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支持体上に単原子が分散した構造体、支持体上に単原子が分散した構造体を製造する方法およびスパッタ装置 NEW

国内特許コード P190015802
整理番号 (S2016-0343-N0)
掲載日 2019年1月24日
出願番号 特願2017-565507
出願日 平成29年1月26日(2017.1.26)
国際出願番号 JP2017002670
国際公開番号 WO2017135136
国際出願日 平成29年1月26日(2017.1.26)
国際公開日 平成29年8月10日(2017.8.10)
優先権データ
  • 特願2016-016872 (2016.2.1) JP
  • 特願2016-176829 (2016.9.9) JP
発明者
  • 郷原 一壽
  • 前原 洋祐
  • 山崎 憲慈
出願人
  • 国立大学法人北海道大学
発明の名称 支持体上に単原子が分散した構造体、支持体上に単原子が分散した構造体を製造する方法およびスパッタ装置 NEW
発明の概要 発明は、支持体上に単原子が分散した構造体に関する。上記構造体は、スパッタリングが可能な原子を吸着可能なアンカーサイトが形成された支持体と、上記アンカーサイトに吸着されて、上記前記支持体上に単原子で分散した、前記スパッタリングが可能な原子と、を含む。上記構造体は、より多様な種類の原子を単原子で分散させることが可能である。
従来技術、競合技術の概要


微小サイズの粒子は、バルク状の物質とは異なる性質を有することがある。たとえば、白金(Pt)や金(Au)などの遷移金属は、ナノ粒子にすると様々な触媒能を発現することが知られている。非特許文献1には、上記ナノ粒子の粒径が小さくなるほど、金属原子が有する配位不飽和サイトの数が増加し、その結果として、粒子の触媒能が大きくなると記載されている。



このような観点からは、粒子の粒径を小さくしていけば、上記触媒能がより高まると期待される。実際に、究極的に小さい粒径を有する粒子である単原子の分散体を作製し、その触媒能を測定する研究が行われている。非特許文献1、非特許文献2および非特許文献3は、単原子で分散させたPt原子やパラジウム(Pd)原子が様々な反応を選択的かつ高効率に触媒することを報告している。



また、より平均粒径が小さい粒子の分散体、特には単原子の分散体、を製造することができれば、高機能な触媒への応用のみならず、膜厚がより小さい薄膜の形成や、化学的または物理的な反応の分子レベルでの研究が可能となるなど、様々な分野への応用が期待される。



しかし、非特許文献1および非特許文献2にも記載されているように、粒子サイズが小さくなると、分子の表面自由エネルギーがより高くなり、粒子同士はより凝集しやすくなる。そのため、平均粒径が小さい粒子の分散体(特には単原子の分散体)を製造することは容易ではなく、特別の方法が必要である。たとえば、非特許文献1および非特許文献2では、PtまたはPdを分子内に有する前駆体化合物と表面処理によって炭素原子を部分的に欠損させたグラフェンからなる基板とを化学結合させる方法(原子層堆積法など)によって、基板の表面に単原子のPtまたはPdを分散させている。また、非特許文献3では、成膜速度を1分間あたり0.02層に制御した電子ビーム蒸着法によって、銅(Cu)からなる基板の表面に単原子のPtを分散させている。



なお、非特許文献3で採用されている電子ビーム蒸着法は、物理気相成長法の一種であるが、物理気相成長法としては、超高真空下で行われる蒸着法の他に、スパッタガスの存在下で行われるスパッタリングが知られている。ただし、非特許文献4および非特許文献5に記載されているように、スパッタリングでは、ターゲットからはじき飛ばされた原子が、スパッタガスと衝突して電荷を帯びたり、逆にスパッタガスの分子によって軌道を変更させられて原子同士で凝集したりしやすいと考えられていた。

