋白を分解させてしまうことから、タウ蛋白又はリン酸化タウ蛋白を測定できなくなる。そのため、アミロイドβ蛋白とタウ蛋白又はリン酸化タウ蛋白の両方を測定するためには、2箇所から検体を採取する必要があり、患者の負担となる可能性がある。

産業上の利用分野


本発明は、鼻腔内検体中のアミロイドβ蛋白並びにタウ蛋白及び/又はリン酸化タウ蛋白の量を同時測定する方法に関する。また、本発明は、鼻腔内検体中のアミロイドβ蛋白並びにタウ蛋白及び/又はリン酸化タウ蛋白の量の同時測定システムに関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
以下の工程(I)及び(II)を含む、鼻腔内検体中のアミロイドβ蛋白並びにタウ蛋白及び/又はリン酸化タウ蛋白の量を同時測定する方法:
(I) 鼻腔から採取した鼻腔内検体を、可溶化剤及び界面活性剤を含む抽出液中に溶出させる工程、及び
(II) 工程(I)で得られた抽出液から、免疫学的測定法により、鼻腔内検体中のアミロイドβ蛋白並びにタウ蛋白及び/又はリン酸化タウ蛋白の量を測定する工程。

【請求項2】
前記可溶化剤が、グアニジン又はその塩である、請求項1に記載の方法。

【請求項3】
前記界面活性剤が、ドデシルマルトシドである、請求項1又は2に記載の方法。

【請求項4】
工程(II)において、更に、総蛋白量の測定を行う、請求項1~3のいずれか一項に記載の測定方法。

【請求項5】
工程(I)において、鼻腔内検体を溶出させた抽出液に対して、更に、熱処理、フィルター濾過及び脱塩からなる群から選択される少なくとも1種の処理を行う、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。

【請求項6】
前記鼻腔内検体が一度の採取により得られたものである、請求項1~5のいずれか一項に記載の方法。

【請求項7】
鼻腔から採取した鼻腔内検体を、可溶化剤及び界面活性剤を含む抽出液中に溶出させる手段と、
上記手段で得られた抽出液から、免疫学的測定法により、鼻腔内検体中のアミロイドβ蛋白並びにタウ蛋白及び/又はリン酸化タウ蛋白の量を測定する手段
とを備える、鼻腔内検体中のアミロイドβ蛋白並びにタウ蛋白及び/又はリン酸化タウ蛋白の量の同時測定システム。
国際特許分類(IPC)
出願権利状態 公開


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