産業上の利用分野


本発明は、支持体上に単原子が分散した構造体、支持体上に単原子が分散した構造体を製造する方法およびスパッタ装置に関する。

特許請求の範囲 【請求項1】
スパッタリングが可能な原子を吸着可能なアンカーサイトが形成された支持体と、
前記アンカーサイトに吸着されて、前記支持体上に単原子で分散した、前記スパッタリングが可能な原子と、を含む、
支持体上に単原子が分散した構造体。

【請求項2】
前記支持体は、ナノグラフェンからなる1または複数の層がグラフェン上に島状に積層した積層体であり、
前記アンカーサイトは、グラフェン上またはナノグラフェンからなる層の表面のうち、その上に形成された前記ナノグラフェンからなる層の端部と接する領域である、
請求項1に記載の構造体。

【請求項3】
前記支持体は、活性炭である、請求項1または2に記載の構造体。

【請求項4】
前記原子の90%以上が単原子で分散した分散体である、請求項1~3のいずれか1項に記載の構造体。

【請求項5】
前記スパッタリングが可能な原子は、遷移金属の原子である、請求項1~4のいずれか1項に記載の構造体。

【請求項6】
前記スパッタリングが可能な原子は、白金(Pt)、金(Au)、イリジウム(Ir)またはルテニウム(Ru)である、請求項1~5のいずれか1項に記載の構造体。

【請求項7】
スパッタリングが可能な原子を含むターゲットと、スパッタリングが可能な原子を吸着可能なアンカーサイトが形成された支持体と、が配置され、かつ、スパッタガスが導入されたチャンバー内で、
予め求められた、少なくとも前記スパッタリングが可能な原子の一部を単原子で前記支持体上に分散させることが可能なスパッタリング条件で、前記ターゲットと前記支持体との間に電圧を印加して、ターゲットをスパッタする工程を含む、支持体上に単原子が分散した構造体を製造する方法。

【請求項8】
前記支持体は、ナノグラフェンからなる1または複数の層がグラフェン上に島状に積層した支持体であり、
前記アンカーサイトは、グラフェン上またはナノグラフェンからなる層の表面のうち、その上に形成された前記ナノグラフェンからなる層の端部と接する領域である、
請求項7に記載の方法。

【請求項9】
前記支持体は、活性炭である、請求項7または8に記載の方法。

【請求項10】
前記電圧は、150V以下である、請求項7~9のいずれか1項に記載の方法。

【請求項11】
前記電圧は、1.5秒以下印加される、請求項7~10のいずれか1項に記載の方法。

【請求項12】
前記スパッタガスは、70体積%以上の窒素(N)を含むガスである、請求項7~11のいずれか1項に記載の方法。

【請求項13】
前記ターゲットは、遷移金属を含む、請求項7~12のいずれか1項に記載の方法。

【請求項14】
前記ターゲットは、白金(Pt)、金(Au)、イリジウム(Ir)またはルテニウム(Ru)である、請求項7~13のいずれか1項に記載の方法。

【請求項15】
さらに、前記ターゲットをスパッタする工程の前に、
送り出しローラに巻かれた銅箔を順次送り出す工程と、
化学気相蒸着法(CVD)によって前記銅箔上にグラフェンを成膜して前記支持体とする工程とを含む、
請求項7~14のいずれか1項に記載の方法。

【請求項16】
密閉可能なチャンバーと、
前記チャンバー内に設けられた、スパッタリングが可能な原子を含むターゲットが配置されるターゲット配置部と、
前記チャンバー内に設けられた、スパッタリングが可能な原子を吸着可能なアンカーサイトが形成された支持体が配置される支持体配置部と、
前記チャンバー内にスパッタガスを導入するスパッタガス導入部と、
前記ターゲットと前記支持体との間に電圧を印加する、電圧印加部と、
前記スパッタガス導入部および電圧印加部を制御して、予め求められた、少なくとも前記スパッタリングが可能な原子の一部を単原子で前記支持体上に分散させることが可能なスパッタリング条件で、前記ターゲットと前記支持体との間に電圧を印加させる、制御部と、
を備えるスパッタ装置。
国際特許分類(IPC)
Fターム
画像

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JP2017565507thum.jpg
出願権利状態 公開
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